第1話:ガンダム強奪

#主要登場人物紹介、及び、ガトーの2号機奪取まで。

「謀ったな、キシリア…!」(デラーズ)
  ギレン総帥の死を聴いて。
  ガルマの陰に隠れた「謀ったな!」の効果的用法だと思う。

  


「待て、ガトー。貴公の母艦ドロワは沈んだ」(デラーズ)
「ドロワが…!」(ガトー)
「我が総帥、ギレン閣下も亡くなられた。我々はア・バオア・クーより撤退する。.
 我らは生きて総帥の志を継がねばならんのだ」.
「生き恥を晒せと!? 私は行きます!」.
「ならん!」.
「今は耐えるのだ。.
 生きてこそ得ることの出来る栄光をこの手に掴むまで、その命、儂が預かる!いいな!」.
  撤退命令を無視して再出撃しようとするガトーと、それを阻止しようとするデラーズ。
  ちなみにこの時ガトーが搭乗しようとしていたのはデラーズのリックドムね。

  


「ここがコロニーの落ちた跡なんですか?」(ニナ)
「最大直系500キロのクレーター、史上最大の人工の穴だよ。.
 六万メガトン級の威力によるものだ」(シナプス)
「戦争の代償、というには、あまりにも大きな傷だ」.
  コロニー落としの爪痕を見て、感慨にふけるシナプス艦長。
  数多もの修羅場をくぐり抜けた歴戦の戦士ならではの重みあるセリフ。

  


「オービルと言ったな。制服は大尉のものしかなかったのか?」(ガトー)
「すみません、少佐」(オービル)
  大物に似合わぬ、妙な気位の高さを覗かせるガトー。意外と器小さいのかも。
  大体がジオン在籍時は大尉で終わっていたはずだろうに。

  


「ニンジンいらないよ」(コウ)
  こちらは主人公らしからぬしみったれた偏食っぷりをあらわにするコウ。

「素晴らしい、見事なMSだ」(ガトー)
「自分も、そう思います」(コウ)
「君、バズーガーに弾頭の装備は済んでいるのかね?」.
「はっ、はい」.
「では、試してみるか」.
  コウとキースの眼前にて、まるで散歩にでも行くかのような手軽さで2号機を強奪していくガトー。
  その大胆さ・豪胆さ、見事なり …というよりコウとキースが単に間抜けなだけか。

  


「連邦に下ったのか。その姿は(見るに)偲びん」(ゲイリー)
  連邦基地にてザクの実戦配備を見て憤るガトーの部下、ゲイリー。
  そのままビームサーベルでそのザクを一閃、往年のリックドムの切れ味を存分に見せつける。
  <後日追記>
  正確にはリックドムではなく、旧トロピカル仕様を量産させたドム・トローペンでした。

  
 

<次回予告>
 
 荒涼と広がるオーストラリアの大地に、ジオン残党と連邦の死闘は続く。
  遂に実践参加したウラキを襲う試練の波。ガンダム2号機を目の前に捕らえた時、ウラキは見た。
  敵パイロットの比類なき力を。




第2話:終わりなき迫撃

#ガトvsコウ、第1ラウンド。
 あまりに実力差がありすぎて戦いにもならなかった、というのがその印象。

「いやー、私のガンダムがー!」(ニナ)
  一号機と二号機が戦っているのをモニター越しに見て。断じてお前のじゃねえ。
  この後、実戦の緊迫感にアテられて、脈絡なくハァハァ言いだした。色魔?

「意気込みは良し。だが相手がヒヨっ子ではな」(ガトー)
私を敵に回すには君はまだ、未熟!.
  ガトーのコウに対する第一印象。
  まるで相手にされていないのが、セリフの端々から伺える。

