SUMMER SONIC 2011
<2011年8月13・14日: 千葉マリン球場&幕張メッセ>
フジロック、ロック・イン・ジャパンに続くジャパン音楽フェスの三本柱の
一角たる「Summer Sonic」が今年も安定開催される運びとなり、まずは一安心。
気になるトリの方も、ロックンロール・リバイバルの旗手「The Strokes」に
今や貫禄十分のミクスチャー系大御所「Red Hot Chili Peppers」と、こちらも過去メンツに
ひけをとらない安定の豪華さ。
<00>
■Jon Spencer Blues Explosion ■Green Day
<01> ■Beck ■Marilyn
Manson
<02> ■Guns
n' Roses ■THE
OFFSPRING
<03> ■BLUR ■Radiohead
<04> ■Green
Day ■The
Beastie Boys
<05> ■Nine
Inch Nails ■OASIS
<06> ■Metallica ■Linkin
Park
<07> ■Black
Eyed Peas ■Arctic
Monkeys
<08> ■The
Verve/The Prodigy ■COLDPLAY
<09> ■My
Chemical Romance ■Linkin
Park ■BEYONCE
<10> ■JAY-Z ■Steve
Wonder
<11> ■The
Strokes ■Red
Hot Chili Peppers <----
New!!
というわけで今年も無事整いました。もはや恒例行事となっているだけあってか、
意気揚々というよりも粛々的なテンションで、海浜幕張まで行ってまいりました。
*13日(一日目).
<Beady Eye>
とはいえ「Simple Plan」がキャンセルしちゃった時点で、初日は興味をそそられる
ものがまったくと言っていいほどなく、結局よもやの夕方出勤でトリ前からの参加。
「弟の方」ことリアム率いる「Beady Eye」を『マリン』スタンドから観賞することに。
曲作りの天才だった兄貴が欠けてしまったとはいえ、オアシス後期に"Songbird"や
"I'm Outta Time"などの佳曲を残してその才能の片鱗を見せ始めつつあったリアムだけに
それなりの期待はあったわけですが、実際「圧倒的」とまではいえないものの、
"The Roller"・"Bring The Light"辺りの楽曲にこめられた雰囲気的なオーラはなかなかに
グっと引き込まれるものがありました。
ただその後に畳み掛ける筈の残の弾が残されてなかったというか、メロ的には悪くないものの
曲調的に似かよった楽曲が続いてしまっただけに、どこか盛り上がりきらないステージになって
しまっていたのもまた事実。前バンドの持ち歌を何曲かアクセント的に使っていれば結果はもう少し違ったかも。
まあ立ち上がったばかりのバンドでもあることだし、今後の成長に期待ということで。
01:Four Letter Word
02:Beatles And Stones
03:Millionaire
04:The Roller
05:Bring The Light
06:Standing On The Edge Of The Noise
07:Kill For A Dream
08:The Beat Goes On
09:Three Ring Circus
10:Man Of Misery
11:The Morning Sun
12:Wigwam
13:Songs Of The Stage
<The Strokes>
そのまま『マリン』スタンドに居残って、初日の大トリである「The Strokes」を鑑賞。
出だしの"Is This It?"が導火線代わりとなって、"New York
City Cops"で見事に起爆。
確かに人気はあるものの、まだまだ「ロック・レジェンド」とまで言われる存在ではないだけに、
果たしてどこまでやるのか、期待3不安7配合の少々冷めた視点で見ていたわけですが、
最初の2曲でネガティブな印象が完全に吹き飛びました。てかこのバンド、自然体で作った風な
飾り気のないラフな曲調もかなりカッコいいんですが、やっぱりVOの渋め成分利きまくった声が
断然に光ってるなと。その中でも「特に」なパートを挙げるなら、オサレかつ尖ってるメロに
グっと引ききこまれた"Someday"、それからバックの花火打ち上げが最高の装飾効果になったと
思われる"Take It Or Leave It"かな。次に単独で来日があったら必ず足を運ぼうと思ってます。
01:Is This It?
