第37話:テキサスの攻防

#映画版では見られなかったあのガンダムVSギャンが遂に!
 だがそんなことはどうでもよくなるくらい、この回には重要なキー場面がある。
 そう、あのセイラさんの裸が唯一拝める回でもあるのだ。しかし胸ポロはなし、ケチ。 

「いつからだっけ?」(アムロ)
「何が?」(フラウ)
「僕等、話し、しなくなって…」.
「そうね、無我夢中だったからね」.
「うん」.
「コンピューターの内診は異常無しよ。アムロって怖いくらいたくましくなったのね」.
「え?」.
「あたしなんかには届かなくなっちゃったのね。でもいいのよ。.
 弱虫のアムロなんて見たくも無いし、みんなこうして大人になって行くんでしょ?」.
「ご、ごめん、フラウ・ボゥ、なにも僕…」.
「いいんだってば。でも、サイド6で何かあったの?アムロ変わったみたい」.
「そ、そうかい?別に… いつか話せるようになったら、話すよ。いろんなことがあったんだ」.
「そう…」.
  幾多の戦いをくぐり抜けて様々な経験をしてきたアムロとフラウの、その道筋の重さが
  伺い知れるような情感溢れるシーン。そして少年と少女は大人になっていく。

「…あるのだな」(マ・クベ)
  部下に自ら出撃する必要がないのでは?と問われて、すかさず突っ込み返すマ・クベ。
  もしやギャンで1vs1の戦闘をやるつもりか? これまた意外や意外。なかなか騎士道精神がある男だ。

「ウフフ、大佐があたしの心を触った感じなんです」(ララア)
「ララア、冗談はやめにしてくれないか」(シャア)
  アムロの接近に反応するララア。
  流石のシャアも、この電波娘に対しては、多少手を持て余し気味。

「ち!」(セイラ)
  
ドムのビーム砲をギリギリでかわして、舌打ちざまに撃破。
  セイラさん、すっかりお行儀悪くなってしまって…

「さて‥ きてもらおうか、ガンダム…」(マ・クベ)
  ガンダムをおびきよせてトラップミサイルを発射しまくるマ・クベ。
  騎士道精神どころじゃない、単なる策略家だった。でもその方がマ・クベらしい。

「こいつッ…小賢しいと、思う!」(アムロ)
  マ・クベの様々な間接的戦法に対して、イラつくアムロ。
  たぶん向こうからしてみれば、君の存在自体が小賢しいと思ってる。

「私へのあてつけだよ、そうでなければ彼がそんな軽率なことをするわけがない」(シャア)
  マ・クベがMSで単独攻撃を行っていると聞いて、すかさず皮肉を言うシャア。
  この2人、よほど仲が悪いと見える。

「ノーマルスーツを、着てはいただけませんか?」(ジオン兵)
「私はMSに乗っても必ず帰ってくる主義だ。死にたくない一心でな。.
 だから戦闘服だのノーマルスーツだのは着ないのだよ」(シャア)
  シャアがノーマルスーツを着ない理由がここで明らかに。

「シャアを図に乗らせないためには、ガンダムを倒さねばならんのだよ!」(マ・クベ)
  シャアのゲルグル支援を断ってまで、単独でガンダムとケリをつけようとするマ・クベ
  意地か、単なるプライドか、はたまた功名心か? 答えはこのセリフで明らかに。
  なるほど。単なるシャアへの牽制だったか。だがその子供じみた行為への代償は自らの命で払うことに。

  


「ウラガン!あの壷をキシリア様に届けてくれよ! あれは! いいものだ!!(マ・クベ)
  というわけでマ・クベあっさりと天に召される。しかしどことなく憎めないキャラであったことは確か。
  最後のセリフの「あれは!いいものだ!!」はちょっと面白すぎる。死ぬ時まで壷かよ。

  


「それみたことか!付け焼き刃に何が出来ると言うか!」(シャア)
  マ・クベの戦いぶりを一刀両断するシャア。や、戦死したものにそこまで言わなくても…

<次回予告>
  
既に新たな力を手に入れつつあるアムロにとって、シャアは敵ではなかった。
  その戦いの最中、セイラはシャアに詰問をする。ジオンを捨てよ、我が胸に帰れ、と。
  機動戦士ガンダム、次回「再会、シャアとセイラ」。君は、生き延びることができるか!