「おのれ、このアナベル・ガトーは三年待ったのだ!.
 貴様達のような分別のない者どもに、我々の理想を邪魔されてたまるか!」(ガトー)
「我々の理想?」(コウ)
「我々はスペースノイドの真の解放を掴みとるのだ、地球からの悪しき呪縛を我が正義の剣によってな」.
「解放?何を?」.
「ガトー?現代戦史の教本にあった、あの!?」(キース)
「アナベル・ガトー、ソロモンの悪夢…!」(バニング)
「こんな戦術レベルの戦いの最中に何を…」.
「君も将校だろう!只の兵でないのなら、大局的にものを見ろ!」.
「はっ…はい!」.
「あっ…(首を振って)私は敵だぞ!」.
  キース情報によると、ガトーはドズル・ザビ中将旗下の宇宙攻撃軍エースパイロット。
  士官学校の卒業検定にも出題されるほどの有名人だったらしい。
  あと途方もなく浮きまくった方向へ1人黙々とボール投げてるコウに大注目。
  そりゃガトーに「所詮は連邦という看板がなければ何もできん奴等め」とか言われちゃうわ。

  


「戦いは一瞬で決まる、迷いがある方が負けだ!」(バニング)
  シナプス艦長と並んで戦闘経験豊富なバニングらしい、渋くてかつ重みのある一言。

  


「何故、2号機を盗んだ!」(コウ)
「貴様などに話す舌を持たん!戦う意味さえ介せぬ男に…!」(ガトー)
「それでも僕は、連邦の士官だ!」.
それは一人前の男のセリフだー!.
  ガトーVSコウ、三度目の近接戦闘。
  ニナに二号機の冷却システムの弱点を教えてもらい、辛くも退却させることに成功するコウ。
  でも僕は悔しいんだよ的な屈辱にまみれた後姿を披露し、どこまでも構ってちゃんアピール。

  


<次回予告>
 
 朝霧に消えたガンダム2号機。慰めの言葉もないニナ。
  瓦解した基地の風は、コウの心を荒ませる。そして新しき仲間達との対立。
  試作1号機のパイロットは誰か? 




第3話:出撃アルビオン

#試作一号機パイロットのポジションを巡っての模擬戦とか。

「戦争は終わったんだよ。.
 だが、あれ一発で、また何千万もの人が死ぬ… あれは使ってはならん兵器なのだよ」(コーウェン)
  奪取された「RX-78GP02A」、通称2号機の追撃をシナプスに命じるコーウェン中将。
  その懸念点は、やはり2号機のアトミックバズーガーに搭載された核弾頭に向けられている模様。

  


「僕が…僕があのとき… もっと上手くやっていれば…!」(コウ)
  ほとんど活躍らしい活躍もなく散っていったアレン大尉の遺品を整理中、
  閑散とした部屋の様子や壁に無造作に貼ってある数々の写真を見て、悲しみに暮れるコウ。
  「僕がもっとガンダムを上手に使えれば…」とウッディの前で嘆いたアムロをダブらせるような姿。

  


「なんて機動性だ…!」(モンシア)
「もう負けられないんだ!」(コウ)
  ガンダム1号機パイロットの座を争って模擬戦を行うコウとモンシア中尉。
  1号機の機動性の高さに驚愕するモンシアと、相手の虚を突こうとするコウ、それぞれの必死ツラに注目。

  


<次回予告>
 
 ガンダム2号機を追い求め、彷徨うアルビオン。そこは遥かなるアフリカの大地。
  灼熱に立ちのぼる陽炎は、クルーの焦燥を誘うのか。パイロット達のいさかいは、更に熱く、ウラキを焦がす。
  あせりが不協和音となって響く時、ジオンの亡霊は再び目覚める。怨念はアルビオンをも砕くのか。




第4話:熱砂の攻防戦

#奪われた2号機を探してアフリカ中を捜しまわるアルビオン御一行と、
 ジオン残党を率いてガトーを守るノイエン・ビッター隊との交戦。

「私、自分をコントロールできない人って、キライです!」(ニナ)
  やたらとちょっかい出してくるモンシア中尉に対してキッツい一言。

  


「閣下…これほどにしていただきながら、我が動きをお話出来ず…」(ガトー)
「それが作戦というものだ」(ノイエン・ビッター)
「全ては新しきジオンのために」.
  ジオン敗戦後、10機のMSとともにアフリカに潜伏し続け、決起の時を待った我慢の人。
  「83」最大の魅力は、この手の「根性軍人」が多数出てくるところにあると見ているのだが、
  世間的にはどうなのだろう?

