NO−FUTUREG企画









PC4:なつかしのPCゲーム





1.サラダの国のトマト姫(ハドソンソフト)


13歳の夏休み。小学校の時の友人が岡山に転校していたので、泊まりに行きました。学校の行事の一環などではない、親元から離れての外泊。新幹線の移動・見知らぬ土地で過ごす一晩。入学したばかりの中学校の事・小学校の友人の近況・さっき速報で流れた長野山中に飛行機墜落のニュースなど、深夜まで友人と語り合いました。



そして、翌朝ねぼけまなこを擦りながら朝食を取った後、友人が応接間に案内してくれました。そして、当時珍しいPCを見せてこういいました。



「面白いゲームあるんだ」







で、紹介されたのが「サラダの国のトマト姫」通称「サラトマ」です。わざわざ他県の友人の家まで行ってPCゲームすんな、って言いたいですがまあ三つ子の魂100までといいますか、昔から俺は俺らしくあったということでよろしく(何が)



ゲームとしてはコマンド入力方式のADV。って、PSやPC98からゲームしてる人は知らないんじゃないですかね。コマンド入力方式。



つまり、前に進みたいときは

まえ すすむ



木に登りたいときは

き のぼる



地下7階に行きたいときは

イロ イッカイヅツ(これはブラックオニキス)



とキーボードから直に入力するんです。これ簡単なコマンド(移動)とかならいいんですが、ちょっと複雑な行動しようとすると言葉探しゲームになります(例えば、木に登るときには「き のぼる」ではなく「えだ のぼる」でないとだめとか)



また当時のPCの低スペックはたいしたもので、データの読み込みはカセットテープで20分。画面が切り替わった際は、線を引いて中の色を塗っていくのが目で見える速度(ドラえもんの絵描き歌ぐらいの速度)という有様でした。



しかし、純国産のADVでストーリーがあるものものとしてはほぼ最初(これより前は惑星メフィスト(T&Eソフト)ぐらいでしょう)ということもあり、当時数少なかったPCゲーマーは一度はプレイしたのではないでしょうか。

  

ストーリーよりそのゲームを遊んでいた環境がノスタルジックな気分にさせる作品です。もう2度とプレイできないでしょうが、トマト姫とキュウリ戦士はいつまでも私の心に残っているでしょう



と、書いたところでネット検索してみたところiアプリで再現されていたとの事。やべー、すぐやってみないと!!



[ポイント]

食べる(コマンド)

登場人物がすべて食べもののゲーム。当然「食べる ○○(登場人物名)」とは共食いになります。またこれでリアクションがちゃんと返ってくるのには感動しました。でも個人的にトマトは嫌いなので 「食べる トマト姫」は試しませんでした(どうなっていたんだろう)



2.XANADU(日本ファルコム)


おそらくPCゲームで初めてミリオンセラーと呼べる作品。当時PCの規格はPC8801(NEC)FM7(富士通)MZシリーズ(シャープ)MSX(Panasonic)と数多くありましたが、そのすべてに移植された作品です。これくらい移植された作品は倉庫番(シンキングラビット)・ハイドライド(T&Eソフト)ぐらいでしょう。当時PCゲームがあまり流行ってなかったことを考えれば、まさにミリオンセラーでした。



ストーリーは無きに等しく「地下10階にいるドラゴンを倒せ」という目的のみ。この作品はジャンルで言えばA・RPG(アクション・ロールプレイング)になりますが、非常にパズル要素の強い作品です。



・1つのフロアにいる敵の数は決まっている

・敵を倒して経験値を得れば強くなる

・ただし強くなると食料の消費が早くなる(当然、餓死もある)

・武器にも経験値が設定してあり、入手したばかりの長剣より鍛え上げた短剣のほうが強い(武器を使うと経験値を入手)

・魔法にも経験値がある(武器と同じ)

・敵を倒したとき、武器で倒せば戦士の経験値が 魔法で倒せば魔法使いとして経験値が入る

・一定の経験値を入手すれば、戦士もしくは魔法使いとしての称号を取得する(俗にいうレベルアップ)

