MFP

Multi-Function Peripheral (MFP)はパラレルインタフェースとシリアルインターフェースにタイマに割り込みコントローラをまとめて48ピンのパッケージに納めてみましたという、多機能型MC68000周辺LSIです。

MC68901
左は48ピンDIPで右は52ピンPLCCパッケージのMC68901。

パラレルインターフェースは8本あり、1本ごとに入出力方向を設定できるほか、入力に設定した端子の状態遷移に伴って割り込みを発生させることが可能です。しかも、それぞれの入力ビットによって、自動的に割り込みベクトルが修飾されます。
タイマは8 bitタイマが4回路内蔵されていて、そのうちの2本が単純なタイマ回路で割り込み発生源か方形波信号を出力するのに使えるだけのもの、残りの2本が多機能タイマカウンタとして利用可能なものとなっています。タイマの基準クロック信号として使える水晶発振回路も内蔵しています。
シリアルインターフェースは調歩同期方式とバイト同期方式の通信が可能なものが1チャネル内蔵されています。5, 6, 7, 8 bitのデータ伝送が可能でパリティビットの付加検査機能もあり、調歩同期方式の場合、1, 1.5, 2 bitのストップビットフォーマットの選択も可能となっています。ただし、最近の組み込み用マイクロプロセッサのシリアルインターフェースによく見られる、第9番目のデータビットというか特別な割り込みを発生させる余計なビットの付加機能はありません。また、モデムの制御信号も特別に用意されていなくて、必要に応じてパラレルインターフェースの一部をそれに当てる必要があるかもしれません。送受信クロックは同期方式通信を行う都合上、きちんと送受信別々の端子が用意されています。調歩同期通信の場合には特別なビットレートジェネレータは内蔵されていませんから、内蔵タイマ回路を1回路分利用して送受信クロックを生成することになります。送信レディと受信レディ端子が用意されているため、必要なら送受信データをDMAで転送することも可能です。なお、送受信割り込みなどはすべて内蔵の割り込みコントローラの管理下で制御されますから、特に送信レディや受信レディ端子を割り込みのために使用することはありません。
バスインターフェースはDTACK*端子も用意されていて、M68000バスに完全に適合しています。割り込み制御線については、他のM68000ペリフェラルにみられるようなIRQ*とIACK*の対だけではなく、Z80のペリフェラルに存在するようなIEI*とIEO*のディジーチェーン入出力信号も用意されていて、複数のMC68901や他の割り込み信号源を接続しやすくしています。

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