  


「チッ、二人も小便小僧はいらねえよ!」(モンシア)
「モンシア中尉、オムツ持参でお供します!」(コウ)
  ガトー追撃に際して、コウとキースを連れていくようバニングに言われ、ブーたれるモンシア中尉。
  それに対してのコウの切り返しはなかなか。

「ニナ、足下には御用心」(モーラ)
  ジムからのモノアイによる望遠映像でニナの生足をピーピングするモンシア中尉。
  やる…!(シャア風) それにすかさず気付いたモーラの注意に対し「ハァっ…!」と悶える
  ニナがちょっと可愛い。ちょ、ちょっとだけなんだからね!

  


「私が出撃した後は、大尉がここの責任者だ」(ノイエン・ビッター)
「はい。それが何か?」(アール大尉)
「HLV打ち上げ成功後、降伏せよ」.
「えっ……… 閣下!」.
「この戦いでMSを失えば、この基地の役割も終わる」.
「我々はまだ戦えます!」.
「兵達はこの三年間よく戦った。我々の志しは星の屑作戦に受け継がれる」.
「ガトー少佐に、ですか…!」.
「あとは頼む!」.
「閣下!」.
  ガトーと2号機を搭載したHLVを守るため、最後の出撃に臨むノイエン・ビッター隊。
  圧倒的戦力を誇るアルビオンとガンダム達に対し、玉砕覚悟で挑むその戦いっぷりは涙を誘う。

  


「…勝ったぞ。星の屑作戦に栄光あれ…!」(ノイエン・ビッター)
我々の意地を見よ!.
  ガトーを載せたHLVが無事飛びたったことを見届けた後、アルビオンに特攻していくノイエン・ビッター。
  ガデム、ランバ・ラル、ブーン、ドレン… 愚直なまでに己が信念を貫き通すジオン根性軍人達の系譜は、
  この「83」にも確かに受け継がれていた。合掌…

  


<次回予告>
 
 些細な一言、ささやかなすれ違い。波紋はあまねく銀河へ広がる。
  鉄の意志デラーズ・フリート、その大いなる言葉が宇宙を揺るがす時、
  新たな強敵がウラキのガンダム1号機に立ちはだかる。
  撃たれゆくガンダム。ウラキの窮地に、運命の波は、ニナを洗った。




第5話:ガンダム、星の海へ

#コウの童貞マインドとニナのビッチっぷりがあますことなく発揮される回。
 本当、見ていてこんなにムカつく主人公とヒロインもそうはいない。
 この回で初登場となるシーマ様の天上天下唯我独尊っぷりが、せめてもの救いか。

「あっ、そんなに乱暴にしないで!」(ニナ)
「推力がノーマルに上がるまでは、もっと優しく、こう… でしょ?」..
  
そのビッチ力をいよいよ発揮しはじめたニナ。
  ガンダム操縦のレクチャーにかこつけて、無意識にコウを幻惑か? このビッチが!

  


「前方のムサイ、すまないね。コロニーの残骸と誤認した。.
 しかし、ちょっと間に合わないようだねェ」(シーマ)
  シーマ様、初登場。
  ガトー搭乗のムサイに対して後方より急速接近、自艦リリー・マルレーンの巨体で
  威嚇をかけるという海賊じみた荒っぽい操艦を、挨拶代わりと称して行う。

  


「少佐、これからは楽させてあげるよ。ガンダムでもしっかり磨いておくんだね」(シーマ)
  デラーズの前にてガトーと顔を合わせるや否や、今度は舌戦にて威嚇。
  出だしからその傍若無人っぷりを思う存分見せつける。

  


「ガトーよ、ア・バオア・クーを覚えておるか?」(デラーズ)
「忘れようもありません。閣下にこの命、拾われました」(ガトー)
「そうではない。あの時お前はジオンを再び興す為、生まれ変わったのだ。その心こそ大儀」..
「はい」..
「大儀を生まんとするものが、小事にこだわってはならん。.
 星の屑作戦を成功させる為には、お前が奪取したガンダムと、我が艦隊戦力の充実が不可欠だった。.
 シーマは私が導く」.
「閣下…!」.
「ガトーよ、広くものを見よ」.
「閣下…………… 心洗われました。 死すまでお側を離れません」.
  シーマを招聘したことに異を唱えるガトーに対し、穏やかでありながら力強さをも秘めた
  その口調にて、忍耐強く説得するデラーズ。その年の甲と経験力を感じさせるエピソード。

