TMS9914

1974年に規格がIEEEに承認され、その後の改定を経てIEEE488-1975/78という規格名称で呼ばれるようになったGPIBは、計測機器などをコンピュータにインターフェースするための標準バスとして普及していきます。規格の一部を無視すれば、マイクロコンピュータのパラレルポートにバッファを付けて十分なソフトウェアサポートを行えば簡易GPIBインターフェースを構成することも可能ですが、さまざまな状態遷移タイミングまできっちりと規格を満たそうとすると、かなりのハードウェアサポートが必要となります。初期のミニコンピュータ用のGPIBインターフェースボードなど、100個ほどのTTL ICが並んでいるものもありました。しかしGPIBが普及して比較的低価格な計測機器などにも利用されるようになると、当然ながらインターフェースがLSI化されて、各社からいくつも出荷されていました。
GPIBアダプタとTexas Instruments社に呼ばれているTMS9914も、その中の一つです。このLSIだけでGPIBのほぼ全機能を含んでいるといえる多機能なチップです。

TMS9914, TMS99C14A

上は比較的初期の1980年製のTMS9914。久我様よりいただきました。下はCMOS化されたTMS99C14A。

TMS9914は、型番からわかるようにTIの16 bitマイクロプロセッサ、TMS9900ファミリのLSIのひとつでもあります。そのため、ピンの呼称などに少しくせがあります。
 

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