第11話:幸福の行方

#オズ追撃から逃れる為に共闘するカトル&トロワ。

「一緒にいきませんか」(カトル)
「頼む、今は同情が気持ちいいぜ」(デュオ)
  ヒイロの自爆以来、まるで元気のないデュオってば、あまりに分かりやすすぎる。
  けど、そこがいい(んだろ、デュオラーは)

「俺はデュオ、デュオ・マクスウェル。.
 逃げも隠れもするが、嘘は言わないデュオ・マクスウェルだ」(デュオ)
  本格的にカトル達と行動をともにすることを決めるデュオ。
  ここでようやく互いに自己紹介を交わす。

「俺はコロニーから来た」(デュオ)
「僕もです、全てがそっくりです。.
 僕達5人はMSもその行動も、そしてオズを叩き潰すという目的も」(カトル)
「オズがコロニーの平和を乱した。これは報復だ。それが任務で俺は戦ってきた」.
「同じです。そのとき、あのMSを渡されました」.
「俺もだ。コロニーのことなど気にするな」.
「やられる前にやる、それがお前の任務だ(二人同時)
「…同じだな」.
「まるっきり同じです」.
「オズに支配されるぐらいなら死んだほうがマシ。そのつもりで戦ってきた」.
「僕は、死ねませんでした」.
やっちゃったな、ヒイロは。死んだぜアイツ.
「コロニーは戦うつもりはない。コロニーを犠牲にはできない。貴男のお友達は完璧ですね」.
「いや、俺はもう少し頭の柔らかい奴だと思ってた」.
「ガンダムが動くとコロニーが狙われる…分かっていたことなのに…」.
  互いの戦闘動機を確認しあうデュオとカトル。
  「やっちゃったな、***は。死んだぜアイツ」ってデュオのセリフは、日常生活においても何かと
  応用がききそうなので覚えておくが吉。

  


「国の気持ちが一つになっていない戦いか。孤独な兵士ほどつらいものはない」(ラシード)
  マグアナック隊のリーダー、ラシード。
  サリーちゃんのパパの劣化版みたいなツラしてるわりには、たまに渋いこと言うんだよね、この人。

  


「その花に誓う。いつの日か必ず戦えるときを迎えてみせる!」(カトル)
  いや、その日は意外と早くやってくることになるんだけどね。
  非常に残念ながら、カトル君の望む形ではないんだけど。




第12話:迷える戦士たち

#単なる負け犬君と化して道に迷う五飛に、復活のきっかけを与えるポオ。

「俺には決心がつかない。もし再びオズがコロニーを盾に戦ってきたら、どうしたらいいか…」(トロワ)
「あるいはお前を見習うべきなのか」.
「だったら一つだけ忠告がある」(ヒイロ)
「ん?」.
死ぬほど 痛いぞ.
  ヒイロのこの返しにキョトンとした面した直後、破顔大笑するトロワ。
  キャスリンいわく「へー、トロワが声をあげて笑ってるなんて、始めてじゃないかしら」な程、
  こいつが笑うのは珍しいことだそうで。

  


「地球に来て、はじめて人にものを頼む」(ヒイロ)
  さぞかし大層なお願いかと思いきや「意識を失っていた間、世界でおきていたことを教えてくれ」…だけ?
  そりゃ一ヶ月も寝ていれば、確かに浦島太郎状態だろうけど。

「力強い羽ばたきだ…」(五飛)
  大空を舞う鷲をみて、この一言。
  「おい、女!」とかホザいてた男尊女卑原理主義のゴーマニストから、ポエミストへとジョブ・チェン気取り?

