Michael Monroe & Hardcore Superstar.


2011年6月3日: 新木場コースト>

「Hanoi Rocks」解散後のソロ活動が順調であることを「Summer Sonic10」の
体当たりステージングでもって見事に証明してみせてくれた「Michael Monroe」が、
今じゃ北欧HR界隈の代表格となるまで登りつめた「Hardcore Superstar」を伴って、
単独としてはハノイ解散ライブ以来、2年ぶりの来日をはたすということで、
新木場はもはや馴染会場となったコーストまで観に行ってきました。


Hardcore Superstar



で、まずは前座扱いの「HCSS」が50分程のステージを披露。
ホント若干の時代遅れ感は否めないド直球ロックも、こいつらがやると途端にカッコ
良くなるっていうか、その主要因たるヨッケがまとうバッドボーイズ的なオーラは前回、
5年前の「LP06」で観たときとほぼ変わらず、見事にバンド全体を引っ張っていました。
ただそれと同時に、シルヴァーが抜けたことによる勢いの衰えも少し感じちゃったり。
いや元「Crazy Lixx 」の新任ギタリスト、ヴィック・ジーノのパフォーマンスも決して
悪くはないんですがどこか佇まいが地味というか、見映え的にはヨッケ一人に頼らざるを
えないような状況になっちゃってたのも否めなかったような…



アガりどころとしては、ちょいアンニュイ色を感じさせる初期の名曲"Liberation"に、
捨て曲なしの名盤「Hardcore Superstar」からの"Wild Boys"・"We Don't Celebrate…"
辺りがかなり受けてましたね。他はほとんどが新譜曲だっただけに、客反応は正直微妙
だったかも。そいや"Last Call For Alcohol"で男女一人ずつをステージに上げて
フロアを煽る演出をやっていたんですが、この選曲が正直微妙すぎて、上げられた二人も
わりとポカーンって感じでキョドってたんで、ちょっと見ていて可愛そうでしたね。
新譜からの曲をたくさんチョイスしたいのは、どのバンドもそうだから分かるんですけど、
演出を含むなら一番盛り上がる筈の"We Don't Celebrate…"で良かったのでは?

 01:Sadistic Girls
 02:Guestlist
 03:Liberation
 04:My Good Reputation
 05:Wild Boys
 06:Dreamin' In A Casket
 07:Bully
 08:Here Comes That Sick Bitch
 09:Last Call For Alcohol
 10:Moonshine
 11:We Don't Celebrate Sundays


Michael Monroe



そして30分ほどのインタバール後、本日メインのマイケル・モンロー・バンドが登場。
で、主役のモンローさんは相変わらずの極上ルックスな上に、立ち振る舞い派手だわ、
しかもよく動くわ、相当な高さあるスピーカーの上にいつも通り乗っちゃうわ、マイクと
スタンドの酷使っぷりが普段にも増してマジぱないわ、挙句ブン回しすぎてマイク壊すわと、
ホントその一挙手一投足、全てがキラキラしまくり。さっき見た「HCSS」のヨッケも相当
優秀なフロントマンだったけど、流石にマイケルと比べると格の違いを感じざるを得ない程、
スターらしいド派手なオーラに溢れていました。これで御歳50ですからね、メタルには
若返り効果があると言われたら、今なら間違いなく信じちゃうと思います。



で、静かな佇まいながらマイケルと同じくらい目立っていたのが左端に陣取るジンジャー。
なにせただでさえ目立つ人がよもやのコープスペイントですからね、これには驚きました。
そしてその右を見れば、チョッキにベレー帽がダンディっぽく似合ってるサミ・ヤッファ、
いや改めてスーパーバンドだなと、ステージ上の華やかさが半端ねーわと実感しましたね、
もう一人のギタリストである元「Murphy's Law」のトッド・ユースもルックス的に悪くは
なかったんですが、やっぱしこのメンバーの中に入っちゃうとタッパ的にもオーラ的にも
少し見劣りしちゃったかなと。

音的には全体的な楽曲のノリが「HCSS」みたいな純粋ハードロックというよりもっと
軽くて若干パンク要素も入っているんで、非常に聞きやすいというか、どの曲もハズレに
感じさせないところが実に巧いなァって。ハードとポップの両テイストが同居していた
ワイハの音と親和性が高いところも、ジンジャーとの相性的によくマッチしている印象を
受けました。

ハイライトとしては、マイケルの「トゥルルルル〜」的な巻き舌シャウトが炸裂した
ハノイ時代の"Motorvatin'"、それから合唱しやすいサビが場内テンションを一気に
引き上げていた「Demolition 23」時代の"Hammersmith Palais"、後はつい最近だした
新譜からの"'78"がフロアに撒き散らしたお祭り的な縦ノリもかなりアガってましたね。
でもまあ一番盛り上がったところは本編終盤の"Boulevard Of Broken Dreams"から
始まった、この流れはどう考えても鉄板的なハノイ・ナンバー3連発なんじゃないかと。
で、ラストはマイケルがドラム、ジンジャーがマイクをとっての"Blitzkrieg Bop"、
いかにもマイケルな「らしさ」が楽しめた、お祭りノリで盛り上げまくっての見事な
エンデインングだったと思います。


<今日の一枚>

 「Another Night in the Sun: Live in Helsinki」/ Michael Monroe

元「Hanoi Rocks」のマイケル率いるスーパーバンド、初のリリース作にしてライブ版。
彼のこれまでのソロ作やハノイ時代からチョイスされたカヴァー曲の数々はどれも名曲揃い。
彼の音楽的嗜好性が直に出ている「The Dammed」の"Love Song"や、「Johnny Thunder」の
"I Love Be Bored"辺りがミー的には特にツボ。
ラフでガレージにしてゴージャス、様々な相反する要素をきっちり成立させているマイケル
ならではのロック・センスを存分に堪能できる一枚です。


<今日の無駄T>



#彼のキャラを考えたら、随分と大人しめなデザインだと思うマイケル・モンローT。
 ちなみに裏面に書かれてる文字は「Summer Sonic 2010」。あ、使い回しだったんスね。
 



<セット・リスト>

01:Trick Of The Wrist
02:Got Blood?
03:Modern Day Miracle
04:Motorvatin' (Hanoi Rocks)
05:Hammersmith Palais
06:'78
07:Nothin's Alright
08:Not Fakin' It (Nazareth)
09:Superpowered Superfly
10:Bombs Away
11:Boulevard Of Broken Dreams (Hanoi Rocks)
12:Back To Mystery City (Hanoi Rocks)
13:Malibu Beach Nightmare (Hanoi Rocks)
14:Dead, Jail or Rock'n'Roll

15:I Wanna Be Loved (Johnny Thunders / Demolition23)
16:Taxi Driver (Hanoi Rocks)
17:Blitzkrieg Bop (Ramones)


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