ではいくつかまとめて写真を。
左側、上からMOSTEK社製のMK3880で1979年製2.5 MHzクロック版、SHARP製のLH0080Aで4
MHz版、同じくSHARP製のLH0080Bで6 MHz版、LH0080Eで8 MHz版。右側、上はRohm社製のBU18400Aで4
MHzクロック、その下の3個はNEC製で順番に2.5 MHzクロックのuPD780、4 MHzクロックのuPD780-1、6
MHzクロックのuPD780-2。
写真左上のMOSTEK社製のものは、私の手持ちでもっとも古いセラミックパッケージ品ですが、残念ながらZilogオリジナルでなく、当時よく出回っていたMOSTEK社のセカンドソース品です。この後、SHARP製のセカンドソースが出回り、さらに各社多くのセカンドソースがプラスチックパッケージで出回るようになって、劇的に値段が下がりました。まだ、このセラミックパッケージしか手に入らなかった頃の価格は38000円くらいしたはずですから、なかなか馬鹿にできません。
しかし、組み込み用途やパーソナルコンピュータ用途にさかんに利用され、SHARP製やNEC製の石が大量に出まわるようになると、1982年頃には1000円を切りはじめ、それから数年すると300円程度と急激に安価になります。
さまざまな半導体メーカがZ80 CPU製造に参入し、月産600万個というような時代もあったようです。中には写真右上のRohm社のように、本来は抵抗器メーカだったのが厚膜IC製造から普通のモノリシックIC製造に製品の幅を広げるついでにZ80
CPUも製造しましたみたいなところもあらわれます。参入が遅かったから価格低下後でたいしてもうけられなかったのではないかと気になりましたけど。
CMOS化されたZ80 CPUも1980年代半ばから製造されて、比較的低消費電力な応用にも使えるようになってきました。そのうちのふたつの写真を示します。
上はNECのCMOS版Z80 CPUのuPD70008Aで6 MHzクロックのもの。下はTOSHIBA製のTMPZ84C00Aで8
MHzクロック動作。
CMOS化されて、新しい高速プロセスで製造されるようになったため、速度も高速化されていきますが、8
MHzクロック以上のものは周辺LSIで速度に対応できるものが少ないとか、メモリとの関係で、システム全体が高価になりがちで、あまり便利ともいえなかったように思います。
また、単体のCMOS化Z80 CPUが入手しやすくなる頃には、Z80 CPUとオブジェクト互換で周辺もある程度集積したCMOSプロセッサである日立のHD64180とか、東芝自身もCMOS
Z80 CPUと周辺LSIを集積した組み込み用プロセッサシリーズを展開したりして、従来回路を簡単に置き換えられることを除いて、単体プロセッサにそれほど利点が見いだせなくなってきてしまいました。
uPD780C-1あたりがPC-8001やPC-8801なんかに使われていましたから、裸のICは見たことがなくても、使っていた人は多いはず。もちろんPC-8001だけでなく、1979年頃からパッケージ化されたパーソナルコンピュータが各社から数多く発売されますが、かなりの率でZ80A CPU相当品が採用されていました。ってことで、きっと内部構造とか命令体系の記憶のある方も多いでしょうから、詳細はほかのページが完成してからにします。ごめんなさいね。
Return to IC Collection