「弱いものが戦ったりするな!」(五飛)
  連合軍に追われるサリィ達を助けたまではよかったものの、顔をあわせた瞬間の第一声がこの一言って。
  性格そのものはあまり変わってないようで。

「俺は負けたんだ。自分よりも強い相手に。俺は、自分よりも弱い者しか相手にできない卑怯者だ」(五飛)
「だから諦めるというの?貴男はコロニーの為に、平和を勝ち取る為に戦ってきたんじゃないの?」(サリィ)
「俺にはナタクで戦う資格はない」.
  そう呟いた末、何気なく川辺にとめてあった船に脈絡なく乗り込んで、そのまま静かに川を流れていく五飛。
  川に落ちたナマケモノってたぶんこんな感じだと思う。

  


「今は貴男の心を直すことが私の命より大切だと判断したからよ。私の心が」(サリィ)
  我が身を賭して連合の攻撃から五飛を守ろうとするサリィ。
  この捨て身の行為に心を動かされた五飛、多少なりとも復活す。

「正しいものは強くなければいけない。弱いやつにナタクの力を使う資格はない」(五飛)
「心は違ったわ。貴男の心は強かった。心のない力なんで必要あるのかしら?」(サリィ)
「五飛。貴男がナタクと一緒に戦えるようになったら、また助けてちょうだい」.
「まだ戦うのか?弱いのに」.
「…私、心は強いつもりよ」.
  今回は普段笑わない奴がよく笑う回だな。
  なにはともあれ、今まで一匹狼気取りだった五飛君にも、仲間と呼べる存在がようやく出来たことだけは
  間違いなさそうだ。

  


感情で行動することに、異論はない。そう俺は学んだ(ヒイロ)
  サーカスの慰問に乗じてオズに単独攻撃をしかけようとするトロワに対し、助言するヒイロ。
  その言葉に従い「軍人受け間違いなしの出し物」で、本人いわく「最後の舞台」に挑むトロワ。
  一番いい迷惑なのは何も知らずトロワに舞台を任せちゃったサーカス団の団長じゃないかな。




第13話:キャスリンの涙

#オズのやんちゃコンビ、アレックスとミューラにお灸をすえるゼクス。
 あとはトロワの自爆ショーとか。

「構わん。それを腕で補ってみせるのが、パイロットというものだ」(ゼクス)
  操作性低下を承知で、スーパーバーニアのレスポンスを設計通りに修正させるゼクス。
  ここまではカッコよかったんだけどね。

「だが… これで私の心理的優位も完全に崩れさった。.
 今まではMSだけの性能差だと思っていたのだからな…」(ゼクス)
  ウイングとの戦闘データからはじき出されたヒイロの能力予測値をみて驚愕するゼクス。
  物語を盛り上げるスパイス役のライバル・キャラが簡単にヘタれてどうしようというのだ。

「フフフフフ、見せてもらおう、ライトニング・カウントのお手並みとやらを」(ミューラ)
  お前ごときが、あのシャア様の名セリフ、「見せてもらおうか、連邦軍のMSの性能とやらを」
  をパクってんじゃねー それにしてもコイツ、いい顔してんなー

  


「ヒャハハハハ、粛正!粛正!」(ミューラ)
  攻撃力を失なった連合兵士に対し、粛正と称して更なる攻撃を仕掛けるアレックス&ミューラ。
  上記セリフを気が違った九官鳥ばりの勢いで連呼した末、ゼクスに即たたまれるというそのハトっぷり
  がカッチョ良すぎ。ちなみに断末魔は「なにぃー」

  


「アンタはカッコよすぎるんだよォー!」(アレックス)
  これまた最高の捨てゼリフ。
  こいつは「このバカどもがー」の一声ととともに、搭乗MSのキャンサーもろともカニの開きにされました。
  ヒャハハハ、粛正粛正!

