GREEN DAY.


<2005年3月19日: 幕張メッセ>

そもそも音楽ジャンルにおけるパンクの定義ってなんでしょう? 
まずは音楽性? うーん、正直 普通のロックって感じで技術的にゃそんなに特徴ないよ。 
それともメッセージ性? 今どき反体制・反インデオロギーのバンドなんで別に珍しくもなんともない。
じゃあ何がパンクなの?

僕自身は、そのバンド自体・もしくはその個が持つ個性そのものこそ、パンクのコアであると勝手
に思っております。では、その核とは何か?絶対的基準になりうるパンクの象徴とは一体誰なのか。
ジョニー・ロットン? ジョー・ストラマ? いやいや、そういうことじゃないっしょ。
ここはやっぱ祐也っしょ、ジャパン・ロック界のカダフィ大佐こと内田裕也こそパンクでしょ。
世界広しと言えども、レイ・チャールズに向かって「邪魔だからそこどけバカヤロー」と罵声を
浴びせたり、当時人気絶頂だったニューヨークドールズに向かって「舐めた真似するとブっ殺すぞ」
とクンロクいれられるホンモノさんはたぶんこのキチガイだけです。
だけど世界レベルで語るならキースしかいないっしょ。うん、ローリングストーンズのギタリスト。
え?今更あんなロートルバンド全然及びじゃない?ランシドとかサムとかオフスプリングの方が全然パンク?
(チッチッチッと指を振りつつ)兄ちゃん、音楽性とホンモノさんを同じ基準で比べちゃいけねえなあ。

というわけでいかにキースがパンクそのものであるかを証明しうる名セリフ集を下記にざっと
並べてみました。見よ、これこそがパンクの真髄だ。

<ジョニーデップのコメント>
「パイレーツオブカリビアンでの演技にはキースリチャーズモデルにした。
 彼はロックンロールのイメージそのものさ。
 曲やギターはもちろん、仕草や喋り方まで全てがね。
 ロックな連中と言われる奴のほとんどが彼に影響受けて真似てしてるのを見てると、
 僕は役者と言う違う仕事で彼を真似できるから幸せだ。みんなが憧れる気持ちはよくわかるよ」

<NYの街中でキースを襲った強盗>
 「…あなただったんですか…! どうぞお通りください」

<チャック・ベリーを語った際>
 「あいつは俺をぶん殴って、殴り返されなかった唯一の男だ」

<楽屋に遊びに来たエルトンジョンに向かって>
 「とっとと消えろ、カマ野郎!」

<ジョージ・マイケルについて>
 「髭を剃って出直してこいって感じだ、あのホモ野郎」

<麻薬所持の際の裁判で>
 裁判官:「あなたの職業はなんですか?」
 キース:「リードギタリストです」
 裁判官:「それはどんな内容の仕事ですか?」
 キース:「いちばんデカイ音を出す仕事です」
 裁判官:「あなたはなぜ何回捕まっても薬に手をだすのですか?」
 キース:「中毒だからです
 裁判官:「今回の逮捕の時にあなたの部屋で押収されたヘロイン以外の薬物の容疑に関しては
      否認してますが間違いないですか?」
 キース:「ええ、それは俺のモノじゃない、その薬に興味すらなかった。
      俺は結構好みがうるさいんですよ」
 裁判官:「何度捕まっても、あなたを信じてくれる家族や仲間の事を考えたりしなかったのですか?」
 キース:「目の前に裁判官がいて、そんな質問をされた時は考えますよ」

<とあるイギリスの番組で、最近のヒット曲を色々聴かされて>
 キース「全部知らねえし、どうでもいいよ」
 司会者「最後の曲は今若者に人気のあるグリーンデイです。どう思います?」
 キース「ああ…AC/DCは確かにいいと思うな」
 司会者「AC/DCじゃないです。グリーンデイというロックバンドについてです」
 キース「ああ、それかい。ロックはガキの遊びじゃねーぞ坊主、って感じだな」

<その番組をたまたま見ていたグリーンデイのメンバーが頭にきて、キース滞在のホテルにイタ電。
 呼び出し音が鳴りガチャッと出るやいなや>

 「おい、いい話なんだろうな?