第38話:再会、シャアとセイラ

#セイラとシャアのニュータイプ論に傾注。

「ええい!慣らし運転もしないで使うと!」(シャア)
  ニュータイプの素質に目覚めたアムロに翻弄されまくるシャア。
  そしてコイツは昔から言い訳の多い男だった。

「WBか…たくましくなったものだ…」(ワッケイン司令)
  
テキサス・コロニー近辺でWBと共同戦線をはるワッケイン司令。
  ルナツー以来のその成長ぶりを感じて、感慨深げに一言。

「軍を抜けろと言った筈だ! …それが、軍曹とはな!」(シャア)
「兄さんこそジオン軍にまで入ってザビ家に復讐しようなんて、やることが筋違いじゃなくて?」(セイラ)
「おまえの兄がその程度の男だと思っているのか?アルテイシア」
  兄であるシャアと思わぬ場所で再会するセイラ。
  ここからファーストの主題にもなっているニュータイプ論が繰りひろげられる。

「ジオンに入国してハイスクールから士官学校へ進んだのも、ザビ家に近づきたかったからだ。.
 
しかしな、アルテイシア、私だってそれから少しは大人になった。.
 
ザビ家を連邦が倒すだけでは、人類の真の平和は得られないと悟ったのだ」(シャア)
「何故?」(セイラ)
「ニュータイプの発生だ」.
「アムロがニュータイプだから?」.
「うん、そのニュータイプを敵にするのは面白くない。今後は手段を選べぬ、ということだ」.
「ジンバ・ラルは、ニュータイプは、人類全体が変わるべき理想のタイプだと教えてくれたわ。.
 だったらニュータイプを敵にする必要は無いはずよ。キャスバル兄さん!兄さん何を考えてるの?」.
「もう手段を選べぬと言った。アルテイシアはあの木馬から降りるのだ!」.
「木馬? あのホワイトベース?」.
「ああ。ここから地球に脱出できるくらいの金塊を残して行く。地球に行って一生を全うしろ!.
 わたしはもう…お前の知っている兄さんではない」.
「兄さん!」.
マスクをしているわけが分かるか… 私は、過去を捨てたのだよ.
「兄さん!」.
「アルテイシア。その素顔を、もう一度見せてくれないか?」.
「思いなおしてください、兄さん!」.
「綺麗だよ、アルテイシア… お前に戦争は似合わん、木馬を降りろよ!」.
「兄さん!キャスバル兄さん!キャスバル兄さん!」.
  今後は手段を選べないと語り、セイラにWBを出るよう迫るシャア。
  噛み殺すように呟くマスクの下りのセリフが哀愁をそそる。それに対して、ただただ泣くばかりのセイラ。
  最強に胸が切なくなる場面かも。

「大佐…テキサスで‥なにがあったのです?」(ララア)
「ララア、私にも悲しいことはあるのだよ、聞かないでくれるか」(シャア)
  この後、傷心のシャアは、ワッケイン司令のサラミスを完膚なきまでに叩きつぶす。
  鬱憤晴らしもあったのだろうか?

〜先の約束を果されんことを切に願う。あの優しきアルテイシア・ソム・ダイクンへ。.
 キャスバル・レム・ダイクンより、愛を込めて〜
  シャアからセイラ宛てに送られたトランクの中にあった手紙より。
  シャア・アズナブルとしてでなく、キャスバル・レム・ダイクンとしての、最後のけじめだったのか?

<次回予告>
  
人々の知らぬ間に戦いは新しい段階に入っていった。
  たった一機のモビルアーマーの幻覚にも似た戦いがアムロを混乱させ、ガンダムの機能は落ちていく。
  機動戦士ガンダム、次回「ニュータイプ、シャリア・ブル」。君は、生き延びることができるか!