・防具にも経験値があり、直接攻撃を受ければ直接攻撃に対する防御力が、魔法攻撃を受ければ魔法に対する防御力が上がる

・無害なモンスターも存在する。楽に経験値が入手できるが、CRM(カルマ=業)が上がる。CRMを下げるには毒を飲む





以上がシステムの一例です。で、これがゲーム上でどういう状況になるかと言いますと、



・武器を強力に鍛え上げれば大して攻撃を受けずに敵を倒すことができるが、そうすると防具を鍛えることができないので強力な攻撃を受けたとき大ダメージを受ける。

・レベルアップすれば強くなるが、十分な食料がなければ餓死する。

・後半で強力な魔法を使う敵が出てくるので、前半で弱い敵相手にわざと魔法攻撃を受けて魔法防御力を上げておく。

・敵の数が決まっていて入手経験値は限りがあるので、戦士系で育てるか魔法使い系で育てるかを決めておかなければならない

などなどメリットとデメリットが表裏一体にからみあっています。このあたりのバランスは自分でプレイしていると自然と学んでいきます。またゲーム要素がパズル的にかっちり決まっているのですが、解く方法は複数あるので何度でも楽しめます。



[ポイント]

ボーパルウェポン(武器)

ゲーム中に出てくる武器で最強の攻撃力を誇る。初回プレイ時にはたいていみんなこの武器を最強まで育て上げる。しかしラスボスのドラゴンに対しては通常攻撃力ではるかに劣るドラゴンスレイヤーでないとほとんどダメージを与えられない。でも鍛えてないドラゴンスレイヤーではほとんどダメージを与えられない。結局クリア不可に。



3.ロマンシア(日本ファルコム)


当時、アメリカなどの西洋ゲーム(洋ゲー)は日本のゲームに比べて「難易度が高い」という傾向にありました。しかしその独創性や完成度の高さから非常に高い評価を受けていました(Wizardry、Ultima、Fantasy、Might and Magic等)しかし、洋ゲーは「難しいけど面白い」もしくは「難しさが面白い」だったんです。しかしそこを間違えて

「ゲームは難しいほど面白い」

と考えるようになりました。一部メーカーと一部ユーザーが。そして産まれた鬼子がこのゲームです。





「隣国ロマンシアに邪竜が攻め込んだ。邪竜を倒せ」

多分ストーリーはこんな内容じゃなかったかと。なにぶん古いゲームですので、間違えていたらすいません。要はドラゴン倒せば良いんです。当時の日本ファルコムのゲームは全部そうでした。



ゲームシステムはサイドビュー型のアクションアドベンチャーとですが、前述の時代背景の下生まれたソフト。難易度は半端じゃありません。



・王様からもらえる赤い薬。体力回復できるが、一度でも自分につかうとクリア不可

・攻撃ボタンを押すと剣が打てる。これでモンスターを倒せるが、1匹でもモンスターを倒すとクリア不可(実はモンスターは人間が呪いによって変化していたため)

・湖のそばにある3本のくい。実はジャンプすると上に乗れてさらにジャンプするとくいが沈む。中左右の順でくいを沈めると水門が開き、湖のそこにいける。もちろんノーヒント

・死んだとき、とあるアイテムを持ってると天界にいける。天界では色々なアイテムがもらえるが、不必要なアイテムを入手するとクリア不可。もちろんノーヒント





このゲームの極悪なところは、クリア方法を間違えてもすぐにはそれがわからない所にあります。必要なアイテムが手に入らなくてもゲームは進んで行き、何もできない状態になって始めて間違いに気づく。でも何が間違ってるのかがさっぱりわからない。しかもこのゲーム途中セーブが無いので一度電源切れば最初からやり直しです。



一応ヒントらしきものはあるのですが、このヒントってやつがまた製作者しか分からないようなヒントでして。例えば、このゲームに出てくるモンスターで豚みたいなのがいるんですが、攻撃して倒すと昇天してすごいいきおいで画面外へ飛んでいきます。この飛んでいくのを良く見ると天使のかっこうしています。



つまりこのモンスターは元は人で呪いによってモンスターと化しているのです。死ぬと呪いが解けて人として昇天していきます。だからモンスターは倒しちゃだめ。



わかるか、んなもん。





とりあえずこのゲームを一言で言いますと「PC版:たけしの挑戦状」です。2コンマイクがない分、こっちのほうが簡単かもしれませんが。



[ポイント]

