今までツボにはまった漫画コミックを10作集めて紹介 |
漫1:日直番長 |
![]() 漫画好きなら(小説とかでもいいけど)、一度はこんなコトを思ってしまう作品があると思う。 僕の場合はこの「日直番長」の作者が、まさにそれ。自分のストライクゾーンに次々とピンポイントで「笑い」を放ってくる作品に出会うと、僕は冒頭のような感情が押し寄せてくるのだ。 無駄に情熱的な登場人物達の発言、行動、しぐさ、全部が好きです。 日直番長というわりに日直をしていない主人公「アオキ」はもとより、漢字が読めない為、エロ小説を辞書で解読しながらオナニーしたり、学校に来てても壁に隠れて欠席扱いになってる「忍田」(忍者)もキーパーソン。 たまにシリアスだったり、ロマンチックだったり、普通にベタだったり、とても素敵な漫画。自力でもすぐに立ち直れるくらいに落ち込んだ時に是非、読んで欲しい一冊(×4巻)です。 作:タイム涼介:講談社 |
漫2:ビー・バップ・ハイスクール |
![]() ケンカネタ、実用ネタ、女ネタなどのバランスが良く、現代不良マンガ、とりわけコンビものの元祖とも言える(ような気がする)。 この漫画の主人公であるヒロシとトオルは確か、単行本2巻あたりで二年生を留年したのだが、それから十年以上連載を続け、すっかりヤンキーブームも影を潜めた今も尚、二年生なのである。季節は変われど、進級せず。学園モノとは、かくあるべきの見本。 漫画を映画化するというのは、ある意味、物凄く危険が伴うものだが、この漫画は10年程前に、調子に乗って映画化された。しかし、意に反して原作のキャラと俳優(仲村トオル/清水宏次郎)が思いのほかマッチしており、シリーズ6作(だったと思う)ともなかなか面白い(映画を見終わった後は皆、心なしかガニマタ気味になる)。映画がコケてないという点からも、この漫画の上手さが解る。 どうでもいいが未だ、実際にコーマンという単語を使う人に会ったことが無い。 作:きうちかずひろ:講談社 |
漫3:つげ義春の漫画全般 |
![]() 読んでるこっちまでウツになってきそうな暗い展開。ジメジメとして日陰っぽくて。しかしなぜか、そんな雰囲気が心地よい。きっと虫っぽいんだね、僕。 彼の漫画の特徴であり、僕が好きな所として、私小説色が濃い作品が多い事。 著者がメッキ職人として働いていたときの事を描いた漫画や、まさに漫画に行き詰まってる生活、旅先での事を描いた漫画(どちらかと言うと漫画のネタのために旅行に出るようだ)など、著者を中心に物語が展開していく作品が多く、そんな中でも他人には決して見せたくない心のヒダというか、人間のドロドロした部分をクローズアップして独特の観点からに描写するので、すごく面白い。 また、彼が見た夢を忠実に漫画で再現している作品も何点かある。夢というものは本来、人間の深層心理と深く結びついているモノであるが、彼はその中でも特に(夢の中の)自我の歪んだ部分を題材にしている事が多く、それらの漫画は勿論フィクションであるのだが、やはりノンフィクション以上にリアルなのだ。さらに何とも奇抜な発想の夢が多く、それを漫画にすると実に興味深い作品になるのだ。 |
漫4:ゴリラーマン |
この漫画はホント、痛快の一言。 ![]() 一言も喋らない上、無表情という無謀な設定にもかかわらず、こんなに笑わしてくれる主人公も、そうそういないでしょう。こんな友達いたら、ほんと楽しそうだ。 (無駄に)シブくて、暴れっぷりも最強。漢の中の漢、ゴリラーマン。なのに実は、(無駄に)ナイーブで、そのギャップが笑える。 しかも、細かいネタも、すごいイイトコ突いてくる。異色なワリに誰でも笑える漫画だと思うので、読んでいない人いたら是非。ケンカアクションも多いんで、そっち系好きとか、格闘技好きな人にもオススメ。まぁ、「そんなのケンカで使う奴ぜってーいないだろ」みたいな蹴り技が出てくるが。 作:ハロルド作石:講談社 |
