95年8月発売コミックスのレビュー
シャカリキ! (17)
曽田正人(Masahito Soda)
- 少年チャンピオンコミックス/秋田書店
- ISBN4-253-04526-X
2度目の山岳賞も手中にし、勝負は決したかに見えたツール・ド・おきなわ。
だが、唯一人テルを猛追する男がいた。ロケット・ユタ! 宿命の対決の行方は…
熱い! いやそれを通り越して凄まじいテルとユタの闘い。男の意地が激しく
ぶつかり合う。だが今回ばかりは何か恐いものを感じた。この作品は、
読者をギャラリー(観戦者)としてぐいぐい引き込んでくれる。
それも、単なるギャラリーではなく、声をあげて、選手の挙動をまるで自分のもので
あるかのように応援するギャラリーとして。だからこそ、「もうやめてくれ!」、
読んでいてそう叫びたくなった。だが、二人の闘いは止まらない。次巻結末。
3×3EYES (20)
高田裕三(Yuzo Takada)
- ヤンマガKCスペシャル/講談社
- ISBN4-06-323552-1
八雲達と別れ、先に東京に帰って来た化蛇・葉子とハーン。
そこに再びベナレスの手下が現れる。
うーん、話全体が見えなくなってしまった(19巻から5カ月ぶりだからか)。
しかも、主役二人がほとんど登場せずに話が進んでいく(^^;)。
今度の東京で話に決着つけてくれるんでしょうか? 心配。
SPRIGGAN (9)
原作/たかしげ宙(Hiroshi Takashige),作画/皆川亮二(Ryouji Minagawa)
- 少年サンデーコミックススペシャル/小学館
- ISBN4-09-122599-3
そもそも「アーカム財団」とは何なのか? 一多国籍企業の慈善事業なのか?
連載開始当初からの最大の謎である。そして、ついにアーカムがおかしくなった。
こうなることは、当初の設定からのことと思う。この作品の奥の深さを感じさせる。
これから、御神苗優は、アーカムコングロマリット新会長ヘンリー・ガーナムと
戦うことになるだろう。それは、正義はどちらにも存在しない戦いかもしれない。
御神苗優は自分が正しいと思った通りにするしかない。
結末は悲しいものになるのだろうか…。
沈黙の艦隊 (27)
かわぐちかいじ(Kaiji Kawaguchi)
- モーニングKC/講談社
- ISBN4-06-38422-0
空母J・F・Kに体当りを挑むやまと。排水量8万トンのスーパーキャリアに
たった8千トンの原潜がぶち当たるばかばかしい戦争。
戦争報道に於は、死者の数の発表よりも、油まみれの水鳥の方が悲惨さを
印象づけることがある。そして、海江田はこの愚行を全世界に問う。
しかし、押し潰されて、再び浮上できるという自身はどこからくるのか?
大国アメリカの象徴・大型空母に押し潰され、再び浮上する姿は
かつての日本を意味している?
銀河英雄伝説 (7)
原作/田中芳樹(Yoshiki Tanaka),作画/道原かつみ(Katsumi Mitihara)
- ANIMAGE Chara COMICS/徳間書店
- ISBN4-19-960004-3
生まれも育ちも、性格も趣味も全く違う「双壁」ロイエンタールとミッターマイヤー。
二人の駆ける銀河の先には…。
今回、ふぬけた貴族達が、勝てるはずもない戦いをラインハルトに挑むわけであるが、
このふぬけた貴族達のキャラがあまりにも情けない。「若憎」達があまりにも
美しくさえあるので、笑える程おそまつなキャラに仕上がってる。もう少しなんとか
して欲しいところだ。唯一の救いはオフレッサー上級大将。やはりこういうキャラが
いないとね。
いいひと。 (9)
高橋しん(Shin Takahashi)
- ビッグコミックス/小学館
- ISBN4-09-183299-7
「オレ、出世しようと思うんです!」
ついにきました「箱根駅伝」ネタ。何しろ、作者は山梨学院大時代、
第一走者として箱根駅伝に出場しており、箱根駅伝に対する思い入れは
並々ならぬものがある。今回登場する富士野大学の理論派チーフマネージャー
であるが、彼の言っているようなことは、山梨学院大が早くから採り入れ、
効果をあげている事実がある。これを選手時代、そして現在、作者はどう感じて
いた(る)のだろうか。興味深いところである。
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