SUMMER SONIC 2010


2010年8月7・8日: 千葉マリン球場&幕張メッセ>

これまでの2日から3日開催への大幅変更が行われた去年のサマソニ09、
今年も3日開催かなと思いきや、蓋を開けてみれば元の2日へと縮小変更?
流石に東京・大阪の2都市同時公演システムを採用しているサマソニにとって、
フジと同様規模の3日開催は負担が大きすぎたということですかね。
まあ、いいバンド呼んでくれるなら2日だろうが3日だろうが行くんですどね。
ということで、歴代トリ及び今年のそれはというと、

 <00> ■Jon Spencer Blues Explosion ■Green Day
 <01> Beck Marilyn Manson
 <02> Guns n' Roses THE OFFSPRING
 <03> BLUR Radiohead
 <04> Green Day The Beastie Boys
 <05> Nine Inch Nails OASIS
 <06> Metallica Linkin Park
 <07> Black Eyed Peas Arctic Monkeys
 <08> The Verve/The Prodigy COLDPLAY 
 <09> My Chemical Romance Linkin Park BEYONCE
 <10> JAY-Z Steve Wonder
<---- New!!

ヒップホップ系という変化球で攻めてきた土曜はともかく、「KISS」にキャンセル
くらったと言われる日曜の方はかなり懸念していたんですが、よりにもよって更に
大物の「Steve Wonder」さんを持ってくるとは、まさにワンダー!
ここまでされちゃ、もはや「行かない」という理由を見つけられるわけもなく、
今年も例年同様、海浜幕張まで行ってまいりました。



*7日(一日目).

矢沢永吉



まずは『マリン』スタンドから、こういう機会じゃないとまず聞くことはないで
あろうアーティスト、旧世代ジャパニーズ・シンガーの代表格「YAZAWA」を鑑賞。
まあ70年代以前のクラシックロックのスタイルを軸に据えた曲の良さ自体は特に
期待以上でも以下でもなかったんですが、ロッド・スチュワートから影響を受けたと
言われるマイクスタンド芸、特に肩に引っ掛けてから一本背負いの要領でグルっと
1回転させたそれはメチャ格好良かったですね。
あとMCの内容が妙に低姿勢だったことも、俺様色全開なイメージが強かっただけに
わりと意外でした。あ「サイコー」連発の方はいい意味でイメージ通り。
一番の盛り上がりどころは予想通り"止まらないHa-Ha"、噂には聞いていたけど、
歌サビに合わせて四方八方から舞い上がるタオルの雨あられはやっぱり壮観でしたね。
『マリン』における西日のきつさと、去年まであった左右モニターの撤廃が響いて
あまりよく視認できなかったんですが、それさえなければもっとのめりこめたかも。

 01:フラッシュ・アンド・ブラッド
 02:ユー
 03:時間よ止まれ
 04:最高なロックユー
 05:止まらないHa-Ha
 06:トラベリン・バス
 07:いつの日か


NAS



普段聞いてる音楽とは畑違いということで、時間潰し80・興味本位20の混合比で
のぞんだ米ヒップホップ界の代表格「NAS」。ところが出だしの"Hip-Hop is Dead"が
あまりにカッケ良すぎて早々に心をもっていかれる羽目に。
ヒップホップってなライムの内容が大方を占めるもんだと思ってたから、英語がよう
分からんミーにゃ結構敷居が高いんじゃないかと勝手に思ってたんですが意外や意外、
強調されまくったベース音のリズムにのせて体を揺らす、いわばテクノ同様の楽しみ方が
非常にしやすいスタイルの音だったという。1曲丸々やらずにある程度おいしいとこ
まで引っ張ったら間をあけずに次の曲へというDJスタイルやじわじわテンションを
引き上げていく上手さにも、テクノとの親和性をわりと強く感じましたね。
これはスタンドなんかでのんびり見るより、アリーナではっちゃけるべきだったかも。

 01:Hip-Hop is Dead
 02:The World is Yours
 03:It Ain't Hard To Tell
 04:Life is Bitch
 05:Message
 06:Street Dreams
 07:If I Ruled The World
 08:Hero
 09:I can
 10:Nastradamus
 11:Nas If Like
 12:Hate Me Now
 13:Get Down
 14:Stillmatic
 15:As We Enter
 16;Strong Will Continue
 17:Got Yourself A Gun
 18:Made You Look
 19:One Mic