漫5:お父さんは心配性 |
ああ、たまらねぇ・・。この漫画読むたび、牛二頭くらい殴り殺せそうな、ステキ勇気とステキ元気が湧いてきます。 ![]() なんていうか、僕は漫画にしても、コントにしても、映画にしても、どこか「狂気の沙汰」みたいな匂いが大好きでして。ハッキリ言うとキチガイワールド大好き人間なんです。 この漫画も、そんな匂いが、というか、そんな匂いしかしません。ある意味100パー、キマってます。 しかも、この漫画が連載されていたのは少女漫画雑誌最大手「リボン」ですよ。サラサラヘアーの男子と女子が甘酸っぱい愛のストーリーを奏でてている他少女漫画に挟まれて、毎回刺すわ、エグるわ血は飛び散るわで、完全に色モンだったのですが、そんなな作品が僕はやっぱり大好きなんです。 心地よいテンポで繰り出されるスピードとパワーを兼ね備えたギャグ。今読むと正直、大笑いは出来ないのですが、小学生の頃、少女漫画雑誌なんて、どの漫画も同じに見えていた自分の目には、かなり強烈に映りました。 もちろん今でも笑えるし、好きです。その昔、少年ジャンプ同様、毎月、姉の買ってくる「リボン」を楽しみにしてたのを覚えてます。「ちびまるこ」も読んでたなぁ。 作:岡田あーみん:集英社 |
漫6:電影少女 |
![]() この漫画のテーマを一言で言うなら「ピュア」二言で言うなら「禁断の恋」。三言で言うなら「僕もビデオガール欲しい」。まぁ、ジャンルとしては「泣き萌え」と言ったとこでしょうか。とりあえず最終巻はワンワン泣けます。うわあーん。 この漫画は、作品としての完成度が、かなり高いと思う。絵が上手いってのも確かにあるが、なによりストーリー。この漫画は13巻で完結(14・15巻は別ストーリー)なのだが、その間ダレる事もなく、一話一話がキチンとストーリー全体の重要なパーツを担っていて、ストーリーと離れた一話限りのネタみたいなのも皆無。小説にしても充分読めると思う。うわあーん。 顔はかわいいが気が強くて、粗暴、しかしピュアで健気でイジらしい、そのうえ貧乳という、僕を萌えさせるために設定されたとしか思えない主人公「あい」。うわあーん。 ビデオガール欲しいなぁ。うわあーん。 作:桂正和:集英社 |
漫7:─勝負師伝説─ 哲也 |
![]() 麻雀好きな自分としては、やはり麻雀漫画も大好きなわけですが、そんな中でも「哲也」は面白い。 単純に主人公「哲也」というキャラがかっこいいし、戦後のゴタゴタした日本という舞台背景も好き。ハナからイカサマ麻雀がメインの漫画なので、ギャンブル漫画によくある「出来すぎだろっ」みたいな感も薄く、ストーリーに没頭できるという点もいい。 この手の漫画における主人公キャラの王道パーターン「寡黙で頭のキレる奴」に憧れてしまうのは、男の性ってヤツでしょうな。 しかし、うっかり漢字テストで「打つ」を「ブつ」とやってしまう罠には注意が必要だ。 作:さいふうめい/星野泰視:講談社 |
漫8:カイジ | |
ざわ・・ざわ・・。 ![]() チョキを買えっ!パーも買えっ!金っ!金っ!金っ!金は命よりも重いんだっ!ギャンブル大好き人間なら、生唾必至の漫画です。やっぱカイジは面白いです。ギャグ漫画一辺倒気味だった自分もこの漫画にはヤラれました。 ギャンブル漫画はいくらでもあるけど、ここまで強烈な色を持った漫画も珍しいと思う。グー、チョキ、パーのカードでジャンケンして星を奪い合うギャンブルなどと言う発想もスゴイけど、それを漫画としてちゃんと成立させるなんて、ほんと凄い漫画家です。 その世界観はさる事ながら、絵も個性的というか、ハッキリ言って下手なのだが、そんなのは、この漫画にとって重要な部分では無い。画力の無い作家は発想と世界観で勝負というのを見せ付けてくれる。そういう意味で作者もやはり勝負師なのだ。 だけど、「ささやかな幸せを満喫する親子」を描く時に、こういう女の子というのは如何なものか。ちょっと個性的すぎるというか、正面からこんなに歯が見える女の子怖いです。数から言って親知らずも生えてるじゃないですか。連載抱えすぎてテンパってたんでしょうか。
