[最終更新:1998/06/06]

名水に関する諸注意と私的考察


[名水名水]は飲用可能を保証するものでは有りません!

  1. 名水の飲用
    日本百名水は飲めるか?
      環境庁選の日本百名水は、規模的にも歴史的にも大変素晴らしい名水の数々です。
    ですが、その選定条件の中に"飲用可能"の文字を見つけることは出来ません。
    むしろ"飲用を保証するものではない"旨のニュアンスの方が多いと思います。
    つまり飲用は自信の責任で行うべきであるとしているわけです。
    それが全面に出てこないのは、飲めるかどうか解らない名水を観光化するわけにも行かない、
    微妙な駆け引きに有るのかも知れません。
    
      決して、環境庁は観光化を目的に選定をしたわけではないと思いますが、近年の健康ブーム
    に乗っかった「百名水」の看板は、多くの観光客を引き寄せてくれます。
    これを、地元観光協会や自治体が武器にしない筈が有りません。
    「飲めません」などと書くわけには否が応でもいきません。
    
      では、飲めないのでしょうか?  「たぶん大丈夫」辺りが正解となるでしょう。
    環境庁による調査の中身を見たわけではないため、あくまで私的な想像でしか有りませんが、
    選定段階の水質検査では、何の汚染も無かった思います。
    皮肉にも「環境庁選定」あとが危険な香りがします。
    大挙押し寄せる観光客とそれらが持ち込むゴミ、排ガス、果てはペットのそそうなど。^^;
    名水を求めてやって来る私たちが、その名水を汚しているのかもしれません。
    
      とある、雄大な山すそに沸く名水が有ります。
    名水自体が一大観光地になっており、宅配による名水の販売サービスまで有るところです。
    数年前の水質検査で"大腸菌"検出され問題になりました。
    原因は、更に上流(かなり上流)の施設からの雑俳水が混入したものと云われています。
    それでも、現在も立派な百名水で、観光客も引き無しです。
    私にとっては大きな報道だったことを覚えていますが、他の方は見なかったのでしょうね。
    大腸菌は毎度確認される訳では無いようですが、原因とされる施設は現在も有ります。
    イメージも有るでしょうが、定期的な水質検査と結果報道。適切な誘導が必要だと思います。
    


    Kimiのページの名水は?大丈夫
      このサイトにおいて私の情報提供する"名水"に限って、そのまま飲めるかどうかは、
      ...
      残念ながらなんともお答えできません。
    ローカルな湧水を訪ねると、水質検査表が掲げて有るところがたまに有ります。
    ですが、先の「環境庁百名水」の例も有るように、検査表自体まさに飲もうとしている水に関して、
    保証するものでは無いと思います。
    個人が、個人で管理している井戸や生活水の場合、安全に管理することは可能だと思いますが、
    道端や、山奥にひっそりと沸く湧水の状態を誰が管理できるか疑問です。
    前述で偉そうに書いて置いて誠に恐縮ですが、「個人の責任い置いて飲んでください」^^;;
    見るからに危険な水(というより端から飲用目的でない水)には、その旨記載している心算です。
    


    Kimiは飲まないのか?
      私の場合、量の多い湧水は基本的に"飲みます" ^^;;
    中にはかなり度胸のいる湧水も有ったりします。
    いつ飲んでも少しお腹が変になる水も有ります。
    これも私自身の責任で飲んでいるつもりです。
    その際には、有る一定の私自身の基準として、以下のことを考えてます。
    
      1.ある程度の水量が有ること。
          水量がある程度有れば、たまに混入する危険な物は流れてしまいそうな気がします。^^;
          常時混入しているような所には、全く効果がないです。
    
      2.上流に施設が無いか確認する。
          私は地図を見るのがとても好きです。
          そこまでたどり着くための目的と同時に、湧水の上部に何か施設がないか確認も地図で行います。
          もし、道が有るなら行けるところまで行ってみて、黙視で状況を確認します。
          車道が湧水の上部に有るよな所も危険です。山道の脇に、不法投棄の山ってよく見かけますよね。
          ゴルフ場も危険です。有害な薬品の散布による汚染は、かなり怖いです。牧歌的な風景も嫌です。
          牛や羊がいたりしたら、やめときましょう。
    
      3.情報収集をする。
          手持ち名水リストが結構な量になってきました。(Web公開は少しですけど)
          この情報を元に、観光案内や、ガイドブックも大変参考になります。
          また、最近はインターネット上にも様々な名水の情報が有ります。
          本来ならば、この私のサイトで安全かどうかのご紹介が出来れば、こんなに嬉しいことは無いの
          ですが、多くの方々に曖昧な情報を提供する訳には行きませんし、水質検査をする術も
          財力(かなり高額)も当然無いです。
          また、地元の人たちのお話が聞ければ、かなり信用できると思います。水質検査表が有る場合は
          じっくりと見て、特に検査日には注意を払います。
          (お腹がちょっと変になる水場には5年前の検査表が付いてます ^^;;)
    
      4.誰かが飲んでいても信用しない。
          私がよく水汲みに行く道すがら、山道の頂上付近の湧水に皆さん群がって水を汲んでいる所が
          有ります。公的な看板も何も無く、木の枝に
    
           "この水を飲んで、不治の病が治った ありがたい水・・・"
    