エンディング

最後に倒した竜が画面を飛び回る。まんま日本昔話です。

ぼうや〜♪よい子だ寝んねしな〜♪

ちなみにこのエンディングを見るために大晦日&元旦徹夜しました。よい子じゃないから寝てません。



4.ZAVASH2(ポプコムソフト・グローディア)


一時期には劣るとはいえ、家庭用ゲーム系雑誌は乱立しています(ハード別ではPS・X−BOX・N64、出版社ではファミ通・電撃・)

PC系は18禁系で20近く(もっとかも)の雑誌が乱立していますが、一般ゲームに関しては寒い状態です(ログイン・コンプティーク・電撃くらい)

しかし、かつてはPC一般ゲーム雑誌が花開いていた時期もありました。

BeeP!(ソノシート、アーケード攻略)

BasicMagazine(プログラム、山下章)

コンプティーク(メディアミックス・袋とじ)

テクノポリス(メディアミックス・同人)

ログイン(情報量の多さ・広告の多さ)


そして

POPCOM(・・・・・・・アレ?)


ということで数あったパソコン雑誌のなかで個性が見当たらないのがPOPCOMでした(でも僕の初めての雑誌(ひと)でしたので、創刊号から廃刊号まで全部買いました。)

そしてこのPOPCOMでコラムを書いていた山遊亭円丈師匠がストーリー・システム原案をおこない、テスタメント(脅威の全方向スクロール)、エメラルドドラゴン(PC史上に名の残るRPG)で名をはせたグローディアが手を組んだのがZAVASH2です(あー、長い前フリ)



前述のコラムで円丈師匠は「普通に解くだけでもOK!」「でも隠し要素は満載!」「システムは既存ゲームにない要素を!」とぶち上げてらっしゃいました。当時こういうことを言うコラムは珍しくなかったですが、実現したという点で円丈師匠に比類する方はいないのではないでしょう。



このゲーム、システムが非常に独創的なので言葉で伝えにくいのですが、あえて言えば海洋貿易型RPGになるでしょう。わかります?(ムリ



世界が滅亡するメヒテの日。その滅亡を防ぐため、勇者マジョーンが4人の仲間とともにメヒテ教団に挑む。残された日はわずか1ヶ月・・・



バックストーリーはこれだけなのですが、ゲーム中イベントがこのストーリーを上手く生かしています。各町にひそむメヒテ教団のスパイ。あるものは己の欲望のため、あるものは己の信念のため、勇者一向に襲い掛かってきます。この演出がじつに上手く仕上がっています。



また勇者となるマジョーンは生まれるとき、3つの家系を選べます。王家のマジョーンであればさまざまな人脈をもち、商人のマジョーンは大金をもってスタートでき、漁師のマジョーンは船をもった状態でスタートできます。しかも各主人公ごとのイベントがあり、最低でも3回楽しめます。つうか3回はプレイしないとマジでもったいないです。



また敵を倒してもお金は余り手に入りません。このゲーム、お金を稼ぐには貿易が主体となります。ある街で買ったものを別の街に持っていく貿易や、自分で金銀の採取場所を探してそれを売りに行く貿易などで稼ぐのです。



特に燃えるのが採取場所探しで、これは地図上に目印があるわけではないので自力で世界を歩いて探さなければならないのです(海岸を歩けば貝、川沿いを歩けば金・銀などの鉱物、森を歩けば果実、海上を行けば魚類の採取場)何気なく歩いて採取場が見つかると、かなりうれしいです。一万円を拾ったぐらいに(←例えがせこい



その他、傭兵システム・魔法システムなど言い出したらきりがないぐらい独創性にあふれた作品です。このゲームを作成したということだけでPOPCOMの名前は記録されるべきだと思います。



最近、エミュレーターでプレイできるようになっています。ゲーム序盤まではプレイできるようになっていますので、興味ある方はぜひどうぞ。

サバッシュ2復刻委員会



[ポイント]

全て

このゲーム関しては何を進めてよいのやら。80年代にPCゲームが好きだった人でこれをプレイしないのはホントにもったいないです。是非上記サイトからDLして遊んで見てください。



ホームページへ戻る