uPD763

uPD763は電子式キャッシュレジスタ(ECR)用の数字表示を行うためのLSIです。12桁までの7セグメント表示を駆動できます。

uPD763

uPD763は表示素子をダイナミック駆動します。7セグメントと小数点や他の表示に利用できる2本の出力を、内蔵のクロック発振回路によって規定されるタイミングで順次切り替えて出力します。なお、プロセッサ側から送られるデータはBCD形式の数値で、内蔵のセグメントデコーダで7セグメント出力に変換されますので、任意のパターンを7セグメントに表示させることはできません。セグメントデコード回路は設定値によって多少ですが字形を変化させることができるようにはなっていますが。
特徴的なのはプロセッサインターフェースで、シフトレジスタ形式です。内部に80 bit分(データ48 bit、補助表示24 bit、コマンド8 bit)のシフトレジスタを持っていて、そこにシリアルにデータをロードすることで表示データや動作モードを設定します。つまり1本のデータ信号とクロック信号、チップセレクト信号、ほかに電源を与えるだけで、表示を行うことができます。電源も含めて電線5本だけですね。ECRでは、本体以外の見やすい位置に1, 2箇所の表示装置だけ付加することがよくありますが、その場合の配線の量を減らせるように工夫されています。

現在なら、適当なシングルチップコンピュータにシリアル通信と表示用の機能をプログラムして、ホストプロセッサと交信するようにすれば、同じ、あるいはそれ以上の機能を持たせられるでしょう。

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