第39話:ニュータイプ、シャリア・ブル

#木星帰りの男:シャリア・ブル登場。
 MAブラウブロの有線サイコミュでもって、容赦なくアムロを苦しめる。

「私が何故君をキシリアのもとにやるか分かるか?」(ギレン)
「は…」(シャリア・ブル)
「ん?」.
「私には、閣下の深いお考えは分かりません。しかし、分かるように努力するつもりであります」.
「それでいい、シャリア・ブル。人の心を覗きすぎるのは己の身を滅ぼすことになる.
 ただ、私が君をキシリアのもとにやることの意味は考えてくれ」.
  ギレンの策謀のコマとして使われることに抵抗を覚えながらも、その命を自分なりに全うしようとするシャリア・ブル。
  その実直な性格が伺える一コマ。

「戦場で調子に乗り過ぎると、命とりになるぞ」(シャア)
「そういうことは…ララアは気にする必要がない」
  
ララアのエルメス搭乗による体調への影響を心配したり、ララアに気を使われるのを遠慮したり…
  ララアに対してだけ異常に優しいシャア。

「兄は鬼子です! 父の本当の望みをゆがめて受け止めて、自分が出来るなんて!」(セイラ)
  ブライトにシャアとの関係を打ち明け、自らの思いを吐露するセイラ。

「凄いMSとパイロットだ!あのパイロットこそ真のニュータイプに違いない!.
 そうでなければ、このブラウブロのオールレンジ攻撃を避けられるわけがない!」(シャリア・ブル)
「あのパイロットは、反対からの攻撃も読んだ!」
  アムロのニュータイプ適性を一瞬で見抜くシャリア・ブル。木星帰りは伊達じゃない、ということか。

「下がれ!この敵は違うンだッ!」(アムロ)
  ブラウ・ブロの圧倒的な戦力を感じとるアムロ。いや、むしろシャリア・ブルに、というべきか。
  この後、シャリア・ブル戦死。死の間際に際しても同乗していた女士官の身を案じる優しさを持った男だった。

「彼はギレン様とキシリア様の間で器用に立ち回れぬ自分を知っていた不幸な男だ….
 潔く死なせてやれただけでも、彼にとって…」(シャア)
  シャリア・ブルの人柄をよく表わす一言。
  いま考えると、これ程のキャラが何故映画版ではカットされたのだろう?

「ニュータイプは万能ではない!戦争の生み出した人類の悲しい変種かも知れんのだ」(シャア)
  ガンダムの全体を通してのメイン・テーマのクローズアップ。トミノ節全開。

<次回予告>
  急場しのぎのシステムを使い、ガンダムはレビル艦隊を追う。
  その艦隊の前に、ジオンの防衛線の中に、1機の鮮やかなモビルアーマーが乱舞する。
  機動戦士ガンダム、次回「エルメスのララア」。君は、生き延びることができるか!




第40話:エルメスのララア

#ま、この回はラストの盛り上がりへ向けての説明的要素が濃いお話といえるだろう。
 注目すべきはデギン国王とギレンとの論争。

「人間がそんな便利に変わるわけないんだ」(ブライト)
  
アムロのニュータイプ適性について議論をかわすWBクルー。
  ブライトはニュータイプ理論にどちらかと言えば否定的なようだ。

「たまんないなァ…」(アムロ)
「ホント」(セイラ)
  アムロの反応速度についてこれなくなったガンダムにマグネット・コーティングを施して性能アップを図る技士団。
  技士達に好き勝手に改造されるガンダムを見上げて思わず一言。

「100万の一般国民を疎開させるということは、これは軍人の無能を示すことだ」(デギン)
「わたくしに面と向かってよくおっしゃる」(ギレン)
  コロニーレーザー使用の為、住民を全員疎開させようとしているギレンに対して、国王自ら苦言を一言。
  しかしギレンはまったく聞く耳を持たなかった。

