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なんこつライス哀歌


#注釈:
 なんこつライスとは、記念すべき第1話で黒沢さんが食したオリジナル・フードのことを指す。
 これに居酒屋・ロンリーという2オプションがつくことにより、最強の黒沢ワールドが完成するのである。



休日1日目の夜からいきなり徹麻雀ブチかましたあげく、次の日の朝に帰ってきて、そのままバタンキュー。
で、起きたら辺りはびっくりするぐらい真っ暗だったというわけで、すっかり死にたくなってしまった僕は
自分に罰を与えるため、おなじみの個室ビデオ屋行きを敢行しようとしましたが、その途中でいきなり天から
今こそなんこつライスを食すべしとの天啓を授かってしまったので、仕方なく黒沢さんワールドを最高に体感
する為の旅にでてしまったというわけです、ああ面倒臭いなあもう(プンプンだゾ☆)

で、サクッと白木屋に到着した僕は、あのおなじみのシーンを再現すべく、早速メニューの中から、
ライスセットとなんこつ揚げをサーチングしはじめました。



なるほど。確かにメニューにあるね。




なるほど? ごはんセットもちゃんとある。
ちなみに白木屋での(作中では白本屋)ソレの正式名称はライスセットじゃなくて”ごはんセット”。




マスターカードで買ったごはんセット… 180円。
マスターカードで買ったなんこつ揚げ… 240円。
お金で買えない価値がある… クロサワです。


そんなCMライクな感じで合成すると、とっても死にたい気分になって良いと思うナァ僕は。
確かにお金で買えない気分が味わえるし。
無性に野犬とかを横断歩道の上からハンマー投げしたい気分だよ実際、いやあ楽しいなあ!




とりあえず ザッ! って感じでごはんの上になんこつをぶちまけてみる。




そんでもって思う存分 バク‥ バク‥ バク‥

うーん。 

いやー普通ー 

普通すぎるくらい普通にご飯の味しかしないー その普通さゆえ逆に落ち込みますわコレは。
やる前からそんな結末が分かっていただけにキッツイなあ− てゆーか普通につまんねーな

この状況を打破しようと、むりやり黒沢さんの真似をしてみることに↓



ますますつまんなくなりました。
むしろもっとつまらなかったのは、こんな写真を無理くり撮らされた店員の方だったと思います可哀想に。 
で、あまりにも度を超したこの閉塞的状況を何とか打破するため、虫オトモダチであらせられるところの
清水クンを急遽呼び出すことに。

 「もしもし…あっ清水?」
 「…(明らかに覚醒してない様子) …む。う、ん」
 「今、白木屋。面白いマンガ貸すからすぐに来て」
 「… … … えっ?」

その後、ブツッ!という音とともに勢い良くケータイは切られてしまったというわけで(僕から)。
その30分後にやってきた清水君の顔を見るなり「帰れ!」と叫んだら泣きそうになられたので、
僕はますます死にたい気分にかられました。もうね今ならアキハバラ・アニメイトの前で思いっきり
ハードコアなアニマル系同人誌読みつつ足下にペットボトルとかいう腋臭包茎童貞の必須アイテム
みたいなナイスグッズを置いてもうクツクツ笑えちゃうよね?噛み殺すようにこうクックックッって感じで。
そんなことを思っている間に”最強伝説黒沢”を読み終えた清水君がこうのたまわれました。

 「彼は… 偉いよね」
 「… えっ?」
 「だってさ、諦めてないじゃン?人生をさ?」
 「???」
 「ポジティヴだよ彼は。現状を理解しつつ、変えられるところから変えていこうと努力してるんだから」
 「えー?」
 「ま、それがカラカラと空回りしてるところが若干悲しいけどね。これはもう仕様がないしね」
 「しょ‥しょうがない…?」
 「そうさ、仕方がないよ。どうしようもない現実というのは確かに存在するものなんだ。故に結果は変わらない。
  後はどちらを選択するかさ? それを変えようともがいて生きるか、それを受け入れて楽に生きるか」
 「そ…そんなことはないんじゃないか? 諦めないことが可能性を広げていくことに繋がるンじゃないのか?」
 「フーン(勝ち誇ったように)何をムキになっているンだい?誰も君のことなんて言ってやしないのに」
 「や。お俺のこととか他人のこととかカンケーないって! 姿勢のさ!生き方における姿勢の話しを俺は…」