  


「始めるか、俺の自爆ショーを」(トロワ)
  舞台上にてヘビーアームズを自爆させ、その機体もろとも慰問ショー見物のオズ兵士をコナゴナに
  しようと目論むトロワ。これが「軍人受け間違いなしの」出し物だってんだから、畏れいります。
  そら、キャサリンにブン殴られても仕方ないわ。

  


「女に泣かれた… お前なら、それでも死を選んだろう。お前の強さには敬服する」(トロワ)
「前にも言った筈だ、感情で行動するのは、正しい人間の生き方だと」(ヒイロ)
  うーん、こいつらの場合、感情で行動というよりも、むしろ本能で行動してるような。
  本能のみに依って行動してんのって、虫とかだけだと思うんだけど…




第14話:01爆破指令

#ヒイロ、贖罪の旅に出る、の巻。

「オズはMSという軍事力で、過剰な支配を行うと考えられるかもしれません。.
 支配という言葉は抑圧する姿勢、驕りある行動に思えます。.
 しかしこれは、人間の必要以上の欲望を抑えるという統治と考えます。.
 神は人類を野放しにしました。人類には神以上のシステムが必要なのです。.
 戦いが一向になくならない世界は、神の予測を超えていたのです。.
 この行いは、いずれ神にも理解されるでしょう」(トレーズ)
  ロームフェラー財団の会合でスピーチするトレーズ。
  神不在をエクスキューズに、オズによる地球圏への完全支配をより確かなものにしようと画策する。
  が、それは表向きだけのこと。実際には統治や支配など、コイツにとってはどうでもよいことなのだ。

「貴方がたは間違っています。ガンダムはいくらでもその間違いを正しに現れます。.
 きれいごとに踏みつけられた、怒れるものの使者として!」(リリーナ)
  上記のトレーズ演説に対するリリーナの反応がこれ。その他力本願っぷりはいかがなものか。
  これにいいように使われちゃうってんだから、そらヒイロ達も苦労するわけだ。

「名乗れる筈がない…! 私は血塗られた歴史を繰り返す、オズのゼクス・マーキスなのだ!」(ゼクス)
  「名乗ってはあげないのですか?リリーナ様に」とノインに問われて。
  確かにあんな小っ恥ずかしい仮面かぶっといて今更「お兄様だよ☆」もクソもないと思う。

「神を冒涜する罪悪者として、罰を受けるかもしれんな。.
 では、罰を造らねばならないか… 神は人間が造った想像の産物なのだ」(トレーズ)
  そう呟きつつ、よりにもよってパーティ会場のバルコニーからワインの雫を垂らしはじめるトレーズ。
  これ、昔、マンションの屋上とかからよくやったよなあ、垂らしたのはワインじゃなくて唾だったけど。

  


「取り返しがつかないことです。元帥を愛されたご家族の怒りと、.
 無念であった元帥の魂が、その引き金によって鎮まることを願います」(ヒイロ)
「…貴男は卑怯だわ!こんなことさせて、自分だけ楽になろうなんて…!」(シルビア・ノベンタ)
「今の私には、これしか出来ません…」.
「戦争って醜い殺しあいでしょう? どうして… どうしてそんなに奇麗に考えるの?」
俺には、この生き方しかできない…!.
  オズに憚られたとはいえ、連合軍の平和論者代表だったノベンタ元帥を自らの手で葬ってしまった
  その贖罪を果すべく、血縁者に自分を殺させようとするヒイロ。これ聞いてドン引くノベンタの孫
  これに対するトロワのコメントは、
「ここから始める…一族全てに自分の犯したミスの審判を仰ぐ。
  全てが万事、こいつのやることは徹底している。ヒイロ・ユイのやることは…」
だそうだが、
  この事態を見る限り、徹底主義が良い方に向いているとはまったく思えない。やっぱ妥協も大切だよね。

  





第15話:決戦の場所、南極へ

#ゼクスとの決着をつけるべく、最終決戦地である南極へと向かうヒイトとトロワ。

「お前はまだ分かっていない。そんなことをしたらゼクスに嫌われてしまう」(ノイン)
  「今、彼等を始末してしまえば、ゼクス提佐を危険な目にあわさずに済むのではありませんか」
  との助言を部下から受けて、それを真っ向から否定するノイン。このさりげない可愛さアピールが
  たまらんのじゃよー

「見逃してくれ… 甘い私を…!」(ゼクス)
  トールギスのパーツを使ってまで、対戦相手であるヒイロのガンダムWを完全に修復しようとするゼクス。
  ここまで正々堂々にこだわられるとむしろキモいわ。

