第41話:目覚め

#レコア、アーガマと決別するの回、パート2。

「うぬぼれるな!」(バスク)
  毒ガス作戦の実行を渋って、この一言とともに修正されるレコア。
  それにしてもなんだ、この一時代前のマンガのような渾身パンチは?

  


「いやー!いやいやいやいやー!」(ロザミア)
シンタ、クム、足を抑えてくれ!(ハサン先生)
  身体検査をこばむロザミィに対し、遂に実力行使に出るハサン先生。
  ま、まさかZで、こんなにもオカズになるシーンとお目にかかろうとは。
  セリフ的にも描写的にも、もはやギリギリ。
 
  


  この後、カミーユの説得に対して「本当にこわいことしないー?」と返すロザミィは神。
  ギリギリどころかアウトだよ。ビーチクが… び、ビーチクが…!(ジャンプ及び少女マンガ検閲アウト描写)
..

  

「うるさい!邪魔するなー!!」(カミーユ)
  毒ガス作戦の指揮をとるレコアに怒り心頭のカミーユ。背後から迫るハイザックを一撃。

  


「何故、こんなむごい作戦に貴女が!?何故なんだ!」(カミーユ)
「子供には、分からないことよ! こんな遅い戦い方では、シロッコは倒せないわよ!」(レコア)
「分かるものか!僕は貴女を許さない!」.
…死んだら、許すも許さないもないだろ?坊や.
「貴様ァ!」.
  そんな怒髪天状態のカミーユを、「坊や」扱いで一蹴するレコア。
  カミーユ相手になら、かつてのガルマに対するシャアばりの貫禄でもって対応できるレコアだが、
  相手が本家シャアとなると…(↓)

「今さら何故かとは聞かん」(シャア)
「大尉、貴男はいつもそうして。いつも自分だけ高いところにいようとする!」(レコア)
「それが理由か。レコア少尉」.
「ならば、せめて私の手で、その業を払わせてもらう!」.
世界が自分を中心にして動くと思うな!.
  即、メス犬本能が発動してこうなっちゃう。(もろビンゴのシャア評だけど)
  なにあっさり本音をダダもらしてるか、この売女(まさに!)。
  レコアとエウーゴの間の亀裂が修復不可能になった瞬間。

「そらが…落ちる…!ああ…!」(ロザミア)
  コロニーの惨状を目の当たりにしてスーパーサイヤ人化したカミーユが
  ティターンズのハイザックを次から次へと屠っていくのを見て、遂に覚醒するロザミィ。
  カミーユはフォウ、レコアに続き、ロザミィも失うことになる。

「…またはずれた! 何故、落とせん?私にためらいがあるのか?」(シャア)
「あたしが貴男を倒すのだよ、シャア!」(レコア)
  かつての同僚を前にして、人間的弱さを露呈してしまうシャア。
  それ見てますますつけあがる売女レコア。アクの強さだけでいったら既にカテジナ級。

<次回予告>
  
ロザミアには、バウンド・ドックが与えられ、サイド2の空域に投入された。
  その機体と遭遇したカミーユは、ロザミアを引き戻そうとしたが、ロザミアはカミーユの前から姿を消した。
  次回、機動戦士Zガンダム「さよならロザミィ」。君は、刻の涙を見る…!




第42話:さよならロザミィ

#カミーユとロザミィ、最後の交流を描く回。
 
  

  
カミーユに対する態度を秒単位で変化させるロザミィ。
  お兄ちゃんお兄ちゃん言ってじゃれてきたかと思ったら、次の瞬間には殺されかけたり
  これ、どういうレベルのツンデレだ?

  

  あと、この回から遂にバウンドドッグが実戦投入。
  変形前が左、後が右。ビフォーアフターのギャップと、ウサギみたいなラブリーぷりが最高。
  こんなナリしてても搭載されている拡散波動砲は今までのMSとは比べ物にならないくらい強力。

「先生、強化人間なんか作って、一体なにになるんです?」(カミーユ)
「医者というのは、可能性にチャレンジするチャンスを待っている人種でね」(ハサン)
「他人の体なら、どこをいじりまわしてもいいって言うんですか?」.
「人類が自然にニュータイプになるのを待つより、作れるならば…」(シャア)
「それはニュータイプじゃないでしょ!」.
「そうだな…」.
「そんなの駄目ですよ!」.
「自然の革新を待つのが本当だが・…」.
「それを待っていたら、地球は人類の手で汚れきって、死に絶えます」.
「そうだな‥」.
  ロザミィの診断結果を協議検討する面々。
  シャアの地球に住む人類への粛正思想はこの時点でほぼ固まりつつある。
  それにしてもこのシリアスなシーンの直後、エマに健康診断を迫り「胸をあけて?」
  といきなり宣って拒否られるハサン先生は相変わらずいい味だしてるなあ。

「しょせん、オールドタイプには感じることの出来ない痛みだ」(ゲーツ)
  実はゼータ一の美少年キャラではないかと思われるゲーツ・キャパ君、初登場。
  そっちの素養アリアリの人は、虐められ受けキャラ専用でお使いください。

  


<次回予告>
  
月面の都市グラナダに、グリプス2のレーザーが発射されようとした。
  エゥーゴは、ハマーン・カーンの協力を得て、グリプスの機能を一時、停止させようとする。
  次回、機動戦士Zガンダム「ハマーンの嘲笑」。君は、刻の涙を見る…!