「そこまでして勝って、どうするのだ? ギレン」(デギン)
「せっかく減った人口です。これ以上増やさずに優良な人種だけを残す….
 それ以外に人類の永遠の平和は望めません」(ギレン)
「貴公、知っておるか? アドルフ・ヒットラーを」.
「ヒットラー? 中世紀の人物ですな」.
「ああ、独裁者でな。世界を読みきれなかった男だ」(デギン)
「貴公はそのヒットラーの尻尾だな」
  ジオン・ダイクンの死後、国民をまとめる為に公王制をしき独裁色を薄めようとしたデギンに対して、
  あくまで完全独裁制にこだわるギレン。そんな両者の亀裂が垣間見えるシーン。

「ま、勝ってみせますよ… ヒットラーの尻尾の戦いぶり、ご覧下さい」(ギレン)
「…(溜め息をついて)ヒトラーは敗北したのだぞ…」(デギン)
  父親の忠告ともとれる皮肉を、最後までまったく受けつけようとしないギレン。
  この時点でジオン公国の命運は決まっていたのかもしれない。  

「補給部隊の連中は服で戦争をするわけではなかろうと、いつも」(シャア)
  ララアのぞろぞろした服が気に食わんとキシリアに言われて、反論するシャア。
  ちなみに映画版では、ちゃんと軍服をあつらえている。コスプレ・マニアの為のサービスだろうか?

「ちイィ!」(シャア)
  
アムロのニューガンダムの圧倒的な力に翻弄されて、思わず呻くシャア。
  ここでの「ちイィ!」には、過去のそれの中でも1・2を争うほどの臨場感がある。
  (ちなみに最高の「ちイィ!」は次話、ララアの死の直前で放たれる)

「悪い人だ!シャアを虐める悪い人だ!」(ララア)
  ララア電波全開。その比類なきパフォーマンスを容赦なくみせつける。
  てか、そんなこと言われても… アムロも言われっ放しになってないで言い返すべき。

<次回予告>
  ガンダムとエルメスの激闘はアムロとララァに二人の目指すべき未来の物語を垣間見させる。
  しかし戦場はその二人を包み巨大に膨れ上がっていく。ララァ、散る。
  機動戦士ガンダム、次回「光る宇宙」。君は、生き延びることができるか!




第41話:光る宇宙

#ララア散る。わーん。

「老いたな、父上。 時 既に遅いのだがな…」(ギレン)
  連邦との和平交渉に向かうと見られるデギン国王搭乗のグレートデギンを見送りつつ、ボソッと一言。
  この後、コロニーレーザで、その父親もろとも連邦主力艦隊を殲滅しようと画策する。

「大佐、今日からノーマルスーツをつけて出撃なさって下さい」(ララア)
「うむ、ララアがそう言うのなら…」(シャア)
  自分よりララアの戦闘能力が優れてるという事実を認め、ララアのお願いに素直に従うシャア。
  牙を抜かれたシャアなんて、あまり見たくないものだが…

「コイツッ!」(セイラ)
  ますますお行儀悪くなっていくセイラさん。すれちがいざまドムを撃破。

「シャアを傷つけるいけない人!」(ララア)
「そ、そんな馬鹿な!」(アムロ)
「貴男を倒さねばシャアが死ぬ!」.
「シャア…そ、それが!」.
「貴男の来るのが遅すぎたのよ!」.
「…遅すぎた?」.
「なぜ!なぜ今になって現れたの!?」
  ララア(エルメス) vs アムロ(ガンダム)
  四方から迫るエルメスのビット攻撃を驚異的な反射速度でかわしつつ、
  そのニュータイプ能力を全開にして、ビットそのものをも撃破していくアムロ。
  そんな激しい戦いを通して、徐々にお互いを理解しあっていく2人。

  