「貴様達の甘さを清算してくる」(トロワ)
  ノインが下した「ヒイロをゼクスの元へ連れて行け」という最優先命令を無視して
  彼女の窮地を救おうとする部下達を、この一言とともに助けようとするトロワ。
  なんだ、結構いいとこあるじゃんと思ったのも束の間 ↓

「ガンダムを見たものを決して生かして帰すわけにはいかない。それが…任務だ」(トロワ)
  この一言とともに、もはや抵抗できなくなった相手の機体をここまでやるかというくらい微塵斬るトロワ。
  その行為に、敵どころか、味方も引く引く。でもって、こんだけ相手バラバラにしときながら、その直後、
  突然「こんな…こんな戦い方をしなければならないとは…」と泣き言を抜かし始め、その比類なき人格障害
  っぷりを敵味方ともにいかんなく見せつける。キ…キチガイ…

  





第16話:悲しき決戦

#ヒイロvsゼクスのガチ一本勝負編! の筈が…

「感謝はする。俺なりのやり方でな。ゼクスを殺す…!それが俺の感謝の形だ」(ヒイロ)
  せっかくガンダムWをゼクスに直してもらったと言うのに、感謝の仕方が素直じゃないヒイロ。
  いや、素直じゃないどころか、こともあろうに殺す宣言。いくらなんでもツンデレがすぎないかコレ?

「…こんなこと、したことがないんだが…」(ヒイロ)
  そんな究極のツンであらせられるところのヒイロさんが珍しく垣間見せたデレ。
  握手一つでそりゃもう大騒ぎさ。

  


「オズで長い時間を過ごした私は、戦争の中に勝手な美意識を持ち込んでいた。.
 戦う者同士、敵と味方に別れていても、唯一認めあうことが出来る精神としてだ」(ゼクス)
「だが、彼等は死にものぐるいなのだ。命をかなぐり捨てても戦う気持ちがある。
.
 彼等の生き方こそ、兵士の真の姿だ…! 甘いのだ、私は!.
「彼等には、コロニーの為に戦うという気持ちがあるからです、ゼクスにも守るものはあります!」(ノイン)
「私には守るものを持つ資格がない。しかし彼等に言わせれば、この考えこそ甘いのだろう」
.
「美意識を気取った体裁は必要ない。
.
 そんな戦いしか出来ないのであれば、私はここでガンダムに倒されるだけのこと」.
「これは戦争なのだ。命を賭けて学ばなければならないこともある
.
  ヒイロとの対決を前に、確固たる気概を見せるゼクス。
  そこまで入れこむ対戦相手がまだ未成年のガキってところに、こいつは一刻も早く気づくとよいと思う。

「やはりお前のを使わせてもらう」(ヒイロ)
「どういうことだ?」(トロワ)
「ここまで施しが過ぎると、戦いの気持ちが鈍る」.
「おまえに限ってそれはないだろう」.
「…いや、あいつがだ」.
「(…強いな、お前は)」.
  ゼクスに気をつかうあまり、トロワのヘビーアームズで戦うことを決めるヒイロ。
  握手一つできないくせに、こういういらん気だけ回せるってのもなあ。
  それともドえらく回りくどい高倉アピールの一環だろうか?

  


「特佐、トールギスのレフトアームを元に戻しますか?.
 今なら01から提供部品をはずすことも可能です」(技師長)
「構わん、このままでいい」(ゼクス)
「し、しかし…」.
「これは、シベリアの戦いの決着なのだ。あのときトールギスは左腕をやられていた。.
 正当なハンデと思えばいい」.
「…技師長、これって、エンジニアとパイロットの違いですかね」(技師)
「そうだな。俺達裏方の知らない、現場の誇りという奴かもな」.
「いや…これは私の甘さの清算だ」.
  いや、エンジニアとパイロットの違い以前の問題、それももっと根源的なレベルじゃないかと。
  まずは同じ人類かどうかから疑うべきかと。