02:New York City Cops
03:Under Cover Of Darkness
04:The Modern Age
05:Machu Picchu
06:Reptilia
07:Someday
08:Life Is Simple In The Moonlight
09:Alone,Together
10:You Only Live Once
11:What Ever Happened
12:You're So Right
13:Under Control
14:Taken For A Fool
15:Hard To Explain
16:Automatic Stop
17:Last Nite
18:Take It Or Leave It
<KORN>
「Strokes」終了後、即座に幕張メッセへと移動して、『マウンテン』の初日トリ「KORN」を観賞。
北欧系の民俗衣装っぽいスカートを身にまとって、トレードマークのドレット・ヘアを振り乱しつつ、
更にはバネ仕掛けのマイクスタンドをビョンビョン揺らしつつ絶叫するジョナサンの姿は相変わらず映えてました。
ただこれも前回(LP09)同様思ったことなんですが、このバンドの持ち曲自体、実はそんなにいいとは
思ったことないんですね。でも緊迫感ある雰囲気造り、そのステージングの巧さとドラム&ベースの
超絶技巧プレイでもって観客を引き込んでいくパワーは本当に凄いと今回も思いました。
最大の見どころは入りの"Blind"、深夜帯に限りなく近かったこともあり、ほぼハイモードになってた観客の
熱狂度合がかなり凄まじかったかと。あと"Shoots and Ladders"でのジョナサンのバグパイプ演奏とか、
彼らのライブの定番シーンだけに安定して盛り上がってましたね。
あとただでさえ狂気じみた曲が多い彼らの持ち曲の中でも特に爆発力がある"Y'All Want a Single"で
〆たラストもかなり見応えありました。
01:Blind
02:Here to Stay
03:Pop a Pill
04:Freak on a Leash
05:Shoots & Ladders/One
06:4 U
07:Got the Life
08:Oildale
09:Right Now
10:It's On!
11:Falling Away From Me
12:Coming Undone / We Will Rock You / Twisted Transistor / Make
Me Bad / Thoughtless / Did My Time / Clown
13:Y'All Want a Single
<今日の駄目T>
#本日見たアクトは全Tシャツが売り切れていたんで、明日見る予定だった「Panic! At The Disco」Tを購入。
アウトドアする時の外着として使えそうなテイスト。
*14日(二日目).
<Zebrahead>
今年のサマソニ。2日目のオープニングアクトにチョイスしたのは、
下品なMCと勢いある爽快メロで定評を得ている、馬鹿パンクの代表格「Zebrahead」。
いきなりの"Rescue Me"にググっと身を乗り出すも、あまりの音の悪さにすかさず萎える始末。
イントロのリフが最強にカッコいい"Postcards From Hell"も、ギターの見せ場シーンな筈が、
音のバランスが悪すぎてドラムに埋もれちゃってるし…いや『マリン』の音響の悪さはいつもの
ことですが今回は特に酷かったような。なので興味の対象はもっぱら下品MCの方に向く事に。
ちなみに今回の内容も「ココデオナニーシテモ、アンゼンデスカ?」「チンコ、チョーチッサイ」
「チンチンビンビン!マンコーダイスキー!」と最高に酷すぎて安心しました。
あ、そいや"Get Nice!"の時に、ゲストでダンディ板野が登場して持ちネタの「ゲッツ!」を
連発するというサービスがありましたが、ちょっと旬をハズしすぎてかなり微妙な空気になって
いたような… まあ全体のステージングを総括すれば、相変わらずのノリいい「お」バカっぷりは
ふんだんに見せてくれていたので、期待されていた役割は十分に果たしていたんじゃないかと。
01:Rescue Me
02:Postcards From Hell
03:Get Nice!
04:Nudist Priest
05:Mental Health
06:Girlfriend
07:Hello Tomorrow
08:Anthem
09:Playmate Of The Year
10:Jag Off
11:The Set-Up
<Panic! At The Disco>
そのまま『マリン』スタンドに居残って、中堅ポップパンクの「Panic! At TheDisco」を観賞。
いちおうパンクという括りになってはいるものの、この人達、そっち系のラフで荒々しい空気と
いうよりは、どちらかってと「MUSE」系の耽美な感じなんですよね。ボーカルのやたらと伸びる
ハイトーンも手伝って、何故か気分はすっかりUKより。聴きどころは"Let's Kill Tonight"、
それからラストの"Nearly Witches"に内包されてたスケール感かな。大器の片鱗オーラを常に
漂わせているわりになかなか弾けないけど、そろそろくるかも?
01:Ready to Go (Get Me Out of My Mind)
02:But It's Better If You Do
03:The Ballad of Mona Lisa
04:Camisado
05:Hurricane
06:The Only Difference Between Martyrdom And Suicide Is Press
Coverage
07:Let's Kill Tonight
08:Nine In The Afternoon
09:I Write Sins Not Tragedies
10:Nearly Witches (Ever Since We Met...)
<Maximum The Hormone>
ひたすら『マリン』スタンドに腰を据えつつ、我が日本が誇るミクスチャー・ハードコア・バンド、
「Maximum The Hormone」を観賞。開始直後からモッシュとダイブと雨あられで阿鼻叫喚地獄と化した
アリーナ前方を「見ろ、人がゴミのようだ」テンションでニヤニヤ眺めつつ、音下げチューニングで
より凶悪度を増したヘヴィ極まるリフを楽しんでみたり。
出だしの"What's up…"が盛り上がるのは当然として、2曲目の新曲"maximum
the hormone"が
思ってた以上にライブ映えする曲だったもんで、球場全体が天井知らずで盛り上がってる感じでした。
しかも3曲目がこれまたアゲ系の"ぶっ生き返す"ときたもんで、もうこれは本気で殺りにきてるなと。
中盤にプレイされた新曲"鬱くしき人々のうた"も最高にノリいいラップメタル風の良曲だったし、
そこから"メガラバ"・"握れっっ!!"と持ってくる畳み掛けの巧さも文句なしだしで、本当に日本を
代表するバンドにまで成り上がったなと、何故か妙に感慨深い気分になりながら頭振ってましたね。
01:What's up, people?!
