#機動戦士ガンダム00 劇場版 〜A Wakening of the Trailblazer〜
#「00」2期のラストから2年後の世界が舞台の完全新作。戦闘描写はマジごいっス。
でもって正直ストーリーは荒唐無稽な部分も少しあるけど、その負荷をねじ伏せる程の激熱な何かがあるッス。
「戦いを止めさせる為の機体…」(リンダ)
「それが、刹那の望んだガンダム、ダブルオー・クアンタ…!」(イアン)
天然ウザ・ドリルこと、ミレイナさんの両親ズが語るニューガンダムの設計思想。
機体フレームインと同時のタイトル描写は、かの逆シャア冒頭を思い起こさせる。
「新たなる世界を創造する為に俺達は戦う!」(映画内の刹那)
「そうだ。それが…」.
「ソレスタル・ビーイングだ!」(モブキャラ一同)
いきなり映画内の映画シーンから物語開始とは。
いちおう実話?を元に作られた映画(の中の映画)らしいので、お馴染みのキャッチフレーズも健在。
刹那以外はぞんざい極まる造型なところが、妙に笑える。
「僕、出てなかったな…」(沙慈)
映画に自分が出てなかったことに少し落ち込んでる様子のクロスロード君。
ルイスさんとはお幸せにやってるようで何より。
「挨拶しなくていいのかい?」(ライル)
「その必要を感じない」(刹那)
マリナのピンチをサラっと救って、顔も見せずに至極あっさり去っていく刹那。
そりゃライルにも「鈍いんだよォ、イノベイターのくせに」と突っ込まれるわ。
この件はともかくフェルトさんのドリンクサービスをシカトしたことは絶対許せん。
「大佐ァ!」(コーラサワー)
「准将だ。何年間違えば気が済む!」(カティ)
やっぱりこのコンビが出て来ないと00じゃない。
今回もその不死身、いや幸せっぷり、期待してますよコーラサワー先輩!
「モルモット扱いされ続ければ、心も腐りますよ」(デカルト)
「日頃の鬱憤、晴らさせていただく!」.
「劣等種が…!」.
ヴェーダによって確認された初めての純粋種イノベイター、デカルト・シャーマン大尉。
この手のキャラに漏れず、希少種扱いされすぎて、少々屈折してる模様。
てかコイツ、鳴り物入りで登場したわりにゃ、随分あっさりとした退場だったね。
搭乗機体はイノベイター専用MA「ガデラーザ」、単機でMS5個中隊と渡り合える程のスペックを保有。
「相変わらず会話をはしょるね、ミーナ」(ビリー)
前作で完膚なきまでスメラギさんにふられて絶望ビリーと化した筈のこの男に、
よもやこんなラッキースケベ・イベントが待ち受けていようとは。絶対許せん。
しかもこの新キャラの声あててんの釘宮さん。くぎゅううううううは俺のもんだ、絶対許さん。
「ウダウダしてる暇はねえ!体を借りるぜ相棒!」(ハレルヤ)
宇宙から降ってきた鉱物にいきなり襲われた末、突如覚醒して平行棒キメるハレルヤさん。
なに書いてんだか、自分でも理解できてない。もっと恐ろしいものの片鱗系。
だがそのことよりも今回の敵が単なる無機物であることに驚いた。斬新すぎんだろ。
人vs人のヒューマンドラマがお約束な筈のガンダムというブランドの概念を根底から覆したね。
「大人の女に脱皮中です!」(ミレイナ)
ソーマに新しい髪型を誉められてこのセリフ。天然ウザ・ドリルからは脱却か。
「アーデさん、ミレイナは、アーデさんがどんな姿になろうとも、アーデさんが大好きですー!」
という後半のセリフを鑑みるに、本人はティエリアの肉奴隷へのクラス・チェンジを望んでいるようだけど。
「強い想いが人と人とを繋げていく… 本当の意味で分かりあう為に」(スメラギ)
通路上でいきなりコイバナを始めるスメラギさんとフェルト。
まあアレルヤはソーマとくっついてるし、ライルは女たらしだし、ティエリアは単なるデータと化してるし、
ソレビ内においては選択肢がほぼ残されてないのもまた事実。
「オーライ、ガンダム・サバーニャ、ロックオン・ストラトス、狙い撃つぜ!」(ライル)
「ガンダム・ハルート、アレルヤ・ハプティズム、ソーマ・ピーリス、迎撃行動に向かう」(アレルヤ)
「ダブルオーライザー、刹那・F・セイエイ、出る…!」(刹那)
お約束の出撃シーン。MSもダブルオーライザー以外は一新。
高精密度射撃に特化→ロックオン、一撃離脱攻撃に特化→ハレルヤ、という各機特徴は継承されてる模様。
ついでに生体端末バージョンのティエリアもラファエル・ガンダムで参戦。
「ロシアの荒熊を知っているかね」(てか、このオッサン誰だっけ?)