第43話:ハマーンの嘲笑

#コロニーレーザを巡るアクシズとティターンズ、そしてエウーゴ、三者三様の腹のさぐり合いが面白い。
 
 
 そしてこの回より、遂にキュベレイ登場。
 
 いつのまにか、バーザムも実践投入されていたり。

「グリプス2のコロニーレーザーを、グワダンの手で破壊してもらいたい」(シャア)
「フフ‥シャアからそのような申し出を受けるとは嬉しい。.
 だが、困ったものだな。お前はものの頼み方を知らないようだ」(ハマーン)
  ここぞとばかりにシャアをイビる、小悪魔ハマーン様。
  シャアに一礼させたあとのツンとすました御満悦顔が、なにげに可愛いっスね。

  


「これでいいなら、安いものさ」(シャア)
  こちらは屈辱アズナブル君。少しは大人になったものと見える。
  だけどその目は全然笑っていなかったり。

「Zガンダム、カミーユ、いきます!」(カミーユ)
  そいやシリーズ度恒例のこれを、まだ名セリフとして挙げてなかったね。

  


「ザビ家再興の日も近い。それがともに良き日であることを祈ってほしい」(ミネバ)
「はい」(シャア)
「ミネバ様、これでエウーゴはアクシズのものでございます。.
 これ以降はミネバ様の手足となって、ザビ家再興の為、働いてくれるでありましょう」(ハマーン)
「それは、シャアの功績であるな」.
「はい、もちろんでございます」.
  ここのところハマ−ン様に踊らされまくって、内面グツグツきてるアズナブル君。
  この後、公演のベンチに1人佇んで両肩をワナワナゆわせるという負け犬プレイを思う存分お楽しむことに。
  更にはあろうことか元祖自閉症キャラのカミーユにまで同情されるという醜態まで晒す羽目に。正直オワター
  それにしてもミネバ様、可愛いなあー

  


<次回予告>
  
ザビ家再興を目指すハマーンは、エゥーゴと手を結びながらも、ジャミトフと会った。
  それが出来るのも、ハマーンには、決定的な武器があったからだ。
  その作戦の中、カミーユはサラ・ザビアロフと出会った。
  次回、機動戦士Zガンダム「ゼダンの門」。君は、刻の涙を見る…!




第44話:ゼダンの門

#ゼダンの門、旧ア・バオア・クーを舞台にしての前哨戦。
 今のところ、ティターンズとの関係をこじれるだけこじれさせ、
 それにエウーゴをも巻きこんだハマーン様の一人勝ち状態。

「ハマーン・カーンか…」(ジャミトフ)
「はい、破廉恥このうえない女です」(ジェリド)
  ティターンズの邪魔をしておきながら、のうのうと会談を申し込んできたハマーンの行動を見て。
  それにしても「破廉恥」て、ものすごい寸評だ。

「貴男達、大人の詭弁は聞き飽きました」(カツ)
  どっちつかずなコウモリ・スタンスを取り続けるハマーン様に怒りのおさまらないカツ。
  これが若さってことなのよね。

「利用されているだけだと、何故わからない!」(カミーユ)
「他人の貴男に分かることではないわ!」(サラ)
  ここで新型MS登場、ポリノーク・サマーン。
  スラスター出力に百式ばりのスペックを誇り、近接戦闘に力を発揮する機体でありながら、
  まるでカミーユの相手にならないのは、サラの未樹さゆえか。

  


「できない…出撃できない…」(カツ)
「ジオンの為なんかに出撃できない!」.
  んなこと言って苦悶ツラしてたわりには、サラの声を聞いた瞬間、「トーレスさん、出ます!」
  …って、なにこれ? 主義も信念も全部見せかけ、これが若さってことなのよね。

  


「そんなにシロッコに抱かれたいのか!」(カミーユ)
  ジェリド駆るバイアランとの戦いを妨害された挙句、
  カツを利用してグワダンを沈めさせようとしたサラに対して、ブチ切れて。
  朴念仁のカミーユがこんな直接的な表現を使うのは極めて珍しい。

「カツ、強くなったのね。前とは人が変わったみたい」(サラ)
「君のおかげだよ、サラ」(カツ)
「え?」.
「人間不振に陥れば、用心深くなるさ」.
「強くなるのはいいことよ。それが好きなひとの為なら」.
「そうだな。君もそうやって強くなったんだね。シロッコの為に…」.
  そら、あんたのせいで独房ブチこまれた挙句、その中で正座させられて、一晩中
  「人間ってそんなに信じられないのか」と悔し涙まじりに呻いてりゃね、強くもなるよねー

  


「僕には、まだ人殺しは出来そうにない。.
 それに人殺しが一番いい方法とも思えないだろ?」(カミーユ)
  ファに「なんであの人を連れてきたの?こうなるのわかっていたでしょ?」と言われて。
  悟りすぎてどんどん人間離れしていくカミーユに比べて、ここのところのファの俗っぷりは酷い。
  少し前にロザミィが去った際も「あの女が、行ってくれた…」とか呟いてたし。あんた正直すぎやわ。

<次回予告>
  
エゥーゴとティターンズは、ハマーン・カーンの手の内で、雌雄を決する形となった。
  その結果は、ハマーンが勝利を得るだろう。
  ジェリドの叫びも、レコアの思いも、大勢の中では悲しいまでに関係がなかった。
  次回、機動戦士Zガンダム「天から来るもの」。君は、刻の涙を見る…!




第45話:天から来るもの

#ハマーンによる、ゼダンの門へ向けてのアクシズ落とし、発動。
 右は真っ二つに割れたゼダンの門。

 


「何故、裏切ったんですか、レコアさん」(ファ)
「やはり、そういう風にしか見えなくて?」(レコア)
「当たり前でしょ?」.
「私はもともと主義者ではないわ、.
 私は戦争でなくしてしまった私の感情の行きどころを探して、生きていたわ」.
「そんな人が私を哀れんで撃墜しなかったんですか?感情的にもならず」.
「今の私は女として、とても充足しているの。安定しているのよ。.
 …でも、ときどき昔のことも思い出すから」.
「それは勝手です!私にもカミーユにもショックでした。カミーユは苦しんでいます」.
「そうね、カミーユは男だものね」.
「関係ないでしょ?」.
「世の中には、男と女しかいないのよ。それは思想とか信念とは別のものよ」.
「アーガマの男達は、自分のことしか考えていなかった…!」.
  ファとレコアの朝まで生討論、「男なんか!男なんか!」編。
  要するにシャアにないがしろにされたので思わずカーッとなって以下略、とかそういう感じで
  たぶん間違ってないと思う。そいや搭乗MSが40話よりパラス・アテネになってたね。

