TP230Csを結構シビアな使い方をしていたが、ついにかなり重大な失敗をしてしまった。 駅のホームに落としてしまったのだ。かなりヤバい。 ホームでpcを使うというのはありそうであまり見かけない光景かもしれないが、この時は事故で電車が全然来なかったので、長い待ち時間を惜しんで少し作業をしていたら、ついうっかりしたという感じである。
幸い、液晶は無事だし、システムも全く問題なかった。 ところが、ハードディスクが回転する時の音がおかしい。今までより少し大きい。 経験的に、こういうのはヤバい前兆なのである。 とりあえずファイルを全部バックアップして、予備のマシンを用意した方がよさそうだと考えた。
ファイルのバックアップは日常的に必須の作業だと思うのだが、NIFTY SERVEを見ていると、ファイルが全滅したとか、ハードディスクが壊れたので1週間アクセスできなかったとか、その類の発言が割とある。 つまり、バックアップしていない人が、結構いるらしい。 これは標準のpc構成にバックアップメディアが含まれていないのも原因だろう。 もちろん、MOやテープ等の機器を増設すればよいだけの話だが、pcを初めて購入して、これからWindows 95を勉強しようというような人には、定期的なバックアップの習慣などないはずだし、その必要性もあまり感じないと思う。
私の場合、TP230CsのバックアップはCD-Rに取っている。 ハードディスクがせいぜい200と数十MB程度だから、全部コピーするだけでよい。 ただし、486SX/33MHzというスペックでは、CD-Rに直接書き込むのはちょっと厳しい。 だから、一度SCSIのハードディスクにファイルを全部コピーしてから、そのイメージをさらにCD-Rに書き込むという手順にしている。 この時に使うマシンはPentium 200MHz MMXなので、速度としては十分なのだ。 2百数十MBのファイルをCD-Rに焼くというのは、半分以上が空いているという結果になるのだが、何となくもったいないような気もする。
本当はMOとかPDの方が便利なのかもしれないが、わざわざCD-Rを選んだのは、CD-ROMを読む装置というのが、少なくともあと数年程度はpcに標準的に付くだろうと思ったからだ。 現在のCD-ROM普及率を考えると、今から数年以内にCD-ROMが使われなくなっているというのは考え難いし、もし何か革命的な発明があってそうなったとしても、CD-ROMからデータをコピーすれば済むだけの話なのである。 メディアも結構安くなっている。最近の価格だと、640MBのCD-Rメディアが400円前後で購入できるのだから、1MBが1円を切っている。 (*1) ただし安いと思っているとうっかり焼き損ねたりして1枚まるごとゴミにしてしまうこともあるので注意が必要かもしれない。
とりあえずバックアップした感じでは、ハードディスクは正常に読めるようだ。 書きかけの原稿やプログラムが壊れなかったので、全くダメージはなかったのである。 ただ、このマシンがいつ壊れるか分らないという爆弾をかかえているようなもので、どうも落ち着かない。
そこで、うまい具合に入手したのが、TP535である。 IBMに義理があるわけではないが、何となく似た感じなのでいいかなと思ったのだ。 ところがTP535は、Windows 95がプリインストール状態である。この場合困るのが、キー配列である。 私は特殊な配列に慣れているので、qwerty + JIS仮名配列というのはちょっと使い辛い。 (*2) そこで、いろいろ考えたわけだが、とりあえずDOS/Vをインストールしてしまえばいいんじゃないかと考えた。 なぜこうなったか分らないのだが、私の場合pcの数よりソフトのライセンスの方が多いという不思議な環境になっている。 とはいえ、Windows 95を捨ててしまうのももったいない。 特にNetscape Navigatorなどを動作させるには、Windows 95があった方が便利なのである。 というわけで、800MB程度あるハードディスクを、500+300MB程度に分割し、片方にWindows 95、もう片方にDOSを入れるというのはどうだろうか、と考えた。
割と杜撰なアイデアだか、とりあえず何とかなりそうな気もする。 そこで、まずハードディスクを全部バックアップして、パーティションを切り直してから、リストアすることにした。 バックアップはFDになどしてられないから、MOを使った。 MOは128MBという前時代的なドライブを使っているのだが、これで結構使えるものである。 バックアップ対象のファイルは128MBだと入りきらないのだが、バックアップのソフトウェアが圧縮しながら保存してくれるので、全部が1枚のMOに入る。
さて、後はFDISKで領域を設定して、再フォーマット、リストア、という手順でよさそうなのだが…ここでよく考えてみるべきだろう。リストアってどうすれば出来るんだ? MS-DOSの場合は、起動フロッピーにバックアップのプログラムを入れておけば何とかなった。 ついでに、TP230Csの場合は、PCMCIAのカード関連ドライバと、SCSIカードのドライバも入れておけば、MOからリストアすることが出来て楽である。 ところが、Windows 95のバックアッププログラムは、Windows 95が起動した状態でなければリストアできないのである。 ということは、Windows 95がハードディスクに全く入っていない状態にバックアップイメージを復元する方法は…?
