ゴシップ

 ここは、うわさ話のコーナーです。情報の信憑性については確認を取っていない場合もあるので、ご注意下さい。

1999/09/11 新声社の倒産は当然?(ゲーム業界人X氏語る)

 「いやあ、もう危ないって話は実は去年くらいから出てたのよね。世間の人はこの春の大リストラで知ったかもしれないけど。内実は去年から火の車だった。」

 「でさ、やっぱりガンだったのは親族経営だと思うよ。専務が社長夫人で。営業統括が社長の息子でしょ。特にこの社長の息子がとにかく何にもできない。カツ丼が大好きでカツ丼ばっかり喰ってるから、裏では「カツ丼くん」とか呼ばれた(爆笑)。」

 「しかも、親族経営にありがちなんだけど、社員の批判を全く許さない。改善提案とか耳の痛い話をするとソッコー「クビ」。逆に、お気に入りだと何やっても大丈夫。グッズの企画ががうまくいかなかったもの、イエスマンが自分のやりたいことだけやってたからだよ。マーケティングゼロなの。そりゃ、うまくいくはずないって。」

 「だいたい、このアーケード・ゲームと格闘ゲームが冬の時代を、どうやって乗り切っていくのかについての戦略が経営陣には全然なかった。「DDR」が出たときだって、鼻の利く奴は、プッシュしましょう、って言ってたわけ。ところが、全然取り合ってくれない。それどころか、コナミの広報とかを邪険に扱っちゃう。普通につきあってればいいのに、馬鹿だねー。おかげで、ブレイクした後に食い込もうとしたって、今度は反対にコナミから相手にされない。当たり前だっちゅーの。」

 「春のリストラもね。決まったのは5月5日の親族会議。そう、取締役会じゃないからね(笑)。で、「クロスマーケット」とかいろいろ多角化していったところを全部切っちゃった。確かにうまくいってない事業も多かったし、金もかかっていたんだけど、芽が出始めてたのもあったのよ。ところが、ミソもクソも一緒に捨てて、「ゲーメスト」関係しか残さなかった。まあ、多角化が失敗して本業回帰というのは、珍しい話じゃないけど、残った本業が先行きないことは誰の目からも明らかだったわけじゃない。こりゃ、そんなこともわからない奴が会社の経営しているのかということになって、有力な出資者の一人が新声社のこと見放しちゃったのね。実はこのことが事実上のエンドになっちゃった。後は、ほんといつまで保つか? でしかなかったの。」

1998.7.7 同人誌印刷所危機説を追う!

 同人誌界において、今密かにささやかれているのが、印刷所の危機説。実際、既に二つの印刷所が破綻している(営業は続けているが、機械は債権者の手に渡り、そこから再度貸し出されて、借金の返済をするという形)。

 この件、先日のコミックキャッスルファイナルで関係各方面と色々話したのだが、極論すれば、

「どこがいつ潰れても不思議じゃない」

非常に厳しい状況である。印刷所の中には、仕入れを共同で行っていたり、仕事や資金の融通をしあったりしているグループがいくつかある。このようなケースの場合、その印刷所がなんとか経営できていたとしても、グループの他社がコケたりするととばっちりを受けて、一緒にご臨終というのが可能性としてある。これが一番ヤバいパターン。

 まあ、この不況の折り、今の日本の中小企業が多かれ少なかれ抱えている問題でもあるので、ことさら神経質になっても仕方がない。だいたい前年対比で、売り上げが数十%単位で落ちれば、どんな会社だってガタつくわけだし。特に、GWのスーパーコミックシティでの落ち込みが、印刷所の経営に悪影響を与えている。ここ数年、スーパーコミックシティでの印刷所の受注の落ち込みはひどく、一昨年から見れば半分以下というところもザラという話。毎月の有明でのコミックシティも、受注の少なさの割には搬入の手間暇がかかり、全然儲からない。元気のいい男性系は、性描写の点でリスキーなところがあるし、それ以前にいくら元気がいいと言っても、かつての女の子パロディ系みたいに、毎月毎月しっかりとしたオフセット本を作るわけではないので、収益的には印刷所にうまみは少ない。
 それに加えて、止められない投資がある。それは、Macintoshを使ったデジタル入稿への対応だ。今、デジタル入稿は、大手サークルや男性向けサークルを中心に急速に普及しつつある。同人誌印刷所は横並び体質なので、「他がやっているのにうちではできない」ということを(もっと、正確に言うと「他ができるのに、何故ここはできないんですかと客に言われるのを)非常に嫌う。したがって、苦しくても投資が止められない。しかも、コンピュータが好きな人材が会社にいればいいが、いない場合は教育や雇用でさらに金がかさむ。そして、これだけがんばって受注が増えればその甲斐もあるというものだが、客を逃がさない程度の効果しかないのだから泣くに泣けない。
 先日のコミックマーケット主催の印刷業者に対する説明会では、印刷所から「春コミケをやってくれないか?」という泣きまで入る始末だったらしい(米沢代表は、現状では無理と断ったようだ)。つまり、あれほど頼りにしていた赤ブーブー通信社では頼りにならないということをはっきり言っちゃった訳だ、印刷所が。しかし、これでコミックマーケットが春コミケなんかもしやった日にゃ、スーパーコミックシティなんて軽く吹き飛んじゃって、赤ブーブー通信社に大打撃を与えるだろうことは容易に想像がつくわけだろうに、そんなことは構っていられず、とにかく受注を増やしたい印刷所の苦しい台所事情が伺える。かつてのコミックシティin幕張中止事件のときにあれほど赤ブーブー通信社を支援した印刷所のオヤジたちの姿を私は見ているだけに、ギャップの差には頭がクラクラしてしまう。しかも、あのときオヤジたちは「私利私欲のためでない。同人誌界が混乱しないように善意でやっている」とも言ってたように思うのだが…。

