ジャンプ系同人誌怪文書事件

 1999年10月第3週週末から、全国のあちこちの同人誌即売会やサークルに向けて、妖しい葉書が送りつけられている。(下の葉書の取り込みイメージ参照)。差出人の住所名前はなく、宛先はワープロ打ち、京都・大阪の郵便局から出されている。送り先は、まんが情報誌の同人誌紹介コーナーに掲載された連絡先を利用しているようだ。内容は、まあごらんの通り滅茶苦茶。著作権侵害が親告罪であることも知らないようだから、電波なガキの仕業だと思われる。わざわざ、住所データをワープロ打ちして何万円も郵送費をかけてご苦労なこったまったく。

[葉書1]

 で、ほぼ時を同じくして、ヒカルの碁系のサークルに向けて、別のこれまた妖しい葉書が送りつけられている。(下の葉書の取り込みイメージ参照)。内容は、原作者のほったゆみを名乗り、サークルに著作権法違反だから同人誌を作るのをやめろというもの。ところが、これも差出人の住所名前はなく、京都の郵便局から出されている。その他のこちらの入手した情報を総合すると、このふたつの葉書を出したのは同一人物と思ってほぼ間違いない。

[葉書2]

 原作者ほったゆみさん自身は、当然これらの葉書にはまったく関係がない。この件は、ほったゆみさんのご主人と旧知の仲の、元「ぱふ」編集長村石憲一氏がほったゆみさん宅に電話の上確認されている旨、村石氏ご本人から私(三崎)が直接話を伺っている。要するに名前を勝手に騙られたということになるわけで、いい迷惑この上なし。そもそも、原作者からの抗議がこういう形でサークルに葉書で送られてくるということ自体が、常識ではまったく考えにくいことで、そういう意味での稚拙さには笑うしかない。でも、これでビビっちゃう高校生とかやっぱりいるだろうから、まあ嫌がらせとしてはちっとは効果があるんだろうけどなぁ。

 ジャンプ系のまんがについては、以前から電波な噂や嫌がらせがいろいろとあって、頭痛い。例えば、「×××××」を○○○○さんは実は全然書いていなくて、△△△△△さんや□□□□さんが書き継いでいる、といったヨタ話(伏せ字の字数はテキトーなのでが、類推してもムダよ)はよくある。また、去年の冬も、「HUNTER×HUNTER」パロディサークルのあちこちに嫌がらせの手紙を送りつけた馬鹿もいる。今回の一件もそういった類なんだけど、ホント鬱陶しいよなぁ

 追記(2000/01/06)

 ずいぶんフォローが遅れてしまったが、一応事実関係の整理だけしておく。上記葉書1が届いた後、数日して今度は、下記葉書3がかなりのサークルに送られている。京都の郵便局の消印で、今度は差出人は、「集英社 週刊少年ジャンプ 著作権擁護対策特別委員会」。葉書1が「ぱふ」の同人誌コーナーから住所を拾ったものだが、この葉書3は、「コミックボックスJr」に掲載された住所を使っている。もちろん、こんな葉書を集英社が出した事実はなく、文面もほとんど葉書1と葉書3と同じ、投函場所も同じということで、同じ人間の仕業にほぼ間違いない。
 常識で考えるなら、このような警告を集英社のような真っ当な会社が「葉書」で送るようなことはあり得ず、しかも投函場所が東京ではないわけだから、この葉書が「ガセ」であることは簡単にわかると思う。ところが、「集英社 週刊少年ジャンプ」という差出人の名前にびっくりしてしまったサークルも多く、少なからずのサークルが少年ジャンプ編集部に問い合わせをしたりもしていたようだ(苦笑)。ジャンプ編集部側でもそのような葉書を送ったことはないと、きっちり否定していたようなので、大過に至らなくて幸いであった。もちろん、葉書を家族に見られて家庭内争議のネタになった方も多かったようで、それはそれでご愁傷様というほかない。
 なお、ほぼ同時期、ネットニュースのfj.rec.comicsとjapan.booksでも、葉書の主と同一人物あるいは関係者が、葉書と同様の書き込みに加え妄想じみた書き込みも行っており、電波・お花畑具合が高まっているのがとほほであった。
 まあ、今後ともこのような嫌がらせはたびたび発生すると思われるので、サークルもあわてず落ち着いた対応を心がける必要があるだろう。

[葉書3 裏/表]

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