「私は彼を良く知っていてね。彼は一介の軍人でありながら、軍の在り方と人類の未来を考え続けた男だった」
「出世欲にとりつかれた私の人生だが、人類の危機となれば、一度くらい彼のように生きてみたいと思ったのだよ」.
地球外変異生命体「エルス」撃退という危険な任務に志願した理由を部下に問われて。
なかなかに漢気溢れるシーン。だけどこの5分後、彼は母艦ごと鉱物化。最後のセリフは
「認めん… これが、現実、だと…!」.
でした、合掌。
「僕にも脳量子波は使える…!」(ティエリア)
「僕にとって肉体は、容れものにしか過ぎない」.
鉱物もどきと「対話」を試みた末、ものの見事にテンパった刹那を救う為、自らの身を犠牲にするティエ。
だけど生体端末バージョンなので、やられちゃっても替えはきく、大丈夫! …なの?
「人と人とが分かりあえる道を模索し続け、エルスにすらそれを行おうとするとは」(グラハム)
「未来を切り開く… それが君の戦いなのだな、少年」.
エルスの猪突猛進攻撃にあわや全滅かと思われたガンダムチームを救ったのは、かつてのミスターブシドー。
マスラオの発展系「ブレイヴ」とその編成部隊「ソルブレイヴズ」を率いて三たび復活。
「沙、慈? …行くのね?」(ルイス)
「うん。この世界を。そして、君を守りたいから」(沙慈)
今回の沙慈君の一番いいところがコレ。ちなみにこの後はオール空気。
「ミ、ミーナさん?こんな時にどうしたの?」(ビリー)
「こんな時だからこそ分かりあいたいのよ。エルスだってそう。触れることで変わろうとしているのかも」.
「優しくしてください…」.
「ラージャ…☆」.(ミーナ)
絶望ビリー、ミーナさんの「あててんのよ」攻撃の前に息も絶え絶え。これ男にとって理想のシチュじゃね?
「行ってきます、大佐ァ」(コーラサワー)
「准将だと何回言えば…(先輩の笑顔を見て) ……死ぬなよ」(カティ)
「了解です!」.
今回の先輩はやけにいい笑顔すんだよね。ヘンなフラグにならなきゃいいけど。
ちなみに先輩、この後「やられるかァ、死んでも帰るんだよォ、大佐の元にィ!」言うてるけど、
そこでもやっぱり大佐と准将を間違えてる。
「戦力差はざっと10000対1、状況は最悪だ」(アンドレイ)
「しかし守ってみせる、父と母の求めたものを!」.
ルイスにちょっかい出して片手で軽々と捻られた男、再び戦場へ。ここ2年で随分と渋みが増したような。
「ソルブレイヴズ隊の精鋭に告ぐ。これから出向く戦場では諸君らの命を賭けてもらうことになる」.
「だが、あえて言おう。死ぬなよ!」(グラハム)
001期の12話以来、久方ぶりに「あえて」を解禁したグラハム。それ程ヤバい状況ということか。
が、その願いは叶うことなく、この5分後「あえて言った筈だ…!」と苦渋を洩らすことに。
「理屈なんかどうでもいい、やるだけだァー!」(ハレルヤ)
「例え刹那が来なくても、全力で狙い撃つ!」(ライル)
「ネライウッテ!ネライウッテ!」(ハロ)
スメラギさんがソレスタルビーイングのラストミッション宣言をしただけあり、各マイスターも気合十分。
サバーニャのコクピット内のトリオ・ハロが可愛い〜
「行かせはせん!」(アンドレイ)
「ぬうァァァァァァァァァ!」.
