-------- Eudora-J -------- Eudora-J は, POP3 というプロトコルを利用した電子メールプログラムであ る Eudora の日本語版です. POP プロトコルは,サーバ(サービスする側) とクライアント(サービスを受ける側)が明確に分かれていて,サーバに UNIX マシンを立てることによって,クライアントとなるパソコン側の仕組が簡単で 済むようになっています. インターネットでの電子メールでは漢字コードに,いわゆる JIS を使う必要が ありますが, Eudora-J は自動的に漢字変換をやってくれます. Eudora-J は 非常に多くの機能を持っていますが,ここでは必要最小限の設定だけを紹介す ることにします.最新版は Eudora-J1383 です. 基本設定 -------- 「操作」メニューの「設定変更...」ウィンドウにおいて,以下のように設定し ます. 注意(リムネット): ユーザ名 xxxx は PPP 接続用の Pxxxx ではありません. --- POPアカウント: [xxxx@mail.st.rim.or.jp ] 本当の名前: [Taro Rimu ] 接続機構: @ MacTCP SMTPサーバ: [mail.st.rim.or.jp ] 電子アドレス: [xxxx@st.rim.or.jp ] --- <メール受信の設定> Eudora でのメールの受信は,POP サーバを通じて行います. POPアカウント: これは,電子メールアドレスとは意味が異なります(サーバ側の設定によっては POP アカウントと電子メールアドレスが同じになることはありますが). xxxx@mail.st.rim.or.jp 最初の xxxx には,通常のユーザ名を書き, @ 記号以降には, POP サーバの ホスト名を書きます. 本当の名前: 半角アルファベットで,自分の名前を書きます.お遊びでミドルネームを入れ る場合は,例えば Kazushi "POP" Kimura のように, "" 記号で囲ったりしま す.アルファベット以外の記号は使わないようにしましょう.漢字は使えない ことはないのですが,相手のメール環境によっては,文字化けしてしまうこと があるからです(特に海外の場合は,ほとんど無理です). 接続機構: 今回の場合は MacTCP を選択します. <メール送信の設定> Eudora でのメールの送信は,直接,メールサーバ (SMTP サーバ)に対して行い ます.POP サーバは用いません(メールサーバと POP サーバが同じホストで動 いている場合はありますが). SMTPサーバ: メールサーバ( SMTP サーバ)のホスト名を書きます. あなたの電子アドレス: プロバイダーから指定された,電子メールアドレスを書きます. 新着チェック頻度: ダイアルアップ PPP 接続の場合は,オフライン( PPP 接続していない状態) でメールの読み書きを行う場合が多いと思われます.ブランク(なにも入力し ない)にしておけば,定期的な新着チェックは行わなわれません.ダイアルアッ プ接続した時点で,手動で新着チェックを行えばいいのです.新着チェック頻 度を入力すると,チェック時間が来ると自動的に MacPPP が起動してまいます. Phサーバ: ブランクで構いません.電子メールアドレスの問い合わせのためのサーバを指 定するところですが,本書では説明しません.ちなみに Ph サーバの代わりに finger サーバも指定可能です. 電話接続の利用者名: ブランクで構いません. <メールテキスト設定> ウィンドウ幅: ブランクで構いません. ウィンドウ行数: ブランクで構いません. 表示フォント,サイズ: 等幅フォントを指定したほうが本文が読みやすくなります. ASLFont+ の 9 point があれば,それが最適です. 印刷フォント,サイズ: 等幅フォントを指定したほうが本文が読みやすくなります.プリンタに合わせ て選択してださい. TEXT保存時の所属アプリケーション: デフォルトで TeachText ですが, YooEdit 等に変更したければ,ボタンをク リックして,ファイルダイアログボックスでアプリケーションを指定します. [ ] 添付書類の自動保存フォルダ: 相手からのメールに添付された書類を自動的に保存する場合は,ここをチェッ クして,フォルダを指定しておきます. 署名デフォルト: デフォルトの「標準署名」のままで結構です. 署名( signature )の設定 ------------------------- インターネットでは,電子メールの本文の最後に署名( signature )をつける 習慣があります.ただし必ずつけないといけないという決まりはありません. 単に名前を書いたものから,個性的な絵文字で飾ったものまで,いろいろあり ますが,あまり長い署名は,相手を不愉快にさせる場合があるので,注意しま しょう. 「操作」メニューの「署名編集」から「標準署名」を選択すると,署名を入力 できます.「 New... 」を選べば,標準以外の署名を用意しておくこともでき ます.日本語による署名と,海外向けの署名を使い分ける場合などに便利でしょ う. その他のオプション ------------------ 「操作」メニューの「スイッチ...」を選択すると,様々なオプション項目が表 示されます.各項目の ON/OFF の設定例を示し,主な項目については説明して おきましょう. 作成: X アイコンバー メールを書くウィンドウ上に,アイコンのスイッチを 表示します. ニックネームの連動 ワードラップ 本文を自動的に改行します.手動で改行する習慣がある 人は, OFF にしましょう. X 本文にタブ X 署名を自動追加 署名( signature )を自動的に本文に追加します. 'TEXT'もBinHex変換 即時送信 オフラインでメールを書くことが多い場合は, OFF に しておきます. X コピーを送信簿保存 自分の出したメールを送信簿に保存します.ここを OFF にした場合は,「常時Cc:に自分宛」を ON しないと, 自分の出したメールは,全く手元に残らないので注意. X 全関係者へ返事 返事を CC: (「写し」)の相手にも出します. 自分宛へも含める 返事の相手に,自分は含めません. X 常時Cc:に自分宛 写しを自分宛に出します.ヘッダは CC: me となります. 一度メールサーバに送られたメールが自分宛に届きます. X 常時引用元を表記 返事を出すとき,相手の本文を自動的に引用することが できますが,相手の名前等を引用元として表示します. 