95年8月発売コミックスのレビュー


シャカリキ! (17)

曽田正人(Masahito Soda)

2度目の山岳賞も手中にし、勝負は決したかに見えたツール・ド・おきなわ。 だが、唯一人テルを猛追する男がいた。ロケット・ユタ! 宿命の対決の行方は…

熱い! いやそれを通り越して凄まじいテルとユタの闘い。男の意地が激しく ぶつかり合う。だが今回ばかりは何か恐いものを感じた。この作品は、 読者をギャラリー(観戦者)としてぐいぐい引き込んでくれる。 それも、単なるギャラリーではなく、声をあげて、選手の挙動をまるで自分のもので あるかのように応援するギャラリーとして。だからこそ、「もうやめてくれ!」、 読んでいてそう叫びたくなった。だが、二人の闘いは止まらない。次巻結末。


3×3EYES (20)

高田裕三(Yuzo Takada)

八雲達と別れ、先に東京に帰って来た化蛇・葉子とハーン。 そこに再びベナレスの手下が現れる。

うーん、話全体が見えなくなってしまった(19巻から5カ月ぶりだからか)。 しかも、主役二人がほとんど登場せずに話が進んでいく(^^;)。 今度の東京で話に決着つけてくれるんでしょうか? 心配。


SPRIGGAN (9)

原作/たかしげ宙(Hiroshi Takashige),作画/皆川亮二(Ryouji Minagawa)

そもそも「アーカム財団」とは何なのか? 一多国籍企業の慈善事業なのか?  連載開始当初からの最大の謎である。そして、ついにアーカムがおかしくなった。 こうなることは、当初の設定からのことと思う。この作品の奥の深さを感じさせる。 これから、御神苗優は、アーカムコングロマリット新会長ヘンリー・ガーナムと 戦うことになるだろう。それは、正義はどちらにも存在しない戦いかもしれない。 御神苗優は自分が正しいと思った通りにするしかない。 結末は悲しいものになるのだろうか…。

沈黙の艦隊 (27)

かわぐちかいじ(Kaiji Kawaguchi)

空母J・F・Kに体当りを挑むやまと。排水量8万トンのスーパーキャリアに たった8千トンの原潜がぶち当たるばかばかしい戦争。 戦争報道に於は、死者の数の発表よりも、油まみれの水鳥の方が悲惨さを 印象づけることがある。そして、海江田はこの愚行を全世界に問う。 しかし、押し潰されて、再び浮上できるという自身はどこからくるのか?

大国アメリカの象徴・大型空母に押し潰され、再び浮上する姿は かつての日本を意味している?


銀河英雄伝説 (7)

原作/田中芳樹(Yoshiki Tanaka),作画/道原かつみ(Katsumi Mitihara)

生まれも育ちも、性格も趣味も全く違う「双壁」ロイエンタールとミッターマイヤー。 二人の駆ける銀河の先には…。

今回、ふぬけた貴族達が、勝てるはずもない戦いをラインハルトに挑むわけであるが、 このふぬけた貴族達のキャラがあまりにも情けない。「若憎」達があまりにも 美しくさえあるので、笑える程おそまつなキャラに仕上がってる。もう少しなんとか して欲しいところだ。唯一の救いはオフレッサー上級大将。やはりこういうキャラが いないとね。


いいひと。 (9)

高橋しん(Shin Takahashi)

「オレ、出世しようと思うんです!」

ついにきました「箱根駅伝」ネタ。何しろ、作者は山梨学院大時代、 第一走者として箱根駅伝に出場しており、箱根駅伝に対する思い入れは 並々ならぬものがある。今回登場する富士野大学の理論派チーフマネージャー であるが、彼の言っているようなことは、山梨学院大が早くから採り入れ、 効果をあげている事実がある。これを選手時代、そして現在、作者はどう感じて いた(る)のだろうか。興味深いところである。


出典を明らかにする限り、このページの一部または全部の fj.* 等の 公開 Newsgroup への転載または引用は自由です。


御意見御感想をお待ちしております。

Return to Comics review index./ 戻る
Return to homepage / ホームページに戻る


Mitsutaka Nakamura / minaka@st.rim.or.jp