Nickelback



『マリン』スタンドに頑として陣取ったまま、今やアメリカンロックの代表格にまで
上り詰めた「Nickelback」を鑑賞。初っ端の"Burn It To The Ground"により一気に
盛り上がるもその後のタマが続かず、といった感が否めないステージングだったかな。
去年見た単独で感じた高揚感はほぼなかったですね。安定感ある演奏と声量だけは
流石だったけど、デカい会場のせいか音が回って聞こえちゃう不具合に加えて
"If Everyone Cared"・"Animals"といったキラーチューンを落としたセット構成が
物足りなさを感じさせちゃったかも。"Rockstar"を歌わそうとしてそれに客がついて
これずコケちゃったところも痛かったかなあ。というわけでちょっと不完全燃焼気味に
終わってしまった50分でした。フェスという初見組多数の環境を考慮してもう少し
代表曲を並べてくれても良かったんじゃないかと。

 01:Burn It To The Ground
 02:Something In Your Mouth
 03:Photograph
 04:Shakin' Hands
 05:Savin' Me
 06:Figured You Out
 07:Rockstar
 08:Gotta Be Somebody
 09:How You Remind Me


THE OFFSPRING



相変らず日差しはつらいものの、それさえ我慢すれば快適すぎる『マリン』スタンド席に
すっかり根を生やしてしまったミー、絶対盛り上がるのが分かっている「オフスプ」ですら
この場鑑賞という出不精もいいとこなていたらくに。
案の定、"All I Want"での開口一発「ヤーヤーヤーヤーヤー!」によりアリーナは大爆発、
その後も"Come Out And Play"・"Staring At The Sun"に"Hammerhead"と、新旧織り
交ぜたガチあがり曲の連発によってアリーナ前方が大変なことになってるのを見て多少後悔するも、
自らの歳を考えてやっぱりその場待機。歳くうとライブ鑑賞ですら守りに入っていかんスね。
デクスターは正直声がかなり苦しそうでしたけど、そのなりふり構わない全力全開な振り絞り
っぷりがむしろパンクっぽくて、見てるこちら側的には俄然高揚しましたね。
まさに轟音爆走という表現が相応しい前半に比べ、中盤以降は"Why Don't You Get A Job"や
"Pretty Fly"に代表されるミドル速中心の曲が主軸になって、フロアのノリが先程のモッシュ
暴雨風から緩いダンス中心のディスコ系へと変化、この辺りのメロコア一辺倒に見せかけて
実は懐深めに引き出し多彩なところもオフスプの魅力なんじゃないかと。
で、締め括りはミュート入りダウンストロークが疾走感による興奮を煽りまくること間違い
なしのアドレナリン噴出100%保証付、"Want You Bad"に"The Kids Aren't Alright"と
これまた文句なし。ここばっかしはスタンドでのんびり鑑賞してたことを本気後悔した初日
ベストの60分でした。

 01:All I Want
 02:Come Out And Play
 03:You're Gonna Go Far, Kid
 04:Staring At The Sun
 05:Hammerhead
 06:Original Prankstar
 07:Have You Ever
 08:What Happened To You?
 09:One Fine Day
 10:Hit That
 11:Kristy, Are You Doing Okay?
 12:Why Don't You Get A Job?
 13:Walla Walla
 14:(Can't Get My)Head Around You
 15:Pretty Fly
 16:Want You Bad
 17:The Kids Aren't Alright


The Smashing Pumpkins



初日『マウンテン』のトリを務める「スマパン」を見に、幕張メッセへと移動。
出だしはベース担当お姉さんのエロさに負けてひたすらそっちばかし見てました、すみません
ビリー先輩。とはいえ2曲目で"Ava Adore"がきちゃうとね、先輩の眩すぎる頭頂部へと視線を
移さざるをえなくなること必至なわけで、このクドクドしいまでに情感的なシャウトと独特の
「うねる」グルーヴに身をゆだねながらしばし体を揺らすこと数十分。
いよいよ今ライブ最大のアガりどころたる"Today"、そして"Bullet with Butterfly Wings"、
キタ━━(゜∀゜)━━!!ここの押し引き顕著な爆音ギターのフィールはマジ最高でした。
他の聴きどころとしては徐々に開放されていくような空間的広がりをイメージさせた"1979"、
あとは誰もが期待していた代表曲"Tonight,Tonight"で見事につくりあげたプチ多幸感と
張り詰めた清涼感の入り混じった空気を、"Cherub Rock"のラウド極まりないギターで全部
ブチ壊しレベルにかき混ぜてしまったデカダンス的な終わり方が非常に良かったですね。
元々彼等には純粋なグランジというより意図的・恣意的に狙ったそれという印象があって、
そういう意味じゃ前のめりで大好きというわけではなかったのですけど、こうしてちゃんと
聞いてみるとやっぱし曲いいわ音カッケーわとね、改めて思わされた80分でした。