「無意味な決闘のわりには、長く続いているな」(トロワ)
「パイロット同士の因縁か、くだらないな」.
  3時間にもわたるヒイロとゼクスの死闘を「くだらない」の一言で切って捨てるトロワ。
  ノインにいわせれば「戦う無意味さを感じるまでの戦い」だそうだが。

「わざと弱点を残したな!色々と気を遣いすぎる奴だ!」(ヒイロ)
「私はこういう体裁を、この戦いで吐き捨てたいのだ!」(ゼクス)
  互いにガチの殺しあいとか言ってるわりにゃ、回りくどくイチャつきやがって。
  あーもう、こいつら、いちいち面倒くさいわー

  


「ヒイロ…! ゼクスを倒しなさい!構いません!殺しなさい!」(リリーナ)
  知らぬとはいえ、実の兄に対してこの物言いとは… リリーナ…恐ろしい子…!
  そんな一人よがり電波をまきちらしてキチガってるリリーナを完全シカトして継続されたこの戦いは、
  結局のところ、「ゼクスがお兄様?」とか「兄を愛しているのですね?」「はい」とかいった
  リリーナとノインの大暴露大会があった末、唐突に
「コロニーに栄光あれー!」と絶叫しつつ
  追撃オズ部隊へ脈絡ない特攻かけてったゼクスの狂行により、半ば強制的に中断と相成ることに。

「どんな形でもいい。あの戦いがおわってくれてよかった…」(リリーナ)
  ヒイロとゼクスの戦いがひとまず中断したことに、ほっと一息つくリリ−ナ様。  
  って、おいおい、お前の兄貴まだめちゃくちゃ戦ってるがなー しかもアンタを守る為に
  そんな兄の献身っぷりを完全黙殺して、リリーナは再びヒイロの背中を追いはじめる。
  めでたしめでたしっと。(完)

  





第17話:裏切りの遠き故郷

#鬼から聖へとバージョン・チェンジしたアン様を御輿に立て、いよいよ宇宙圏支配に乗り出し始めたオズ。

「若さを可能性と考えてはもらえませんか」(若手議員)
  そう熱く語りながら自分をアピろうとする若き議員を手玉にとるセイント・アン様。
  ああっお姉様…!

  


「宇宙は、僕達を待っている…!」(カトル)
  宇宙コロニーにまで支配権を延ばし始めたオズを牽制すべく、
  宇宙にもどるためオズのスペースポート基地を襲撃するカトル(&デュオ)。
  
「無茶でもいいんです、みんなに分かるように、仲間に分かるように戦うんです。
   僕等を見て、みんなに宇宙に行く必要があることを分かってもらうんです」
  
というお題目に交じって、さっそく上述のポエミー電波を洩らしはじめる。

「分かっちゃいたが… 分かっちゃいたが、やりきれないぜ!」(ディオ)
  オズが信用できないことを分からしめるため、懸命に戦うカトル&デュオを平然と見殺して、
  むしろオズに迎合しはじめる宇宙コロニー首脳陣に、思わず恨みの一言を呟くデュオ。
  それに対するカトルのコメントは、
「いいんだよ、デュオ。僕達は元々一人ぼっちで地球に
  降りてきたんだ。今すぐコロニーに分かってもらえなくてもいい。僕は自分と同じ気持ちで
  戦っている仲間がいることで、十分なんだ」
だそうで、どこまでもポエミーに前向きな奴だ。

「それは…俺達が正しいからだ!」(五飛)
正しいのだ… 俺達は!.
  「たぶん、俺達、いいことしてる筈なんだけどなあ…」と呻きつつ半死半生と化してた
  デュオのピンチに、ここぞというタイミングで現れる五飛。ちょっとカッコいい。
  更に
「正しい奴が強くなくてどうする!」と味方を鼓舞。か、かなりカッコいい。

  


