フィンローダのあっぱれご意見番

第64回:ケーブルがドコニモない

初出: C MAGAZINE 1997年8月号
Updated: 1997-10-17

[1つ前] [1つ後] [一覧] [ホームページ]


 DoCoMoのD201 Hyperを使っている。通話料金が高いから、できるだけ使わない でおこうと思って、公衆電話があればそちらからNIFTY SERVEに接続するような 感じでいたら、殆ど基本料金だけという使い方になってしまった。全然使わない のなら持つ必要がないのだが、実は意外な時に誰かがかけてくる。役に立ってい ることは確かだ。ちなみに、今まで一番困ったのは、コンビニのレジで清算して いる時にかかってきた時である。

 アウトドアからpcに接続してどこにいてもアクセス、というのが狙いだったの に、なぜかモデムカードと携帯電話を接続するためのケーブルを紛失してしまっ た。これではちょっと使えない。そこで、仕方無いからケーブルを購入しようと 思ったのが4月の中頃である。連休に携帯電話からアクセスできないと困る。

 まず、デジタルデータ/FAXカードを購入したDoCoMoショップに電話してみた。 ところが、ケーブルだけの販売はしていないという。そういう場合はDoCoMoの支 店に直接問い合わせてくれというので、問い合わせてみた。

 最初に問い合わせたのは新宿支店である。買ったのが新宿なので、順当な所で ある。デジタルデータ/FAXカードと携帯電話を接続するケーブルがあるか、とい うのが最初の質問である。キットの中のケーブルだけは販売していないが、 実はオプション品として、1mの長さの接続ケーブルが別売であることが後で分った。 カード込みのキット購入時に付いて くるのは50cm程度の長さである。では買えますかというと、今は在庫がない ので無理です、という。ではいつ入荷するかと聞くと、分らないという回答なの である。所謂「入荷未定」ということらしいが、たかがケーブルの在庫がないという のが不思議だと思いつつ、次に尋ねたのが、では予約できますか、ということな のだが。

 予約できないというのだ。

 じゃあどうすれば入手できるのかと尋ねると、毎日来てくれれば入荷した時に 手に入るのでは、というのである。冗談じゃない。そんな暇がある訳はない。 在庫がない、入荷日不明、予約もできない、というのは要するに実質的に確実に 入手する方法はない、ということである。ちょっと無茶な話だ。そこで、思い 付いたのは、品物はカタログに出ているのだから、他の支店にあるんじゃないか、 ということである。他の支店に在庫はないでしょうか?

 わからないというのだ。

 実は、この電話から二週間ほどして、秋葉原のある店で同じような質問をした。 そこになかったので、他の店舗に在庫があるかないか分るか、と尋ねたのである。 店員は、他の店舗の在庫状況を電話で問い合わせてくれた。残念なことにどの店 も在庫はなかったのだが。

 で、わからないというのは何だ? DoCoMoの支店には電話がないのか? いや、 こちらから掛けて話をしているのだからそんな筈はない。着信専用の電話しかな いのだろう。というのは、他の支店に在庫があるかどうか調べる方法がないのか と追及したら、「電話番号を教えるから、自分でかけてくれ」というのである。

 DoCoMoの全支店がそうではないかもしれないので再度念のため書いておくが、 新宿支店の話である。

 こちらは携帯電話を仕事で使いたいわけで、ケーブルがないと原稿も送れない わけだから、助か…いや困るのである。仕方無いので電話しよう。次に問い合わ せたのが渋谷支店だ。在庫がありますか。ありません。本当にこのケーブルは製造 されているのか? 不審な雰囲気を感じつつ、予約とかは出来ないですよねと尋ね たら、出来るという。新宿支店では出来ないが、渋谷支店では出来るらしい。じ ゃあ入荷したら連絡してくれということで、連絡先を教えてこの話は終わる筈だ った。

 ところが電話が全然かかってこない。あっという間に連休の前の週である。こ れはもう間に合わないと思ったので、秋葉原で手当たり次第に携帯電話を扱って そうな店に入って、ケーブルはあるかと尋ねて回った。どこも扱ってない。オプ ション品は扱ってないというのだ。秋葉原のDoCoMoショップにも当然行った。在 庫がないという。

 こうなると最後の手しかない。キットをもう一つ買えば、中にケーブルが入っ ているはずだ。キットがあるのかって? あるのである。何故かは知らないが、 デジタルデータ/FAXカードは、どのパソコン店に行っても必ず在庫がある。この カードはオプション品ではないのかと疑問を感じたが、とにかくある。しかも、 定価は知らないが、実売価格は1万2千円位なのである。ちなみに、買おうとして いるケーブルは4,000円。(*1)

 ケーブルを紛失したのが間違いだったと大後悔しつつ、接続キットを買って、 ケーブルだけを使ったのである。さて、連休が終わった所で、まるで連絡が来な かったDoCoMo渋谷店に、ケーブルはどうなったのだと問い合わせた。すると、昨 日入荷したというのである。だったら昨日のうちに連絡しろと言いたい所だが、 もしかすると23時59分に入荷したのかもしれないし、じゃあ取りに行きますけど、 と答える。土日は何時まで開いてますか? いや土日は休みです。

 え?