  
 

「私は貴男よりも先にシロッコに出会ったのよ」(サラ)
「そんなことが理由になるものか!」(カツ)
「そう…そうなの、分かった」.
「さあ、早く撃ちなさい、今なら撃たせてあげるわ!」.
「やめてくれ、サラ… 会いたいんだ、会って話がしたいんだよ…!」.
「そんな… たとえそう思っていても、それを言うのは男じゃないわ….
 だから貴男のこと、全部好きになれないの!.
  こちらはその余裕のなさっぷりをこれ以上ないというくらい露呈しまくった挙句、
  遂には逆ギした相手に「男じゃない」と面罵までされてしまうカツ。こりゃモテんわー
  
  


「よせえええええええーーーーー!」(アポリー)
  アポリー、ジェリドのバイアランからファを守って死す。
  ブライトを始めとするクソ真面目キャラが多いZにあって、そのおちゃらけセンスは貴重であった。 
  断末魔は「だあああああああああ!」、合掌…
  
  


「貴様!貴様!貴様ァー!」(カミーユ)
「これが戦争だろうが!」(ジェリド)
  ライラ、カクリコン、マウアーと、大事な人を目の前でカミーユにブチ殺されてきた
  ジェリドならではの重みあるセリフ。

「私… 女って、ああなんじゃないかと思ったりするんです…」(ファ)
  レコアを撃てなかったことを振り返り、その理由を考えるファ。
  女がみんなレコアさんみたく直感のみで行動してたら、たぶん今頃人類は滅んでるよ。

  


<次回予告>
  
最後の会談が、シロッコとハマーン、シャアの間にもたれた。
  カミーユは、カツの突出する動きを制止するため、グワダンに向かった。
  その結果、カツは、サラの死を目撃する。
  次回、機動戦士Zガンダム「シロッコ立つ」。君は、刻の涙を見る…!




第46話:シロッコ立つ

#シロッコ、ハマーン、ジャミトフの三者会談実現。
 そして、ますます混沌としていく戦況。

#今日の初登場。
 遂に出た、ジ・オ!
 右にレコアのパラスアテネ、左にサラのポリノークを従えて飛ぶその様は、まさに圧巻。

 


「ゼダンの門が落ちたとき、お前の姿を見なかったな」(ジャミトフ)
「心苦しく思っております。ジュピトリスが好きに動いてくれませんでした」(シロッコ)
  このいけしゃあしゃあっぷりがシロッコ最大の魅力。

「地球の連邦軍も、そろそろティターンズと手を切りたがっているという話ではないか」(ハマーン)
「冗談ではない。状況はそう簡単に変わるものではない」(ジャミトフ)
「まあ、それはどうでもいい。私は宇宙の力を手にした。.
 引力に魂をひかれたティターンズなど恐れるに足らん」.
「たいした鼻息だな。私に組する最後の機会を与えてやろうと思ったのだが」.
「そちらこそ私につけば良いものを。お前はどうなのだ?シロッコ」.
「地球の引力に魂をひかれた人間が、空の民を率いていけないという君の意見は正しい。.
 しかし私は、ジャミトフ閣下に忠誠を誓っている。この自分の血でな」(シロッコ)
 
(と言いつつ、よどみない動作で銃を取り出しハマーンに向けるシロッコ)
「このグワダンで、私を殺したらどうなるか、分かっているだろう?」.
「もちろん。しかし、お前を生かしておくよりは危険が少ない」.
「…それも考えようだな」.
  ハマーン、ジャミトフ、シロッコの三者会談。
  会話の主導権を握ったつもりが、あっというまに舞台の外に追いやられてるジャミトフの
  シカトされっぷりに注目。

  


「シロッコ…貴様…!」(ジャミトフ)
「そういうことだ、すまない。ジャミトフ」(シロッコ)
  存在感を希薄にされた挙句の果て、シャア乱入のドサクサにまぎれて呼び捨てられた上
  殺されるジャミトフ。これ以上ないというくらい惨めな死にっぷりだ。しかも断末魔、無し
  別の意味で泣けるわー 

  


「このキュベレイ、みくびっては困る!」(ハマーン)
  シロッコのジ・オ、レコアのパラスアテネ、サラのポリノークに囲まれての3対1戦闘。
  圧倒的不利な状況の筈なのに、タメに持ち込むどころかむしろ相手を圧倒するハマーンの
  ニュータイプ能力は普通じゃない。だがハマーンのキュベレイ放つビットを「見えた!」の
  一言で次々と撃破していくシロッコの力もやはり並ではない。

  


「カツ、駄目えーーーーーー!」(サラ)
「サラ…そんな…」(カツ)
「サラ!」(シロッコ)
  が、そんな超大物同士の戦闘の中に、まるで空気を読めないカツが突っ込んできて、あろうことか
  シロッコに砲撃。案の定、これまた空気の読めないサラのポリノークが、ほとんど助けを必要として
  いなかったシロッコの楯にわざわざなって意味なく撃沈。この空回りっぷりはいくら何でも酷すぎる。
  あ、ちなみに断末魔は「カツ、逃げて… はやく…ここは…アアアー」でした。

  


「貴様か!サラを惑わせたのは!」(シロッコ)
(サラの幻影をみて)サラ!」(カツ)
「カツは、私に優しくしてくれた… だから、逃げて… はやく…!」(サラ)
サラが許しても、私は許さん!.
  アホな子こそ可愛いと言うが、シロッコも御多分にもれずその例に当てはまっていたようで
  サラが逝った直後、今まで一度も見せたことのないような憤怒っぷりを見せる。
  シロッコがただのイヤな奴ではなかったことを証明する、貴重なワンシーンだと思う。

  

<次回予告>
  
ブライトは、メールシュトローム作戦を始動した。
  グリプス2を包囲して、その機能を殺し、利用しようと言うのである。
  カツは、哀しみを晴らすように突進し、それを制止する者はいない。
  次回、機動戦士Zガンダム「宇宙の渦」。君は、刻の涙を見る…!




