96年4月発売コミックスのレビュー


ぼくのマリー (7)

竹内桜(Sakura Takeuchi)/(協力)三陽五郎(Goro Sanyo)

 二人旅…!?

 やっと真理さんが絡む話が戻ってきた。いや、真理さん中心というべきか。 雁狩ひろしとの距離を縮めようと一緒に旅行に出る真理さん。 そして、真理さんへの想いを捨て切れない、過去の恋人・三石衛。 『ぼくのマリー』に登場するのは、そんな“せつない想い”を持った人々。 そんな想いが交錯する温泉旅館。舞台としては最高である(^^;。 交錯する四人の想いの行方や如何に?

 雁狩ひろしと同じ雰囲気を漂わせる三石衛の存在は、真理さんが 雁狩ひろしを好きになる理由を明かしてくれそうだ。しかし同時に、 真理さんにとって雁狩ひろしは彼の代償的存在であることにもなる。 それはマリの存在と同じ様に…。


神様のつくりかた。 (1)

高田慎一郎(Shinichirou Takada)

 表紙だけ見て買った作品である。 しかし、こんなにノリのいいギャグも予想しなかったし、 深い世界設定と伏線も予想し得なかった。大当たり。

 八百人の乙女が護る神殿で修行を積む戦神子(見習い?)・小春。 外に出たい理由が「男見たい」だからまず楽しませてくれる。 そして出会うは弥十郎。図らずも戦いの中に。否応なくシリアスな 戦いが展開される今後、どこまでギャグを織り混ぜてくれるか。


新・票田のトラクター (7)

作・ケニー鍋島(Keni Nabeshima), 画・前川つかさ(Tsukasa Maekawa)

 政権党分裂

 政権党・民自党分裂。稲山グループ離党に続き、12人の別グループが離党、 そしてそれぞれ新党結成。しかし全ては中村茂の手の上。 この作品は、現実になぞらえて、その内幕にある“永田町の世界”を 見せてくれるが、今回の話はどれだけが現実に基づいているのか、気になる。 だが、作品中に描かれているように、いずれ中村茂の思惑を離れていくのだろう。 現実の政治も、そのように大混迷して、一転二転。 果たしてこの作品は追い付いていけるのであろうか。


夢かもしんない (1)

星里もちる(Mochiru Hishisato)

 ハッピーにしてあげる

 同棲(いきばた主夫ランブル,)、半同棲(ハーフなぶんだけ)、 結婚(結婚しようよ)ときて、星里もちる氏が描く次なるシチュエーションは、 冷め始めた家庭と不倫の予感を持つサラリーマン。そこに現れるは謎の美少女幽霊。

 仕事に一所懸命な働き盛りな男に、幽霊は言う。 「とりあえず、不幸なんじゃない?」 仕事サクセスを題材にした ほとんどのサラリーマンマンガに一石を投じる作品になるか?


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(c) Mitsutaka Nakamura / minaka@st.rim.or.jp
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