(エレベーター:イカサマ技の一種。どうやるのか詳しくは知らない)
新大久保駅のフリー雀荘で打っていた時の事です。
確か夜中の3時くらいでした。
長時間打ち続けていた為、かなりハイ状態。
思考はほとンどありませン。
ただ無意識の内に記憶したアルゴリズムで手を進めるだけの状態でした。
と、唐突にとなりの卓で退廃的な雰囲気を引き裂くような声が上がりました。
コイツ、エレベーターやってるぜ!
横を一瞥。
青白い顔をした虫系として疑う余地もない男が、眼鏡ヅラした宅八郎みたいなヤツ
に腕を掴まれています。
掴まれた腕の先から何か白いものが落下。たぶん牌でしょう。
眼鏡野郎は鬼の首でもとったかのような大変なはしゃぎようです。
もうろうとした頭で、ふと思った事。
捕まえたヤツに対して。
→ お前のその異常なまでの勝ち誇り方は何事ですか? イヤすぎ。
捕まったヤツに対して。
*レートは点5なンですよ。
でも、たとえリスクに対してのリターンを計算できない虫野郎だとしても、貴方には同情いたします。
ボクならば死にます。あンな興奮アホ面勝ち誇りヤロウに捕まったら。
虫は店員に連れていかれました。
宅八郎は興奮ぎみに捕まえるにいたるまでのプロセスを、ひたすら周囲に説明しています。
たぶん同卓のヤツは聞きたくもないのでしょう。
自分の手に思考を戻します。
これ以上負けるわけにはいきませン。
気付くと手の平にうっすらと汗。
そして、たぶん落下した牌も汗まみれだった筈です。
#注釈。
イカサマはいけない事ですが、それと同じくらいフリー雀荘でやってはいけない事
があります。アガれなかった手を倒しての解説です。
上記に書いた宅八郎クンは間違いなく、この手の虫な筈です。
自覚していても、ムクムクっと沸き起こる自己虚栄心を、いかにおさえるか。
麻雀で最も難しい事の一つと言えるでしょう。