Guiter 10

G企画用テキスト

個人的に大好きなギタリストを10人集めてインプレしてみました。
ミーはギターとか全然ひけないし、それ関連の知識もないので、単純に”なんとなく”
とか”ただ好きなだけ”とかそういった観点から、ピックアップしたものです。



G1:ジョン・サイクス 〜孤高〜



オープニング・アクトを飾るのは、通称「殿下」ことジョン・サイクス様です。
もう寂しさとか哀愁とか、そうゆうメランコリーな雰囲気が漂いまくる彼のギタープレイは
聞いてるだけで、こう、たそがれて、切なくなって、でもって今までの自分をふと振り返っちゃうとか、
そーゆう… うわっ重っ。

こーゆうテクニックうんぬんを超越しちゃって、情感の具合を表現できるギタリストってのは
やっぱり希有だと思います。しかもそれに加えて、この人 物悲しいボーカルがすげえ上手いンだよなァ。
ちなみに"PLEASE DON,T LEAVE ME"は必聴!

でもって、そンな彼のベスト・アルバムとしてミーがあげるのがコレ。

 THUNDER AND LIGHTING / THIN LIZZY

まだ彼が殿下ならぬ王子だった頃のお話。フィリップ・ライノットという豪傑な騎士と出会い、
彼はその孤高なるアイリッシュ魂を伝授されましたとさ、おしまい、というバック・グラウンド
を起点として、すべてをなぎ倒し吹き飛ばすような、解放しつくされたサイクスのギター・プレイ
のソコにはすべての喜怒哀楽の感情が凝縮しつくされていて、確かに奔流はここから始まった!
とかそンな感じでどうよ?(どうですか?)

「孤高の魂」ジョン・サイクス、切なくなりたい夜とかに聴くといいかも知れません。




G2:アンガス・ヤング 〜直球〜



さあ、どっからみてもただのおっさんです。その上、はげでチビです。わりとノートルダムのせむし系です。
しかも半ズボンとかはいちゃいます。そンなキチガイ入ったオッサンの何とかっこいいことか!
その御方とは、オーストラリアが誇る世界一のハード・ロック・バンド:AC/DCのリード・ギタリスト、
アンガス・ヤング君です、アンガ〜〜〜〜〜〜〜〜ス!

「AC/DC」の特徴でもある重く・ノリよく・分かりやすく、という3拍子揃ったリフを作り出す名リフ・メイカー
でもあるアンガス様のステージがこれまた格好いいンだ。トレード・マーク:黒のSGギブソンを引っさげて
ステージ上でカッコ悪すぎるステップを踏みまくり、ストリップで尻だしたあげくに、とどめはステージ中央で
キチガイのように転がりまくり駄々っ子パーフォーマンス。その姿のなんとカッコいいことか!

でもって、そンな彼のベスト・アルバムとして私があげるのがコレ。

 AC/DC LIVE / AC/DC

新旧の代表的な曲がまんべんなくちりばめられていて、しかも2枚組。聞きごたえは抜群です。
彼の躍動感あふれるステージは、どっちかって言えばDVDで是非見て欲しいのですが、
まだ聴いたことないよっていう御方はここからどうぞ。

フレディ・マーキュリーと同じく、力技でカッコよく見せてしまう系のはっちゃけギタリスト、
アンガス・ヤング率いるAC/DCのプレイを聴けば、パワーみなぎること間違いなし。
元気がほしい朝とかにどうですか?