「コウはダメね、ちょっと優しくすると、甘えて付きまとってきて」(ニナ)
  シャワー中、「ガンダムとウラキ少尉、どっちが好きなの?」とモーラに問われて、この返答。
  自分から誘惑しといて、相手が懐いてきた途端ウザくなるとはどういう了見だ、このアマ。
  男として、人として、名もない一ヲタとして、絶対にこういうビッチは許せない…!
  このあしらい方は案の定、衝突を招くこととなり、童貞マインド全開のコウをして、
  
「わからず屋はニナの方だー!」という希代のヘタれシャウトを咆哮させしめる結果となる。

  


「地球連邦軍、ならびにジオン公国の戦士に告ぐ。我々はデラーズ・フリート。.
 いわゆる1年戦争と呼ばれたジオン独立戦争の終戦協定が、偽りのものであることは、誰の目にも明らかである。.
 何故ならば協定はジオン共和国の名を騙る売国奴によって結ばれたからだ。.
 我々はいささかも戦いの目的を見失ってはいない。それはまもなく実証されるであろう」(デラーズ)
「私は日々思い続けた。スペースノイドの自治権確立を信じ、戦いの業火に焼かれていった者達のことを!.
 そして今また、あえてその渦中に飛びいらんとする若者のことを…!」.
「スペースノイドの、心からの希求である自治権要求に対し、連邦がその強大な軍事力を行使して、.
 ささやかなるその芽を摘み取ろうとしている意図を、証明にするに足る事実を、私は存じておる」.
「見よ、これが我々の戦果だ。このガンダムは核攻撃を目的として開発されたものである。.
 南極条約違反のこの機体が、密かに開発された事実をもってしても、呪わしき連邦の悪意を.
 否定できるものがあろうか!」.
「省みよ。何故、ジオン独立戦争が勃発したのかを….
 何故、我らがジオン・ズム・ダイクンとともにあるのかを…!」.
「我々は三年間待った。もはや我が軍団に、ためらいの吐息をもらすものはおらん!」.
「今、真の若人の熱き血潮を我が血として、ここに私は、改めて地球連邦政府に対し、宣戦を布告するものである」.
「かりそめの平和へのささやきに惑わされることなく、繰り返し、心に聞こえてくる祖国の名誉の為に…!
 ジーク・ジオン」.
  ファーストの12・42話におけるギレン、Z37話や逆シャアにおけるアズナブルのそれ、
  他にもW42話でのミリアルドや、SD47話でのデュランダルなど、それぞれのシリーズ要所において、
  ストーリーを締めるスパイスとなってきた一心不乱の大演説。
  ここにまた一つ、ガンダム史にその名を残す名演説、誕生か。

  


「来るな、来るなー!」(キース)
  宇宙での初戦闘にビビくりまくるキース。
  どこかファーストにおけるカイの初戦闘を彷佛とさせるものがあるね。

「よりどりみどり!」(シーマ)
  
「なんだい、あれくらい突破できないのかい!歯がゆいねえ」の一言とともに颯爽と出撃。
  連邦の艦隊群を、単機攻撃で次々と撃破していくシーマ。
  だが、そんな彼女の腕を持ってしてさえ、ガンダムの装甲を砕くことは遂に適わなかった。
  その時に放った
「なんて装甲だ!」というセリフが、そのポテンシャルの高さを示していると思われ。
  ちなみに彼女の搭乗機は、ノーマルのゲルググに武装やジェネレータ出力の強化を施したゲルググ・マリーネ。
  
  


#今週の根性さん
 調整不足のガンダムで出撃、単なる射撃の的と成り果てていたコウの窮地を救うべく、
 骨折箇所のギプスを気合一閃叩き割って、そのまま出撃していくバニング大尉。すンげえ顔だ。

  
 

<次回予告>
 
 大破したガンダム1号機をニナはアナハイムに眠らせた。
  消沈と暴威、パイロットとしての自信を失ったウラキはフォンブラウンを彷徨う。
  閉じ行く心、冷えていく魂。若き日の夢を夜の闇に置き忘れるとき、1人の男が彼の前に現れた。