 じゃあ取りに行けないじゃないか。平日に仕事している人も行くことができる ように、ぜひドニ〜チョ窓口もしくは窓口ホーダイを設置して欲しいものだと思 いつつ、とにかく朝のうちに速攻で取りに行くことにした。本当にオプションケー ブルは存在するのか? 事態は既に「謎のケーブル」という所まで進展している のだ。ここまで手配しながら、モノの存在を検証しない手はない。何日に行くか 決めて、ところで何処にあるのだ? 調べてびっくり。渋谷支店って、確かに渋 谷区だけど、渋谷駅の近くにないの? 地下鉄表参道で降りるのである。そうい えば住所まで確認していなかった。住友南青山ビル?

 …どこかで聞いた名前である。これは面白そうなので、やはり取りに行くしか ない。随分久しぶりだが、思った通りの場所にそれはあった。私が知っている時 と比べると、このあたり様子も随分変わったものだ。ちなみにその頃、ここには アスキーという会社があったのである。(*2)

 というわけで、約1か月弱。ケーブル一本入手するのにこの騒ぎは何だ。結論。 DoCoMoの携帯電話は、仕事としてはモバイルの用途に使えない。紛失する方が悪 いといえばそういう要素もあるが、なにしろケーブルというのは消耗品である。 断線するかもしれないし、コネクタが壊れるかもしれない。そのようなトラブル の時に、即座に代替品が入手できないで何週間も使えないというのは全く論外で ある。ちなみに、本体が故障したら代替品を使わせてくれるという保険に入って いるが、ケーブルだけ代替というのは駄目と言われた。(*3)

 PIAFSとかα32という選択もあるわけだし、少なくとも都内でモバイルするの だったら、やはりPHSかなと思う今日この頃である。


 また魔王の話。これだけ“使われていない”通信ソフトも珍しいと思うのだが、 自動運転中に居眠りするという事故が発生するようになった。原因がさっぱり分 らないが、ROAD7を使い始めてからである。ところが、対応策は見つかったので ある。^Cを送ってやると、運転が再開するのである。なぜだ?

 なぜか分らないが、そうすればよいことが分ったら処理は簡単である。一定時 間データが来ないなら、^Cを送ればよいのだ。もっとも、しょっちゅうソレでは 困るので、特定のフラグが立った時だけそうなるように工夫する。結局、今使っ ているコードがListのようなものだが、こりゃまた奇々怪々なプログラムである。


---- List ----

int com_key_recv(int wait)
{
    static int count = 0; /* 一定期間毎にキーボードをチェックする */
                   /* バッファが一杯でキーを受け付けないことがあるため */
    int count60 = 0;
    int countup = 0;
    int i;
    int passed;
    int tstart;
    int send_ctrlc;

    send_ctrlc = controlc_count;

    tstart = -1;

    do {
        if ((++count & 0xff) && (com_length() > 0)) { /* receive */
            i = com_recv();
            if (i >= 0 && i < 256) {
                if (skipchar[i] & 1) {
                    return RESULT_SKIPCHAR;
                } else {
                    *fifo_in++ = (UCHAR) i;
                    fifo_size++;
                    if (fifo_in == fifo_end) {
                        fifo_in = fifo;
                    }
                    if (fifo_in == fifo_out) { /* 追い付いてしまった */
                        fifo_out++; /* 古いデータは捨てる */
                        fifo_size = 0;
                        if (fifo_out == fifo_end) {
                            fifo_out = fifo;
                        }
                    }
                    return i;
                }
            } else {
                return -i - 512; /* rs error */
            }
        }

        i = kbd_check();
        if (i >= 0) {
#ifdef KEY_DEBUG
            if (key_fp)
                putc(i, key_fp);
#endif
#if 1
            if (i == ('S' - '@')) {
                com_rts_off();
printf("RTS OFF");
            } else if (i == ('Q' - '@')) {
                com_rts_on();
printf("RTS ON");
            } else
#endif
            return i - 256;
        }
        if (tstart == -1) {    /* only at first */
            tstart = second();
        }
        passed = second() - tstart; /* second() returns 0..59 */
        if (passed >= 0) {
            countup = 0;
        } else { /* passed < 0 */
            if (countup == 0) {
                count60 += 60;
                countup = 1;
            }
        }
        if (flg_send_controlc &&
            (send_ctrlc > 0) &&
            (passed + count60 > send_ctrlc)) {

            com_send(3);
            send_ctrlc = 0;
            controlc_total++;
        }
    } while (passed + count60 < wait);

    return RESULT_TIMEOUT;
}

---- List end ----

(フィンローダ NIFTY SERVE, FPROG SYSOP)

(*1) 8月現在、7,000〜8,000円程度の実売価格という噂もある。

(*2) 地下鉄表参道駅から徒歩数分。昔、アスキーという雑誌に 「表参道アドベンチャー」「南青山アドベンチャー」 というゲームが掲載されたことがある。現在アスキーは他に移転したため、 この場所には姿がない。

(*3) FPROGORGで何度か書いたように、PCMCIAのモデムカードが、 ケーブルのコネクタ個所の損傷で軒並み使えなくなってしまった。


(C) 1997 Phinloda, All rights reserved
無断でこのページへのリンクを貼ることを承諾します。問い合わせは不要です。
内容は予告なく変更することがあります。