02:maximum the hormone
03:ぶっ生き返す
04:シミ
05:爪爪爪
06:恋のスウィート糞メリケン
07:鬱くしき人々のうた
08:Mr.ブギータンバリン
09:恋のメガラバ
10:握れっっ!!
<X JAPAN>
さて「ある意味」という修飾詞付きではありますが、今サマソニにおいて一番楽しみにしていた
先輩の先輩による先輩の為のヨシキ先輩タイム、そう「X JAPAN」の出番が遂にやってまいりました。
でもって期待に違わずいきなりパイロがドーン、更にはXにとっての国家"Rusty Nail"が響きわたる中、
もうレーザーがビュンビュンですよ。極めつけはトシの「紅だァ!」の絶叫とともに打ち上げ花火ドーン!
でアリーナに銀の紙吹雪が舞うというね、もう大トリのレッチリがこの有様を見て不機嫌になってないか
心配になってしまうくらいのやりたい放題っぷり。流石はわが国が誇る伝説的ロックバンド、フェスという
スポット参戦においてもまるで手を抜きません。
ちなみに先輩は途中で前に出張ってきてトシのマイクを取り上げた挙句「伊良部ー!ビバ!ビーバ!」と
絶叫してました。なに言ってんでしょーかね?ヒデと同じく若くして自死を選択してしまった元大リーガー投手に
なにか思うところでもあるのかなーと思いきや、後で聞いたらあれは「ウィーア」だったとのこと。
あ!(拍手)いつもの「WE ARE X」ね、先輩は天才なんですけど滑舌だけは悪いんですよ、ええ天才なんで
許しますけどねー ちなみに先輩はこの後、"Endless Rain"でしんみりとした雰囲気になったその直後に
いきなり「ボォクトゥ!!」とかまして再び場内を不可思議ワールドへとマロールさせてしまいました。
(石の中にいる・石の中にいる・石の中にいる)え?違う?ああ「黙祷」ね!(再拍手)分かるか!!
その後も先輩のファンばっかりがいるわけでは決してないフェスという場において、ましてやにわか系には
ほぼ馴染みがない筈の曲"I.V."をわざわざ選んで観客に合唱を強要し、場をかなり微妙な空気にさせるという
「やってもうた」をものの見事にしでかしてくれやがりました。まあね「(皆の声が)聞こえねえ!!」て、
そりゃ聞こえないでしょーよ、だってそれ以前にみんな曲を知らないみたいだもん…
というわけで先輩はいつだって何処でだって先輩以外の何者でもないという印象を強烈に残してくれた時間帯と
なりました。普段みたいにコアなファンばっかじゃないんだもの、正直セトリはもうちょっと考えてほしかったかも…
01:Jade
02:Rusty Nail
03:紅
04:Endless Rain
05:Born To Be Free
06:I.V.
07:X
<Suede>
サマソニにおいては、そのステージングの素晴らしさが定評を得ている『ソニック』のトリ、
今年もそのトリたる「ブリットポップ」の始祖こと「Suede」を見て、夏フェス・シーズンを締めることに。
まーね、出だしがいきなり代表曲の一つ"drowners"でしたからね、そりゃ場はアガりますよね。
この体中にねっとりと巻きついてくるような耽美的トーンとそれをひきたてる美旋律、バンドの顔である
ブレットのくねるようなダンスや、背面スクリーンに曲ごとのジャケットを映し出す演出も手伝って、
最初に立ち上がったテンションがまったくダレない辺り、きっちりと流れのツボを押さえた好ステージング
だったんじゃないかと。一番の盛り上がりどころは序盤で早々と炸裂した"Trash"とアンコール前の〆曲
"Beautiful Ones"かな。もし叶うならもう一つのブリットポップの巨頭「PULP」とのジョイント・ツアーとか
メチャ見て見たいかも。
01:Drowners
02:She
03:Trash
04:Filmstar
05:Animal Nightrate
06:To The Birds
07:Wild Ones
08:We Are The Pigs
09:Flashboy
10:Can't Get Enough
11:Everything Flow
12:Pantomime Horse
13:So Young
14:Metal Mickey
15:Heroine
16:New Generation
17:Beautiful Ones
18:Saturday Night
<今日の駄目T>
#はい、ということで今年も最高だった「ソニック」のトリをつとめた「Suede」Tを購入。
来年も〆はやっぱり「ソニック」かなー