●WINDS CAFE●


● WINDS CAFE 184 in 西荻窪

【radical anachronicity】

クリストフ・シャルル(電子音)
武本拓也(身体行為)、Σ!CH!KO(視覚的な要素)、宮本一行(トロンボーン)

2012年4月15日(日) 午後2時半開場

TORIA Gallery トリアギャラリー 東京都杉並区西荻北5-8-5

入場無料(投げ銭方式) 差し入れ大歓迎!(特にお酒や食べ物)

※出入り自由ですが、できるだけ開演時刻に遅れないようご来場ください。

14:30 開場
15:00 開演
17:00 パーティー+オークション



▼ 川村からひとこと

 クリストフ(同い年なのでタメ口の呼び捨てで行くよ ん)と初めて会ったのは、1995年1月、水戸芸術館に於けるフルクサスの塩見允枝子氏の企画「時の迷宮のJOHNCAGE」のパフォーマーどうしとして でした。まあ、背は高いわ靴はでかいわ日本語はうまいわ、圧倒されつつもいいやつだなあと酒を飲みながら思ったものでした。

 2年後、1997年1月、栄えある(?)WINDS CAFE 01 の企画出演者として登壇をお願いしましたが、空間の真ん中にテーブルを置いてもくもくと電子音楽を奏でる姿に求道者を見た思いがしました。

 早いものでそれから15年。今や大学教授になったクリストフが弟子を率いて WINDS CAFE に帰ってきます。なお、先年物故した父のダニエル・シャルル氏はケージ研究家としても名高く、ケージとの対談「小鳥たちのために」は青土社から版を重ね現 在も発売中です。当然クリストフも生前のケージに会っているはず。私のように一度だけ握手してもらったようなレベルじゃなくてね(笑)。

 さて、どんな時空間を現出させるのか、お手並み拝見ですぜ。よろしく!


▼クリストフ・シャルルからの手紙  

 タイトルの「radical anachronicity」については、下記には短い説明を添付していますが、「同時性」(simultaneity)というアイディアと関連しています。そこで、様々な時間が相互に浸透している状態を想定しています。

 今回の公演では、二つの作品を提示したいと思っています。

 一作目は「Sculpture Musicale」。晩年、ジョン・ケージがドローン(持続音)を好み、マルセル・デュシャンの「Sculpture Musicale」をしばしば参照していました。1913年頃、デュシャンは音楽が時間芸術ではなく空間芸術だと考え、「Sculpture Musicale = 音楽的彫刻」という作品を提案しています[ http://www.toutfait.com/issues/issue_2/Articles/p_7.html ]:「様々な音が様々な箇所から流れ、音響的彫刻を形成し、残存する」という内容です。

 二作目は、4人で作り上げます。曲というよりも「Live Environment」です。身体行為(武本拓也)、視覚的な要素:写真、ビデオや光(Σ!CH!KO)、トロンボーンの生音(宮本一行)や電子音(ク リストフ・シャルル)が交差し、浸透し合う環境を提示します。

▼クリストフ・シャルル:「音楽と同時性について」、デザイン史学研究会誌7号、Design History Issue #7, pp. 207-217より引用

「サティの弁護」(「Defense of Satie」)という講義においては、ジョン・ケージは時間の本質である同時性を弁護し、ハイデガーの「equitemporality」 (Gleichzeitigkeit または Gleichursprunglichkeit)との関連性を位置づける。
ケージが次のように述べる:「音楽作品の機能、実際には音楽の最終的な意味は(略)本来は逆説の要素を共存させることである」(JCDS, 84) 。
同時性(equitemporality)はどのような意味をしているのか。
「現在」が時間の包括的な、第一の次元になるというような解釈は、形而上学の階層的な考え方である。
そのような見方によれば、存在(つまり現在という次元)は不在(過去と未来という次元)に優勢している。
しかし同時性とは、存在と不在の間の相補性を意味しており、「優勢」という意味は含まれていない。
音楽的な構造の場合、作品は固定されたものではなくなる。
その構造自体は過程を記憶し、その生成過程が含まれている「予測」には、プロセス自体の性質を展示している。
モートン・フェルドマンの音楽の「スタシス」(停滞)は、劇的なコントラストのない、「修辞法から解放されている」「平らな表面」を連想させている。
「その時間の中の実際の展開以前は、音の構築は存在していない」 (TD, 66-67)。