「はっ、これは…」(カトル)
「僕に、僕に降りろって言うのか、サンドロック…!」.
「ありがとう… 僕のサンドロック!」.
  サンドロックごと自爆してデュオと五飛を宇宙へ戻そうと画策するカトルの前で、
  操作してもいないのにいきなり開き始めるMSハッチ。
  そのまま操縦者なしの状態で敵軍へ単機で特攻していくサンドロック。な…泣ける…
  まあ現実的に考えれば、只のマシンが意思を持つわけない以上、上記やりとりは明らかに
  カトルの脳内のみで行われた妄想ポエム劇にすぎないんだけど、それは言わないが優しさか。
  
  





第18話:トールギス破壊

#ゼクス、オズと袂を別つ決意を固めるの回。
 トールギスvs有象無象軍団の対決は見もの。

「そうか。ならばゼクス、オズのために死んでくれ。.
 君がサイゴンで有罪になることは、オズにとってマイナスなのだ、.
 名誉の戦死でこそ、多くの兵士は君を悼み、更なる闘志を持つだろう。.
 当然ロームフェラー財団のトップも納得する。.
 ライトニング・カウントの名は伝説の英雄となるんだ、素晴らしいな」(トレーズ)
「君の死にはそれほどの価値がある。死ねば自由だ。さらば、ゼクス・マーキス…」.
  ロームフェラー財団につくことを良しとしなかったゼクスに対して。
  が、こんな死刑宣告にも等しいことをのうのうとホザいておきながら、その舌の根も乾かぬうちに今度は
「ゼクス、はやく戻ってきてくれ。君がいないとオズは、つまらぬ人間のくだらぬ行動を許してしまう…」.
  などと抜かし始めるコイツの自己中っぷりはもう完璧に常軌を逸した域にまで突入していると思われ。

  


「エアリーズ50、キャンサー20…!.
 私の命の見積もりが甘かったことを、証明してみせなくてはな!」(ゼクス)
「トレーズ… そんなにつきまとうな! 過剰な期待に応えたくなるではないか…!」.
「もと同期のよしみ、仮面くだけるまでの付き合いだぞ!」.
「…トレーズ、私は君の友達にはなれない… さらばだ、トレーズ!」.
  そんなトレーズに振り回されまくり、挙句、敵陣の中に単騎放り込まれて単なるハト討ちの的にされるも、
  意地と根性でその窮地を切り抜けるゼクス君。
  こんな酷い目にあわされた日にゃね、そら友達にはなれないよなー

  


「モビルドールも兵士も扱うのは人間です。.
 もう少し人間を評価し、人間を愛してもらいたいものです」(トレーズ)
  ツバロフ技師長のモビルドール構想に異を唱えるトレーズ。
  言ってることは正しいと思うが、ゼクスに対するこっぴどい仕打ちを目の当たりにさせられた今は
  「どの口が…!」と突っ込みたい気分で一杯。

「自分の手を汚さず戦うなど、もはやこれはゲームじゃ。.
 戦争を起こす人間は愚かじゃが、そこで流される血は無駄ではない」(ドクターJ)
「愚かな人間はその血を見て僅かながら反省が出来る。.
 だがゲームに成り下がった戦争は、娯楽になるからな」(プロフェッサーG)
  MS操縦を完全AI制御とする「モビルドール構想」を批判するガンダム制作者達。
  それにしてもプロフェッサーGのこのキノコ頭は色々な意味でヤバすぎる。

  


