コミック卓2位賞品 『レベルE』全3巻

ジャンプに休まずマンガを載せるとニュースになる 連載マンガを抱えていることでお馴染み、 冨樫義博の前作。

マンガ好きであればあるほど、レベルEを高く評価する傾向があります。 理由のひとつは、レベルEがマンガの文法をふんだんに使う一方、 その使い方が独特だからです。

マンガの文法というのは、たとえば遅刻寸前の朝、 学校へ走って向かう途中に曲がり角で異性とごっつんこ。 これは、学校に着き「転校生を紹介する」「あー!」 「あんたはあのときの!」というシーンにつながります。

レベルEの場合、先ほどの例でいうと “ごっつんこ”までは文法どおりに使います。 学校に着いてからのシーン、 伏線の回収だけ、独自の方法を用いるのです。 よってマンガ好きの読者は、 古典的な文法のため読み流しつつも自然と伏線が頭に残り、 回収の時点で伏線を思い出し、 同時に本来と違う回収方法であったため、裏切られたと感じます。 裏切りはエンターテイメント、 高い評価につながるのも当然です。

全人類が読んでて当然だと思っていたのですが、 未読の方がいると聞いて驚きました。この機会にぜひ。 逃したら買え。

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