G3:クリス・インぺリテリ 〜閃光〜



ピリリピリリピリリピリリピリリピリリピリリピリリピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリピリ
ピリピリピリピリピリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ
パラララララララパラララパラララ〜パラララ〜ピリリピリリピリリピリリ・・・・

いや本当にそう聴こえるンだって。

もう速い速い!細かいテクとか音感とかそーゆうのはわからないけど、とにかく理屈抜きで閃光のごとく弾きまくり。
まさに光速の貴公子というネーミングに相応しいプレイとその風貌。こらモテるわ。
一部ではイングウェイのコピーとか、ドッケンぱくりまくりとか、ただ速いだけ、とか言われちゃッてる彼ですが、
下記アルバムを聴くと、”ただ速いだけ”というその言葉の本質が、いかにモノスゴイかがわかります。

 SCREAMING SYMPHONY / IMPELLITTERI

そんなインペリテリのベストと思われるアルバムがこれ。
全部同じ曲に聞こえてしまう、という速弾き特有の弱点から脱却した、超速ネオ・クラシカル・シンフォニー。
軽快なノリに加えて、ボーカルをとっているロブ・ロックの声質の良さも手伝って、かなりの名盤となっています。
確かに当たりはずれはあるしムラも多いけど、とにかく未知の光速ゾーンを体験したい方にお薦め。
オーストラリアのフリーウェイをすっ飛ばしてる時なンかが最高にハマるかも。

ところでインペリテリをインテリペリと呼び間違えちゃった人って他にもいない?




G4:スティーヴ・ヴァイ 〜ニュータイプ〜



これだけアカデミック色が濃いギタリストも珍しいでしょう。
天才ジョー・サトリアーニと鬼才フランク・ザッパから受け継いだ技術とソウルをさらに膨らました
不肖の弟子は、こんなにも立派な変態になりました。
そう、まさに変態と称するしかない程の独自世界観を持ち、理論的にコンセプトを充分ねりあげ、
その手材料を自コスモ内にて思う存分爆発させて、次から次へと新世界を築いている御方。

とにもかくにも引き出しが豊富。音が多彩なうえに、それら全てが透明感にあふれています。
時にはドライ、時にはウェット、でもそれらの音は決してねっとりとまとわりついてはきません。

 THE 7TH SONG / STEVE VAI

そんな彼の、まさに「華麗」という言葉がふさわしい一枚がコレ。
ヴァイの歴代アルバムの中から7曲目だけを集めたバラード集。
バラードという枠におさまりきらない独特の音感は美しいという他なく、かなり楽しめる一枚に
仕上がっています。
会社や学校なンかでオールド・タイプの壁を感じちゃってる、そこの貴方にオススメ。
そしてオールド・タイプは殲滅するしかないンだ!




G5:イングウェイ・マルムスティーン 〜革命児〜



前半戦の最後を締めるはクラシカル・ハード・ブームの先駆者:インギ様です。
エディ・ヴァン・ヘイレンがつくったライトハンド・レジェンドの後を継いで、新世紀のギター・ヒーロ像
を新たに構築したハード・ロック界の革命児。ついでにリッチー・ブラックモアの理不尽わがまま伝説まで
受け継いじゃったとンでもない人。ギタリストは自己中である、というイメージの半分はこいつのせいでしょう。
さらに今ではすっかりファットになってしまい、昔の頃のおもかげは微塵もありませン。
それでも、いまだにメタル・シーンに色濃く漂っている彼の影響力を認めざるを得ないのも、また事実。

 RISING FORCE/ YNGWIE J. MALMSTEEN

そンな彼の若々しく荒々しく猛々しく、そして何よりもその貪欲さがすべて凝縮された一枚がコレ。
いやあ、もうすげえすげえ。光速テクのみならず、その曲づくりのセンスにも驚かされます。
俺が俺が俺が俺が俺様が!みんなもっと見ておくれようもっと誉めておくれよう、そして認めてくれよう
お前はこンなにすごいってお前はこんなにできるって! みたいなエナジーが立ちのぼっているかのごとく。

落ち込んでいる自分に対してさらに自虐を繰り返し、自らをどんどん追い込んでいく…
そンなセルフ・デス・スパイラルにハマりそうな時に聴いて、圧倒的なエゴにうちのめされましょう。
時にはゴーマニズムも必要なのです、自分を少しだけ好きになってあげるためにも。




G6:トニー・アイオミ 〜匠〜



音楽シーンに「ヘヴィ」という概念がまだ存在しなかった頃のお話。
暗い・重い・遅いと三拍子揃った独特のリフでつくられた土台に、ヴォーカル:オジー・オズボーンの
立ちまくったキャラが乗っかって、確かに彼等は”それ”の創造主になりました。

