フィンローダのあっぱれご意見番

第48回:マイホームページ

初出: C MAGAZINE 1996年4月号
Updated: 1996-05-14

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 作るぞ作るぞと騒ぎながら、なかなか実現しなかったのだが、やっとホームペー ジが立ち上がった。調子に乗ってカウンタを実装したら、ほとんど誰も見に来て ないようのがバレバレで、まさに腰くだけ状態である。もしかして、Cマガジンに 書いたらカウンタが増えるんじゃないかと思ったりして、宣伝してみよう。

URL: http://www.st.rim.or.jp/‾phinloda/

 これでなおカウンタが増えなかったら目も当てられないというか、かなり落ち 込むはずである。

 もっとも、RIMNET東京だけでも、2000を超えるホームページがあるそうだ。こ れだけあると、全部見るわけにもいかず、かといってどうやって選択してよいか 分からない。適当に開いてみたら数分も時間をかけて画像を送ってきて「これが わが家の犬です」なんてのは、個人的にはちょっと勘弁して欲しいのだが、なぜ だかペット自慢というのはWorld wideなようで、ペットの画像がページに掲載さ れているものは結構あるようだ。ペットの写真や家族の写真というのは、内輪で 見るのならともかく、全世界に公開する性質のものではないような気もするのだ が、残念ながらわが家にはペットがいないのである。「これがわが家のパソコン です」というのはもっとひどいし。

 WWWで思うのは、やはり「見た目」は重要だということである。デザインがいい と、第一印象もいい。何千もホームページがある状況下では、第一印象が悪いと、 その後がどんなに良くても、中に入ってきてくれない人は多いだろう。ただし、 デザインがいいというのと、内容がいい、というのは別である。ソフトウェアの パッケージが格好いいのと、プログラムの出来とは全然別、というのに似ている。 多少デザインが素人っぽくても、センスとか目の付け所がいいホームページは面 白い。グラフィックがすごく凝っているとか、プロがデザインしたんじゃないか、 というページで、内容もすごい、というページもたくさんあるが、ただそれだけ か、という感じがしないでもないページもある。

 少し気になるのは、背景が目立ちすぎるページが割とあるということだ。確か にパッと見た目にはきれいだが、よく見ると、背景の色と文字の色が混在して読 みにくい。確かに、背景が凝っていればいるほど、パッと見た印象は良くなる。 しかし、背景が目立ってしまうと、それだけ字が読みにくくなる。極端な場合は、 色の選択を間違っていて、灰色地に黄色なんてのは、まさに読めない。素人が色 選択したのかというと、最近は雑誌でもそのようなページを見かけたりして、世 の中分からない。

 そういうページが作りたいのなら、むしろ開き直って「背景だけのページ」と いうのはどうか。意外と既にあったりしそうだが。どこかで書いた記憶があるが、 文字を読ませるのは白地に黒が基本だ。灰色のホームページというのは面白くな い、というのが私の個人的なポリシーである。だから、私のページは基本的に真 っ白の背景に黒の字になっている。リンクが張ってある所は別の色になるわけだ が、ただそれだけだ。じゃあ内容で勝負かというと、客観的に言って、内容もそ れほどたいしたことない訳で、早い話が「話にならない」状態のような気がする。 それでも自分で好き勝手に全世界に発信できるページがあるというのは気分がい いものである。

 ちょっと困ったのは、画像データがあまりに何もないので、見栄えが悪い以前 の問題というか、時代錯誤しているような印象を与えているような気がすること だ。デジタルカメラでも買ってきて近所の風景でも取ってやろうかと思ったのだ が、それも芸がないというか「わが家の犬」とあまり変わらないような気もする ので、保留している。私は作曲が趣味なので、音楽データを入れてごまかそうと いう案もあるのだが、どんなデータ形式が標準的なのかよく分からないので宙ぶ らりんになっている。(*1)

    *
 ホームページを作っていて気付いたのだが、たいていの人は、自分のページに 他へのリンクを張っているから、確かに世界中が一つの巨大な網になっている。 これを仮に表WWWと呼ぶことにする。Yahooからたどれるリンクというような定義 でもいいだろう。ところが、このリンクに入っていない情報が結構あるのではな いだろうか。

