Ballade 10

G企画用テキスト

個人的に大好きなバラード・ソングを10曲集めてインプレしてみました。



B1:Catch The Rainbow / Rainbow

 銀嶺の覇者/レインボー

僕らは虹をつかめると思った
太陽へと向かう風に乗ってさまよう船に身をまかせても
人生は鋼鉄の鎖のついた車輪なんかじゃない筈
だから、神よ守りたまえ、夜明けがくる
夜明けが来る
夜明けがやってくる


レインボーというグループの何が凄いかと言ったら、そりゃリッチーの王道ともいえる
ギタープレイも確かにそうなのですが、彼がスターダムの階段へと押し上げた歴代VO達
の声がメチャクチャ切なくも力強くて最高、という点にもあると思うのです。

私はそんな個性派揃いのレインボー歴代VO全員が大好きなのですが、その中でも特に好きなのが
ロニー・ジェイムス・ディオ様なのです。貫禄・帯域・重量感・質量感ともにクラシカルハードの
王道を闊歩するキング・オブ・ザ・ヴォイス、そンな彼の力強くも切ない声が粛々と歌い上げる
レインボー屈指のバラードが、この「虹をつかもう」です。まだレインボーを聴いたことがない方
には是非ともオススメの1曲です。




B2:Please Don,t Leave Me / Blue Murder

 スクリーミング・ブルー・マーダー/ブルー・マーダー

ダーリン、どうか俺を傷つけないで
俺をおいていかないで
そんなやり方で俺を傷つけないで
お願いだよ、俺を残していかないで

歌詞だけ眺めるとえらくアレな感じに見えるこの曲ですが、マジでいいンですコレがまた。
もう出だしのギターフレーズからして、ブルージーこのうえない雰囲気が漂いまくり。
その上にサイクスの切なくて寂しい歌声、そして荒々しくも哀しげなギターソロがのっかって、
まさに究極のバラードとも言える1曲に仕上がっています。
でもサイクスさんの本質はバリバリのロックなので、これが彼の全てと思っちゃダメー。




B3:The Unforgiven / Metallica

 メタリカ/メタリカ

俺が感じていること
俺が知っていることは
絶対に俺が示していることに輝きいではしない
決して自由になれず
決して自分にもならず
ゆえに俺は汝を許されざるものと名付ける


この単なるベタ以外の何物でもないジャケットを掲載することに何の価値を見い出せばいいのか
やった私自身まるで分かりかねてますが、まあ自己満足だからいいのです。

メタリカって歌詞を眺めてみると、わりと精神的な世界や抽象的な表現を上手く使っていたりして
その辺りの表現が非常に上手いなあといつも思うんですが、この"Unforgiven"はそンな彼等の
曲の中でも特にアタリ。物悲しいイントロも、詞がかもしだす雰囲気にものすごくマッチしていて,
最高にグーだと思います。




B4:For The Love Of God / Steve Vai

 パッション&ウォーフェア/スティーヴ・ヴァイ

<インストゥメンタル>

4日の断食をしたのち録音に臨んだといういかにもな逸話も手伝って、この世におけるインスト曲の
美しさの概念を塗り替えてしまった名曲中の名曲。

この曲の何がスゴいかって、奥行きの広さを感じさせる特徴的なリフの繰り返し・揺り返しの中で、
音の密度がどんどん高まっていく、その張りつめたテンションの味わい。そしてその臨界点における
全てのパラメーターがレベルを振り切るか振り切らないかギリギリの部分で、そのバランスを保ちつつ、
しかも全体の流れを壊していない、というところにあると思うのですが、書いているうちに僕自身も
何がなんだかよく分からなくなってきました。一聴は百読にしかず、ということですね、つまりは。




B5:Goodbye To Romance / Ozzy Osbourne

ブリザード・オブ・オズ/オジー・オズボーン

きのうは去ってしまった
明日は太陽に出会えるだろうか、それとも雨か?
みんな楽しんでいるのに、俺は一人ぼっち
つまらない生活さ
グッドバイ・ロマンス グッドバイ・フレンド
すべての過去にさよなら
またいつの日にか会えるだろう