この20年も前につくられた偉大なるひな形に、スピード&ヘヴィ・ドラムを融合させたところから
メタリカは産まれ、強弱の変化を重視しテンポをダイナミックに変えることで新しい風をもたらした
あるグループはメガデスとなりました。

そして、すべてのハードロック・ヘヴィメタルの原型となった独自サウンドの造り手であり、
すべてのメタル・キッズ達の生みの親でもあるトニー・アイオミ様の存在感と方向性は、20年たった
今でもまったく変わることはありませンでした。なんつう頑固さ、なんたるワンパターン!
ヴァイともっとも対極的な位置にあるといっても過言ではない彼のギター音はねっとりと全身にまとわり
ついてきて、そこには透明感とか華麗さとかそういった感覚を全て吹き飛ばしちゃうようなパワーがあります。

 IOMMI/ TONY IOMMI

そンなブラック・サバス一筋のアイオミおじさんが、超豪華メンバー集めてソロをつくっちゃいました。
少しは新しい要素をとりいれたのかな?
………やはり全然かわってないよ! ていうかブラック・サバスまンまだよコレ!
そして頑固一徹のトニーさんがつくる職人芸のような暗くて重いリフが、もうおいしくておいしくて。

世間の喧噪から逃れて、情緒豊かな昔ながらの町並みを歩いてみたりしたくなった時や、
なんとなく古き良き時代のノスタルジーを感じたくなった時にゃあ、やっぱコレでしょ。




G7:ブライアン・メイ 〜わびさびの心〜



あの偉大なるクイーンの屋台骨を最後まで支え続けた、ギタリストの良心ともいえる存在の御方。
この人 本当に優しそうな目をしてるンだよなあ。あとすごく性格もよさそうなンだよなあ。
クイーンというバンドが結成からフレディの死により消滅するまでの約20年間、ただの1回も
メンバーチェンジがなかったのは、この人の存在によるところが大きかったンじゃないかなあ、とか
勝手に思っていたりするのです。なんか人間としての器がおおきそうっつうか。

あと彼はペンギンが大好きで、もし生まれ変わるとしたならペンギンになりたいそうです。
このエピソードを聞いて、彼をいい人と思わないヤツは鬼ですな。

 
SHEER HEART ATTACK/ QUEEN

そンな彼のギタープレイの特徴がもっともよく表われているアルバムがコレ。
何がすごいかって誰にも真似できやしません。この三味線のようなベンベンベベベベって音は。
耳に響き、頭にひびき、そして胸に響くこの爽快感。そしてこのわびさびの味は。

例えば、自分の器の小ささを肌で実感した時とか。
例えば、心にもやもやとしこりが残ってとれない時とか。

そう、時々ふと思うのです。もっと優しくなりたいなって。
そンな時はいつだってQUEENです、いつだってそうです。Foreve Queen……




G8:ジェフ・ベック 〜斜陽〜



もはやギター界の大御所。
70年代テイストでのG3といったらエリック・クラプトン、ジミー・ペイジにこのベックさん
といったところが妥当でしょうが、他の二人に比べてこの方だけはいつまでも少年の匂いを
漂わせているというか、おじさんおじさンしている部分が少ないっつうか、要はアウトローなのか?

そして、この方のプレイには、常になンとも説明しにくい味がつきまとうのです。
サイクスとは違う雰囲気での寂しさっつうか、わびしさっつうか。

あとインギみたいに俺が俺が俺が じゃないンですね、全体の調和をちゃンと考えてる。
音自体はとてもスマートで、一見ドライ風なンだけど、決してそうでなくむしろウェット気味。
そンでもって自身は何となく控えめなンだけど、その中にほのかな主張を溶け込ませてるというか?

