uPD752

uPD752はuPD751用の4 bit入出力ポートです。4 bit分の入力ポートと4 bit分の出力ポートがあり、uPD751とはアドレスデコーダだけでインターフェースできるようになっています。uPD751と同じく、入出力はすべてTTLレベルですが、±5 Vと+12 Vの3電源というところまで共通です。

uPD752
左はセラミックパッケージで小島様よりいただいたものです。右はプラスチックパッケージ。

このuPD752でおもしろいのは、Output Reset* (OR*)信号、Input Reset* (IR*)信号、Input Enable* (IE*)信号が用意されているところです。入力ポートと出力ポートは別々に分かれていて、入出力方向をプログラムして使うことはできません。というか、uPD752はアドレス空間に1語しか占有せず、そのアドレスへ書き込めば出力ポートラッチに書き込まれたデータがそのままポートから出力され、そのアドレスから読み込めば入力ポートにラッチされているデータを読み出せるだけです。考えようによっては、メモリが高価だった時代にI/Oポートの初期化コードを必要としない設計になっていたといえます。それで、入力ラッチへのラッチタイミングがIE*信号で、出力ラッチのクリアがOR*信号、入力ラッチのクリアがIR*信号というわけです。リセット直後にマイクロプロセッサが初期化するのではなくて、ハードウエア側でポートのリセット信号を与えることで初期化を行うようになっています。なお、OR*信号はチップリセットの機能も持っていて、OR*信号が有効な間はuPD752をアクセスできません。

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