MB87030 SPC

富士通はSCSI Protocol Controller (SPC)としていくつかのLSIを発表しています。その最初のものが、このMB87030です。
SCSIインターフェースは、性能さえ気にしなければ単なるパラレルポートにドライバ・レシーバ類を付けただけでも、実現可能です。それこそ、データを1 Byte転送する際のハンドシェーク制御までソフトウェアで処理することだってできます。一時期、PCのプリンタポートに簡単なバッファを付けただけのSCSIインターフェースってのもありましたよね。でも、それではあまりにも転送速度が遅くなるので、できるだけハードウェアで高速にデータ転送のサポートを行うようにするのが普通で、そこをLSI化するのは当然のことでしょう。初期のSCSIインターフェース用LSIでは、1 Byte単位のデータ転送のハンドシェーク制御はハードウェアで行うけれども、アービトレーションフェーズやセレクションフェーズなどのタイミングや信号遷移をソフトウェアでサポートしなくてはならないものもありました。SPCでは各フェーズ処理もLSI内部で自動的に処理できるようになっていて、効率的になっています。だからこそSCSIプロトコルコントローラという名前が付いているわけですが。
このMB87030ではSCSIバスのドライバ・レシーバ類は外付けにする必要がありますが、だからこそ不平衡インターフェースにも平衡インターフェースにも使えるという言い方もできるでしょうか。非同期転送の他、同期転送もサポートしています。

MB87030
88ピンPGAパッケージ。

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