第47話:宇宙の渦

#グリプス2のコロニーレーザーを巡る、メールシュトローム作戦発動。
 
「カツとファめ、戻ってきたら修正してやる!」(ブライト)
  ブライトの声をあてた鈴置洋孝さんが、2006年8月初旬頃、お亡くなりになられたそうです。
  あの名セリフ「なにやってんの!」をもう聞くことが出来ないかと思うと、残念でなりません。
  今はただただ御冥福をお祈りします。

  


「ん?な、なんだ、鳥肌がたっている…!なんだというのだ!?」(ハマーン)
  カミーユの接近を察知して、グワジン内で身悶えるハマーン。
  そいやグワダンは前回で失っちゃったんだよね。

  


「やつらのペースに乗せられすぎだ、見てはおれん!」(ハマーン)
  さんざやきもきした挙句、遂には我慢できなくなって、自ら出陣すると言い出すハマ−ン様。
  常に冷静沈着なようで、実は案外と激情家だったりする。そういうところシャアに似てるよね。

「ハマーン・カーン、お前は戦いの意志を生む源だ!生かしておけない!」(カミーユ)
「ニュータイプか」(ハマーン)
「ハマーン、お前は人を不幸にする!」.
「俗物が私に…!」.
  Zガンダム名勝負数え唄があったとしたなら、確実にトップ3には入るであろう戦闘シーン。
  お互いのニュータイプ能力を全開にしあって相対するカミーユとハマーン。
  その結果、両者の強固な意志が共鳴しあって、宇宙空間が、なんかもう大変なことに。

  


「同じものを見た」(カミーユ)
「ただの記憶が…」(ハマーン)
「人は、分かりあえるんだ…!」.
「分かりあえる… そういうことか!」.
「そうだ!」.
…………きやすいな!.
  ニュータイプ・ゾーンの中で、カミーユは母親の、ハマーンはシャアの幻影を見る。
  なんだ、ハマーン様ってば、やっぱ本当はシャアのこと大好きなんじゃん。
  やーい、ツンデレだ、ツンデレ。
  だが、弱味がバレたこの後に及んでなお「きやすいな」と意地をはれるところは流石。

  


「Z、私を迷わせたのは貴様か!」(ハマーン)
「夢だったのか?今のは」(カミーユ)
「…やめろ、ハマーン!」.
「よくもずけずけと人の中にはいる!恥を知れ、俗物!.
  本音を知られて怒髪天のハマーン様。
  ツンデレかと思いきや、自分の弱さを見せることを恥と思い違いしているツンツンだった。
  挙句の果てには「暗黒に帰れ」呼ばわりされて、完全にヒステリーを起こす。

  


「時代は確実に動いている… 倒すべき敵、それはカミーユ・ビダン、そういうことか…」(ハマーン)
  遂にカミーユのことをシャア・シロッコと同等クラス… 
  いや、それ以上の要注意キャラと認めはじめたハマーン。
  まあ結局、この二人がそれ以上やりあうことはなく、カミーユの意思はその後のジュドーに
  受け継がれることになるわけだが。

「僕は、チャンスがあったのに、ハマーンを殺せませんでした」(カミーユ)
「気にするな、それは私の役目だったのだろう」(シャア)
「…いえ、僕のもろい心が、ハマーンの強烈な意志に負けたんです。それだけです」.
「危険だな、カミーユ。それではアムロ・レイの二の舞いになる」.
「…そうでしょうか?」.
「アムロは自らの魂を解き放つのに7年もかかった。それは地獄の日々だった」.
「はい」.
  従来からかなり素養のあった自閉症因子に、自虐症をも加えて、いよいよ完全無欠の
  メンヘル君へとなりはてつつあるカミーユ。
  アムロの二の舞いどころか、この時点でそれ以上に酷いことになってるんじゃないか?

<次回予告>
  
ロザミアのサイコガンダムは、ロザミアの命を引き換えに、その性能を十分に発揮した。
  しかし、その戦いの中でカミーユは、懐かしい声を聞くのだった。
  次回、機動戦士Zガンダム「ロザミアの中で」。君は、刻の涙を見る…!




第48話:ロザミアの中で

#元祖「妹」兼「白痴」キャラ、ロザミィが、星になっちゃう回。

「カミーユ、いつからそんな苦労性になった?」(ブライト)
  「もし、このままアクシズがグラナダに落ちたら、僕の責任です。僕が、ハマーンを殺せなかったから」
  とかなんとか、グチグチ言ってるカミーユのセリフを聞き咎めて。
  この後、シャアが「カミーユ・ビダンか。いい方向に変わっているようだが」とコメントしているが、
  こいつの人を見る目のなさっぷりったらないね。どこをどう見ても壊れ始めてるというのに。

「ね、戦争が終わったら、また前みたいに学校行ってケンカして、昔みたいになるわよね」(ファ)
「ファ………」(カミーユ)
「ね。カミーユ?」.
「元通りにはならないさ、俺は自分の役目が分かってきたから」.
  悟りすぎたあまり、いよいよ仙人化していくカミーユ。
  アムロとフラウも終盤辺りで似たようなやり取りしてたっけな。

  


「ロザミア、聞こえているか」(ゲーツ)
「ええ、お兄ちゃん」(ロザミア)
「よーし、いい子だ。息を2回吸って一度で吐く。そうだ、ゆっくり… 落ち着いてるな、ロザミア」.
「ええ、お兄ちゃん」.
  ロザミィとか、もう「ええ、お兄ちゃん」としか言わなくなっちゃってるし。
  いかにこのZの終盤が病んでいるかということを如実に示すヒトコマ。

  


「Zは倒すべき敵!」(ロザミア)
  とかなんとか言っといて、その5分後にゃ、「あ、お兄ちゃん…」とかなってるロザミィの
  白痴っぷりが凄い。まあ、その最中にフォウからの毒電波を受信してるカミーユも凄いんだけれど。

「ロザミィ、一緒にボートで遊んだこと、覚えていないのか?」(カミーユ)
「お前はお兄ちゃんとは違う、私はロザミアだ。ロザミィじゃない!…あ、うっ!」(ロザミア)
「ロザミィ?」.
「イ、ヤーーーーー!」.
ロザ!?.
「お兄ちゃあーーーーん」.
  ロザミィに対してはとことん意地悪なファに作られた記憶の矛盾を突かれて動揺し、
  公道で「お兄ちゃーん」と絶叫しつつ走り去るロザミィ。こういうの乖離性二重人格っていうの?