 
FLASH / JEFF BECK

そンなベックさんのアルバムの中で一番スキなのがこれ。
ブロウ・バイ・ブロウやワイヤードの頃のブンブンだぜ!みたいな部分がバックにまわっていて、
成熟した大人の魅力ってのを全体のイメージとして感じるンだけど、その中には少年の哀愁みたいなのが
存在するというか… 上手く説明できないや、よくわかンないとこが彼の魅力! 以上!(逆ギレ?)

例えば都会の夕暮れ時。ビルの隙間からまっかな夕陽がのぞいて、人々は家路へと急ぐ…
そンな中、誰もいなくなった公園のブランコとかの上に座って聴いてみるといいかも。
(本当にやったらただの電波ですが)




G9:ヌーノ・ベッテンコート 〜洗練〜



ファンク・ハード・ロックという、言葉だけ聞くと訳わかンないジャンルを作り上げたエクストリームの
中心的存在だった御方。写真だけ見るとなんとなく変態チックに見えますが、実物は割と天才系だったり。

とにかくヌーノがつくりあげる世界は、洗練されたセンスに溢れています。
若々しさがないっつう言い方もあるけど、全体的にコジャレてて、え〜とこういうのを何て言うンだっけ?
そうだ「カッコイイ」だ。とにかくこの人がつくりあげる音はカッコいいンですよ。
ニルヴァーナに似たカッコよさなンだけど、あンなに泥くさくなくて、もっと都会風とでもいうのかな。
でもって自ら意図的にギターをおさえめにするみたいな、バランスを大事にしているところも好きなのです。

 
SCHIZOPHONIC / NUNO

そんなヌーノのソロ第一弾がコレ。
ヌーノのボーカルがすごく上手くて、かつ全体の音にすごくマッチしてて、でもって歌詞もよかったりします。
彼のシンガーソングライターとしての底の深さを周囲にまざまざと見せつけた一枚。

こういうのは、やっぱ彼女と夜のドライヴなンかしている時にさりげで流して、そのまま「FUCK!」みたいな。
いや実際、彼の曲の中には本当にそのまンまの名前のとかあるし。
(そういうことなンだよね?きっと)




G10:ウリ・ジョン・ロート 〜至高〜



G10のラストを飾るのは、私がこの世でもっとも天才的であると思っている、元スコーピオンズの
リード・ギタリスト、ギター仙人ことウルリッヒ・ロートさんです。

この人、普段まじめに音楽活動やっているのか、サボってるのか、まるで情報がありませン。
ただでさえミステリアスな存在であるところへもってきて、極端なジミ・ヘンドリックス信者です。
ついでに言うとあまりにもジミが好きすぎて、その死後ジミの彼女を自分のものにしちゃったくらい。

じゃあそれを真似できるだけの腕があるのかよっていうとこれがまたとンでもなく、インギ革命の十年も前に
既に光速・鬼テク・クラシックとの融合という世界観を築いちゃってた、まさに速すぎる天才でした。
しかもジミヘンのコピりをこえて独自に展開する世界がもう異質と表現するしかない程の代物。

 TRANSCENDENTAL SKY GUITAR / ULI JON ROTH

そしてコレが、ウリ・ワールドを存分に楽しめる、今一番手に入りやすい一枚。
とにかく叙情的で。とにかく吸い込まれるような。とにかく心がかきむしられるような。
とにかく何もかも本当にスゴいです。
特に1曲目のスカイ序曲が、情感的にも技術的にも誰にも真似できないンじゃないかっつう程の
オーラを出してます。必聴!

スカイ・ギターと呼ばれるその神技を聴くたびに、ギターって何てすげえ楽器なンだ、音楽ってやっぱ
いいよなあ とかいう、誰でもわかってるすごく簡単な、それでいて割と見落としやすい何かを思いだしたり
するのです。




これでミーのG10は終わりです。
投げっぱなしの拙い文章を読んでいただき、本当にありがとうございました。
もしどなたか、この企画に賛同して頂ける方がいらっしゃいましたら、是非とも貴方のG10
もしくはVocal10、はたまたBase10Drams10を、聞かしていただければ… 楽しいだろうなあ。


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