「何故?何故なの? 何故貴方はこうも戦えるの?.
 貴方には守るべき人も守るものもないと言うのに!」(ララア)
「守るべきものがない!?」(アムロ)
「私には見える、貴方の中には家族も故郷もないというのに…」.
「だ…だからッ! …どうだって言うんだ!」.
  アムロとララア、その互いの思念は、遂にニュータイプ同士としての真の邂逅に繋がっていく。

「守るべきものがなくて…戦ってはいけないのか!?」(アムロ)
「それは不自然なのよ」(ララア)
「では、ララァは何だ!」.
「私は、私を救ってくれた人のために戦っているわ」.
「たった、それだけのために? 」.
「それは、人の生きるための真理よ」.
「では、この僕達の出会いは何なんだ!?」.
「ああー! 」 「これは…これも運命なの?アムロ」.
「ああ、そうだ… そうだと思う、これも運命だ」.
「何故、何故なの?これが運命だなんて、ひどすぎるわ! 」.
「しかし認めなくちゃいけないんだ! ララァ、目を開いて…」.
「でも、何で今、今になって!」 .
それが、人の背負った宿命なんだろうな…」.
「ララア!奴との戯れ言はやめろ!」(シャア)
  二人のその想いが頂点に達したとき、その邂逅の中に突如割り込んでくるシャア。
  男の意地か?それとも嫉妬なのか? おそらく両方かと思われ。

  


「ララア、私はガンダムを討ちたい… 私を導いてくれララァ! 」(シャア)
「…お手伝いします。お手伝いします、大佐」 (ララア)
「すまん、ララア」
  自らの手中にララアを取り戻せたとでも思ったのだろうか?
  この後、安心したようにニヤリと笑うシャア。その器の小ささを感じさせるシーン。
  そら15年後、アムロに「なんて器量の小さい!」とか言われても仕方ないわなコレは。

「大佐、いけない!」(ララア)
「うん!? アルテイシアか!」(シャア)
  ララアの強烈な思念により、Gファイターに向けて振り下ろそうとしたビーム・ナギナタをピタッと止めるシャア。
  そこで、ようやくGファイターに搭乗しているのが実の妹だと気づく。
  しかしララアはセイラのことを何も知らない筈なのに、何故分かったのだろう?
  (これもニュータイプの力なのか?)

「シャア覚悟!」(アムロ)
「ちイイイ!」(シャア)
  ゲルググの左手を切り落とし、トドメを刺そうとなおも接近するガンダム。
  その間に割り込むララアのエルメス。そして…

「人は…変わってゆくのね。私達と同じように…」 (ララア)
「そ、そうだよ。ララアの言う通りだ‥」 (アムロ)
「アムロは、本当に信じて?」.
「し信じるさ、君ともこうして分かり合えたんだから。人はいつか時間さえ支配することが出来る…!」.
ああ、アムロ… 時が見える…
  走馬灯のようにフラッシュバックしていくララアの残留思念。
  それが臨界に達した時、ララアは宇宙と塵と化した。合掌。

  


「と‥取り返しのつかないこと…取り返しのつかないことをしてしまったァァァァ」(アムロ)
「う…わあああああ!!」(シャア)
  ララア死す。悲しみと怒りを同時に爆発させるシャア。ただただ慟哭するアムロ。

  


「了解であります。ソーラレイ・システム、スタンバーイ!」(ジオン士官)
「発電システム異常なし。マイクロウェーブ送電良好。出力8500ギガワットパーアワー」(ジオン兵)
「発射角調整、ダウン012、ライト、0032」.
「基本ターゲット、ゲルドルバ!」.
「825発電システムのムサイ、下がれー! 影を落とすと出力が下がるッ!」.
  ソーラレイシステム遂に起動。
  その圧倒的な破壊力でもってデギン国王もろとも連邦主力艦隊をコナゴナに吹き飛ばす。

「だ駄目だ、前へ進んじゃ駄目だ!光と、人の命が溶けて行く… あ‥あれは憎しみの光だーッ!」(アムロ)
  コロニーレーザーが放つ悪しき波動を感知するアムロ。しかし時すでに遅く…

<次回予告>
  ギレンとキシリアの確執だけがジオンを窮地に追い込んだのか?
  生き残った地球連邦軍は最後の特攻を掛ける。シャアも立つ。アムロもまた、ララァを追うかのように。
  機動戦士ガンダム、次回「宇宙要塞ア・バオア・クー」。君は、生き延びることができるか!




