------------- NewsWatcher-J ------------- インターネットの電子電子掲示板といえるネットニュース( NetNews )には 様々な分野のニュースグループがあって,活発な議論や情報交換,そして気楽 なおしゃべりが交わされています.もちろん日本語のニュースグループもあり ます.ただし,それぞれの運用ポリシーやニュースグループごとの憲章を尊重 しなければいけません.一方,各プロバイダでは,ローカルニュースグループ を用意して,事務連絡や技術支援に利用したり,会員同士の交流の場としてい ます. NewsWatcher はネットニュースを読み書きするためのソフトウェアです.電子 メールと同様にネットニュースも漢字コードには JIS を用いる必要があります が,日本語版の NewsWatcher-J は漢字コードの変換機能を内蔵しています. 設定方法 -------- NewsWatcher-J は,初めて起動したときだけ,会話形式で必要最小限の設定が できるようになっています.1度目の設定に失敗してたとしても,後からでも 初期設定は変更できるので気軽に設定してみてください. インストール: 圧縮された NewsWatcher-J のファイルを解凍すると,フォルダの中に幾つかの ファイルが入っています.2つの README ファイルは必ず読んでください. NewsWatcher-J 本体については,お使いのマックに合わせたアプリケーション を選んでください.使わない方のアイコンは捨ててしまってかまいません. NewsWatcher-J12 従来のマック用( CPU に 680X0 を使用) NewsWatcher-J12.Fat 従来のマックおよびパワーマック共用 バルーンヘルプ(オンラインマニュアル)が必要と思う方は,NWJ12 HelpBaloon をシステムフォルダの「初期設定」フォルダに入れてください. 割り当てメモリを増やす: ニュースサーバ側では大量のニュースグループを用意しているので, NewsWatcher-J に割り当てるメモリサイズを増やしておきましょう. NewsWatcher-J を起動していない状態で, Finder において NewsWatcher-J の アプリケーション本体のアイコンを選択し,「ファイル」メニューから「情報 を見る」を選択すると,NewsWatcher-J の情報ウィンドウが開くので,一番下 の「メモリ必要条件」の「使用サイズ」を 1000 K から 2000 Kbytes 程度に増 やします. 初めての起動: NewsWatcher-J のアイコンをダブルクリックして起動します.初めて起動した ときは,以下の設定ウィンドウが表示されるので,順番に設定してゆきます. ウィンドウ1 利用方法については,ここでは個人でインターネットプロバイダに接続する ことを想定しているので [個人用] を選択します. ウィンドウ2 ニュースサーバ( NNTP サーバ)とメールサーバを指定します. IP アドレス による指定も可能ですが,ホスト名による指定にすべきです.メールサーバは, 電子メールを送信する場合のみに使うもので POP サーバではなく, SMTP サー バを指定します. ウィンドウ3 個人情報を入力します.電子メールアドレスは当然として,氏名や所属組織名 も半角アルファベットで記述しましょう.この部分は,ニュースの本文の前に 必ずつけられる「ヘッダー部」に自動的に載せられるのですが,日本語のヘッ ダーを扱えないニュースリーダが,まだ多く使われているためです.もちろん 海外では,日本語環境そのものが無い場合がほとんどです. 所属組織は,プロバイダーの名前を書くのが一般的ですが,中には,自分の会 社名や団体名を入れる人もいます.インターネットの精神としては,あくまで 個人としての責任で参加するわけですから,ここはそれほど重要ではありません. 全グループリストの取得: 上記の設定を終えると,( PPP 接続していない場合は, PPP 接続が自動的に 行われ)ニュースサーバと接続し,まずサーバ側にある全てのニュースグルー プの一覧表を受信してきます.これには数分間を要しますので,注意してくだ さい.ただし,なんらかの原因でハングアップする可能性もありますので,モ デムの受信ランプや, MacTCP Watcher ( MacTCP の監視用フリーウェア)の 状況表示をチェックしていた方がいいでしょう. 受信が正常に終わると,全グループリストのウィンドウが開きます.これには ニュースサーバ側で用意している全てのニュースグループが含まれています. 一方で,実際には配送されていないニュースグループも紛れこんでいるかもし れません.使われなくなってしまったのに削除されていないニュースグループ が残っていたり,クロスポスト,すなわち複数のニュースグループにまたがっ て投稿された記事が,配送されていないニュースグループにも届くと,便宜上, そのグループができてしまうことがあるためです. 個人用グループウィンドウの作成: 次に,いつも購読するニュースグループを集めた,自分専用のグループリスト を作ります. まずは,全グループリストを眺めてみましょう.