  


「ロザミィ、もう一度、もう一度だけ!あの時のロザミィに戻れ!」(カミーユ)
「お兄ちゃん?」(ロザミア)
「そうだ、お兄ちゃんだよ。もう一度、一緒にボートに乗ろう!」.
「違う!」.
「やめろおー!」.

  
(グラナダにサイコガンダムmk2ごと突っ込んでいくロザミィ)

「…ロザミィ…………可哀想だが… ちょ直撃させる!」.
「元気でー、お兄ちゃん」.
「早く…」(フォウの幻影)
「フォウが……!」.
「あ、はやく、カミーユ!」.
「う、あああああああああああああああ!」.
  Zにコクピットをブチ抜かれ、宇宙空間に放りだされるロザミィ。
  断末魔は「
見つけた、お兄ちゃん!」。最後まで白痴だったなあ。合掌…
  どうでもいいことだが、ロザミィが死んだことにより、その精神面とリンクしていたゲーツも、
  「お、お、お、アーー!」とかなってそのまま行方不明に。いや、本当どうでもいいことだけど。

  


#あ、ドサクサにまぎれてバスクもレコアさんにブチ殺されてた。
 断末魔は「正面!シロッコのMS隊が!ぐああああああああ!」だって。
 これまた、どうでもいいことだけどね。

  


「ロザミアさんに言い過ぎたのかしら、あの人に罪はないのにね」(ファ)
「ファは、何も間違ったことなんか言っちゃいないさ…」(カミーユ)
「ニュータイプも強化人間も、結局なにも出来ないのさ。そう言ったのはファだろ?」.
「でも……」.
できることと言ったら、人殺しだけみたいだな.
  
あまりに怖いセリフを、このぬけるような笑顔であっさり宣うカミーユ。
  「あきらめたらそこで試合終了だよ」という安西先生の名セリフもたぶん今のカミーユには届かなそう。

  


「あまり、気にするな」(シャア)
「気にしてなんていませんよ、気にしてたら、ニュータイプなんてやってられないでしょ?」(カミーユ)
  良き優しき先輩ツラしつつ肩をポンってやって、さりげなく全壊寸前のカミーユを励まそうとするも、
  ハナから相手にされてなかったという悲劇がここに。満面の笑顔でその場を去っていくカミーユの後ろ姿を見送る、
  この時のシャアの切なさと哀しさの入り交じった悲痛ツラはマジ必見もの。

  


<次回予告>
  
エゥーゴとティターンズの、最後の攻防が始まった。
  それぞれが、出会わなければ、決して失われなかった命が、宇宙に次々と吸い込まれていった。
  戦いは、血で飾らなければならない宿命を持つ。
  次回、機動戦士Zガンダム「生命、散って」。君は、刻の涙を見る…!




第49話:生命、散って

#そして、カツが、ヘンケンが、レコアが、ジェリドが、エマが…

「そんな弾に当たるもんか!」(カツ)
  ヤザンの弾をかわしてへらず口をたたいた直後、前方不注意で隕石にブチ当たるカツ。
  強がった直後にやらかしてしまうほど恥ずかしいこともそうはない、という見本のようなシーン。
  そら、ヤザンに「なめるからだ!」とか言われちゃうわ。しかもこれが死にザマときたもんだ。
  むしろ生き残って生き恥晒すより、この方が幾分マシだったんじゃなかろうか。

  


「カツ…人は正直すぎてはいけないのよ。.
 でも、それは美しいことだって私に教えてくれたのは貴男よ。.
 だから私はこの世に生まれてきて良かったと思っているの。.
 貴男と出会えて本当に良かったわ、カツ」(サラ)
「さ、サラ… また君に会えるんだね…」(カツ)
「そうよ、カツ…」.
 <離れた地点で戦っているクルー達に伝わるカツの死>
「はっ………カツ?」(カミーユ)
「えっ?」(ファ)
「なんだ!?」(シャア)
「カツ!」(ブライト)
(目の前で爆発後)……カツぅ〜!」(エマ)
  サラの幻影に抱かれつつ散っていくカツ。
  場も空気も読めない上に、すぐ脊髄反射おこして突拍子のない行動に出るという
  最悪も最悪なキャラではあったが、そんな彼も死にゆく間際でようやく幸せになれたっぽい。

  


(被弾しているMK2を見て)エマ中尉が…」(ヘンケン)
「艦長!ラーディッシュ、MK2へ接近させます!」(クルー1)
「駄目だ!ラーディッシュは!」.
「エマ中尉をこのまま見殺しには出来ません!」(クルー2)
「…………すまない …ラーディッシュ前進!目標MK2だ!」.
「へっ、隠れても無駄だァ ………な、なんだ!」(ヤザン)
「ラーディッシュ? ヘンケン艦長!」(エマ)
「左舷、敵MSを叩き落とせ!」..
「ヘンケン艦長、無茶です!撃沈されます!」.
「周囲が無事ならいい、ラーディッシュを盾にしろ!」.
「駄目ですよ!」.
「何故、撃ち落とせん!」.
「ヘンケン艦長、逃げて!」.
「落ちろぉ〜」.
「ヘンケン艦長ォー!」.
  指揮官としての立場とエマへの想いの間で葛藤するヘンケン。
  悩んだ末エマを守ろうと、ラーディシュごとヤザンのハンブラビに突っ込むも、
  奮闘むなしく返り討ちにあい、遂には撃沈されてしまう。