そんな僕を見やりつつ、彼は今まで見たこともないような優しい目をしながら、僕の言葉を遮りました

 「分かってる、分かってるよサカイ。 だからもうみなまで言うなって、何も言うなって。分かってるから…」
 「なっ! お前に俺のな何が分かるって…」
 「もう…もういいんだよサカイ…」

僕は見逃しませんでした。彼のその優しげな表情の中にある、口元の端にへばりついた微かな嘲笑を。

 「あっ!お前! あっお前まさか! いま俺のこと可哀想だと思ったろ!」
 「何をバカなこと言ってるンだい? やだなあ、そんなこと思ってやしないさ?」
 「あ!あっあっ! やめろ!即刻その目やめろ! 俺をそんな優しい目で見んなー!」
 「サカイ… 諦めろとは言わない? だけどさ?何も変わらないことってあるンだよ?」
 「おっお前にだけは!パンチングゲームやって小指の骨折ったハト並の脳しか持たないお前のような男にだけは!わー!」
 「大体さ。そもそも僕らは5年前からこの黒沢さんそのものだったじゃないか? まさかソレに気づいてないの?」
 「何を‥何を言ってるンだい清水クン?僕には分からないよ!清水クンが何を言ってるのか分からないよ!」
 「エヴァネタで誤魔化そうとしても一切無駄だよ。今日という今日は絶対許さないよ。もうとことん詰めきるよ」
 「ど…どうしたんだよ、いつもの清水に戻ってくれよ…あのいつものステゴザウルスのような笑顔を見せてくれよ」
 「いつもそうだったよね僕らは。 何時かやるから、これはネタだから、そのうち何とかなるから。
  そんなことを続けつつ、ふと気づけばコレだろ? もうね、いい加減認めようよ。これが最終形なんだってことを
 「し…清水クンのバカー!」

そう叫んだ僕は、立ち上がりざま持ってた小銭を清水クンに全部投げつけて、そのままダッシュで店を飛び出しました。
ももももう何がなんだか分からないけど、とにかく僕は走って、走って、走って… 疲れきって歩きだし… 
そして、とある自動販売機の前で立ち止まり、そのままそこで力尽きてしまいました。



分かってるさ、彼の言いたいことは。分かっていたさ、少し前から。
だけど… 今までそれに気づいていないふりをしてきたけれど… もう…もう…もう…
もう面白いと思う事は積極的にやっていきたいけど、”とりあえずネタだから”的な言い訳は一切しません。
僕は自己顕示欲が強い人間です!とかよくアリガチに書きつつ、だけどそれを分かってる僕は(私は)まだ
マシな方なのよオーホッホッ的な言い訳ももうしません。
今こそはっきり言い切ります。何が駄目なのか、よく分からないけど、僕は確かに今まで駄目でした、
そしてこれからも駄目です!だけどそれをそうと言い切りたくない自分が確実にここにいるンです!
自分の為とか友達つくる為とか暇つぶしとか、そういう言い訳はもうしません!似たような逃げ道もつくりません!
分かっちゃってるフリももうしません!もがき足掻いていることを隠しません!
だから諦めたくもないんです!希望にしがみつきたいンです!だけどそう思って何が悪い的な居直りももうしません!
ハッキリ言って悪いです!確実に罪悪です!こんなこと書いてる暇があったらやることなんて幾らでも他にあります!
もうハッキリ認めます!個人サイトは罪悪です!何一つ持ってない人間がそこにしがみつきたいが故に行う排他的行為です!
だけど僕はそういう人間なんです!こればっかしは居直ってるわけでもヤケになってるわけでもなく、
ただただそれが事実なだけなんです!わー!ホントにどうしようもねー!



そんな自己内罰的な想いにふけっていたら、僕はすっかりオネムになってしまいました。
あーもうこのままここで熟睡したいー ‥こういうのもたまにはいいよね。ホラ空にはあんなに星がさ…
とか思ってる間もなく親の仇でも見つけたかのような勢いで雨が僕めがけてザアアアアアアアアと降ってきたので、
僕は「ひゃああああああああああああ」って叫びながらダッシュで家に帰りました。楽しすぎて死ねるわ。


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