MDU

CDP1855はCOSMACの入出力デバイスとしてバスに接続することにより、乗除算を実行できる外付け演算回路です。Multiply/Divide Unitの略でMDUと呼ばれることもあります。単体では8 bit×8 bitや16 bit÷8 bitの演算が可能で、最大4個までカスケード接続することにより32 bit×32 bitや64 bit÷32 bitの演算も可能となっています。他のマイクロプロセッサに接続することも簡単です。
筆算のようにシフトしながら加減算を実行するタイプの回路で、n bit乗算、あるいは2n bit÷n bitの除算には(n + 1)パルスのシフトクロックが必要です。CDP1802と共通のクロックで駆動する場合、CDP1802のクロック周波数の半分の周波数がシフトクロックに使われますから、CDP1802のクロックでいえば8 bit乗算の場合に18クロック分の時間で演算が行われます。CDP1802の最短命令実行クロック数は16クロックですから、1命令実行とほぼ同じ時間で8 bit乗算が計算できます。実際の命令実行タイミングを考えると、MDUに演算指令を出してから1命令何かを実行した後で演算結果を読み出すことができます。演算対象のデータの読み書きに少し手間がかかりますが、乗除算命令がCOSMACに追加されたような感覚で計算も行えます。仮にCOSMACのプログラムで乗算などを実行すれば数十倍の時間が必要です。

CDP1855
CDP1855CEで、鈴木様よりの頂きものです。

Return to IC Collection