  


エマ中尉……(ヘンケン)
  ヘンケン・ベッケナー。身長195センチ、推定三十路、独身。
  最後の最後までエマの身を案じつつ逝く。合掌…
  
  


「うっ……あああああああああああああ!」(カミーユ)
「そんなことで、このバウンドドッグは落ちないぜ!」(ジェリド)
貴様のようなのがいるから、戦いは終わらないんだ! 消えろ!!.
「俺を戦いに駆り立てたのは貴様だ!そんなこと言えるのかよ!!」.
「俺は貴様ほど人を殺しちゃいない!」.
「俺は…人殺しじゃない!」.
「俺がこの手で殺してやる!そしたら戦わずに済むだろう」.
  別の地点でヘンケンの死を感じ取ったカミーユ。虚空に向かって絶叫し、バーサークーした挙句、
  無敵モードに入って、ジェリド駆るバウンドドッグの装甲を次々と射抜いていく。

  


カミーユ…! 貴様は俺のォ…!(ジェリド)
  直撃は避けたものの、砲撃を受けた反動でコントロールを失い、たまたまそこで被弾していた戦艦
  の爆発に巻き込まれて誘爆死という不運極まりない散り方をするジェリド。最後の最後までツイてないとは。
  はい、突然ですがここでクイズ。「貴様は俺の…」の後に続くセリフは一体何でしょう?
   a)全てを奪った
   b)アナルを奪った
   c)塩を奪った(俺の塩、美味しいよね?)
  さあ、どれだ?

  


「…………みんな、死んでいく… こ、こんな死にかた… .
 嬉しいのかよ、満足なのかよ…!誰が…誰が喜ぶんだよォ!うわああああああああ!」(カミーユ)
  今度はコクピット内で頭を抱えはじめるカミーユ。
  みんな、お前が殺しといて「こんな死にかた…嬉しいのかよ」って、嬉しいわけないだろ

  


「ん…! …不愉快だな、この感覚は」(シロッコ)
「は?」(レコア)
「生の感情を丸出しで戦うなど、これでは人に品性を求めるなど、絶望的だ。.
 やはり人は、よりよく導かれねばならん。指導する絶対者が必要だ」.
「この戦いが終われば、人は変わるのでしょうか?」.
「変えるのだよ。それをやるのはレコア、君かもしれない」.
「私は、貴男に賭けたのです」.
「分かっている。事態は見えてきた、後は簡単だ」.
「はい」.
「ともに、戦おう」.
  相変わらず上から見た物言いで、俺流ゴーマニズム宣言をぶちあげるシロッコ。
  でもさ、「事態が見えてきた」って、「後は簡単だ」って、まさかカミーユが発狂して
  スーパーサイヤ人化しているとは夢にも思っていまい。

  


「エマ中尉、中尉!」(カミーユ)
「カミーユ?」(エマ)
「中尉、貴女?」.
「…ヘンケン艦長が死ぬの……… あたし……… みたわ」.
「中尉!」.
(肩をブンブンゆすられて)…あっ、カミーユ!?」.
「ヘンケン艦長や、カツを殺した人を、このままにはしませんよ!.
 この決着はつけるんです、そうでしょ?そうでなければこんな宇宙も、人の住んでいるところも、.
 息苦しくて…(バイザーを開いてプシュ〜).
「ああっ!? カミーユ、今、あ貴男、自分が何をしたか分かってるの?」.
  茫然自失としているエマを他所に、1人興奮した挙句の果て、宇宙空間だというにもかかわらず
  ノーマルスーツのバイザーを全開にしはじめるカミーユ。正直「息苦しくて(プシュ〜)」からの
  お口パクパクには笑った。
  目の前でこんな狂態見せつけられたら、そら、エマさんも一瞬にして素に戻るわな。

  


「レコアさん、貴女にはカツの声が聞こえなかったの?」(エマ)
「カツ?カツがどうしたの?」(レコア)
「死んだわ」.
「えっ?」.
「ヘンケン艦長も死んだ。貴女は何も感じなかったの?」.
「そうか、あのとき…」.
「みんなは感じたのよ。そしてみんな、あの二人の為に心の中で泣いたわ。..
 でもね、レコアさん。貴女が死んでも誰も泣いてくれないんじゃない?それでいいの?」.
「誰もいなくていい!それが私の選んだ道よ!」.
「強がらないで。レコアさん」.
貴女は女でありすぎたわ!.
「そうよ、私は女よ! だから今ここにいる。貴女の敵になった!」.
「レコア!」.
「だから戦うのよ!」.
人の生き方はそれぞれ。他人の干渉など!.
  レコアvsエマ。
  かたや本能に従い、かたや主義を通した、ある意味、正反対同士の戦い。
  結果、紙一重の差でエマのmk2に軍配があがる。
  
  


「……エマ中尉、分かってよ。.
 男達は戦いばかりで、女を道具に使うことしか思いつかない…!.
 もしくは、女を辱めることしか、知らないのよ!」(レコア)
「辱められたって…?レコア・ロンド?」(エマ)
  コクピットをビームサーベルで直撃されて蒸発死という、無惨極まりない死に方を晒す羽目になるレコア。
  死の間際の走馬灯タイムで最後の思念を伝えるも、どうやらエマにはその意味が分からなかったっぽい。
  どこまでも不遇なキャラだったなあ。合掌…

  


「Z、逃がさんぞ!」(ヤザン)
「貴様、人が死んだんだぞ!いっぱい人が死んだんだぞー!」(カミーユ)
「お前もその仲間に入れてやる、ってんだよォー!」.
遊びでやってんじゃないんだよー!!.
「な、なんだと? あ、あ、あれは…!」.
「命は…命は力なんだ!命は…この空を支えているものなんだ!.
 それを…それを…! こうも簡単に失っていくのは、それは…それは酷いことなんだよォー!」.
「ぐっ、こいつはなんだー?」.
なにが楽しくて、戦いをやるんだよォー!?.
貴様のような奴は屑だ!生きていちゃいけない奴なんだー!.
  スーパーサイヤ人化のみならず、クリリンのことかーモードまで発動。
  バイオセンサーを全開にさせて、ハンブラビの攻撃を全て跳ね返すカミーユのZ。
  その後、唐突に狂犬のごとくウウウウウウウと唸り出したかと思ったら、
  いきなりビームサーベルから波動拳を放ってヤザンのハンブラビを真ッ二つに。
  むしろここまで傍若無人な攻撃されといて、ちゃっかり生き残ってるヤザンを誉めるべきだろう。

