IMP

MC68302はIntegrated Multiprotocol Processorとも呼ばれ、ISDN機器をはじめとする通信機材に組み込んで高度な通信プロトコル制御を行うために開発されたプロセッサです。
内蔵しているCPUコアはMC68000/MC68008と同等のプロセッサでCMOS化されたものです。外部データバスを16 bit幅で使用するか8 bit幅で使用するか、ハードウェア的に設定できるため、MC68000としてもMC68008としても使えます。
さらにクロックジェネレータ、チップセレクトロジック、タイマ、パラレルI/O、RWM、DMAコントローラ、割り込みコントローラ、ダイナミックメモリ用リフレッシュコントローラなどが集積されている上に、通信プロセッサ部が組み込まれています。通信プロセッサには、シリアルコミュニケーションコントローラ(SCC)が3組内蔵されている上、各SCCの送受信に合わせて6チャネルの専用DMAコントローラや補助的通信コントローラ、さらに通信制御用のRISCプロセッサが内蔵されています。
内蔵しているMC68000相当プロセッサを切り離して、外部のCPUから周辺LSIの一つとして通信プロセッサ部などを利用することもできるようになっています。高性能SCCが3組とその周辺回路がコンパクトにまとまった、通信I/O用LSIとして使うこともできますし、MC68302を2個並べて片方のCPUを動作禁止状態にして通信部だけ使用し、3組のSCCでは足りない通信用途で同一仕様のSCCが合計6組あるように配線して使用することも可能です。

MC68302
MC68302FC16で132ピンのプラスチックQFPに納められている。C65Tという表示からリビジョンCであることがわかる。最高クロック周波数16.67 MHzのもの。

MC68302の基本的アーキテクチャを変えずに、一部機能を削ったり追加したりしたバリエーションもいくつか存在します。通信のMotorolaっぽいプロセッサですね。

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