「太陽系に生物が生息することを、奇跡的に可能にした惑星、それが地球である。.
 アフターコロニー195年、コロニー開発において、人間は豊富な資源と、.
 培われた技術力で新たな大地を所用することになる。.
 しかし、それはあくまでも母なる大地、地球の疑似空間に過ぎないのだ。.
 コロニーの作られた意味はなんだったのであろうか?.
 地球での人類の生活を豊かにする為の技術開発が、その主な目的と聞く。.
 人類はこの疑似空間に無理な要望を持ったのではないのか?.
 自らの生命維持は自然の脅威もなく、地球以上に安定性を持つ。.
 とどまることを知らない発展は、人類に永久的な生存を約束したかのように見える。.
 宇宙にはゼロからのスタートが許されたと、浮かれた時代もあったのだろう。.
 しかしコロニーが、いや、人類が地球を忘れることが出来るとは信じがたい。.
 コロニーの開発技術は地球に何をもたらしたのか?.
 地球のもっとも欲する技術、それは軍事力なのだ。破壊は人類の捨てることの出来ない精神なのだ。.
 いまコロニーは軍事的な気質を持ちつつある。地球が忘れられないのだ。地球の美しさは偉大だ。.
 人間という大きな力を持つことになった動物は、一つの惑星の管理まで考えだす。.
 惑星規模では生物生存など刹那的時間なのだ。事後のことなのだ。.
 所詮人間が考えられるのは、なにも変わらないのだ。.
 人間が宇宙に出た年月は、無駄であったのだ。現実の前に理想は夢でしかない。.
 偽りの生活空間、偽りの平和主義、宇宙はより多くの戦いを生む温床にしか過ぎない。..
 戦争は多くの命を奪う。そのことの悲しみを、人間は忘れたことはないのだが、.
 決して戦うことを止めようとはしない。流された血や涙は、意識の飾りに過ぎない。.
 時代の節目は戦争でしか語られない歴史がある。平和の為に戦うなどと色あせた奇麗ごとは.
 過去何度も唱えられた名セリフだろう。コロニーは平和の為に軍備を持つという。.
 地球となんの変わりもない。仲間入りが出来たつもりなのだ。多くの血を流すことで、.
 意気上がるというのだろう…」(ヒイロ)
  学校の授業にかこつけて、現状に対する自らの思いの丈を思う存分吐露するヒイロ。
  とかく大仰な描写が多いこのWだが、その根底にある思想においてはしっかり「ガンダム」の
  遺伝子を受け継いでいたりするところが意外っちゃ意外。
  



第19話:バルジ強襲

#宇宙各地に散った各ガンダムチームのその後と現状を追う回。

「容姿による」(レディ・アン)
「醜ければ生かせ。同情を誘うものならば殺せ」.
  17話で宇宙に逃げ延びたデュオのHLVカプセルを補足したオズ軍。
  パイロットの生死はどうするかと問われて、とんでもないこと抜かしはじめるアン様。
  軍人バージョンのアン様はやっぱ怖えーな。

「迂闊に俺に近付く奴は、死ぬぜえー!」(デュオ)
  と、お得意のセリフを繰り出してこんだけ粋がっておきながら、至極あっさりモビルドール型
  トーラスの前にボコられちゃうデュオ。しかもいざ覚悟きめて
「ヒイロの真似なんかしたくはないが… 俺と一緒に地獄へ行こうぜ…!」.
  と自爆スイッチ押すも、これがものの見事に不発。
「…運がなかったな、自爆装置までやられてやがる… いや、運がいいのか、な…」.
 
 挙句、しまらないことこの上ない捨てゼリフまで吐いた末に掴まるというね、
  もう踏んだり蹴ったりのデュオ君。
  
  


「誰も…ガンダムが唯一の味方であると分からない程、.
 コロニーの連中は、支配されることに慣れてしまっているのか…」(デュオ)
「それでも、俺は戦うしかないが…」.
  デュオ捕縛をニュースで知るトロワ。
  「それでもヒイロなら…ヒイロなら何とかしてくれる筈!」と彼に淡い期待をかけるも…

「現在の戦況は…不利だ。これ以上のマイナス要因は、取り除く…!」(ヒイロ)
  というわけで、トロワの期待とはまったく逆のベクトルへと突っ走りはじめるヒイロ。
  本当、おそろしい子やで… 
  これに関してのデュオのコメントは
「なあ…お前、本気で撃つ気だろ…」(もちろん本気)
  まあ、思ったより元気だったんで、とりあえず殺されずにすんだみたいだけど。

  


