V25+

NECのVシリーズは1984年のV20/V30に始まり、プロセッサの能力はそのままに周辺回路を組み込んだV40/V50といった組み込み方面への進化と、Intel系のアーキテクチャとは異なる形で高性能マイクロプロセッサを目指しV60/V70という方面へと、複数の方向に発展していきました。V40/V50のような組み込み方面への発展形として、プロセッサの性能をV20/V30よりも高性能化したV25/V35があります。8080命令エミュレーションモードを削除し、8086系の本来の命令の実行速度を高速化し、さらに内蔵高速メモリに複数のレジスタバンクを割り当てられるなど、8051的な組み込み用マイクロコンピュータで良く見られる高速化技法を追加したプロセッサです。数組のレジスタバンクというのは姑息な改良にみえて、割り込み性能が重要な組み込み用途では、割り込み時のコンテキスト切り替えが効率的になるために、実用的な改善点です。そのV25のDMA回路を高速化するなど簡単な改良をしたのがV25+です。V20, V25, V25+と続くこの名称は、やはり内部16 bitで外部8 bitデータバス。ROMを内蔵していないので、汎用ROMを外付けして使用することになります。型番はuPD70325で、3桁目の3が第3世代を暗示しています(V20はuPD70108, V40がuPD70208)。

V25+
QFPのuPD70325GJ-8で8 MHzクロック。だが表示がV25となっていてV25+でないのはなぜ。
 

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