オジーと言えば? 「ハトを食らう」以上。
あ。もうひとつあった。「単なる酔っぱらい」以上。

いやいや、実際のオジー様は、雰囲気はハードに、でもその本質は割とポップに、みたいな、
非常にフレキシブルな音楽性と実に広い懐をお持ちの、かなり天才ライクな御方なのです。
そンなハードロックの大御所ともいうべき彼が、当事の若き天才ギタリスト、ランディとともに
情緒感たっぷりに歌いあげる伝説のスーパーバラードがコレ。
鎮魂歌のように切々と響くランディのソロも手伝って、まさに玉石のような名曲に仕上がって
います。ランディ・ローズよ永遠に…




B6:Beth / Kiss

 地獄の軍団/キッス

ベス、お前の声が聞こえるぜ
でも、今すぐにゃ、やっぱり帰れないんだ
仲間と遊んでる最中で…おまけにいま、音なしときている
あと1、2時間…
そしたら俺も家に帰るさ ほら仲間が呼んでいる
どうすりゃいいンだ… ベス、困っちまったよ

外見だけで中身を判断するのは良くない、という見本のような名曲。
そのメロディラインの美しさは、「キッス」というバンドが本来持つイメージとは
また別の側面を垣間見させてもくれます。
え〜今頃キッス?どんだけ〜 という方に特にオススメ。




B7:Long Away / Queen

 華麗なるレース/クイーン

僕たちは後ろに何か置き忘れたのだろうか?
歩んできた道のはるか後方に…
希望のない道のどこかに…
なんて長い道のりだろう なんて長い道のりだろう なんて長い道のりだろう
僕はいまだに
いまだに その道を探し求めている

コアなクイーン・ファンに「シングル・ヒット曲以外でもっとも好きな曲はなに?」と問うと、
かなりの確率で返ってくる答えが「39」だというお話を、どこかで読んだか聞いたかしたような
気がするのですが、この「Long Away」も、バリバリその系統の曲です。

カントリー調のメロディが飄々とリズムを刻む中、ブライアンメイの優しくて甘いヴォーカルが、
けだるげな全体の雰囲気にぴったりとマッチしつつ、ゆっくりと静かに流れていく… 
まさに「染み入ってくる」という表現が相応しい名曲だと思います。
それにしても、この人はそのギターの腕前のみならず、シンガーソングライターとしての能力も
凄すぎると思いますね。「天は二物を与えず」も当てにならないなー




B8:Diamond Dust / Jeff Beck

 ブロウ・バイ・ブロウ/ジェフ・ベック

<インストゥメンタル>

ポツポツと始まり淡々と響くピアノの主旋律の中、見事なまでに斜陽と哀愁を感じさせるギターが
響きわたる、あまりにも美しすぎるハーモニー。

曲の雰囲気全体に漂う質感やオーラにも、ジェフベックならではの元曲を超えた何かが滲みでていて、
まさにオンリーワンという他ないギター・インスト曲の頂点たる1曲に仕上がっています。
ベックさん聴いたことない方はまずココから入ってみましょう。秋とかに聴くと特にハマるかな?




B9:November Rain / Guns N Roses

 ユーズ・ユア・イリュージョン1/ガンズ・アンド・ローゼズ

だって何事も永遠には続かない
それに心は変わってしまうものだと
ふたりともわかっているはず
冷たい11月の雨の中で
ローソクを掲げているのは難しいことなんだ

「ペイシェンス」かコレか、最後まで迷いましたが結局コッチにしました。
誰もが1度は耳にしたことのあるであろう、HR/HMバラードの定番。

素晴らしくドラマチックなメロディとあまりにも野卑すぎるアクセルのヴォーカルが
カオスの中でせめぎあった中に生まれる粛々としたシンクロ感。
そして徐々にテンションが高まっていく中にて訪れる、見事なまでのハイヴォルテージ。
「ガンズ」というバンドを最後まで伝説たらしめた、その理由の一つがまさにここに…!

ところで新譜って、いつ出るんでしょう?(ここ10年、待ちぼうけ)




B10:スローバラード / RCサクセション

 RCサクセション・コレクション

昨日はクルマの中で寝た
あの娘と手をつないで
市営グランドの駐車場
二人で毛布にくるまって 
〜カーラジオから スローバラード〜

いまさら説明するまでもない、日本人の日本人による日本人のための究極のバラード。
これを「いいなァ」と思うあたり、私は骨の髄まで日本人。

何がいいかって、曲から感じるドラマも受けるテンションも、ラストにつながる盛り上がりも全部!
バラードにおける完成度の要たるバックグラウンドのピアノ・メロディも飛びぬけて秀逸。

「悪い予感のかけらもないさ」

実際、常にそうありたいものです、いかに現実がリアルに迫ろうとも。


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