建設機械

走行系の駆動機構

走行系の駆動機構:

    走行系の駆動機構には、おもなものに、機械式、電気式、油圧式、の3つがあり
    ます:

○  機械式:

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    原動機にエンジンを使用し、クラッチとトランスミッションを介して、走行系を
    駆動させる方式。(乗用車とほぼ同じ方式です。クラッチ/トランスミッション
    については、後段参照。)

・  構造:

    エンジンは比較的パワーが小さいため、発進時から走行系を駆動させることがで
    きません。そのため、エンジンの回転速度をある程度まで高めたのち、クラッチ
    でトランスミッションにつなぎ、トランスミッションで回転速度を変えつつ、走
    行系を駆動させる方式がとられます。

    トランスミッションからの回転が駆動輪にどう伝わるかは、走行系の種類により
    変わります:

・  ホイール式:

    トランスミッションからの回転は、プロペラ・シャフトを介して、ディファレン
    シャルに伝わります。ディファレンシャルでは、回転力を高め(回転速度を小さ
    くし)、回転方向を車軸方向に変え(約90度)、ドライブ・シャフトを回転さ
    せます。最終的にドライブ・シャフトにより駆動輪が駆動されます。

・  ホイール式(スキッド・ステア方式)、クローラ式:

    スキッド・ステア方式やクローラ式の走行系は、左右の駆動輪の回転速度を変え
    ることで、方向転換を行います。これを実現するため、トランスミッションから
    の回転は、左右それぞれの駆動輪につながる、ディファレンシャル・ステアリン
    グ・モジュールに伝えられます。

    ディファレンシャル・ステアリング・モジュールでは、油圧モータの補助などに
    より、駆動輪の回転速度を増幅させます。これにより、左右の駆動輪の速度差を
    生み出します。


※  ともにFR(フロント・エンジン&リヤ・ドライブ)の場合です。エンジンと駆
    動輪の位置関係により、駆動機構の構造は変わります。FF(フロント・エンジ
    ン&フロント・ドライブ)の場合、エンジンが横置きとなり、クラッチ〜トラン
    スミッション〜ディファレンシャル系統が一体化されがちです。4WD(4輪駆
    動)などでは、トランスファやディファレンシャル(センター・デフ)などを介
    し、前輪/後輪などが同時に駆動されます。
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クラッチ〜トランスミッション系統:

    クラッチ〜トランスミッションの系統には、ダイレクト・ドライブ方式、パワー
    シフト・ドライブ方式、などが採用されます:

○  ダイレクト・ドライブ方式:

    クラッチに摩擦クラッチを使用し、トランスミッションには、メッシュ・タイプ
    のトランスミッションなどを使う方法−−大きな力を一気に出せる、燃費がよい、
    といった利点があります。反面、人がクラッチを扱う必要があり(クラッチ・ペ
    ダルなどの操作)、そのぶん操縦が面倒になります。(ただし、電子制御により、
    クラッチ操作をオートマチック化する機構もあります。)

・  摩擦クラッチ … エンジン側の”プレッシャ・プレート”(円盤)を、トラン
    スミッション側の”クラッチ・ディスク”(円盤)に押さえつけることで、エン
    ジンからの回転をトランスミッションに伝えます。

・  メッシュ・タイプ・トランスミッション … 複数のギヤを組み合わせ、出力側
    の回転速度を変えていきます。


○  パワーシフト・ドライブ方式:

    クラッチに流体クラッチを使用し、トランスミッションには、プラネタリ・ギヤ
    などを使う方法−−人がクラッチを扱う必要がない(クラッチ・ペダルなどがな
    い)ので、操縦が楽になります。反面、大きな力を一気に出し切れない、燃費が
    悪い、などの問題があります。

・  流体クラッチ … ”フルード”(オイル)の粘性を利用。エンジン側の”ポン
    プ”、トランスミッション側の”タービン”(羽根車)から構成されます。ポン
    プとタービンが、フルードにより”絡み合う”ことで、回転が伝わります(=ト
    ルク・コンバータ方式)。また、ある程度以上の速度になると、ポンプとタービ
    ンを機械的に連結してしまう機構(ロックアップ機構)が採用されることもあり
    ます。

・  プラネタリ・ギヤ(遊星歯車) … サン・ギヤの周りを複数のプラネタリ・ピ
    ニオン・ギヤが囲み、さらにその周りを、ひとつのインターナル・ギヤ(輪)が
    囲みます。どのギヤを入力にし、どのギヤを出力にするかにより、出力側の回転
    速度が変わってきます。


※  おおまかにいえば、ダイレクト・ドライブ方式は、乗用車のマニュアル・トラン
    スミッション(MT)に。パワーシフト・ドライブ方式は、オートマチック・ト
    ランスミッション(AT)に対応します。

乾式/湿式、単板/複板/多板:

    摩擦式のクラッチやブレーキでは、摩擦で発生する熱を逃がしたり、(ディスク
    式の場合はその効果を高めるために)ディスクの数を増やしたりします。それぞ
    れ、次のような方式があります:

・  乾式/湿式 … 乾式は、空気で冷やす方式。湿式は、オイルなどで冷やす方式
    です。

・  単板/複板/多板 … 単板はディスクが1枚のもの。多板は、ディスクが複数
    枚のもので、とくに2枚のものを複板といいます。


○  電気式:

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    原動機にモータを使用し、走行系を駆動させる方式。

・  構造:

    モータは比較的パワーが大きいため、その力を、発進時からダイレクトに走行系
    に伝えることができます。駆動輪の回転速度は、パワー・コントローラにより制
    御されます。大きな距離を移動する車両では、モータを駆動させるために発電機
    が搭載されます。

    モータにはDCモータが、発電機にはディーゼル発電機が多く使われます。

・  特徴:

    モータの回転速度を変えることで、無段階の変速ができるため、走行系の操作が
    楽になります。またクラッチやトランスミッションなどの複雑な機構を必要とし
    ないため、装置が簡略化され、整備がしやすくなります。
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○  油圧式:

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    油圧機構を介して、走行系を駆動させる方式。

・  構造:

    原動機の動力で油圧ポンプを駆動し、最終的にアクチュエータから走行系に力を
    伝えます。ホイールやクローラを回転させる場合、アクチュエータには油圧モー
    タが使用されます。

・  特徴:

    油圧モータは、その回転速度/回転方向を変えることで、ホイールやクローラの
    回転を、無段階に変速/逆転させることができます。

    さらに、駆動輪の回転方向を左右独立して変えることができるので、超信地旋回
    による方向転換も可能になります。
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※  油圧機構(ポンプ/アクチュエータ/モータ) → 『作業機の作動機構