  


<次回予告>
  
生き残った者達が行くところはどこだ。
  その予測も立たないままに、人は、人の生き血を吸う。
  シロッコのせせら笑いは、最後のあがきとは思えなかった。
  ゼータが呼ぶ最後の力、呼び起こすのは誰だ。
  次回、機動戦士Zガンダム「宇宙を駆ける」。君は、刻の涙を見る…!




第50話:宇宙を駆ける

#大団円では決してないけれども、ファーストに勝るとも劣らぬ感銘を与えてくれる名ラスト。

「カミーユ… 静かね…」(エマ)
「喋ったら、疲れますよ。落ち着いたらアーガマに戻ります。しばらく辛抱してください」(カミーユ)
「…もう、いいのよ、カミーユ」.
「中尉…!」.
「カミーユ、私の命を吸って…」.
「え?」.
「私の命を吸って! そして、勝つのよ」.
「中尉…」.
「私は見たわ。Zガンダムは人の意志を吸い込んで自分の力に出来るのよ。だから…」.
「そんなこと…」.
「出来るわ!そして戦いを終わらせる…それを貴男がやるのよ、カミーユ・ビダン!」.
「…分かりました。エマ中尉」.
「たくさんの人が、貴男を見守っている… 貴男は一人じゃない…」.
「はい… エマさん!」.
寂しがることはなくてよ….
「エマさん! ………エマ中尉ィィィィィィ!!」.
  ヤザンとの戦いに巻き込まれて重傷を負ったエマ、カミーユに全てを託して静かに逝く。
  最後の「〜なくてよ」っていうセリフが実にエマさんっぽくて泣けるなあ、合掌…

  


「ぬかったな、シャア」(シロッコ)
「こんなところで朽ち果てる己の身を呪うがいい!」(ハマーン)
「……そうかな!?」(シャア)
「もしも、私の元へ戻る意志があるのならば…」.
「なにを言う!」.
「道を誤ったのだよ。貴様のようなニュータイプのなり損ないは、粛正される運命なのだ!分かるか!!」.
まだだ!まだ終わらんよ!!.
  シロッコとハマーン、二人の最強クラスに挟撃されて、腕と足を失うシャアの百式。
  絶体絶命の窮地に立たされたところで、Zにおけるシャア屈指の名セリフが炸裂する。

  


「エマ中尉… カミーユ・ビダン、行きます…!(カミーユ)
  グリプス2にエマの亡骸を残し、深い哀しみと固き決意を胸に秘め、カミーユ今再び出撃す。

  


「劇場の跡か…(いきなりライトに照らされ)ん!?」(シャア)
「シャア!拳銃を捨てろ!」(ハマーン)
「ハマーン!」.
「たいした役者だったよシャア。話し合いの余地がないとするならば、ここがお前の死に場所になるな」.
「いや。もう一人、役者がいるな」.
「フッフフ」.
「そうだな、こんな芝居じみたことはシロッコの領分だったな」.
「私は歴史の立会人にすぎんから、そうも見えるが。…が、シャアよりは冷静だ」.
「私が冷静でないだと?」.
「そうだよ。貴様はその手に世界を欲しがっている」.
「シロッコの言う通りだろシャア。ならばザビ家再興に手を貸せばいい。.
 その上で世界のことをともに考えよう。(銃をシロッコに向けて)この小うるさい見物人を倒してな」.
「ハマーン。私はただ、世界を誤った方向にもってゆきたくないだけだ!」.
「では聞くが、ザビ家を倒しティターンズを排除した世界で、お前は一体なにをしようと言うのだ?」.
「私が手を下さなくとも、ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ!」.
「私に同調してくれなければ排除するだけだ。.
 その上でザビ家を再興させる。それが分かりやすく、人に道を示すことになる」.
「また同じ過ちを繰り返すと気付かんのか!」.
「世界の都合というものを洞察できない男は、排除すべきだ!」.
  ガンダム史を代表する3人の戦士達が、己を誇示しあい互いをディスりあう、Z最大の名場面。
  ハマーンの「ばっばか、このままだと本当に敵になっちゃうじゃない!お、お願いだから言うこと聞きなさいよ!」
  とでも言わんばかりな、隠れツンデレっぷりが微笑ましい。

  


「それは違う!」(カミーユ)
「カミーユ!」「カミーユか…?」(シャア)
「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を惹かれた人間達だろ!.
 けど、その為に大勢の人間が死ぬなんて、間違ってる!」.
「愚劣なことを言う」(ハマーン)
「生の感情を出すようでは、俗人を動かすことはできても、我々には通じんな!」(シロッコ)
「人の心を大事にしない世界を造って、なんになるんだ!?」.
「天才の足を引っ張ることしか出来なかった俗人どもに何ができた!?.
 常に世の中を動かしてきたのは、一握りの天才だ!.
「違う!!」.
「カミーユ、ひけ!」.
「いやだ!」.
「ちっぽけな感傷は、世界を破滅に導くだけだ!少年!!」.
  3人の果てなきディスりあいに、代アニ3日でやめて蘇り制度に救われてるような
  ゴミオタばりのメンタリティしか持たないカミーユまで乱入参加。
  ますます事態を収拾のつかないものへと混沌化させていく。

  


#あ、グリプス2から放たれたコロニーレーザーの攻撃に巻き込まれて、さりげなくガディが逝ってたよ。
 断末魔は「おおっ、うわあああああ」。目立たないながらも好きな敵キャラの1人だったんだけどなあ。

