2764 64 Kbit UVEPROM

Intel社が開発した64 KbitのUVEPROMが2764です。2732と比べると4本多い28ピンの端子を持つパッケージになりました。単に容量が増えただけでなく、標準的なバージョンのアクセスタイムが2708から2732までは450 nsだったのが250 nsになっていて高速化しています。
2764なら1個で8 KByteのメモリとして使えますから、今よりは単純なものが多かった当時の8 bitプロセッサを用いた組み込みシステムですと、よほど複雑なことをしない限りまず1, 2個でプログラム部分を記憶することができます。

2764
左からNECのuPD2764D、三菱のM5L2764K、富士通のMBM2764-25。

ピン配置はこのようになっています。ただし、ピン番号の外側の1から28まで書いてある部分が2764のもので、内側の1から24までしか書いてない部分が2732のピン配置になっています。2764と2732とピンの意味が違うところは2764を優先して、2732の役割を()でくくって補っています。
VPP  1           28 VDD
A12  2           27 PGM
 A7  3  1     24 26 NC (VDD)
 A6  4  2     23 25 A8
 A5  5  3     22 24 A9
 A4  6  4     21 23 A11
 A3  7  5     20 22 OE*
 A2  8  6     19 21 A10
 A1  9  7     18 20 CS*
 A0 10  8     17 19 D7
 D0 11  9     16 18 D6
 D1 12 10     15 17 D5
 D2 13 11     14 16 D4
VSS 14 12     13 15 D3
と、一見してわかるようにプログラミング時を除く普通の使用状況では、26番ピンの役割が異なるだけです。2764ではNCで何も接続されていない端子になっているのに、2732ではVDDで電源ピンとして使われています。2764になって追加された上の4本以外の端子は23本間で2764と2732と共通で、異なる1本も2764ではNCなのですからVDDに接続しておいても何の問題もありません。このように、2764と2732を差し替えることが可能なように留意して、ピン配置が決められています。

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