「失敗すれば…」(デュオ)
「二つの口を封じるだけのことだ」(ヒイロ)
  ひとまず助かったと胸を撫でおろすも、実はわりと死ぬ気満々だったヒイロの言葉を聞いて、
  またもや青ざめる羽目になるデュオ。つくづく不憫な男やで…

「こんなものではないだろう、お前達の力は!」(五飛)
「人間の心を操ってしまうほど強いのだ。お前達は、汚らしく、強いはずだ!」.
「仲間を見殺しか、こんなに敵が汚く大きく見えたのは初めてだ…!.
 戦える…! お前達みたいな、汚い奴等が強いとな!」.
  こちらはデュオと同じく17話以降、宇宙に逃れていた五飛。
  その場気分で唐突にバルジを強襲しはじめ、自分が不利とみるや、もはや負け犬同然の
  捨てゼリフを吐きつつ、その後、持っていたビームナギナタを自MSの脇腹に突き刺して
  その爆発力で推進力を得るというとんでもない方法で、死地からの離脱をはかりはじめる。

  


「障害は…取り除く…!」(ヒイロ)
  ヒイロ、今度はドクター達がオズに掴まってると聞くや、目をらんらんと光らせて速やかに
  排除へと向かいはじめる。こいつの頭の中の「救助」はもはや完全に「抹殺」と同義みたい。




第20話:潜入、月面基地

#ドクター達がオズの為に開発しているというMSを破壊すべく、月面基地へと単身向かうヒイロ。

「私の心の中では、既に戦争は終っているのです」(レディ・アン)
「オズは軍事組織です、地球上で繰り返される紛争を治めることに努力してまいりました。..
 一時期、地球圏統一連合は皆様のように軍事力を伴わない平和を目指したことがあります。.
 では、そこに何か生まれたのでしょうか?無闇に戦うことは必要ありません。.
 しかし戦う姿勢なくしては人類の美しさは語れません」.
「殿方のそんな姿勢に心奪われるのは私だけでしょうか?」.
  コロニー国家化計画を推し進めはじめるオズ。
  抑止力として軍備が必要という考え方に疑問を持つ各コロニー首脳陣に対して、
  今度は「女の色気」を持ち出して説得をはかり始めるアン様@セイントバージョン。

「さあ、次のいい子の落とし物を拾いに行かなくっちゃ」(サリィ)
  オズ工場へカトルのサンドロックを奪取しに来たマグワナック隊と鉢合わせるサリィ。
  多少揉めるも最終的には互いに協力しあって、ともに目的を果す。

「おいデスサイズ、簡単にやられんなよ。大丈夫だよな、な…!大丈夫だよな!」(デュオ)
  対ガンダム用ネガティブ・キャンペーンとして、デスサイズの破壊中継を行うオズ。
  「大丈夫だよな、な…!」って、大丈夫なわけがないだろ。当然のごとく無惨に破壊されたデスサイズ
  を見て、人込みの中で無駄に絶叫するデュオ。サド系腐女子の皆様におかれましては、その希代のヘタれ
  っぷりを鑑賞しつつ、優雅に床の上を萌え転がるがよろしくってよ。
  ちなみに破壊したのは、オズに新型MSパイロット訓練生として潜入したトロワね。

  


「…なんだ…?」(トロワ)
「……俺の、涙か…」.
  仲間の愛機を表情一つ変えることなく破壊しきったトロワ。
  作戦終了後、コクピット内に漂う水滴に気づいて、この一言を洩らす。

  


「どうだ、わしの兵器は優秀だろ?」(ドクターJ)
「まったくなあ、儂達の命を狙いに来るなんざ、最高の出来だ」(プロフェッサーG)
  単身、月面基地へと潜入したまでは良かったヒイロだが、先にパイロット訓練生として潜入していた
  トロワに掴まってしまうという、間抜け極まりないザマを晒す羽目になる。
  「障害は取り除く」とか抜かしといて、自分が排除されちゃ世話ないって話しだ。

  


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