PIA

Peripheral Interface Adapterはパラレル入出力を行うためのプログラマブルなLSIで、ハンドシェーク付きの入力や出力と同時に割り込み信号を発生する機能を備えています。
初期にはMC6820として出荷されていましたが、後に特性を改善したMC6821が出荷され、広く使われるようになります。

MC6820
上が1975年製でMC6820でなくてXC6820となっています。サンプル扱いのチップです。パッケージの形状が変に歪んでいるように見えますが、写真のためではなくて実際に歪んでいます。ダイをシールしているハンダ付け部分のハンダの流れ方も稚拙で、実は完全にシールされてい ません。シール部分の左下のところは薄い紙なら差し込むことができます。こんなパッケージ技術でいいのかと心配になってしまいますが、こういうパッケージが使われだした頃なのだということなのでしょう。下のはMC6820と正規の名称になっている1977年製です。

MC6821については、Motorolaオリジナルがちょっと見つからなかったので、日立のセラミックパッケージを。
MC6821
上の方が時代が古く、HD46821と書かれています。下はクロック周波数2 MHz品のHD468B21で、HD68B21というMotorola式の型番表示もあります。ちなみに、日立のH68/TRの初期の製品に使われていたのはHD46820です。これも手元にありますが、MC6820があったので、絵は略。

8080系のPPI (8255)に相当するLSIですが、単純なバイト単位の入出力に使う場合にはPPIの方が24本のI/Oになるのに対し、こちらはせいぜい20本なので、分が悪いということになります。ただ、リセット時やプログラム初期化時のレベルが扱いやすかったり、ポートAにプルアップ抵抗が内蔵されていて、ポートBはダーリントントランジスタドライブが可能であるなど、PIAの方が気配りが行き届いている感じがします。割り込みを行う場合も便利だったかな。私は自前のZ80システムにも好んでMC6821を接続して利用していたことがあります。もっとも、こういうファミリLSIは設計時に想定されたCPUに接続して使うのがもっとも便利なわけで、通常はMC6800やMC6809やMCS6502、場合によってはMC68000などのシステムなどで使われています。

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