ダチと麻雀打つってのはいいモンです。
レートも安めに設定して、お互いが延び延びと己の個性をぶつけあい打ち合う・・・
麻雀の醍醐味ですね。
その日も中学ン時からの付き合いのダチ達と卓を囲んでました。
この日はガンちゃんのひとり負け。
ガンちゃんは感情がモロに手に出るタイプの直情的麻雀打ちなのですが、
この日はもう全身からシュコー・シュコーという音が聞こえてきそうなぐらい、
仕上がり具合が完璧でした。ダースベイダーかよてめえはよう。
ああ、もう顔も真っ赤です。完全に場を見れてない状態です。面白すぎます。
ガンちゃん白をポン。
すかさず下家から追っかけリーチ！
その下家の安牌である発を俺が捨てます。
ガンちゃんソイツも叩きました。
おいおい大三元かよ。
場が騒然としてきました。独特の緊張感が走ります。
ガンちゃん、さらに下家から２萬をチー。
大三元があるとすればシャボか、中暗刻の単騎待ち。下家はもうビクビクしています。
その下家が牌をツモって悲鳴をあげました。
「ギィィィィ」
ああ、実にいい叫び声です。これが麻雀の醍醐味です。
リーチかけてるので捨てるしかありません。運命の牌”中”を。
ガンちゃん軽々とソレをスルー。
・・・あれ？、じゃ・・あ、単騎？
でもそれにしちゃあ感情がすぐ顔にでるガンちゃんの面がポーカーフェイスすぎます。
場にインチキくさい雰囲気が流れはじめました。
そんな雰囲気をヨソにガンちゃん軽々と対面の９萬をポン。
蓋をあければホンイツ・白発の満貫：裸単騎、待牌が萬字以外なら白発だけ？
派手な仕掛けにショボい上がり、実にガンちゃんらしくて心温まります。
でもガンちゃんわかってません、自分の状況を。
容赦なく対面オープンリーチ！ ３・６筒：両面待ち。
オープンに振り込んだら、リーチかけてない限り役満払いです。
ガンちゃんの顔がさらに赤みを増します。
ボクもニヤニヤしながらオープンで追っかけ。１・４・７萬：３面張。
ガンちゃん真っ赤を通りこしてドス黒くなってます。近年稀に見る仕上がり具合です。
ガンちゃんついにプレッシャーに負けて叫び始めました。
「お、俺は絶対振らねェぞ！ 振ってたまるかそんなモノに！そんなモノにィ！」
ガンちゃんのダースベイダーの排気音がさらに激しくなりました。
つーか追い込まれ方が尋常じゃないです、面白すぎます。
ああ、この楽しい時間がいつまでも続けば良かったのに・・・
終わりはいつも突然です。
ガンちゃん、ある牌をツモって顔をクシャクシャにしました。そしていきなり・・
パクッ、ペッ
さあ当たってみろォォォォ！
・・・その行為は人間界では反則というのだよ、ベイダー君。
＃ダチと麻雀打つってのはいいモンです。本ッ当にネ。
余談ですが、その後ボクは、そのねちょねちょになった牌をムンズとひっつかンで、
思いっきりガンちゃんの顔面になげつけると同時に
ロオオオオオオオオン！とかやってました。
ボクの方が百倍鬼畜だと思いました。