第42話:宇宙要塞ア・バオア・クー

#ギレンによるアジ演説パート2から、ア・バオア・クーの激闘は幕をあける。

「我が忠勇なるジオン軍兵士達よ。.
 今や地球連邦軍艦隊の半数が、我がソーラレイによって宇宙に消えた。.
 この輝きこそ、我等ジオンの正義のあかしである。.
 決定的打撃を受けた地球連邦軍に、いかほどの戦力が残っていようと、それは既に形骸である!.
 あえて言おう、カスであると!.
 それら軟弱の集団が、このア・バオア・クーを抜くことは出来ないと私は断言する。.
 人類は、我等選ばれた優良種たるジオン国国民に管理運営されて、初めて永久に生き延びることが出来る。.
 これ以上戦いつづけては、人類そのものの危機である。.
 地球連邦の無能なる者どもに思い知らせてやらねばならん。.
 今こそ、人類は明日の未来に向かって立たねばならぬ時であると!」(ギレン).

「そりゃ結構。ニッヒヒヒヒヒ」(カイ)
「そりゃそうだな。逆立ちしたって人間は神様にはなれないからな」.
  
フラウのところで話しこんでいるハヤトを茶化して笑うカイとレツ。
  「逆立ちしたって…」の下りは、実にカイらしい真理の掴み方だと思う。

「80%か…」(シャア)
  キシリアからジオングの使用を促されるシャア。その完成度を聞いて思わず呟く。

「グレートデギン、どこに配備されたのです。ズムシティですか?」(キシリア)
「沈んだよ。先行しすぎてな」 (ギレン)
「ほう。デギン公王から調達なさったので?」.
「歯がゆいな、キシリア。 父がグレート・デギンを手放すと思うのか?」.
「思いません」.
「では、そういうことだ」.
  自らの独裁政権完全掌握のため、父をも犠牲にしたギレンに対し、激しく怒りを覚えるキシリア。
  二人の亀裂が決定的になる過程でのその表情にも注目したい。
  
「フフフフフフフ… 圧倒的じゃないか我が軍は」(ギレン)
  そーゆうお前の命はあと3分な。

「80%? 冗談じゃありません! 現状でジオングの性能は100%出せます!」(ジオン兵)
「足がついていない」(シャア)
あんなの飾りです!偉い人にはそれが分からんのですよ!.
「使い方はさっきの説明で分かるが…サイコミュな。私に使えるか?」.
「大佐のニュータイプ能力は未知数です。保証できるわけありません!」.
「はっきり言う。気に入らんな」.
「どうも。 気休めかもしれませんが、大佐なら上手くやれますよ!」.
「ありがとう、信じよう」
  
あまりにも有名な例のシーン。名前も無い只の一ジオン兵の中ではコイツが一番有名かも。
  「偉い人にはそれが分からんのですよ!」 幾度となく使ってみたいセリフ。

  
 ジオング出撃す

「グレートデギンには父が乗っていた。その上で連邦軍と共に… 何故です!?」(キシリア)
「やむをえんだろう。タイミングずれの和平工作が何になるか」(ギレン)
(銃を向けつつ)…死なすことはありませんでしたな。総帥」.
「フっ… 冗談はよせ」 .
「意外と。兄上も甘いようで」.
  このセリフの後、即ズッキューン。
  脳天ブチ抜かれたあげく指令室の壁にリバウンドして無重力の中を虚しく漂うギレン。
  これまたひどい死に様だなオイ。因果応報というヤツか。
  そのツケはギレンを屠ったキシリアにも巡り廻ってくることになる。

  


