LOUD PARK 12.


<2012年10月27日: さいたまスーパーアリーナ>

えー、毎年恒例のメタルの秋が。そう、今年も「LOUD PARK」のシーズンがやってきました。
2011年の震災以来、一日となった縮小モードのまま開催ということでお祭りと呼ぶには
若干寂しい感もありますが、まあやってくれるだけでも嬉しいし、メンツ的に吟味してみても、
パワメロ元祖の「HELLOWEEN」にその系譜フォロワー「Sonata Arctica」と次世代勢力「HIBRIA」、
加えてメロスピの極点こと「DRAGONFORCE」。エクストリーム系からはメロデス創世記組の
「In Flames」に来日安定・演奏不安定ですっかりお馴染みとなった「Children Of Bodom」、
更には「Cryptopsy」に「Naglfar」「1349」という一部マニア狂喜の絶妙チョイス。
そしてハードロック勢からは「Buckcherry」に「Sebastian Bach」という充実のラインナップ。
最後にトリ、これがまたド安定、まずハズすことはないと言われる貫禄の帝王「SLAYER」と、
あれ?これ過去実績と比べてみてもかなり当たりの部類に入るんじゃ? ということで今年も
さいたま新都心は「さいたまスーパーアリーナ」まで意気揚々と行ってまいりした。



HIBRIA



最初に見たのはブラジルの新鋭パワメロ・バンド「HIBRIA」。
お国柄の系統から考えたら「ANGRA」的な超絶技巧派なんだろうなと思ってたら案の定。
芯のあるリフのあちこちからまほろび出るピロピロフレーズのオンパレードはなかなかに爽快。
フロントはる坊主頭の強面兄ちゃんのみそのカラーに合ってない気がしましたが、声はもろに
パワメロのそれなので問題なし。一番盛り上がっていた曲がカバー曲の"Cowboys From Hell"
だった辺り、まだまだ曲にオーラ力が足りない感はあったけど、演奏だけ見ていても飽きない
バンドだけに(特にベースがヤバい)今後の単独来日に期待かも。

 01:Nonconforming Minds
 02:Shoot Me Down
 03:Welcome To The Horror Show
 04:Steel Lord on Wheels
 05:Blinded By Faith
 06:The Shelter's on Fire
 07:The Anger Inside
 08:Cowboys From Hell (Pantera cover)
 09:Sight of Blindness
 10:Tiger Punch


DRAGONFORCE



次に出てきたのがこのラウパーじゃ最早定番バンドといってもいいメロスピの頂点、ドラフォ。
ボーカルが交代したとのことで少々心配だったんですがこれがまったくの杞憂。
在籍後期はハイトーン部分がかなり苦しいイメージのあった前任者のウィークポイントを完全に
カバーしてなおあまりあるこのパワー感、いやこれは当たり引きましたわー的な。しかもその新風に
牽引されるがごとくいつもは乱れまくる演奏の方もクリアかつド安定、特に新譜からの"Cry Thunder"
が良かったですね。元の楽曲難度が超級だけにその辺はいつもあまり期待していなかったんですが、
これは凄い進歩、いやこのパフォーマンスを考えたら最早これは進化と言えるんじゃないかと。

 01:Holding On
 02:Heroes of Our Time
 03:Seasons
 04:Fury of the Storm
 05:Through the Fire and Flames
 06:Cry Thunder
 07:Valley of the Damned


SEBASTIAN BACH



続けざまに見たのが80年代のHR好きには堪らないであろう懐メロ枠、愛称「バズ」こと
元「Skid Row」の「Sebastian Bach」。いきなり初曲からトチり気味でどうなることかと思いきや、
すぐさま立て直して、更にはゾンビ歩きや身振りの大きいアクションで客を大いに煽るところは
流石往年のロックスター、というか全然現役でオーラ出てましたね。そのパフォーマンスだけで
強引に客を捩じ伏せてフロアを盛り上げられる稀有なカリスマっぷりは未だ健在でした。正直この
早い時間帯での出番がもったいないくらい。そしてラストは"I Remember You"からの"Youth Gone
Wild
"という鉄板コンボで見事に締め。本当に見ているだけで楽しくなってくるライブ内容でした。

 01:Slave to the Grind
 02:Kicking And Screaming
 03:Dirty Power
 04:Big Guns
 05:Piece of Me
 06:18 and Life
 07:American Metal Head
 08:Monkey Business
 09:Tunnel Vision
 10:I Remember You
 11:Youth Gone Wild


CRYPTOPSY



ここでメインフロアを離れ、09以来のサブステージ『EXTREME』へと足を延ばして、カナダが誇る
超絶技巧デスメタル集団「CRYPTOPSY」を観戦することに。てかここサブステージという位置づけの
割にゃ随分と広いんスね。加えて外光が燦々状態で少々面食らう羽目に。
こんなメチャ明るい場所でデス系?ちょい違うんじゃ…と思ってるうちに演奏スタート。
ここで一番びっくりしたのが音響のクソっぷり、こもりまくりの反響しまくりで何が何だか訳ワカメ。
弦楽器隊の存在を完全無視したバスドラムのこもった音だけがドコドコ聞こえる中、ボーカルが物凄い
勢いで長髪を振り回しつつ、オイオイオイ、ヒャーヒャーヒャー、ヴァーヴァー、うん何を書いてるのか
わからねーと思うけど、ミー自身も何が何だかさっぱり分かりませんでした。いや一つだけ分かってる
ことあるわ、これたぶんバンド何一つ悪くないわ。いやもうプロの演奏にとにかく失礼な学際レベルの
音響にとことん辟易させられた40分でした。