  


「逃がすか!」(カミーユ)
「目の前の現実も、見えない男が!」.
「賢しいだけの子供が、なにを言う!」(シロッコ).
「賢くて悪いか!!」.
  カミーユvsシロッコ、最終局面。
  シロッコ操るジ・オの圧倒的パワーの前にやや圧され気味なカミーユ。
  「賢くて悪いか!」って返しのあまりのひねらなさっぷりから見るに、
  もういっぱいいっぱいと思われ。


  

「これであの武器は使えまい、ハマーン!」(シャア)
「甘いな、シャア!」(ハマーン)
(ファンネルの攻撃をピンポイントで受けて)なに!?」.
「これで終わりにするか、続けるか、シャア!?」.
「そんな決定権がお前にあるのか!」.
  こちらはシャアとハマーンの最終戦。
  破損した戦艦の格納庫にハマーンを誘い込み罠にはめようとするも、ハマーンの精密な
  ファンネル射撃の前に目論みを崩され、逆に絶体絶命の窮地にたたされるシャア。
  結果、バルカンで戦艦のエンジン部をねらい撃ち、誘爆を誘ってハマーンともども
  道連れにしようとするも、自分だけ行方不明になるという無様極まる結果を晒す羽目に。
  結局、コイツは(Zにおいては)最後の最後まで中途半端だったね。

  


シャア… 私と来てくれれば…(ハマーン)
  ここにきて始めて本音を言葉にするハマーン。
  さしづめ「ば、ばかばか、しゃあのばかー」ってな感じの心境なのだろうか。
  とりあえずノーマルスーツは着ようね。

  


「お前だ!いつもいつも、脇から見ているだけで、人を弄んで!」(カミーユ)
「勝てると思うな? 小僧ォォォォォォ!」(シロッコ).
  本人曰く「歴史の立会人」ことシロッコが、遂にそのエゴを全開にしてカミーユと向き
  あいはじめる。小説版においてはシロッコの中に父親を見い出すカミーユだが、ここでの
  シロッコは「単なる覗き見野郎」の範疇を出ていない。

  


「許せない…俺の命に変えても…体に変えても…こいつだけはー!」(カミーユ)
「こいつ…………なんだ?」(シロッコ).
「分かるはずだ、こういう奴は生かしておいちゃいけないって…!.
 わかるはずだ、みんな、みんなには分かるはずだ!」.
「あせりすぎよ、だからいけないの」(エマ)
「パワーがダンチなんだよ。そういう時は、どうすればいい?」(ライラ)
「…俺の体を、みんなに貸すぞ!」.
「それでいい、カミーユ!」.
「現実の世界でも、生き死ににこだわるから、一つのことにこだわるんだ」(カツ)
「駄目よ!」(サラ)
「まだ、そんなことを言う!」.
「サラ、おどき!」(レコア)
「そう、子供には分からないんだから」(ロザミア)
「今はカミーユに任せるの」(フォウ)
「嫌です、パプティマス様は…」.
「今日というときには、いてはならない男だ! 分かってくれ、サラ!」.
「駄目です!パプティマス様は、私の…」.
「なんでそう、頭だけで考えて… そんなんじゃ、疲れるばかりじゃないか…」.
「だって、そうしないと、私…」.
「カミーユが見ているものを、見てごらんよ」.
「あの中にいる人だって、すぐこうして溶けあえるんだ」.
「本当?」.
「ああ…」.
  戦いの中に散っていった豪華キャスト達が、魂だけの存在となって華々しく再登場。
  なんだかもう、カミーユとかイタコ状態になっちゃってるし
  サラもサラで「本当?」って、霊魂になってまで何あっさり騙されてるんだ、本当のわけないだろうに。

  

  

  
  

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
(カミーユ)
ジ・オ、動け! ジ・オ!なぜ動かん!?(シロッコ).
「ううう…おおうっ?おあーッ!」.
「ここからいなくなれー!」.
  Zの先端ごとジ・オのコクピットを貫かれて、顔面をムンクにさせた挙句、矢ガモ化するシロッコ。
  ここまで酷い死にザマ晒したキャラってのも、そうはいなかったんじゃないだろうか?
  とりあえずノーマルスーツは着ようね。今更言っても手遅れだけど。

  


「私だけが…死ぬわけじゃない… 貴様の心も、一緒に連れていく… カミーユ・ビダン…」.(シロッコ)
「しシロッコ、やったのか? 光が…広がっていく…?」.(カミーユ)
  
そしてここまで往生際が悪かったキャラもまた、彼の他にはいなかったんじゃなかろうか。
  精神面のみとはいえ、アムロに並ぶ最強エースであるカミーユをきっちり破滅においやったところは、
  良くも悪くも最強の敵キャラであったことを証明していると思う。


  

「カミーユ?生きてるんでしょ?カミーユ?返事をして!」(ファ).
「カミーユ!」.
「ファ? …大きな星が、ついたり消えたりしている… アハハっ、おおき〜い…!
 彗星かなあ? いや、違う…違うな。彗星は、もっとォ、バアッ!って動くもんなー」
(カミーユ)
「ああっ、ああっ…」.
「暑っ苦しいなあ、ここォ? うーん、出られないのかなあ?」.
おーい、だしてくださいよう、ねえ?.
  で、完全にアッチの世界へと旅立ってしまったカミーユ。
  そのあまりの気狂いっぷりを見て、楳図かずおが書くマンガの登場キャラばりにガクブルするファ。
  
「彗星は、もっとォ、バアッ!…」の部分のテンションの高さが、レクターにお脳を食われて
  単なるロボトミー君と化しちゃった哀れな男の物言いにクリソツで、激オモろい。
  
  


「そう…お前もアーガマに帰りたいのね?」(ファ).
  宇宙空間を静かに漂うMK2の残骸を見て。
  このZという作品のラストを締めるに相応しい、哀愁漂うセリフだと思う。
  ラストのラストに出てくる百式は、結果として逆シャアへの布石となった。

  



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