現在は絶対的な相対性の時代である、という意味をしている:未知の過去の音楽や、他の文化の伝統の音楽の発見によって新しい音楽が生まれるので、フォームとスタイルは一時的な価値しか持っていないと断言できる。
ケージはそこで年代記という概念を破壊し、多くの共存している態度の相乗効果のおかげで起きている「ラジカルな時代錯誤性」(「radical anachronicity」)を提案している。
「音楽の未来」とは、「過去を改善しており」、「逆に過去に陥れている」というものではなく、未来とは「故意に構築されたり、または偶然に一緒になったりする、過去のどのものからでも成り立っている」 (PF, 274)。
ケージは組合や選択を用い、「特別な何かへ向かって行く」わけでもない作品を制作している。
彼は「歴史の無数のモードと方法に、メガDIYを実践し、自分の想像力を行使し、その自由を私たちを教えるためには自分自身のスタイルを、自分の芸術と自分の人生」 (PF, 274) 。
これは「空」への誘いでもある。

JCDS: John Cage, "Defense of Satie", in "John Cage" edited by Richard Kostelanetz, Praeger, 1970, pp.77-84.
PF: Peter Frank, "Post-Modernism: The First Person Plural", Edited by G.J. Lischka, "Alles und noch viel mehr - das poetische ABC", Bern, Benteli, 1985, pp. 273-274.
TD: Thomas DeLio, "The Music of Morton Feldman", Excelsior, 1996.

▼プロフィール

Christophe Charles(クリストフ・シャルル):1964年フランス生まれ。1996年、筑波大学大学院芸術学研究科博士課程修了。1997年、フランス国立東洋文化東洋言語研究所大学院博士課程修了。2000年より武蔵野美術大学映像学科准教授。2011年より教授。環境芸術学会理事。
メディアアートを専門に、現代芸術における理論的・歴史的な研究を行いながら、内外空間を問わずインスタレーション及びコンサートを行い、それぞれの要素のバランス、独立性及び相互浸透を追求している。
主な作品として、CD作品:「undirected」シリーズ(Mille Plateaux, Subrosa, CCI, ICC, Code, Cirque, Cross, X-tractレーベルなどでリリース)やパブリックアート作品:大阪市住まい情報センターモニュメント(山口勝弘監修)音響担当、東京成田国際空港第一 ターミナル中央アトリウム常設サウンドインスタレーション。
また、山口勝弘、山本圭吾、風倉匠、Henning Christiansen、逢坂卓郎、向井千恵、古館徹夫、武井よしみち、oval、半野善弘、Numb、石川ふくろう、JOU、久保田晃弘、渋谷慶一郎等とのコラボレーションを多数行っている。
http://home.att.ne.jp/grape/charles/

Σ!CH!KO(加藤道子、かとう・みちこ):武蔵野美術大学映像学科在学中。2005年から写真を始め、新しい写真表現の可能性を産み出すというテーマの元に作品を制作。
2011:コダックフォトコンテスト、マイベスト部門 / 銀賞。神戸ビエンナーレ2011フォトコンテスト一般部門 / プロポーザル入選。PX3, International Photo Competition Category of Nude / Finalist。
『人間プレパラート』、「お寺でやってみ展」妙見宮東光院。ART STUDENT EXHIBITION IN NY 2011 イセ・カルチュラルファンデーション。第32回コダックフォトコンテスト入賞作品展『Heavy Baby』コダックフォトギャラリー銀座。神戸ビエンナーレ2011『静』神戸ハーバーランド・ファミリオ会場。
2010:武蔵野美術大学芸術文化祭『B■X』武蔵野美術大学8号館。meat-met-met展『初夜』中野桃園画廊。
2009:同志社女子大学SEITOフォトコンテスト、最優秀賞(同志社女子大学京田辺キャンパス友和館ヒバードホール)。JAMCA PRIZE 2009 フォトコンテスト審査員特別賞(入賞作品展『光の射す方へ』表参道246交差点前路上)。
2008:日韓交流組み写真フォトコンテスト最優秀賞。NIKONフォトコンテスト優秀賞+佳作。第30回よみうり写真大賞、高校生部門自由の部 / 佳作。
2007:全国高校生芸術文化祭写真部門奨励賞+佳作。第3回アイデム写真コンテスト佳作。
http://michikonbu.tumblr.com/

武本拓也(たけもと・たくや):1990年群馬県生。武蔵野美術大 学映像学科4年在学。同大学ではクリストフ・シャルルの下でメディアアートを学ぶ。大学からダンスと演劇での活動を開始。現在では演劇を主な活動の場とし ている。身体・建築・音楽・美術など演劇を構成する諸要素をひっくるめた視点から演劇体験を設計する「演劇家」としての立ち位置を模索する。
主な演出作品に「パンク!そして荒野を駆け抜けろ」(2011.10)。同作品は映像学科進級制作展にて上演され、高い評価を受けた。また、学内外で役 者・パフォーマーとしても活動する。最近の主な出演作品に悪魔のしるし「SAKURmA NO SONOhirushi」など。
大学生活で独自に続けた演劇活動の集大成として2012年春、自身が主宰となってパフォーマンスユニット「中立地帯」を結成。2012年夏、日暮里d-倉庫にて第一回公演を予定。
http://takuyatakemoto.tumblr.com/