 01:Astral Planes
 02:Ava Adore
 03:Hummer
 04:As Rome Burns
 05:A Song for a Son
 06:Today
 07:Bullet with Butterfly Wings
 08:Eye
 09:United States
 10:Love Is the Sweetest Thing [Ray Noble]
 11:Owata
 12:1979
 13:Stand Inside Your Love
 14:Tarantula
 15:Tonight,Tonight
 16:Cherub Rock


<今日の駄目T>



#シンプルなデザインのスマパンTを購入。わりと普通に着れそうなんで重宝しそう。




*8日(二日目).

Michael Monroe



2日目のオープニングアクトにチョイスしたのは、
「Hanoi Rocks」解散後、盟友サム・ヤッファに「Wild Hearts」のジンジャーと
手を組んで、ソロ活動を始動させた「Michael Monroe」。
ステージの左右端を往復どころか、ステージ下のPA道を何度もフル疾走、はたまた
端の巨大スピーカー上によじ登って熱唱しまくるという、相変らずのサービス精神を
全力で発揮してくれたマイケルの熱血パフォーマンスの素晴らしさは言うに及ばず、
(マイケルとほぼ同期であるモトリーのヴィンスにも見習って欲しい…)
変人で知られるジンジャーも、こちらは動きこそ少ないものの、ツボを抑えたソロに
ウィンドミル奏法と、あのアンディを彷彿とさせる無頼漢な雰囲気をまとっての安定
プレイを存分に披露。まあ曲自体はなんの変哲もないR&R系なんですが、これだけ
派手に動き回られて、これだけ貫禄のある演奏やられたらそりゃ盛り上がりますわな。
特に「DEMOLITION23」時代のナンバー"Hammersmith Palais"、
「Johnny Thunder」のカヴァー"I Wanna Be Loved"からのハノイ・ナンバー3連発
辺りが盛り上がっていたかなと。
ちなみにマイケルは前日大阪でパフォーマンス中、ステージから落ちて肋骨を2本
折っていたそうで、この日は痛み止めの注射打ってステージに上がっていたんだとか。
正直そんなダメージがあるとは微塵も感じさせない動きだっただけに後で知って驚嘆、
天性のシンガーとはマイケルのような人物を指すのかも。

 01:Nothin's Alright
 02:Motorvatin'
 03:Hammersmith Palais
 04:You're Next
 05:Not Fakin'It
 06:Dysfunctional
 07:Another Night In The Sun
 08:I Wanna Be Loved
 09:Boulevard Of Broken Dreams
 10:Back To Mystery City
 11:Malibu Beach Nightmare
 12:Dead, Jail or Rock 'n' Roll


BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB



今日最大のお目当ての「SLASH」までかなり時間が空いていたので、『ソニック』にて
ネオサイケデリックの最終進化系「Black Rebel Motorcycle Club」を見物することに、
このバンド、名前くらいしか知らなかったがなかったんですが、実際聴いてみたらヤバい!
初っ端から漆黒のオーラをドロドロ垂れ流されて、いきなりチキン肌たちました。
とにかく音的に不穏、そんな危ない波動に侵食され、徐々に塗りつぶされていくような
この感覚… まあ間違っても陽の光の下で聴くような音楽では断じてないと思いました。
そういう部分も含めてアングラ的にカッコいいとしか。特に"Stop"、このリフのうねりが
醸しだす不良的なクールさは実際ただ事じゃなかったですね。照明のグレアがきつすぎて
ステージ下からはほとんどメンバーの姿が目視できないところも、近寄りがたい雰囲気を
助長させていて逆にグー。いやこれは次回来日したら単独行くでしょ、間違いなく。
久々に大型フェスならではの「発見」「発掘」的なアプローチが出来たように思います。

 01:Beat The Devil's Tattoo
 02:Love Burns
 03:Mama Taught Me Better
 04:Stop
 05:Bad Blood
 06:Red Eyes And Tears
 07:Ain't No Easy Way
 08:Conscience Killer
 09:Six Barrel Shotgun
 10:Berlin
 11:Weapon Of Choice
 12:Whatever Happened To My Rock n' Roll (Punk Song)
 13:Spread Your Love