第6話:フォン・ブラウンの戦士

#ガンダム1号機を大破させてしまったことに対し、やさぐれまくるコウ、
 月面基地フォン・ブラウンにて、かつてのジオンの戦士ケリィとの出会いを果たすの巻。

「月に、コロニー落としちゃうよ」(シーマ)
  連邦とジオン双方相手にうまく立ち回るアナハイム社の常務に対し、彼女流の脅しをいれるシーマ様。
  私服姿はほぼ単なるオバサ… いやっスゲえ素敵っス。

  
  

「軍人なら僕なんて言うな!」(ケリィ)
  やさぐれて町中を彷徨っていたところ、チンピラにケンカを吹っかけられフルボッコ、
  そんなコウを助けるかつてのジオン兵士、ケリィ・レズナー。
  恋人のラトーヤいわく
「彼はまだ燃え尽きちゃいないのよ!」の言葉通り、
  ジャンク屋に身をやつしてMA「ヴァル・ヴァロ」を密かに修復しつつ、再起の時を待つ隻腕の戦士。
  
  


「今は戻れない。僕にはまだ、やり残していることが….
 深く沈んでくすぶっているものを、僕は… 必ず戻る、約束するよ…!」(コウ)
  ケリィがヴァル・ヴァロにて「星の屑作戦」参加を目論んでいることを知りながら、
  今すぐ船に戻ってくれというニナの説得を振り切ってまで、その修理に手を化すコウ。
  どこかホセ・メンドーサ戦時のジョーを思いおこさせるようなセリフ。

「このままジャンク屋のオヤジになるもの悪かァない。そう思ったさ。.
 だが…違うんだな。こうやってジャンク屋の仕事をしてても何かこう…ここが自分の居場所だって気がしねえ。.
 俺の胸の奥で何かが… やっぱり俺はパイロットなんだ」(ケリィ)
  次に会えば敵味方として戦わなければいけないことを分かっていながら、
  修復を手伝ってくれるコウのその矜持に胸をうたれたか、ポツポツと自らのことを語り始めるケリィ。
  ブックレットの説明によると、かつてソロモンにてガトーとともに戦ったこともあるらしい。

「コウ・ウラキ少尉、ただいまより任務に戻ります」(コウ)
「少尉、わすれものだぜ」(ケリィ)
  その言葉とともに、パイロットの証たるエンブレムをコウに返すケリィ。
  ケリィとの出会いを通してその信念を見たことにより、多少なりともモチベーションは戻った模様。

  


<次回予告>
 
 ガンダム1号機はフルバーニアンとなって蘇り、ウラキは再び、その傍らに立った。
  その本来の姿に瞳かがやかせるニナ。しかし、運命は人に試練を与えることをやめない。
  ニナに、ケリィに、ウラキに… もつれた糸は緩むことなく、今、月面の攻防の幕を開かせた。




第7話:蒼く輝く炎で

#ケリィのヴァル・ヴァロと、コウのガンダムがいよいよ激突。

「戦況はたえず変化するんだ、まごまごしてると孤立しちまうぞー」(キース)
  少し前までニナ!ニナ!と騒いでいた筈が、いつのまにかモーラと上手くやってたキース。
  節操ないにも程があるが、「
ちょっと優しくすると、甘えて付きまとってきて」呼ばわりした相手と
  ちゃっかりくっつこうとしているニナよりは遥かにマシか。 

  


「なんのかんの言っても、世の中を渾沌とさせているのは、お前のようなルナリアンなんだなあ」(シーマ)
  アナハイム社の常務オサリバンに、MSをおねだりするシーマ様。
  少し前まで威嚇してた筈がもう変わり身。この辺の処世術には長けているようで。
  ところで月の住民のこと「ルナリアン」と呼ぶのね。これは知らなかったなあ。

「捲土重来、またソロモンのようにくつわを並べよう。よき返事が戻らんことを願って。.
 親愛なるケリィ・レズナー大尉へ。アナベル・ガトー」(ガトー)
  ガトーからのビデオ・レターを聞きながら、今の自分の無力さに落ち込むケリィ。
  ガトーが認めるほどの戦士ってことは、両腕があった頃は相当な凄腕だったのだろうか。