宮本一行(みやもと・かずゆき):メディアアーティスト、パフォーマー。2010年武蔵野大学卒業。2012年武蔵野美術大学大学院修了。
2008年より『EP3』に参加 http://ep3.cc/ 、MaxMSPを用いたインタラクティブなサウンドを担当。東京デザイナーズウィーク(08年10年)、神戸ビエンナーレ(09年)、DesCours (09年ニューオーリンズ)、東京ビックサイト(10年)、パナソニックセンター東京(11年)、Sounds of Weather(12年メルボルン)などで展示。
アジアパシフィックで最も歴史ある総合的なデザイン賞『アジアデザインアワード』では、39カ国2071作品の応募の中から空間部門で銅賞(09年)、その他デザイン賞入賞多数。
また、千葉県吹奏楽個人コンクール金賞、全国吹奏楽コンクール銀賞。2010年よりラップトップとバストロンボーンを組み合わせた即興的パフォーマンスを 始める。2011年には『アートアクセス足立』、『Sounds of Weather』に参加。国内外の公演では好評を得る。
在学中はサウンドスケープデザインを庄野泰子氏に師事、現在はその概念を元として様々な分野で活動を行っている。
http://mkazuyuki.tumblr.com/

それでは2012年4月15日(日)に西荻窪でお目にかかりましょう。



[地図]

トリアギャラリー
 Toria Gallery
MAP
JR西荻窪駅下車徒歩8分。
北口正面のジェイコムショップを左に見ながらまっすぐ進み、善福寺川を渡ったら、150歩ほど。黄色い看板が目印です。

◆予告編◆

2012年05月27日(日)
WINDS CAFE 185 in 西荻窪
【ギターとスピネットによる】
 西村正秀(ギター)、小澤章代(スピネット)
 http://www3.hp-ez.com/hp/verano/
 http://www.radiodays.jp/artist/show/23

2012年06月24日(日)
WINDS CAFE 186 in 西荻窪
【ジョンケージの可能性】
 宮澤さやか(ヴァイオリン)
 http://www3.hp-ez.com/hp/verano/page1

2012年07月29日(日)
WINDS CAFE 187 in 西荻窪
【きのこの部屋 - ジョン・ケージのために Mushroom room - A Tribute to John Cage】
 `島伸彦(企画)、青木隼人+スッパマイクロパンチョップ+α
 http://www.ando-tokyo.jp/artists/Biography/haijima.htm
 http://grainfield.net/aoki/
 http://suppasuppa.web.fc2.com/

2012年08月25日(土) ←26日(日)から日程変更
WINDS CAFE 188 in 西荻窪
【もし,ケージがコンピュータを手にしたら?】
 平野砂峰旅(エレクトロニクス)
 http://www.nn.iij4u.or.jp/~shirano/

2012年09月23日(日)
WINDS CAFE 189 in 西荻窪
【それぞれの4分33秒】
 西耕一(企画)
 http://ja.yourpedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E8%80%95%E4%B8%80

2012年10月28日(日)
WINDS CAFE 190 in 西荻窪
【Solo for Voice 100】
 松平敬(声)
 http://matsudaira-takashi.jp/

2012年11月18日(日)
WINDS CAFE 191 in 西荻窪
【ケージと打楽器】
 立岩潤三(パーカッション)
 http://members.jcom.home.ne.jp/tanc/

2012年12月16日(日)
WINDS CAFE 192 in 西荻窪
【宇宙の音楽 II】
 松本智勇(レクチャー)
 http://homepage.mac.com/pirvs/

過去の企画

 


2012
2011
2010
200920082007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
12

WINDS CAFE 180 WINDS CAFE 168 WINDS CAFE 156 WINDS CAFE 144WINDS CAFE 132 WINDS CAFE 120 WINDS CAFE 108 WINDS CAFE 96 WINDS CAFE 84 WINDS CAFE 72 WINDS CAFE 60 WINDS CAFE 48 WINDS CAFE 36 WINDS CAFE 24 WINDS CAFE 12 音楽オフ12
11