非常に多くのニュースグルー プがありますね.それぞれのニュースグループ名をダブルクリックすれば,そ こに流れる記事を見ることができますが,必要なニュースグループの目星がつ いていれば,検索機能(ショートカットは command-F )を使って探すことがで きます. 「ファイル」メニューより「新規グループウィンドウ」を選択し,ウィンドウ を新規に開きます.そして全グループリストのウィンドウより,購読したい ニュースグループをマウスで選択し(複数可能),そのままドラッグして自分 のグループリストに加えてゆきます.ウィンドウ内のグループの順番は,ドラッグ によって,いくらでも並び替えることができます. ちなみに全グループリストから,ニュースグループを複数選択するときは,マッ クでの統一されたユーザインターフェースの1つを使うことができます. 連続選択: まず,始めの項目をマウスで選択し,次に最後の項目を [shift] キー を押しながらマウスで選択する(通称,シフト−クリック). 連続しない複数選択および選択解除: コマンドキー(アップルマークのキー)を押しながら,連続していな い項目をマウスで選択(通称,コマンド−クリック)してゆくと,既 に選択した項目も選択のまま残るので,複数項目の選択ができます. 逆に既に選択されている項目をコマンド−クリックすると,選択を解 除できます. このリストをファイルとして保存しておくことにより,次回からは,そのアイ コンをダブル・クリックして NewsWacher-J を起動することにより,自分のグ ループリストを開くことができます.ちなみにニュースグループの追加,削除 は後からでもできます. ニュースを読む -------------- ニュースグループを選ぶ: 最初に作成した,自分用のニュースグループリストを保存したファイルのアイ コンをダブルクリックして NewsWatcher-J を起動します.ニュースグループリ ストには,ニュースグループの一覧が表示されます.左側の数字は,各ニュー スグループに投稿(ポスト)された記事の数です.ただし実際の記事の数より 多く表示されることがあります.ニュースサーバでは,一定期間が経過した記 事を消去しますが,この情報が反映されていない場合があるためです. 新しく作成されたニュースグループがある場合は,「新設グループ」といして ウィンドウ表示されるので,自分のグループリストに入れたいものがあれば, 入れてください.不要ならウィンドウを閉じてかまいません. 記事を選ぶ: マウス(あるいは矢印キー)で,ニュースグループを選択してから,ダブルク リック(あるいはリターンキー)で,記事一覧のウィンドウを開きます.1行 ごとに記事のスレッド情報,投稿者名,題名( Subject )が表示されます.記 事は,「スレッド」といって同じ話題ごとにまとまって表示されますが, NewsWatcher のスレッド管理機能は,題名が同じかどうか判定しているだけな ので,同じ話題なのに,別のスレッドになってしまう場合があります. スレッドがまとめられていると,左側に下向きの三角記号と,スレッド数が表 示されます.この三角記号をクリックすると,まとめられたスレッドが1行づ つ展開して表示され,三角記号は右向きになります. 題名に, Re: の後に同じ題名がついている記事は,1つの話題に対する「フォ ロー」すなわち,他の人からの反応の記事を示します. 記事を読む: 記事は,マウス(あるいは矢印キー)で選択して,ダブルクリック(あるいは リターンキー)で開いて読むことができます.その他の操作は,主なコマンド の欄を参考にしてください.読んでしまった記事は,「既読」扱いとなり,次 回からは表示されなくなります.また,本文のデータサイズが 32KBytes 以上 の記事は,便宜上,複数のセクションに分割されます. ニュースの記事は,以下に示すのヘッダ情報と,本文で構成されます. ウィンドウ名: 題名を表示 From: 投稿者の名前と,メールアドレス Organization: 組織名 Date: 投稿日 Newsgroups: ニュースグループ名(複数の場合あり) 同じ記事を複数のニュースグループにまたがって投稿することを「クロスポス ト」と呼びます.詳しくは投稿の欄を読んでください. 主なコマンド: 「ニュース」メニューの主なコマンドを以下に示します.すべてにキーボード ショートカットが割り当てられているので,慣れてきたら活用しましょう.例 えば command-I とは,コマンドキー(アップルマークのキー)を押しながら, I を押すことを示します. command-I 次の記事 次の記事を読む. command-T 次のスレッド 今のスレッドは全て既読にして,次へ. command-J 次のグループ 今のグループの記事を全て既読にして,次へ. command-M 既読にする 選択したスレッドやグループの全記事を既読にする. command-U 未読にする 選択したスレッドやグループの全記事を未読にする. command-N 記事をポストする command-F 記事にフォローする command-Y 新しい記事をチェック NewsWatcher-J 起動後に,サーバに到着した記事が ないか,チェックします.