F3846

Fairchild社はプレーナ型トランジスタの開発など現在の半導体産業の基礎技術を確立し、IC時代になっても三端子レギュレータやモノリシックオペアンプなど現在でも多用されているアナログICを開発した名門です。ただデジタルICについてはそれほど目立つものはありませんね。マイクロプロセッサ関係では、組み込み用に特化したF-8シリーズが有名で、一時期は車のエンジン制御用として採用されたりしていましたが、その後は鳴かず飛ばずでしたね。そのうちに会社自身が傾いてしまいました。
さて、そのFairchild社のF3846は1980年に発表された直列同期通信用マルチプロトコルコントローラです。BYSINC, DDCMP, SDLC, HDLC, ADCCPなどのプロトコルをサポートします。調歩同期通信はできないようですが。

F3846
プラスチック40ピンDIPのF3846Pで1982年製。

このF3846はF-8系列の型番になっていますね。バスインターフェースがほぼ同一なので、8080, 8085, Z80 CPUなどにもそのまま接続できます。M6800バス用にはバスインターフェース部分を変更したF6856も用意されていました。なぜF6846でないのか、ちょっと気になりますが、すでにこの時点でFairchild社とMotorola社はライセンス協定を結んでいて、MC6802の周辺LSIであるMC6846のセカンドソースとしてF6846を販売していたのですね。それでちょっと型番をずらしたのでしょう。
 

Return to IC Collection