95年12月発売コミックスのレビュー


なんぎな奥さん(4)

入江紀子(Noriko Irie)

平和な夫婦生活にあらたな刺激を求める人妻・綾奈さん。恋だ!ときめきだ!  TVドラマの世界に憧れているだけかもしれないけど、やっぱやってみたいよね。 自分の気持ちに素直でいられるって難しいけど、できたらきっと楽しいと思う。うん。 作者もきっとそう思っているに違いない。うん。


キャットルーキー(5)

丹羽啓介(Keisuke Niwa)

雄根小太郎、テンション最低。理由はしょうもないこと。
雄根小太郎、テンション最高。理由は…。

雄根小太郎は完全に脇にまわっちゃったキャットルーキーだけど、 やっぱりこいつが暴れないとおもろくない。野茂がいなくなった某チーム みたいなもんだ。これだけのキャラを活かさないなんてどうかしてるぞやっぱ。 その某チームは監督が変わった今年もあんまり面白くなりそうにないから、 せめてマンガの中だけでも。ねっ。


みのり伝説(3)

尾瀬あきら(Akira Oza)

今回ちょっと気になった話は、第6話「店においでよ」のいわゆる『グルメ記事』。 TVでの一時期のラーメン番組がひどかったけど、ここで描かれているように、 マスコミに派手にとりあげられて味やサービスを落す店があるのが事実だ。 ミーハーなグルメ記事を読んで店に行くミーハーな読者が多いのが悪いのか、 ロクな考えもなく記事を書く方が悪いのか。今の時代、『怨ミシュラン』の方が マトモに見えるからねぇ。


恋ヶ窪スケッチブック(1)(2)

みずはらけんじ(Kenji Mizuhara)

思わず表紙と帯を見て買った作品。昨年度、中一コースに連載されていたという ことだ。内容はもちろん、中学一年生の主人公達のどきどきわくわくの一年間である。 私も十ウン年前に中一コースを購読していたが、こんないい作品が読める 今の中学生は幸せだと思う。

雰囲気は少女マンガ風。最初の印象は『水色時代』の線を狙っているように 感じたが、一年間の構成と伏線の使い方はうまい。私は最後まで三角関係の決着が 予想できなかった。演劇(部)に関しての描写は中学では無理がある部分もあって、 ちょっと中途半端な感じなのが残念だけど、まぁこれはしょうがないところかな。 絵と雰囲気の創りはうまいので、この路線で頑張ってもらいたいところだが、 作者は基本的にHマンガ家ということになるらしい。世の中難しいものである。

とにもかくにも今月のイチオシ…なんだけど、 流石に置いてない書店も多いみたいで残念。ぜひ探し読んで欲しい。


林家志弦作品集 DRUG STORE

林家志弦(Shizuru Hayashiya)

美少女ゲームの作画などで有名な林家志弦の作品集。 個人的には林家志弦さんは4コマがいいのだが、残念ながらこの作品集は ゲームや雑誌のカラーイラスト作品が中心で、マンガは4作しか収録されて いない。もちろん、イラストも非常にいいし、インタビューもあるので、 買って損はしないが(でもちょっと値段は高い)。「ゲーム評論」に 連載中の4コマが単行本になるのはいつになるのだろうか…。


出典を明らかにする限り、このページの一部または全部の fj.* 等の 公開 Newsgroup への転載または引用は自由です。


御意見御感想をお待ちしております。

[MANGA Page] [Homepage]


Mitsutaka Nakamura / minaka@st.rim.or.jp