昔話になってしまうが、DynaBookの初代マシンを使っていた頃、ファイルを全部バックアップする時にLHAを使ってデータを圧縮して、さて復元しようと思ったらLHAの実行ファイルまで圧縮してしまって大変、ということがあった。 2MBのRAMをディスク代わりに使っていた時代である。
話を戻そう。どうやら頭が痛い問題があることは分った。しかしいずれにしても、考える前にとりあえず起動ディスクを作成しておいた方がよいだろう。 さて、Windows 95の起動ディスクである。ヘルプも見たし、マニュアルも読んだ。 それが見つからない。起動ディスクの作り方が分らないのである。 結局全く別のドキュメントの記述に作り方が書いてあった。 アプリケーションの登録というウィンドウを開くと、起動ディスクを作成するためのメニューが用意されているのだ。 こんなに連想不可能な所にこのメニューを配置することを考えた人は凄い。 凄過ぎる。きっと特許も取っているのではないだろうか。 せめてコントロールパネルの中に「起動ディスクの作成」というアイコンがあったら2日程度は時間が出来たのだが、まあ何とか作成方法は分った。
さて、それを実行しようとしたら、さらに行き詰まるのである。 Windows 95のCD-ROMを入れろ、というパネルが出るのだ。そんなものはTP535に付いてこなかった。 なにしろCD-ROMドライブがないのだ。前途多難のようだ。 TP230Csが動いているうちにTP535に移行することが、果たしてできるのだろうか?
紙面が少ないので途中を省略させていただくが、実は既にハードディスクのパーティションを切り直してリストアに成功している。 やれば出来るものだ。どうやったかは想像してみてください。 (*3)
Windows 98のテスト版が出回っているのに、何をいまさら95だと思われるかもしれないが、何だかんだ言っても、Windows 95のロングファイルネームは助かる。 今の人たちは信じられないかもしれないが、その昔、ファイルの名前は8文字+拡張子3文字以内、しかも全部大文字、というような時代があったのである。 そんな短名でどうやって意味のあるファイル名を付けられたのかというと、ノウハウもいろいろあろうが、ところが少し困ったのが、今まで使っていたファイルの名前である。
FPROGのホームページのURLは、「http://www.niftyserve.or.jp/CM/Forum/fprog/index.htm」である。 実は「http://www.niftyserve.or.jp/forum/fprog/」でもOKという説もあるのだが、一応SYSOPにはCMというパスの入った方を記述するように指導が出ている。 (*4)
さて、ご覧になって分るように、INDEX.HTMではなくindex.htmである。 URLって大文字と小文字を区別したっけ、よく覚えてないのだが、とにかくこれを更新する時にftpでサーバに送信するわけだ。 ところが、今まで作っていたファイルがINDEX.HTMというファイルである。 これをWindows 3.1からftpするとindex.htmというファイルができた。 つまり、index.htmとINDEX.HTMはWindows 3.1の環境では同一視されるのだが、なぜか特に指定しないと、index.htmと入力したように解釈されていたようである。 ところが、Windows 95は大文字と小文字を区別する。 INDEX.HTMというファイルを指定したら、転送先にもINDEX.HTMというファイルが出来てしまう。 これはかえって面倒。 というわけで、さてどうしようか。 作ったのがファイル名を小文字にするPerlのスクリプトである。 Perlの場合、opendir、readdirなどを使えば指定ディレクトリにあるファイルの一覧を簡単に得ることができるから、これを使って大文字を小文字に置換する関数でも応用すればよい。 その場でrenameするのもよいが、以前このコーナーで書いたように、私の場合は「ren INDEX.HTM index.htm」のような内容をファイルに書き出して、それをバッチ処理するような手順にしている。
そろそろ8+3文字という呪いから開放されてもよい時代だと思う。
---- List (指定ディレクトリにあるファイル名を得る) ---- |
if (!opendir(DIR, $dir)) { # $dir はディレクトリ exit 1; } @dirlist = readdir(DIR); closedir(DIR); # 素早く閉じちゃう foreach $d (@dirlist_new) { if ($d eq "." || $d eq "..") { next; } # ここに必要な処理を書く。ファイル名は $d に入っている。 } |
補足
(*1) もちろん当時の価格。1999年現在だと、場合によっては100円以下で購入できる。
(*2) DVORAK + TRON仮名という、そんじょそこらにありそうにない配列の組み合わせである。 現在はWindows 95、Windows 98ともに、論理キー配置を自力で変更して使っているので、特にDOS窓を使う必然性はなくなってきた。キー配置の変更は、 1998年9月のアレ に手順を書いた。ただ、肝心のkbdjpadv.kbdがないと実際の作業はできないと思う。
(*3) 結局、Partition Magicを買ってきて使った。
(*4) CMを入れたパスを紹介しろという指導は、ニフティサーブ全体のWeb pageの構成が不確定であって、変更があるかもしれないので、CMを入れたパスで紹介しておけばアクセスを保証する、というような理由に基づいていた。 ただ、この指導がいつの間にか消滅しており、現在公式に使われているURLはCMの入っていないもののようである。 なお、1999年4月からniftyserve.or.jpはnifty.ne.jpに移行しているため、 FPROGのホームページのURLは http://www.nifty.ne.jp/forum/fprog/ である。