HM6264 64 Kbit Static RWM

スタティックRWMもダイナミックRWMと同じく基本的に4倍ずつメモリ容量が増大してきました。16 KbitのHM6116の後継は、当然ながら64 KbitのHM6264です。それまでの24ピンでは端子が足りなくなって28ピンのパッケージになりましたが、使い方は同じですし、できるだけピン配置の互換性を高めるように配慮されています。

HM6264
これはバッテリバックアップが必要用途に使えるHM6264LP-12でアクセスタイム120 ns。

ピン配置を次に示します。番号のうち外側に配置された1から28までのものが実際のHM6264のピン番号になります。内側の番号は24ピンパッケージのHM6116のピン番号です。[]で補足してあるのは同じ28ピンパッケージのROMである2764の端子です。ただし26番ピンの[NC (VCC)]は、2764ではNCであるけれど24ピンのROMである2732ならVCCという意味です。()で補足されているのはHM6116のピンです。特に補足されていない端子はHM6264, HM6116, 2732, 2764で共通の端子です。
[VPP] NC  1           28 VDD
     A12  2           27 WE*       [PGM]
      A7  3  1     24 26 CS (VDD)  [NC (VCC)]
      A6  4  2     23 25 A8
      A5  5  3     22 24 A9
      A4  6  4     21 23 A11 (WE*) [A11]
      A3  7  5     20 22 OE*
      A2  8  6     19 21 A10
      A1  9  7     18 20 CS*
      A0 10  8     17 19 D7
      D0 11  9     16 18 D6
      D1 12 10     15 17 D5
      D2 13 11     14 16 D4
     VSS 14 12     13 15 D3
すぐにわかるように、HM6264, HM6116, 2732, 2764の端子はほとんど共通になっていて、違いは数本しかありません。しかも、良く調べると、1番ピンはHM6264ではNCで内部接続がありませんから、2764と同じVPPの処理、つまり+ 5Vに接続してしまっても構いません。また26ピンのCSはHアクティブですから、使わないで済むならとりあえずVDDの+ 5Vに接続しても正しく動作してしまいます。28ピンパッケージどうしのHM6264と2764をプリント基板上で入れ替え可能にするには27番ピンだけ正しく切り替えればよくなっています。またRWMどうしでHM6264とHM6116を入れ替え可能にするには23番ピンの切り替えだけを行なえばよくなっています。HM6264, HM6116, 2732, 2764を入れ替え可能にするには23番ピンと27番ピンの切り替えだけで済みます。2732と2716はピン配置が極めて似ているので、なんだったら2716とも共通のプリント基板も簡単に設計できます。
このように、少々考慮して回路設計しておけば、先に普及して安価になっていた2732やHM6116なんかを使っておいて、処理内容のバージョンアップでメモリ容量がよけいに必要になったり、2732やHM6116が生産中止になった場合に、HM6264や2764に簡単に差し替えられるようになっていました。
こういったピン互換性は、現在でも重視され続けています。

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