自分が投稿した記事を確 認するのにも使えますが,投稿してから登録される までは時間がかかるので注意してください. 記事を保存する: ウィンドウに表示中の記事だけでなく,題名だけ選択した状態でも,記事は, 「ファイル」メニューから,「保存」や「新規保存...」を選択することによ り,保存することができます.デフォルトでは,同時に複数選択した記事は1 つのファイルにまとめられます. 既読の記事をもう一度: ニュースグループを選択して,「ニュース」メニューの「未読にする」にする を選択すれば,まだ,サーバ側に記事があれば,読むことができます.この他 に,以下の方法がありますが,詳しくは最後に入手方法を示したマニュアルを 参照してください. ニュースグループをオプション−クリックして,指定記事数だけ遡る. 「スペシャル」メニューの「サーチ」機能を用いて探す. メッセージ ID(記事の ID )をコマンド−クリックして,たどる. ニュースを投稿する ------------------ 自分から記事を投稿するときは,ニュースグループを選択して,「ニュース」 メニューから「記事をポストする」を選びます(ショートカットキーは command-N ).するとウィンドウが開きますので,まずは,以下のヘッダ情報 を必ず入力し,次に本文を入力します. Newsgroups: グループ1,グループ2,グループ3 Subject: 題名(半角アルファベットが望ましい) クロスポストをするときは, Newsgroups: に複数のニュースグループをスペー スを開けずに , 記号(カンマ)で区切って記入します.同じ記事を,別々に複 数のニュースグループに投稿することは,よくないことなので止めてください. 題名( Subject: )は,日本語を扱えないニュースリーダがまだ存在するので, 半角アルファベットで書くのが望ましいです.日本語を書きたければ,以下の ように並記するのがよいでしょう. Subject: how to post? / 投稿の方法は? もちろん題名や本文では,半角カタカナや,機種依存文字を使ってはいけませ ん.一般的な記事の書き方やマナーについてはここでは触れません. 記事を書き終わったら,ウィンドウの右上の [送信] ボタンを押します.する と本当に投稿するかどうか,確認してくるので [OK] を押してください.この 確認ダイアログボックスは,初期設定で出ないようにもできます. 記事にフォローする ------------------ フォローしたい記事のウィンドウを開いた状態で,「ニュース」メニューから 「記事にフォローする」を選びます(ショートカットキーは command-F ).後 は,上記の記事を投稿する場合と同じです.ただし,ヘッダには自動的に以下 のように設定されるので,必要なら修正してください. Newsgroups: 元記事のグループ Subject: Re: 元記事の題名 応用編 ------ バイナリファイルの展開: comp.binaries.mac のように,バイナリファイルをテキスト化して,さらに, いくつかに分割した記事が投稿されているニュースグループがあります.こう いった記事を,元のファイルに戻すには,取り出したい記事(複数なら最初の 記事)をマウスで選択し,「スペシャル」メニューから「バイナリ取り出し」 を選択します. ただし,「初期設定」の「バイナリファイル取り出し」が,正しく設定されて いる必要があります. URL を開く: WWW で用いられるようになった,インターネット上のリソースを統一的に表現した URL が,記事中にあった場合,その URL を,コマンド−クリックすることにより, 必要なら,外部のアプリケーションを起動して開くことが出来ます. ただし,「初期設定」の「URLヘルパープログラム-1,2」が,正しく設定されて いる必要があります. 初期設定について ---------------- 初めての起動時での設定や,その他の初期設定は,ファイルメニューの「初期 設定...」ウィンドウにおいていつでも変更できます.この設定は,システム フォルダの「初期設定」フォルダに NewsWatcher-J Prefs というファイル名で 保存されます.以下に,主な項目の説明をします. 購読時オプション設定 デフォルトのままで構いませんが,次の項目は変更の必要があるかも しれません. 「ヘッダを表示」は,詳細なヘッダ情報を得たいときに選択します. 「受信する最新記事数」は,デフォルトで400になっています. ニュースグループを選択したとき,新しい記事から,ここで指定した 記事数だけの記事を読めます.さらに古い記事を読みたい場合は,新 しい方の記事を,既読にするか,ここの数字を増やす必要があります. サーバ・アドレス 最初の起動時の説明をお読みください. サーバ・オプション サーバ側で対応していれば,全項目をチェック(選択)してください. 使用者の情報 最初の起動時の説明をお読みください. 署名 記事の最後に自動的につけられる署名( signature )を入力します. 