「見えるぞ…私にも敵が見える!」(シャア)
  この後の展開から考えるに残念ながらそれは気のせいっぽい。

「敵を引き込め!ア・バオア・クーでしらみつぶしにしろ!残った敵の数、決して多くはない!」(キシリア)
  キシリアおねえたま大いに猛る。てかこれが最後の勇姿。
  おねえたまファンは今のうちにたっぷり見ておくがよろし。

「な!何故でてくる!」(アムロ)
  
訳も分からず無我夢中で突っ込んだところを、アムロのこの一言とともに瞬殺される学徒兵のザク。
  そんな可哀想な彼の断末魔は「あっああああ、ひ火が!か母さん!」 合掌。

  


「チィ!」(シャア)
「よけたのか!」(アムロ)
  ジオングのオールレンジ攻撃を避けるアムロを見て、思わず舌打ちするシャア
  ガンダムの狙いすました一撃をカンで避けたシャアを見て、驚愕するアムロ。
  ニュータイプ能力全開の2人の戦闘はまさに圧巻。

  


<次回予告>
  
終局である。シャアとアムロが生身で対決するなど、すでに戦争ではない。
  ニュータイプに科せられた宿命なのだろう。ホワイトベースをア・バオア・クーの赤い炎が包んでいく。
  機動戦士ガンダム、次回「脱出」。君は、生き延びることができるか!




第43話:脱出

#いよいよ最終回。最後のナレーションはマジ泣ける。

「外からドンパチやったって、拉致あかないのよね」(カイ)
「カイさんだけにいい思いはさせないぞう」(ハヤト)
  ホワイトベースお笑い担当デコボココンビの勇姿もいよいよこれが見納めか。
  
「野郎ッ!ここの一番のりは俺だってのに!」(カイ)
  先行するジムとボールを見て猛るカイ。
  直後に撃破されるそれらの機体を見て「臆病くらいの方が…」と呟いた映画版の方が好みかな。

「こう近づけば四方からの攻撃は無理だな、シャア」(アムロ)
「な、何だ!?」(シャア)
「何故ララアを巻き込んだンだ! ララアは戦いをする人ではなかった!」.
「チイイ!」.
  ジオングの有線サイコミュをかわすため懐に入り、その後テレパシーでシャアに話し掛けるアムロ。
  なんか、いよいよ人間離れしてきた。

「ララア…教えてくれ、どうしたらいいのだ!」(シャア)
  どんなときでも自信たっぷりだったあのシャアが、他人に、しかも死んだものの幻影にすがるとは…

「違うかッ!」(アムロ)
「ガンダムッ!」(シャア)
  ビームライフルがジオングの胸を一撃! しかしそこはコクピットではなかった。
  首だけで逆襲かますシャアのジオング。その結果としてガンダムも首チョンパーに。
  
  


「赤い彗星も地に堕ちたものだな」(キシリア)
  ジオング撃墜の知らせを聞いて、突き放したように呟くキシリア。
  この後、自分がそのシャアに首チョンパされるとも知らず、まあいい気なもんだ。

「いるな…」(アムロ)
  シャアの気配を感じとり、コクピットから脱出するアムロ。
  この後、遂にガンダム墜つ… 涙なくしては語れない希代の名シーン。

  


「その力、ララアが与えてくれたかもしれんのだ。ありがたく思うのだな」(シャア)
「貴様がララアを戦いに引き込んだ!」(アムロ)
「それが許せんと言うのなら間違いだな、アムロ君」.
「何?」 .
「戦争が無ければ、ララァのニュータイプへの目醒めはなかった」.
「それは理屈だ!」.
「しかし、正しいものの見方だ!」.
「それ以上近づくと、う撃つぞ!」 .
「いま君のようなニュータイプは危険すぎる。私は君を殺す!」 .
  アムロとシャア、最後の対決。遂にその戦いは肉弾戦をもって決せられることに。
  獲物がフェンシングというのはちょっと演出過剰気味な気もするが、まあ、最終回だしアリだろう。