  


「モビルスーツしか扱えないの!?」(ポーラ)
  10年前のラブコメもどうかという朴念仁っぷりでニナを怒らせた末「いくじなし!」と怒鳴られわ、
  その親友のポーラさんからは能無し呼ばわりされるわともう散々なコウ。
  ちなみにこのポーラは、ニナとガトーの過去を知る、数少ない人物だったりする。

  


「あたしはおせっかいな男は大嫌いさね!」(シーマ)
  ケリィを利用しようとした部下を断罪するシーマ様。
  あわれ、この小人はザク単機でヴァル・ヴァロに立ち向かわされ、三秒フラットで宇宙の塵と化す。

  


「ケリィさん、どうしてこんなことを…!」(コウ)
「ウラキか!君がガンダムの! そうか………しかし遅かれ速かれ」(ケリィ)
「やめてください、ケリィさん! こんな戦いなんて…!」.
「甘いぞ、ウラキ! 戦いに状況など、選べやしない!」.
  遂に激突、コウvsケリィ。
  片や、メガ粒子砲とプラズマ・リーダー、更には強力なアームを装備する重機動MA、
  片や、フルバーニア実装で機動性が増したガンダム。
  未熟なパイロットの腕をどこまでガンダムの機能が補ってくれるかが、勝負の鍵と言えそうだが。

  


「命を… 命を賭けてまでの目的は… 価値はなんなんです、ケリィさァーーん!」(コウ)
「既にデラーズ閣下が述べられた筈だ。だが兵士は闘争本能こそが…!」(ケリィ)
「戦いは、生か死だ!」.
  よくよく見てみれば唯一勝るかと思われた機動性も、実はヴァル・ヴァロの方が上だったっぽい。
  その上、プラズマ・リーダーによる電磁波攻撃にまんまとかかって、もはやボロボロのコウ。
  こんな有効範囲が狭い上にタイムラグもある兵器に、まんまと引っ掛かるなんて、あまりにも…
  (でもよくよく考えたらアムロもこれにやられてたっけ?→F18話:灼熱のアッザム・リーダー参照)

「その距離からのビーム砲では、このヴァル・ヴァロは倒せはせん!」(ケリィ)
ヴァルヴァロだぞー!.
  キースとニナの助けにより、ようやくプラズマ・リーダーから逃れられたかと思えば、
  お次はIフィールドにて遠距離ビーム攻撃を全無効化された末、とどめとばかり巨大アームでがっしり
  掴まれちゃうガンダム。普通に強えーわヴァル君。
  ちなみに後者の「ヴァルヴァロだぞー」は FIVEさんから推薦いただきました。
  いや、まさかこの緊迫した戦いの中で本当にこう叫んでるとは思ってなかったわ。
  
  


「コウ・ウラキ、聞こえるか! 俺は後悔してないぞ!」(ケリィ)
「ケリィさん、脱出装置を…!」(コウ)
「へっ、そんなものは積みこんじゃいないぜ」.
  もはや絶体絶命かと思われたその瞬間、上半身と下半身を切り離すというバタリアンもあわやな奇襲で
  コウはこの難局を乗り切ることに成功。そして宇宙の藻屑と化すケリィ… 合掌…
  こうなった今、この事実を知らぬまま艦橋にて1人
  
「ケリィ、遅れをとったな… しかし私はいつまでも待つぞ。誰より君を知っているのだから」.
  
と呟くガトーのセリフが泣けすぎる。
 
ぶつよ!(シーマ)
  ヴァル・ヴァロ撃破を前にして、御機嫌ななめなシーマ様。
  オサリバンの「月での騒ぎは困る」というクレームを、この一言にて一喝。むしろぶってー

  


<次回予告>
 
 人は、数多の中に己を知り、我を持つものは彼を求め、
  策謀は空に、享有の会合点を結び、結ばれた銀河は、戦いの予感に疼いた。
  疲れ果てたバニング大尉、その囁きは来るべき嵐の前触れ。
  運命は再び、ウラキの魂に試練を刻んだ。


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