 寝起きで機嫌が悪かったと思われるキースのドス声と、そのあまりの一声にビビりまくった
 グリーンデイの面々は「イタ電してすいません」と後日テレビであやまる顛末。


はい、そんなわけでグリーンデイです。ぶっちゃけキースにビビくったヘタれです。
ジョージハリスンに面と向かって「ビートルズの曲は好きだがあんたは嫌い」と堂々
言い放ったリアム(オアシス)の爪の垢でも煎じて飲んでほしいと切に思います。

でもそのポップ・センスは間違いなくホンモノです、軽い曲メロ書かせたらマジ抜群です。
あえて気に入らない点をあげるとするならば、最近のアメリカうんこー的な態度がどうにも
こうにも生理的に受け付けないというか… や、多くの人が心の中で強く思っていても今更
すぎて言えないことを堂々と口に出して批判するそのスタンスは素晴らしいと思うのですが、
あまりにも立派すぎてちょっとパンク的にどうなんだろうと言うか…
え、それこそパンク? うーん、でも、僕が思うパンクってなもっと小さいんですよ、
みみっちいんですよ、俺に職がないのは社会のせいだとか、未来なんてありゃしないとか、
あ−毎日がつまんねえとか、女とやるより男のケツ使った方が締まりがよくてきっとナイス
とか、そういうことをしたりツラで堂々と歌っちゃえる本当の屑野郎どものことなんですよ。

ま、そんな俺様語りはともかく、「HR・HM以外のジャンルを聞いて音楽的横幅を
広げようキャンペーン」の一環として、幕張はメッセまで行ってきましたグリーン・デイ。
ま、正直ね、行く前は「どーせたいしたことないんちゃうの?」ぐらい思ってたんですよ、
だってヘタれだし。パンク名乗っといてビビりだし。だけどやっぱホンモノは本物でして、
結論から言っちゃうとライブ内容素晴らしかったです。ステージワークが上手いのはもちろん
のことサービス精神旺盛な上に観客いじりもうまくて、ステージ上から感じるグルーヴ感も
抜群とくれば、そりゃ楽しくなりますわ。
特に観客に向かって「ギター・デキル・ヤツゥ」「ドラム・デーキール・ヤツゥ」やって
G・b・Ds全部揃えて一緒に演奏させた上でともにノるってな光景にゃいたく心を暖めら
れました。まさかこんなリスクの高いことを幕張メッセってな4000人超のハコでやって
のけるとは。流石、みんな大好きグリーンディ、そこに痺れる憧れるゥ。

ま、ガキんちょをステージ袖にあげてそこから水鉄砲乱射させまくるという、見てる方から
してみればわりかしどうでもよさげなパフォは「俺、いつまで水まいてればいいのかなー」と
ガキを死ぬほど不安げな顔にさせたその後の放置っぷりも含めて正直どうかと思ったけど、
しきりに「サンキュー、トーキョー!」連発してるところへ「ここ千葉ーッ」と思い切り突っ込み
くらってたそのあますことなき外タレっぷりをも含めて、ご愛嬌の一言で全然オッケーかなって。
そういったボケを上回るステージングは存分に披露してくれたことだし。

実際、"Basket Case"の時なんて、イントロ流れただけでもう大変。ライブ開始前、あまりにも
混み混みで死ぬほど険悪だった周囲の空気はどこへやら。そのリズムとともに小刻みにジャンプしつつ、
そのままクルクル回りながら前の方へ突っ込んでいく大バカどものその幸せそうな笑顔を見れただけで、
今日来た価値は十分にあったかなあと思いました。
やるかやられるかノリで互いに体ぶつけあって、ついでに魂までも削りあって盛りあがるHMノリも
よいけど、こういう万人に受けてみんなハッピーみたいなライトのりも悪かないなあと実感したひととき。
おまけにラス前で"We Are The Champions"やってくれた上に、キッスばりの紙吹雪ときた日にゃ、
そらもう嬉しくならないわけがない、クイーン好きに悪い人はいません!だから僕も大好きグリーンディ。
あ、でもクイーンって英国じゃホモを表す隠語にもなってるから、それに照らして考えるならこれって
「ホモ好きに悪い人はいません!」って言ってる風にも聞こえて、アナル的にかなりイヤーンな感じじゃね?
ってなげんしけんネタをオタらしくふったところで今日という日はさようなら。

<今日の驚嘆>
 終了と同時に、ドラムの人がスティックやたらめったら抱えて中央へ走ってきて
 その勢いとともに一気にぼーンってばらまいてました。こりゃ爽快だった。


<今日の無駄T>



#場所が場所ならほぼ間違いなく職質くらいそうな絵柄のデザイン。
 背面に関しちゃさらに酷い、「アメリカうんこ」ってもろに書いてあるもほぼ同じだもの。
 国歌安全法レベルで着れない代物と見た。



<セット・リスト>

01:American Idiot
02:Jesus Of Suburbia
03:Holiday
04:Are We The Waiting
05:St.Jimmy
06:Longview
07:Hitchin A Ride
08:Brain Stew
09:Jaded
10:Knowledge (Operation Ivy's Cover)
11:Basket Case
12:She
13:King For A Day 〜 Shout (Isley Brothers' Cover)
14:Waiting
15:Minority

16:Maria
17:Boulevard Of Broken Dreams
18:We Are The Champions (Queen's Cover)
19:Good Riddance (Time Of Your Life)


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