署名は,自分が書いた記事であるという印ですので,いろいろ工夫し ている方もいますが,必ずつけなければいけないという規則はありま せん.あまり長い行数の署名はよくないとされているので注意しましょ う.電子メールと共通の署名を用いるとよいでしょう. メッセージ・オプション ここはデフォルトのままで構いません. 「メッセージを折り返す」は,半角74文字程度で,強制的に改行を 挿入する,いわゆるワードラップ機能で, NewsWatcher-Jの最新版な ら,日本語の折り返しもちゃんとやってくれます.ただし自分で手動 で改行する習慣があるなら,使わなくてもよい機能です. 拡張ヘッダ 通常はデフォルトのブランクのままで構いません. リモートホストの情報 ここはデフォルトのままで構いません. これはマックとは別に,自分のアカウントがある UNIX ホストと全 ニュースグループリストを共有する方法ですが,通常は使わないと 思います. フォント/サイズ NewsWatcher-J で表示に使うフォントの指定です.グループ一覧や, サブジェクト一覧で使うフォントと,記事及び投稿するメッセージの フォントを別々に指定できます.両方とも,通常は日本語の等幅フォ ントに設定するとよいでしょう.パソコン通信用に作成されたフリー なフォントである ASLFont+ の 9 ポイントは,非常に見やすいのでお 勧めです. 保存されたグループリスト デフォルトのままで構いません. 保存された記事 デフォルトのままで構いません. 「エンコードされたテキストを保存する」をチェックしておくと,テ キスト化(エンコード)されたバイナリデータも,記事ファイルとし て保存されます.デフォルトでは,バイナリの部分は,記事として保 存されません. 保存されたメッセージ デフォルトのままで構いません. URLヘルパープログラム-1 URLヘルパープログラム-2 記事中の URL にアクセスするためのプログラムを指定します.デフォ ルトのソフトウェアをお持ちなら,そのままでいいでしょう.ちなみ に URL は, WWW でお馴染みのインターネット上のリソースを統一的 に示す方法で,例えば以下のようなものです. http://www.ntt.jp ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/ NewsWatcher では,記事中の URL を,コマンドキー(アップルマーク のキー)を押しながらクリックことによって,開くことができます. 認証 ニュースサーバによっては,ユーザごとの認証が必要になります. しかしほとんどの場合,設定する必要がないと思います. バイナリファイル取り出し 記事に添えられたテキスト化されたバイナリファイル( BinHex 形式 やuuencode 形式)をバイナリに復元するためのアプリケーションを指 定します.StuffIt Expander は DropStuff と組み合わせると,マッ クでよく使われる BinHex 形式だけでなく, UNIX で標準的に使われ る uuencode 形式も復元できます. その他のオプション ここはデフォルトで構いません. 「ポスト時に確認アラートを表示する」のチェックをはずしておくと, 記事を投稿するときにいちいち表示される確認ダイアログボックスが 表示されなくなります. 日本語版・オプション 「漢字コード変換」は,デフォルトの「JIS漢字」(正確には ISO-2022-JP )を必ず設定してください.インターネットでのメール およびネット ニュースのメッセージには,必ず JIS 漢字コードを用 いることになっています. 「MIMEヘッダ変換」は,メールの宛先や,題名といったヘッダ部に, 日本語が含まれた場合の変換方法の指定です. MIME を用いると,特 に1行の長さが長い場合に,問題が生じる場合があるので,選択しな い方がよいでしょう. MIMEヘッダ変換を選択しなかった場合でも表題 等に日本語を使った場合は,上記の漢字コード変換に指定して方法で, 変換が行われます. 複数の設定を使い分ける ---------------------- NewsWatcher-J を使用して終了すると,システムフォルダ内の初期設定フォル ダに,NewsWatcher-J Prefsというファイルが残りますが,これを,ニュースグ ループファイルと同じフォルダに入れます.別の設定で,ニュースグループファ イルを保存し,別のフォルダに置き,そのときの NewsWatcher-J Prefs ファイ ルをそのフォルダに入れます.複数のニュース・サーバを使い分ける場合や, 1 台のマックを複数の人で共有する場合に有効です ( ただしユーザ ID は決 して共有しないこと!). 日本語マニュアル ---------------- 下記に,最新版の NewsWatcher-J と,マニュアルの日本語版があります.とても よくできたマニュアルなので,ぜひ入手されることをお勧めします. ftp://ftp.taiiku.tsukuba.ac.jp:/pub/newswatcher/ --- end ---