PRC

uPD751用のプリンタコントローラの一つにuPD758があります。uPD751は電子キャッシュレジスタ(ECR)への応用を目指して開発されています。当然、ECRには多数のプッシュスイッチ、7セグメントの表示器、レシート出力(および店用のレシート控え)プリンタが組み込まれています。そのうちのプリンタ制御のためのソフトウェアとハードウェア両面をサポートするために、いくつかのプリンタコントローラが開発されています。
現在は大型店で使用されている最新式ECRには感熱紙に高密度の漢字やグラフィックデータまで自在に印刷できるプリンタが使われることが多いようですが、当時は数字と数種類の記号が印刷できるだけの小型ドラムプリンタが使われていました。今でも、ドラム式プリンタ付きのECRが使われているところもあるので、ドラムプリンタの特徴である活字っぽい印刷のレシートを目にすることもあるでしょう。

uPD758
例によって42ピンプラスチックDIPです。これは久我様よりいただきました。

このuPD758は18桁までの小型ドラムプリンタ2台の制御が可能なようになっています。バス側のタイミングはuPD751互換で、18桁分のバッファレジスタを内蔵していて、CPUがバッファレジスタに印刷したいデータをまとめて書き込んでしまえば、それ以降のプリンタメカニズムとタイミングをとっての印刷はuPD758側でCPUの関与なしに遂行します。単に数字類を表示するほか、レシートの先頭にはドラムとは別に用意された店の屋号などを示すスタンプを押すこともできます。

NECはこのほかにもキーボード表示コントローラ用LSIなどいろいろとECR用のLSIを開発していて、ECRの頭脳部分は数個ないし20個程度のLSIで構成できるようにしていました。
ECRは電卓のようなものと比較すれば高価格多品種少量生産品ですから、さまざまな要求仕様に対応するためにマイクロコンピュータ応用に向いていました。初期の4 bitマイクロコンピュータの主要用途だったわけです。

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