 例えば、私の場合、隠しディレクトリの中にHTMLファイルがあるのだが、これ はURLを公開していないので、他からリンクをたどってアクセスすることはできな い。一時的に自分でデータをチェックしたり、仲間と情報交換するために使う、 いわば秘密の情報発信局である。これを仮に裏WWWと呼ぼう。さて、裏WWWという のは、どの程度の規模があるのだろうか。

 実は、これを皆さんがお読みになっている頃にはNIFTY-ServeにFPROGのホーム ページが公開されているはずだが、これを公開するに先立ち、ちょっとだけテス トをしたのである。これは

    http://www.st.rim.or.jp/‾phinloda/fprog/history.html
というリンクにあったのだが、多分他からはリンクされていないので、飛び 地になった裏WWWである。もしかすると、現在も、FPROGの裏ホームページがそこ にあるかもしれない。URLを大っぴらに公開すると裏ページになり得ないから、公 開しないが、見る所にあるものを見るのは自由である。見られたくないデータの アクセス権を保護する程度の知識はあるから、私のディレクトリにあって、他か ら読めるモードになっているデータなら、読むのに遠慮はいらない。
    *
 表ページの下には、Cマガジンに連載した内容をどんどん入れる予定である。な ぜCマガジンのホームページでなく個人ページなのかと言われても困る。要するに、 Cマガジンのホームページがないから仕方無い、という単にそれだけの話なのだ。 C言語Q&Aのコーナーなどというのは、Cマガジンのホームページにあった方がよさ そうな気もする。Q&Aのコーナーは、オンラインでも質問を受け付けますので、よ ろしく、というわけで、すごい難問が来たらどうしようかと心配していたが、実 は全く反応がないので一安心である(なにが?)。(*2)
   トップページ  ---+---  C言語コーナー  ---+--- C言語Q&Aのコーナー
                    |                       +--- ご意見番、のコーナー
                    |                       +--- ABC of Cのコーナー
                    +---  FPROGコーナー  ------- 「廃虚にて」のコーナー
                    +---  ねっとびぅ

 実際に入れてみると、テキストからHTMLに変換する作業が簡単ではないことが 分かったが、不可能という程でもないことも分かった。Cのプログラム中には、 「&」「"」「<」「>」のような、クオートしないと書けない記号がどんどん出て くるので、まず、これを置き換えてから作業することになる。少し作業をしてか ら「あっ、<>を置き換えるのを忘れた」なんてことになると、そりゃもう大変で ある。作業した所までは「<」と「>」が山のように出てくるのだからたまらない。 自動的にこれらの記号を処理する程度のプログラムは簡単である。(*3)
/* list */
/* HTMLでquoteすべき文字をquoteする */

    while ((c = getchar()) != EOF) {
        switch (c) {
        case '&':
            fputs("&amp;", stdout);
            break;

        case '"':
            fputs("&quot;", stdout);
            break;

        case '<':
            fputs("&lt;", stdout);
            break;

        case '>':
            fputs("&gt;", stdout);
            break;

        default:
            putchar(c);
            break;
        }
    }

もちろん、こ んな程度のプログラムならC言語で書く必要はない? ただし、落とし穴がない訳 でもない。例えばawkを使った場合、一行の長さに制限がある。あまに長い行があ ると、どうなるか分からない。フォーマッタを通す前の原稿をそのままawkに通す のは、ちょっと怖いものがある。かといって、foldをかけてから通すのもいまい ち安心できない。

 とはいっても、単に文章を発表するなら、ホームページを作るのは実に簡単で ある。LIST 2のような内容のファイルを指定の場所(おそらく、public_htmlなど のディレクトリをmkdirする)に、index.htmlという名前にして置いておくだけで よい。RIMNETのように入会すれば誰でもページを持てるプロバイダが増えている ようだ。凝ったことをしなくてよいなら、折角なら作ってみてはどうだろう。


list 2

<HTML><HEAD><TITLE>my home page</TITLE></HEAD>
<BODY>
 ここに好きなことを書く。
</BODY></HTML>

補足

(*1) これを書いている頃は、ホームページに今のようなCG画像がなかった。プレビューのページもなかった。

(*2) ちなみに、私が持っていないMSCの質問や、完全に環境依存の質問が来て、頭を抱えている状態である。VC++とWin95を買わないと、やっぱ駄目か。

(*3) 実際、このページも、txt2htmlという自作プログラムを実行してクオート処理をしている。プログラムの名前はすごいが、要するにリストに載っている程度の処理しかしないという情けないパワーである。


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