「貴様が最強の兵だからだ!」(シャア).
「本当の敵はザビ家では無いのか!」(アムロ)
「私にとっては、違うな! 分かるか!ここに誘い込んだわけを!」.
「ニュータイプでも体を使うことは普通の人と同じだと思ったからだ」.
「そう、体を使う技は、ニュータイプと言えども訓練をしなければな」.
「そんな理屈!」.
「やめなさいアムロ!やめなさい兄さん! 二人が戦うことなんてないのよ!.
 戦争だからって二人が戦うことは!」.(セイラ)
  白熱した戦いに強制インタラプトをかけようと懸命になるセイラ。
  シャア流に表わすならば「男同士の戦いに割り込むな!」といったところか。
  当然のごとくセイラの必死の仲裁など完全シカトで戦いに興じるアムロとシャア。
  結局その戦いの決着は、相打ちという形でつくことに。
  その後、めくるめく801ねえさん垂涎のシーンが繰りひろげられることになる。   
 
  

  
「い、今、ララアが言った…ニュータイプはこ殺しあう道具では、ないって」(アムロ)
「戦場では強力な武器になる。やむをえんことだ」(シャア)
「貴様だって… ニュータイプだろうにッ!」
  ララアの残留思念も手伝って最後の最後でニュータイプとして分かりあう二人。
  これから8年後、二人はエウーゴとして共闘することになる。
  (でも、その6年後はまたもや敵同士になっちゃうけど)

「ここもだいぶ空気が薄くなってきた。アルテイシアは脱出しろ」(シャア).
「兄さんはどうするのです?」(セイラ)
「ザビ家の人間は、やはり許せぬとわかった。そのケリはつける!」 .
「兄さん!」 .
「おまえももう大人だろう、戦争も忘れろ。いい女に、なるのだな…」 .
  セイラに別れを告げ、ザビ家との最後のケリをつけにいくシャア。
  これ以降、セイラとシャアが再会することは二度となかった(筈)

「ガルマ…私のたむけだ。姉上と仲良く暮らすがいい」(シャア)
  そしてバズーガー一閃。キシリア目をくわっと見開いたあげく軽々と首チョンパ。合掌。
  しかしトミノの作品はほんとうによく首が飛ぶなあ。

  
「くわっ(ぱ)」

「殺しあうのがニュータイプじゃないでしょ?」(ララア)
「アムロとはいつでも遊べるから…」
  ララア(残留思念)はアムロを導き、そのアムロはWBの皆を導く。
  アムロの導きによりア・バオア・クーを無事脱出するWBの面々。
  ”人は言葉なしでも分かりあえる”というニュータイプの概念がクローズアップされたラスト。

「そ。ちょい右ー!」 (キッカ)
「そう、右ー!」(レツ)
「はい、そこでまっすぐー!」(カツ)
「そう、こっちこっち!」.
「大丈夫だからー」.
「すぐ外なんだからー」.
「いい?」.
4、3、2、1、ゼロー!(カツ・レツ・キッカ)
  アムロが脱出ランチに乗っていないことを知り、動揺するWBクルー。
  皆、必至にアムロの存在を感じとろうとするも当然うまくいく筈もなく、周囲に絶望感が広がっていく。
  
「人が、そんなに便利になれるわけ、ない…」 膝から崩れ落ちるセイラ。
  そんな中、騒ぎ出すガキ共。結局アムロの思念に反応できたのはガキ共だけだったというわけ。
  ま、子供の方がそういう力は強いって言うし。

「ごめんよ…まだ僕には帰れるところがあるんだ。こんな嬉しいことはない」(アムロ)
「分かってくれるよね、ララアには何時でもあいにいけるから」.
  そして感動の大団円。
  アニメ史上に金字塔を打ち立てた伝説の作品のラストは、このナレーションで締めくくられた。

  
宇宙世紀0080。この戦いの後、地球連邦政府とジオン共和国の間に終戦協定が結ばれた

  


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