G企画 『Jazz Fusion 3』
企画サイト:NO-FUTURE
http://www.st.rim.or.jp/~r17953/



何だかサカイくんとこで面白そうなことやってるなあ、と思ってたんだけどね。参加してみたいとは思ったけどなかなか踏ん切りがつかなかった。「どうしようかなあ」という感じで。そんな煮え切らない胸中だったんだけど、サカイくんがチャットに来てくれたのを気に、思い切って参加表明&申し込みをしてみましたよ。
で、早速みんなどんなのを題材にしてるのか見てみました。ゲッ、メタルかぁ。知らなくはないけど、その方面はちょっと弱いなあ。最初はホラー小説でも取り上げようかと思ったんだけど、微妙にルミのサイトの趣旨とも被るような気がするし、まあここは音楽ネタが無難でしょうねえ。
ということで、大学時代にJazz Life とかアドリブとか買ってた奇特なルミがお届けする『Jazz Fusion 3』。
はじまり、はじまりー。



マイケル・ブレッカー

まあ、スゲーと(W
厳密にはアコースティックジャズ一本槍という人ではないし、フュージョン全盛の頃はEミューを駆使したりしてどちらかというとフュージョン寄りの人だったんだけど、最近はほぼアコースティックですね。
その独自な和声理論解釈と神のごときテクニックに痺れます。
サックスというとチャーリー・パーカー、キャノンボール・アダレイ、ソニー・ロリンズ、マニアックなとこでローランドカーク(マニアックすぎるか?)とか、有名どころはみんな過去の人で(ロリンズはまだ生きてたと思うけど)、それはそれでいいんだけど、現役バリバリで凄い人とかいないかなぁ、と思ってたところにマイケルですよアナタ。
ジャコと同じで、この人も死ねば確実に伝説になりますねえ。
奏法的な魅力を分析すると(あんまり突っ込まないでね)、アヴォイドの使い方が格段に上手いんだと思います。キーの各種スケールから外れた、いわゆるアウトはやり過ぎるとリスナーに調性が分からなくなるし、どの辺で踏みとどまって元に復帰するかというのは難しい問題なんだけど、これ以上やったらリスナーに投げっぱなしジャーマンを喰らわせるというギリギリの見極めが本当に凄い。後期のパーカーがリスナーを置き去りにしたのとは対照的。
アウトフレーズのもたらす効用として、緊張感の演出というのがあるんだけど、インとアウトの狭間の揺れ動きで緊張感を演出しつつ、同時に安心感も与えるというのは相当難しいんじゃないかと。(サックス吹けるわけじゃないので想像なんだけどね)
『ヘビーメタル・ビバップ』でブレッカー・ブラザースとしてデビューして以来、その驚異的なテクニックばっかりが取り上げられる面のあるマイケルなんだけど、実はスローなバラード調の4ビートも凄く良かったりします。難を言えば、まるで計算機で計ったみたいにキッチリし過ぎてるとこかと思うんだけど(そういうところが好きじゃないという人もいるし)、下手糞でリズムが揺らぐよりは数億倍マシ。
でも好きなのはやっぱり『バッシーバ』とか『ノット・エチオピア』とかの、16ビートバリバリ吹きまくりなんだけど(W
あと、兄貴のランディにあんまり日が当たらなくて、ちょっと可哀想。



Casiopea

い、いいじゃん別に。コレを入れないわけにはいかないんだ!
カシオペアを語らせたら、ルミはちょっと煩いですよ?(W
この間、旧友との親交を暖めに某東京都隣接県に愛車(中古のゴルフ)で出掛けたところ、不覚にも酔っ払って代行(初めて利用しましたよ)で帰ったんだけど、運転手のアルバイトのお兄ちゃんが、運転席のサイドに置いてあるMDを目ざとく見つけ、「かけましょうか?」と。
MDにはカシオペアのファーストアルバムが入ってたんだけど、16の裏の裏にスネアが入る例のイントロが流れ出すやいなや、「わー!懐かしいなー!Time Limit!学生の時、バンドでコピーしましたよ」
グッ…こやつ何者?
大体あんただってまだ20代でしょうに。世間じゃこういうのは、もうレトロ趣味って言われてんのよ。
まあ、そんなどうでもいい話はおいといて、多分当時は衝撃的なデビューだったんじゃないでしょうか?
アルファレコードの力の入れ具合は、デビュー作だというのに管に当時既に一流スタジオミュージシャンだったブレッカー・ブラザースを起用しているところ現れてたりします。ドラムスの佐々木隆はこのアルバムと二枚目で脱退するんだけど、今でも賛否の分かれるドラムスタイルですねー。
切れたドラムっていうの?細かいビートになればなるほど本領を発揮するタイプで、テクニックはあるんだけど、その代わり軽い。確か、和田アキラのプリズムにいた人じゃなかったかな?ハッキリと覚えてませんが。
リスナーとしての無責任な意見なんだけど、何かテクニック至上主義のドラマーは総じて軽いような気がします。上手いんだけどね。
で、三枚目が出世作となったライブアルバム『サンダーライブ』
佐々木に代わって加入したドラマーは、当時現役慶応大生だった神保明。この人がムチャクチャ上手かった。「あんた、上手すぎてシャレになってないよ」っていうぐらい。
ベースの桜井哲夫はこの頃はダメダメだったんだけど、多分それは今の基準で聴くからで、ラリーグラハム辺りから始まったと思われるチョッパー(スラッピング?)奏法はまだ進化の途中だったんでしょう。
その後、リーリトナーとやったり何かとシーンの中央にいたカシオペアですが、フュージョンミュージックの衰退と共に往時の勢いは無くなりましたね。寂しい限りです。
っていうか、フュージョンってひょっとして死語?



セロニアス・モンク

ジャズファンからは「何だ、お前モンク派かよ」という声が聞こえてきそうですが。
上の二つからの流れで言うと、ピアノはエヴァンスとか古いところではオスカー・ピーターソンとかになりそうですが、『ソロ・モンク』限定ということで。あの死んだ魚みたいな目をして複葉機に乗ってるジャケットの奴です。
この上手いんだか下手なんだか良く分からないピアノは、賛美者に言わせると「無駄を極限まで省いて、スイングしまくっている」ということになるし、否定論者に言わせると「下手なだけ」という身も蓋もない言われ方で、今でも賛否両論、色々言われる人ですね。
精一杯背伸びをして、いい女振っていた小娘の頃、赤坂だかどっかのバーで当時つきあっていた男と別れ話をした時にこれが淡々と店内に流れていて、仄暗い照明やグラスを磨くマスターのシルエット、壁に掛かったハンフリーボガードの白黒写真などの醸し出す雰囲気とも相まって、それまでのモンクに対する認識が一変しましたよ。シーンとマッチした音楽はいいですねー。
相手の男がどんなだったかは忘れてしまったというのはご愛敬だけど(W



番外:尾崎豊

いや、何となく。
とりあえず、盗んだバイク乗り回しちゃ駄目だということで。