WINDS CAFE 179 WINDS CAFE 167 WINDS CAFE 155 WINDS CAFE 143WINDS CAFE 131 WINDS CAFE 119 WINDS CAFE 107 WINDS CAFE 95 WINDS CAFE 83 WINDS CAFE 71 WINDS CAFE 59 WINDS CAFE 47 WINDS CAFE 35 WINDS CAFE 23 WINDS CAFE 11 音楽オフ11
10

WINDS CAFE 178 WINDS CAFE 166 WINDS CAFE 154WINDS CAFE 142WINDS CAFE 130 WINDS CAFE 118 WINDS CAFE 106 WINDS CAFE 94 WINDS CAFE 82 WINDS CAFE 70 WINDS CAFE 58 WINDS CAFE 46 WINDS CAFE 34 WINDS CAFE 22 WINDS CAFE 10 音楽オフ10
 9

WINDS CAFE 177 WINDS CAFE 165 WINDS CAFE 153WINDS CAFE 141WINDS CAFE 129 WINDS CAFE 117 WINDS CAFE 105 WINDS CAFE 93 WINDS CAFE 81 WINDS CAFE 69 WINDS CAFE 57 WINDS CAFE 45 WINDS CAFE 33 WINDS CAFE 21 WINDS CAFE 09 音楽オフ09
 8

WINDS CAFE 176 WINDS CAFE 164 WINDS CAFE 152WINDS CAFE 140WINDS CAFE 128 WINDS CAFE 116 WINDS CAFE 104 WINDS CAFE 92 WINDS CAFE 80 WINDS CAFE 68 WINDS CAFE 56 WINDS CAFE 44 WINDS CAFE 32 WINDS CAFE 20 WINDS CAFE 08 音楽オフ08
 7

WINDS CAFE 175 WINDS CAFE 163 WINDS CAFE 151WINDS CAFE 139WINDS CAFE 127 WINDS CAFE 115 WINDS CAFE 103 WINDS CAFE 91 WINDS CAFE 79 WINDS CAFE 67 WINDS CAFE 55 WINDS CAFE 43 WINDS CAFE 31 WINDS CAFE 19 WINDS CAFE 07 音楽オフ07
 6

WINDS CAFE 174
WINDS CAFE 162 WINDS CAFE 150WINDS CAFE 138WINDS CAFE 126 WINDS CAFE 114 WINDS CAFE 102 WINDS CAFE 90 WINDS CAFE 78 WINDS CAFE 66 WINDS CAFE 54 WINDS CAFE 42 WINDS CAFE 30 WINDS CAFE 18 WINDS CAFE 06 音楽オフ06
 5

WINDS CAFE 173 WINDS CAFE 161 WINDS CAFE 149WINDS CAFE 137WINDS CAFE 125 WINDS CAFE 113 WINDS CAFE 101 WINDS CAFE 89 WINDS CAFE 77 WINDS CAFE 65 WINDS CAFE 53 WINDS CAFE 41 WINDS CAFE 29 WINDS CAFE 17 WINDS CAFE 05 音楽オフ05
 4

WINDS CAFE 172 WINDS CAFE 160 WINDS CAFE 148WINDS CAFE 136WINDS CAFE 124 WINDS CAFE 112 WINDS CAFE 100 WINDS CAFE 88 WINDS CAFE 76 WINDS CAFE 64 WINDS CAFE 52 WINDS CAFE 40 WINDS CAFE 28 WINDS CAFE 16 WINDS CAFE 04 音楽オフ04
 3
WINDS CAFE 183 WINDS CAFE 171 WINDS CAFE 159 WINDS CAFE 147WINDS CAFE 135WINDS CAFE 123 WINDS CAFE 111 WINDS CAFE 99 WINDS CAFE 87 WINDS CAFE 75 WINDS CAFE 63 WINDS CAFE 51 WINDS CAFE 39 WINDS CAFE 27 WINDS CAFE 15 WINDS CAFE 03 音楽オフ03
 2
WINDS CAFE 182 WINDS CAFE 170 WINDS CAFE 158 WINDS CAFE 146WINDS CAFE 134WINDS CAFE 122 WINDS CAFE 110 WINDS CAFE 98 WINDS CAFE 86 WINDS CAFE 74 WINDS CAFE 62 WINDS CAFE 50 WINDS CAFE 38 WINDS CAFE 26 WINDS CAFE 14 WINDS CAFE 02 音楽オフ02
 1
WINDS CAFE 181 WINDS CAFE 169 WINDS CAFE 157 WINDS CAFE 145WINDS CAFE 133WINDS CAFE 121 WINDS CAFE 109 WINDS CAFE 97 WINDS CAFE 85 WINDS CAFE 73 WINDS CAFE 61