 01:Two-Pound Torch
 02:Benedictine Convulsions
 03:Emaciate
 04:Worship Your Demons
 05:White Worms
 06:Graves of the Fathers
 07:Cold Hate, Warm Blood
 08:Defenestration
 09:Crown of Horns
 10:The Golden Square Mile
 11:Phobophile


IN FLAMES



皆が求めてるスピード曲はほぼやらずのミドル速でゴリ押しまくったことから、出場者の中で
最もよくなかったバンドの事を示す極めてありがたくない称号「ワースト・ソナタ」をこの年から
見事手に入れた「Sonata Arctica」のダル気味なパフォーマンスから程なくして「IN FLAMES」が
『ULTIMATE』側に登場。
こいつらのフェスでのライブは単独での繊細調整に比べて音像がハッキリしなさすぎてイマイチな
事が多いだけに正直あんまり期待してなかったんですが、もう完全にごめんなさいというか、
プレイ音はハッキリ聞こえるわ、ボーカルの声もその中に埋もれてないわ、更にはセットリストも
最高だわでマジ言うことなし。ちょ看板ギタリストのイェスパー抜きでこの良質ステージングって
どーなってんの?的な。因みに"Embody The Invisible"は観客がギターフレーズ部分を合唱すると
いうシナジー効果もあってメチャ盛り上がってました。

 01:Sound of a Playground Fading
 02:Delight And Angers
 03:Dead Ships Dwell
 04:Reroute To Remain
 05:Bullet Ride
 06:Embody The Invisible
 07:Cloud Connected
 08:Fear Is The Weakness
 09:The Mirrors Truth
 10:System
 11:Deliver Us
 12:Take This Life
 13:My Sweet Shadow


HELLOWEEN



でもっていよいよトリ前、パワメロの開祖的存在とも言うべきジャーマン・メタルの大御所、
「HELLOWEEN」が登場。一度でいいからこのバンドを大規模フェスで見てみたかったんですよね。
新曲の微妙感はともかく初期時代の名曲"Eagle Fly Free"、アンディ加入後の鉄板曲"Power"で
勢いをつけてからの"March of Time"キター!と思いきや、そのアゲアゲ波を断ち切るかのように、
はいドラム・ソロ入りましたー、というわけで、どことなく盛り上がりきれないステージング?
…と思いきやラスト間際で初期曲3連発を繰り出してものの見事に帳尻合わせてくる辺りは流石に
古参の強みというべきか、まあ"I Want Out"に"Dr. Stein"というメタラーなら誰でも知ってる曲を
持ってるバンドはやっぱり安定感という意味で強すぎですな。何よりその安定度のバロメーター
とも言うべきアンディの声がすこぶる好調だったことが一番の好材料だったかも。

 01:Are You Metal?
 02:Eagle Fly Free
 03:Where the Sinners Go
 04:Power
 05:If I Could Fly
 06:Burning Sun
 07:March of Time
 08:〜Drum Solo〜(by Dani Loble)
 09:I'm Alive
 10:Steel Tormentor
 11:Future World
 12:I Want Out
 13:Dr. Stein


SLAYER



でもっていよいよ今年のトリ、スラッシャーよりのメタラーにはもはや絶対的と言っても過言では
ない程の存在感を持つ「帝王」こと「SLAYER」登場。今回は看板ギターの片翼、ジェフ・ハンネマンが
右腕を毒蜘蛛に噛まれたという途方もない理由により欠場の為、「EXODUS」のゲイリーが代理で登場。
その音楽的スタイルからして元から違和感ないとは思ってたけど、いかにもなスレイヤー臭を放つ血染め
ペイントのギターをテクニカルに掻き鳴らすその姿は貫禄満点、想像以上に雰囲気ハマってましたね。
全体パフォーマンスの方も貫禄の一言、様子見とか徐々にとかの前振り皆無な、初っ端から全開全開
更に全開の圧倒的ステージング。何度目の当りにしても常に思うことですが、この超ッ速なのにまるで
軽さを感じさせない独特の音質感は一体何事!?曲終わりでのライトのオン・オフによる絶妙演出も
手伝ってひたすら身震いさせられ続けた80分でした。あとアラヤ先輩の「DO YOU WANNA D〜IE?」に
対して「イエー!!!」の大コールはワロタ。

 01:World Painted Blood
 02:War Ensemble
 03:Die by the Sword
 04:Hate Worldwide
 05:Dead Skin Mask
 06:Silent Scream
 07:Epidemic
 08:Mandatory Suicide
 09:Altar of Sacrifice
 10:Jesus Saves
 11:Seasons In The Abyss
 12:Hell Awaits
 13:Postmortem
 14:Snuff
 15:Angel of Death
 16:South of Heaven
 17:Raining Blood


<今日の無駄T>



#なにをどう間違ったのか… なんでこのTを買う羽目に…
 欲しかったバンドTが全て売り切れとか、絶対、こんなの、おかしいよ…


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