「私は市民を守る、連邦軍の軍人だァァ−−−−−!!」.
「エルス、絶対防衛戦を突破」の通信と同時に、一気に煮詰まっていく戦局。
その中にあって、瞬間風速最大と思われる超戦闘力を発揮しつつ、猛々しく散っていったコイツの死に華はマジ激熱。
エルスに侵食された自MSの片手ブッタ斬って、トランザムもどきで大型エルス撫で斬って、そのままマックスゲージ
振り切って反対側へ突き抜けざまに敵ごと自爆って、どんだけー ちょっとここ歴代のそれと比べてもトップクラス。
ストーリーの荒唐無稽さを軽々と吹き飛ばす、瞬発力勝負のアクション描写はホント見事としかいいようがない。
「何してるんスか」「みんな、まだ、必死に生きてるっスよ」(リヒティ)
「世界を変えようとしてる」(クリス)
「言った筈だぜ、刹那。お前は変わるんだ。変われなかった俺の代わりに」(ロックオン)
幽体離脱して各主要キャラそれぞれの激闘シーンを俯瞰で眺める刹那。そんな彼に檄を飛ばす過去の主要クルー達。
アンドレイ特攻の興奮が醒めきらぬうちに畳み掛けてくるこの演出はヤバい。
ついでに無重力をうまく使ったフェルトの涙ポロポロ・シーンもナイス。
「パトリック!」(カティ)
「いやあ、ドジりましたァ。幸せすぎてェ、不死身じゃなくなっちゃったみたいです」(コーラサワー)
「いますぐ脱出しろ!」.
「それがァ、無理なんです。でもタダでは死にませんよ!コイツだけでも道連れにして…」.
「おっ………おわあああああああ!」.
アンドレイに続いて、よもや先輩までもが柄にもなく轟沈!?
…かと思いきや、先輩はどこまでも先輩でした。爆風に紛れてちゃっかり生き残ってるし。流石、先輩ッス。
「来たのか…!?」(ライル)
「遅ェんだよォ!」(ハレルヤ)
「待ちかねたぞォ、少年!」(グラハム)
ヒーローは遅れてやってくるのお約束通り、刹那、ダブルオー・クアンタを駆って遅刻気味に復活。
隣には電子の妖精と化したティエリアも同乗。
「乱れ撃つぜェェェ−−−−−!!」(ライル)
刹那の為にエルス中枢への突破口を開くべく、まず先陣を努めるはロックオン(弟)。
サバーニャの能力をフルに活かしたオールレンジ攻撃は圧巻。
「いいか、反射と思考の融合だァ!」「行くぜェ!」(ハレルヤ)
「これが、超兵の力だァ−−!」
「違う、未来を切り開く力だ!」(アレルヤ)
後に続くはハレルヤさん。ところどころで素に戻って真顔で返事してるアレルヤさんが面白いッス。
「何を躊躇している!?生きる為に戦えと言ったのは、君の筈だ!」(グラハム)
「例え矛盾をはらんでも存在し続ける………ッ それが、生きることだと…!」.
「行け、少年! 生きて未来を切り開け!」.
この後に及んでまだエルスとの平和的対話を模索し続ける刹那のケツをひっぱたくハムさん。
「カティ、もう少しだけ持ちこたえて!」(スメラギ)
「…! 勝機があるというのか?」(カティ)
「いえ、ないわ」「なんだと!?」.
「でも、希望はある!!」.