 さて、このような時代にサークルはどう自衛すべきか? ひとつは、金銭面。可能ならば、全額前金で入金しない。手付け金+?で、残りは本ができあがった後に払う。この場合、仕上がりに問題がある場合にも対応出来るし、もし、何かあっても最小限で済む。大手の場合、恐ろしい場合印刷所が金を借りに来たりすることもあるので(おいおい、と思うかもしれないが、実例複数有り)、それは情にほだされずに対応する。一回に新刊を数種類出すなら、可能ならば印刷所を複数利用して、リスク分散する。後、印刷所のオヤジの動向に注意。急に支払いにうるさくなったところも怪しいが、このご時世に「うちは大丈夫です」とあんまり明るく言い切るのも、それは責任なく発言している場合もあるので、気をつける。出来れば、郵送での入稿ではなく、直接入稿して、印刷所の雰囲気が以前と違わないか、従業員・アルバイトが減っていないか、あやしい人が来ていないか、チェックする。出来れば、社長以外にフランクに話が出来る従業員を作っておく。ただし、常連にはいい顔をし続ける場合も多いので、知り合いのサークルを使う印刷所を交換して、新規のお客の対応がどうなのかも確認したほうがベター。
 後、印刷所のコストには気をつける。事務所を複数持っているところ(特に東京)、自社ビルを持っているところ、機械のやたらと新しいところ、従業員の多いところは当然ながら、固定費のコストが高いので、一般的にそれだけ不利は不利。同様にあまりに安い印刷費で請け負っているところも、一般的に注意すべき。
 次に、自分の資産について。原稿は早めに回収する。もし、印刷所が潰れたら、たいてい混乱して紛失の危険度が高い。また、在庫を印刷所に管理してもらっている場合も同様に注意。特に美少女系の場合、怪しい債権者が怪しいルートで勝手に裁いたりする可能性もあるだろう。

 でも、気をつけていても潰れてしまう場合もあるだろう。もし、自分の使っている印刷所が潰れた場合、どうすべきか? まず、可能な限りはやく原稿と在庫の保全に走る。印刷所側が責任を持って送り返すという場合もあるが、この状態での発言は怪しい。印刷所が責任を持って対応しようとしても、債権者等の問題で対応できない場合がある。可能ならば、印刷所に直接出向いて、回収する。入稿済で刷ってもらっていない本がある場合でも、とにかく回収。で、前払い金・予約金等は、ガンバって交渉するもいいが、まぁ返ってこないと思って当たること。いざ潰れたとなると、本職の海千山千の怪しい方々が全員集合となるので、シロートの出る幕無し。逆に払っていない印刷費がある場合、額が少額なら大丈夫かもしれないが、ある程度の額になる場合、債権者及びその代理の回収屋が、こんにちはとやってくる場合有り。喧嘩してもいいけど、面倒くさいと思うので、まあ払って身きれいにした方が得策かと。一気に払えないなら、返済方法・利息等いくらでも交渉の余地有り。わからなかったら、弁護士さんを呼ぶのも方法。取る方も変に事を荒立てるよりは、とにかく回収できたらいいと思っているのが普通なので、それを見極めた上で、落としどころを探る。

 税金問題と同様面倒くさいかもしれないが、自分のリスクは自分で負うしかない。こればかりは仕方がないのである。

1998.5.2 白泉社「花とゆめ」で大誤植!

 今発売中の「花とゆめ」プラチナ増刊号(1998年5月15日号)掲載の加藤知子「おまけの海藤家」で、よりによってのこんな誤植が。いくら、「やおい大好き」で、同人誌歴の長い加藤知子のまんがだからといって、この誤植はあまりにあまり。同人誌のフリートークか、ペーパーでの反応が楽しみと言ったら、悪趣味?

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