引用文に相手名 KIMURA> の様に,相手の名前を付加します. 相手名は次候補 送受信: X 進行状況の表示 X 新着チェック時に送信 新着チェック時に,未送信のメールがあれば,送信します. X パスワード保存 個人専用マックなら保存しておいていいでしょう. サーバーに手紙を残す UNIX シェルアカウントでもメールを読める環境にある 場合, ON にすれば両方でメールが読めます. 自動応答 長い手紙をスキップ 新着のお知らせ: X アラート表示 全てのお知らせを ON にすると,うるさく感じるので, 自分に合ったものだけに絞りましょう. サウンド メニューアイコン点滅 X 受信簿を自動的に開く(メール受信時) 新規保存: 段落の推定 表示中のメールを「新規保存...」で保存するとき, 本文のワードラップを推定して解除しようとします. X ヘッダ情報を含める メールの配送経路等もいっしょに保存します. メッセージ切り替え: 矢印キー 複数のメールを読むときの,メール間の移動方法を X コマンド+矢印キー 指定します. その他: X 全てのヘッダを表示 ウィンドウをズーム 削除を簡略化 書簡箱の超閉 X 終了時にゴミ箱掃除 X 簡単に開く X MIMEヘッダ変換 名前や題名( Subject )に MIME による漢字変換を 行います. Quoted-Printable Base64 encoding X インライン変換 日本語入力でインライン変換を可能にします. メールを書く ------------ 新規に電子メールを書くときは, Eudora-J を起動して,「メッセージ」メ ニューの「新規メッセージ」を選択します(ショートカットキーは command-R ).以下の作業はオフライン( PPP 接続していない状態)でも行えます.最 終的なメールの送信時だけ,回線をつなぎ, PPP 接続すればいいのです. --- To: taro@xxxxx.or.jp From: kimu@st.rim.or.jp (KIMURA "POP" Kazushi) Subject: hello! Cc: me Bcc: Attachiments: - - - - - - - - - こんにちは! --- To: に相手のメールアドレスを書きます. , 記号(カンマ)で区切り,複数の宛先を書くこともできます.受取人をあら かじめ登録しておけば,「編集」メニューの「受取人の挿入」から,宛先アド レスを選ぶことができます.受取人の登録は,受信したメール等から電子メー ルアドレスを選択した状態で,「操作」メニューの「受取人として追加」を選 択します. From: には,自分のメールアドレスが自動的に入ります. Subject: には題名を書きます.相手によってヘッダ部の漢字を扱えないので, その場合は半角アルファベットだけにします. Cc: には,カーボンコピーすなわち「写し」を送る相手を指定します.自分を 含めると, Cc: me と表示されます. Bcc: には,ブラインドカーボンコピーすなわち,無条件で写しを送る相手を指 定します. 本文について: 直接書いてもいいし,別のエディタから,カット&ペーストしてもかまいませ ん.「スイッチ」でワードラップを OFF にした場合は,全角35文字付近で, 手動で改行しましょう.署名は,メールを書いているときには表示されません が,送信時には自動的につけられます. メールの送受信 -------------- ダイアルアップ PPP 接続が成立した状態で, Eudora-J が起動していない場合 は起動し,「ファイル」メニューの「私書箱のチェック」を選択します(ショー トカットキーは command-M ).これにより,まず送信簿に未送信のメールがあ れば送信され(スイッチ設定で,新着チェック時に送信が ON の場合)次に, 私書箱,すなわち POP サーバに自分宛のメールがあれば,取ってきてくれます. メールを読む ------------ 新着メールが来ている場合,お知らせの設定しておけば(通常は「書簡箱」メ ニューの「受信簿」を選択して開く)受信メールの一覧が自動的に開きます. ここで,読みたいメールをダブルクリックしてウィンドウを開けば,相手から のメールのヘッダと本文を読むことができます. 返事(リプライ)を書く ---------------------- 相手のメールを開いている状態で,「メッセージ」メニューの「全関係者に返 事」を選択すると(ショートカットキーは command-R )を選択すると,返事 (リプライ)を書くことができます. To: や Subject: 等は,自動的に設定さ れますが,修正しても構いません.返事の出し方自体は,新規メールと変わり ません. POP サーバのロック現象 ---------------------- ある日,突然,以下のメッセージが出て,使えないようになったら, ---  パスワードが正しく入力されていません.  [-ERR Maildrop lock busy! Is another session active?] --- POP サーバにログインして,自分のユーザ名の所有になっている popper プロ セスを殺すか,メールスプールディレクトリ(例: /usr/spool/mail/) に存在 する,ファイルロック用ファイル .username.pop を消去し,ファイルロックを 解除します.プロバイダによっては,これらの作業をユーザが行えない場合が あるので,その場合はシステム管理者に連絡します. 複数の設定を使い分ける ---------------------- 複数の接続先があったり,1台のマックを複数のユーザで共有したい場合,次 の手順をとります. Eudora-J の本体のアイコンをダブルクリックして起動し,メール環境の設定を 行い動作確認後,終了すると,システムフォルダの中に「電子メールフォルダ」 が作られているはずです.このフォルダを取りだし,ハードディスク上の別の 位置,あるいは個人用フロッピに移動します.フォルダの名前は変更してもか まいません.この設定での Eudora-J の起動は,そのフォルダの中の「電子メー ル設定」をダブルクリックすればよいのです.電子メール設定のエイリアスを 作っておいて,デスクトップ上に並べて置いておけば,いっそう便利になるで しょう. 以上の手順を繰りかえせば,複数の設定を使い分けることができます. --- end ---