作:福本伸行:講談社 |
漫9:めぞん一刻 |
自分は3年程前に再発版のコミックで読んだのだが、この漫画はズルい。ああ、ズルい。一つ屋根の下に暮らす管理人(響子)と大学生の下宿人(五代)のハチャメチャ恋物語なんて設定からしてズルい。年上好きの男子なら一発でキてしまう響子さんのキャラもズルい。容姿・性格ほぼパーフェクトでありながら、唯一の欠点は「無差別テロ並に理不尽なヤキモチ」。 ![]() しかし女性たるもの、いや人間たるもの、ヤキモチ妬きだからこそカワイイんだ(僕だって女性にヤキモチ妬かれた事ぐらいある。こういうシチュエーションの妄想は大得意なのだ)。つまり響子さんは結局パーフェクトなのだ。 最終話は、ベタベタななのだが、クライマックスに至る迄(コミック最終巻とその前の巻)あたりから、それまでのコメディ色は薄くなり、引き換えにシリアス色が濃くなる。さんざん響子さんに泣かされてきた五代君と僕が手に汗握る最大の濡れ場だ。 もし、この響子さんがカワイイだけで他にたいして魅力もない女性だったら、たぶん五代君も即メッタ刺しだろう。或いはメッタ挿しだろう。しかし、そんな心の病と解釈されてもオカシクない程のヤキモチ妬きという部分を補っても大量に余る響子さんの魅力に五代君は惚れ込み、僕も惚れ込むのだ。響子さんを超えるキャラは、当分出てこないだろうなぁ。 *響子さんの魅力についてはBrain Damage:GOG氏がM10として熱弁を振るっておられます。 作:高橋留美子:小学館 |
漫10:ブラック・ジャック | |
![]() B・Jの神業的なメスさばき?否。ニヒルでストイックなB・Jのキャラ?否。現代のねずみ小僧的なハートウォームストーリー?否。 確かにそれらも充分魅力的な要素だけど、何と言ってもB・Jの「おくたん」であるピノコ。彼女の存在こそ僕が「ブラックジャック」を好きになった最大要因だネ。 あの、お茶目な振る舞いは、さる事ながら、B・Jを想う一途さ、イジらしさ、全てが愛くるしい。 そして、口では冷たくあしらっていても、自分と同じように孤独な彼女を本当は最良のパートナーとして誰よりも大切に想っているB・Jのやさしさ。 本当に相手を大切に想うからこそ別れる、身を引くという場面の数々に泣かされる。 孤独な二人の愛物語。最高。こんなハートフル純愛漫画をつかまえて「恐怖コミックス」と銘打つとは何だ!アッチョンブリケッ!
作:手塚治虫:秋田書店 |
あとがき |
こういうの初めてやってみたけど、なんだかんだ言ってむずかしかったなぁ。やっぱり自分は書評とか映画評みたいな事はやっちゃいけないなぁ・・・と再認識しました。というより、たんに漫画10本紹介しただけで、なんか「G企画」の趣旨をハズしてしまったような気がします。 でも、昔読んだ漫画を引っ張り出してきて、思わず全巻読破してしまったり、さらに好きになったりしながらシコシコこれらを書いていて、自分としてはとても楽しかった。 「あーその漫画オレも好き」とか「今度、ブックオフで探して読んでみようかな」とか思ってくれたら幸いです。 |
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