TMPZ84C015

東芝から発表されたCMOS Z80 ASSPマイクロプロセッサファミリのうちの一つ、TMPZ84C015は、Z80 CPUにクロックジェネレータのほかZ80 CTCとZ80 PIOとZ80 SIOにウォッチドッグタイマを集積したLSIです。

TMPZ84C015
TMPZ84C015BF-12で 、100ピンQFPに納められた12 MHzクロック動作のもの。

TMPZ84C015に内蔵されているZ80 CPU, Z80 CTC, Z80 PIO, Z80 SIOは、すべて単体のLSIと同じ機能を持ちます。アドレスデコーダやバスの信号や割り込みディジーチェーン接続などはTMPZ84C015内部で結線されていますが、I/O関係の端子などはそのまま外部に引きだされていて、あたかもメモリを内蔵していないシングルボードコンピュータのようなLSIに仕上がっています。
クロックジェネレータにはアイドルモードやストップモードがあり、必要に応じて節電動作を行うことも可能になっています。

この石を利用する場合、内蔵するZ80 SIOの1チャネルを空けておいて、ROMの一部にモニタプログラムを書き込んでおいて、リセット時に読み込んだI/Oポートの一本の値に応じて本来の組み込み応用プログラムの代わりにモニタプログラムが起動するようにしておくと、メンテナンス時に楽ができるので、好んでそうしていました。空けておいたシリアルの先に端末としてそこらへんのコンピュータを接続して、その通信ソフトの上からメモリやI/Oポートの値を読み出したり変更しながら、検査などを行うという寸法です。どうしてもシリアルが2回路必要な応用なら、あきらめるか、モニタ使用時には1回路分を切り替える工夫が必要になりますけど。もちろんTMPZ84C015自身にもICEを接続するための機能はあるのですが、ちょっとしたテストをフィールドで行うのにICEが必要というのも面倒で、そこらへんにあるノートタイプのコンピュータをひょいと接続した方が楽ですしね。最初からZ80 SIOが入っているので、モニタプログラム用にだけわざわざZ80 SIOを追加しておきましたというと問題が出そうでも、あまった回路を利用しているだけといういいわけもしやすい石ですね。
 

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