SLASH



「BRMC」終了後、『マウンテン』に移動して、本日本命の「SLASH」を鑑賞。
終盤でしかやらないと思っていたガンズ・ナンバーが3曲目からいきなり炸裂したのと、
Voをとるケネディの原曲再現度が半端ないこともあって、早速テンションがダダ上がるも、
その後も"Civil War"に"Rocket Queen"、そしてよもやの"Sweet Child O' Mine"と、
次から次へ連発されるガンズ曲を聴いているうちにすっかり冷めてしまっている自分を
そこに見るという事態に。いや本当にアクセル?と思わんばかりの上手さなもんだから、
非常にオリジナルと比較しやすくて、そこで如実に気付かされちゃったんですよね。
あの「ガンズ」というバンドはむしろ技術以外のところで、途方も無い魅力を持っていた
んだということに。あまりに露骨すぎるガンズ代表曲を聴かされたちゃったことで逆に
オリジナルとの差にショックを受けてしまったというか、ガンズはアクセルがいてこそ
ガンズなのであって彼抜きでは他のオリメンが揃ってさえ成立しえないのだという、
まあ当たり前っちゃ当たり前のことを強烈に再認識してしまい、目の前でやられてる
ことがちょっと悲しくなってきちゃったというか。
同じやるにしても"It's So Easy"みたいなサブ曲をサービスとして1〜2曲やるなら、
又はケネディがオリジナルを忠実にコピらず、彼自身の味付けで歌ってくれたなら、
こんな思いを抱かずに済んだのかも… ってか、これは「ガンズ」というバンドに対する
ミー自身の思い入れのみが問題なのであって、今回の彼等のパフォーマンス自体はむしろ
良好だっただけに、後で余計なこと考えずに楽しめば良かったと少し後悔。
「好きすぎる」ってのも弊害になることがあるんだなってことを知った50分でした。

 01:Ghost
 02:Mean Bone
 03:Nightrain
 04:Back From Cali
 05:Starlight
 06:Civil War
 07:Rocket Queen
 08:Sucker Train Blues
 09:By The Sword
 10:Sweet Child O' Mine
 11:Slither
 12:SAHARA (With 稲葉浩志)
 13:Paradise City


Stevie Wonder



いよいよ今年のサマソニも終わりの時間が近づいてきたところで、
『マウンテン』トリ「Dream Theater」か、はたまた『ソニック』トリ「Pixies」か、
それとも『マリン』トリの「Stevie Wonder」を見るか、最後までものすごく迷ったのですが、
結局、こういった機会じゃないとまず見れないワンダー先生をチョイス。
正直ソロでこの人以上の大物っつったらもうサー・ポールさんくらいしか思いつかないし、
ここで見なかったら今度いつ見れるか分かったもんじゃないしね。
ということでスタンド席の奥の方で座りながらゆっくりじっくり堪能しようと思ってたら、
ステージに近いアリーナ以外は早々入場規制という、普通とは真逆かつ観客年齢層的には
至極当然の現象が起こっていたので、ミーはやむを得ずほぼ最前近くで立ち見することに。
しかしまあ"Higher Ground"や"I Just Call To Say…"などの超有名曲はともかく、
「We Are The World」PVでも有名な例のクビ振りスタイルから歌われる曲のほとんどが、
どこかで耳にしたことのあるメロディかつ、それも聞いてるだけで体が勝手に動き出し
ちゃうような極上モノってのはよくよく考えたら凄いことだと思いましたね。
その中でも特に感動したのがラストの"Another Star"、同じメロをひたすらリピート
してるだけのシンプルな曲なのにこの荘厳さと壮大さ、これちょっと神曲すぎるだろと。
ということで"Part Time Lover"がセトリ落ちしていたことだけを除けばほぼ満足、
いいものはやっぱりいいという、至極当たり前のことを再認識できた80分でした。
 
 01:My Eyes Don't Cry
 02:Aster Blaster
 03:We Can Work It Out(beatles cover)
 04:If You Really Love Me
 05:(Medley)Ribbon In The Sky....Stay Gold.....Lately
 06:Higher Ground
 07:Don't You Worry 'Bout a Thing
 08:Empire State of Mind
 09:Living For The City
 10:Free
 11:My Cherie Amor
 12:Sir Duke
 13:Signed Sealed and Delivered
 14:I Just Call To Say I Love You
 15:Superstition
 16:Another Star


<今日の駄目T>



#これまでの無駄T道の中でも群を抜いてド派手なスラッシュT。
 初日のスマパンTとは違って、こっちはえらく着る場所を選びそうでほぼ汎用性ゼロ。
 だが、そこがいい…


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