過去の因縁を水に流して共闘しあう、かつてのカレッジ・メイト同士。
こういう昔の敵同士が共通の敵を前に一致団結しあう、みたいな王道ストーリーに弱いんだよね。
「テメェの行為は偽善だ!」(ハレルヤ)
「それでも善だ!」「僕はもう、命を見捨てたりはしない!」(アレルヤ)
エルスにMSごと取り込まれてもはや手後れかと思われた連邦兵を助けるアレルヤと、それをなじるハレルヤ。
1人で勝手にケンカ始めて、1人で勝手に分かりあっちゃうって、ソーマさんの立場は?
「少年!」(グラハム)
「未来への、水先案内人は… この、グラハム・エーカーが引き受けた!」.
「これは、死ではない!」.
「人類が生きるためのォ………!!」.
エルス本体にとりついたはいいものの、その強固な外殻を前に窮している刹那を救うべく、
半分エルスに同化された機体ごと炎の矢と化して、そのまま特攻していくグラハム。
先程のアンドレイ轟沈に負けずとも劣らぬ激熱シーンであり、今映画最大の見どころ。
ところで最後まで「少年」のままだったね。刹那も最後まで「あの男…」呼ばわりだったし。
「総員、退艦の準備をして…」(スメラギ)
「イヤです!」「クリスの時のように、またのけものにするつもりですか!」(フェルト)
「そんなのイヤです!今度こそ、全員で生き残るんです!」.
「ミレイナも残るです!」(ミレイナ)
「あきらめるのはまだ早い!」(イアン)
「最後の最後まで信じましょう」(リンダ)
「その通り!」「俺達は…」(ライル)
「ソレスタル・ビーイング!」.
「切り開くんだ!」(アレルヤ)
「未来を!」(ソーマ)
「明日を!」.
「…そうね、信じるわ。刹那を…!」.
トレミー侵食率が44%を超え、艦の制御機能もほぼ失い、いよいよ打つ手のなくなってきたソレビ一同。
だからこそ、ここは「からの〜」的な火事場のクソ力のみ見せどころ。
お約束かつキーワードの「ソレスタルビーイング」コールも飛び出したところで、後は刹那の仕上げを待つのみ。
「クアンタム、バースト!」(刹那)
「これがラスト・ミッション!」.
「人類の存亡を賭けた…」(ティエリア)
「対話の始まり!」(刹那&ティエリア)
そしてエルスとの「きたるべき対話」とやらを開始する刹那&ティエ。
てか、あれ?よくよく考えたら今回、刹那って、ほとんど戦ってなくね?
「分かりたい…」「分かりあいたい…」(マリナ)
「私は信じてる」「分かりあえることを…」.
TV版同様、限りなく空気に近い役どころだった貧乏姫。
だけど、今回は最後の最後でメタル化した刹那君との再会ありーの、
人生終焉間際の「君が全て正しかった…」「貴男も間違ってはいなかった」って、
映画のテーマ通りに分かりあえているので、いちおう報われてはいたんじゃないかと。
「行こう、彼等の母星へ。俺達は分かりあう必要がある」(刹那)
「いいのか?」(ティエリア)
「いいも悪いもない。ただ俺には、生きている意味があった」.
「みんな同じだ、生きている!」.
「生きようとしている」.
「だが、何故こうもすれ違う?」.
「なまじ知性があるから、些細なことを誤解する」.
「それが嘘となり、相手を区別し…」.
「分かりあえなくなる」「たぶん、気づいていないだけなんだ」
「だから、示さなければならない。世界はこんなにも、簡単だということを…!」.
そしてエルスと分かりあったその結果、宇宙空間に巨大な華を咲かせる刹那&エルス。
(00第2期の22話でフェルトが刹那に贈った花の伏線エピソードがここで回収)
マリナいわく
「…見えるわ、刹那、貴男の想いが… そう、たったそれだけの事で、世界は一つになるのね」
というセリフが今回の00映画版のテーマをよく代弁しているんじゃないかと。
多少強引かつイミフな部分も多いけど、このシーンとそれに重なる主題歌の相乗効果にてジーンときちゃった時点で
ミ−的には至極満足。「ガンダムらしい」とはあまり言えないけど「00」らしくあった映画だったと思います。
視聴後感の良さは正直「逆シャア」「めぐりあい宇宙」に次ぐかも。てか「クオリア」名曲すぎんだろ。