          と書いて有る水場が有ります。心苦しくも、私のページでも紹介してます。(飲用不可と記載)
          その山は確かに昔から信仰のあるありがたい山には違いなく、Kimiも神社に参拝などで訪れる
          ことも多いです。(本来の御利益は縁結び ^^;) その湧水の状態は、
    
          @水量:爪の先ほど細い水量、1L汲むのに2分以上かかりそう。
          @上流:少し上の山奥に、もう廃墟になった釣り堀(人工池)がある(水源かも)
          @水場:少し離れた所は不法投棄の山です。新聞とかにも載りました。流れて来る先を見ると、
                  山の斜面をちょろちょろと流れているだけ水落ちる石の孔はホース引水されています。
    
          取材に行くと、お先にどうぞとよく進められます。
          皆さんの手前、チェック用の最小のボトルに詰めて、場所を離れてから捨てさせていただきます。
          もっと良いところが周辺に有るので教えてあげたいのですが、ありがたい詠み人知らずの張り紙に
          効果は無いかも知れません。過去を振り返って不安にしてはいけないので、黙ってしまいます。
          ほとんどの方が炊飯に使うとのことですので、生水でなければ余程大丈夫だと思います。
          決して生水でがぶ飲みしないことを願ってやみません。
    
      5.水源を考える。
          山の湧水が好きです。長い年月をかけて地中のミネラル分を適度に含んで、地表に沸いてくる湧水
          がたまらなく好きです。これまた、たまに見に行く賑やかな水場が有ります。
          峠のほとんど山頂付近で、渇水期には何処にも水が有りません。
          梅雨どきには相当の水量が有ります。切り取られた山肌の湧水の上は10mと登ると山頂です。
          ここも、紹介していますが、飲んだことは有りません。
    
    
    上記の方法は、私が私の責任で考えている湧水との接し方です。これを考慮したからと行って、
    飲める飲めないの判断をすることは大変危険です。どんなに有名な湧水でも、煮沸してから飲むくらいの
    ことが大事だと思います。
    決して私の方法で確認して大丈夫としないでください。
    私も基本的には煮沸(と云うより生水でなく、珈琲に使って飲む)飲用が基本です。
    


  2. 名水を汲む
    名水は誰の物
    名水は、みんなの物でしょうか?
    私はそう思いません。自然のもので、私たちはほんのちょっと頂いているだけです。湧水の源は雨水です。
    雨水が長い年月をかけて地中を流れ、所々にわき出ています。
    英知の人間は、このうち10〜20%程をなんらかの形で利用させていただいてます。
    湧き出た水のほんの少しは旅人や、趣味で飲まれ、また流れとなって下流の自然や人間を潤してくれます。
    水場はまた、そこから始まる水の流れの水源にもなる訳です。
    大きな山の山腹で自分が汚した水を、また山麓の湧水地で飲んでいるのかも知れません。
    すべての水源の源になる雨は、人間の環境汚染の賜物で汚れています。
    それを途方もない時間をかけて浄化してくれる自然に対して水の所有権を主張する気にはとてもなれません。
    


    名水ブームと環境問題
    日本人は流行り物が大好きです。健康ブームやゴミ問題。相反する要求を自ら出したりします。
    難しい生き物です。自然が育んだ素晴らしい水を手にしたとき、汚してみたくなるものなのかも知れません。
    最近の取材では写真を良く取るようになりました。構図を構えると足元にフィルムの空箱が有ったりします。
    220のブローニ判、いわゆる中判カメラのフィルムだったりします。
    とても私などに常備出来る価格帯ではないフィルムの場合が多いです。
    私にとって中判カメラの人は上級者扱いですが、これではプロ(精神的にも)にはなれません。
    プロは、被写体にも精通している人々だと私は規定します。
    水を汲む人々も同じかもしれません。持ち帰るポリタンクの中身は確かに名水かも知れませんが、
    ただの"綺麗な水"を持って帰っているだけかもしれません。
    一心不乱にポリタンクを台車で引いて我先に水場を争う。中には喧嘩腰の人たちも、多いです。
    健康的なミネラルはポリタンクに積んで帰ることが出来るかも知れませんが、精神的なビタミンは、
    みんな置いて帰ってしまうようです。
    私の場合、誰かが水場にいるときには、そっと見ています。時間がないときにはそのまま帰ってしまう
    ことも多いです。運よく、水場が開いたときはとりあえず1L程汲んで、珈琲を沸かして飲んでます。
    のんびり、名水と人間の関係なんか考えながら、ブナ林とか、神社をお参りしてきます。
    


    名水と山道と4WD
    実は私はラリーストでも有りました。
    山の中の林道を自分の限界まで攻めたてて砂ぼこりを巻き上げて走ってました。
    今乗っている車も4WDです。条件としては全て揃ってますね。
    少しは自信もありますので、多少の山道くらいなら行けてしまいます。
    ウインチは付いていませんが、ウインチワークは結構得意だったりします。
    でも、進入禁止の文字には弱いのです。駐車場の看板も好きです。そこから歩くのも好きです。
    散々歩いて頂く湧水はこの上も無く美味しいものですよね。
    排ガスの中でヂーゼル音聞きながら飲む"水"は遠慮したいです。
    車はとても便利です。とうてい歩いては到達できない距離をあっと言う間に短縮してくれます。
    道具としての車は私も大歓迎ですが趣味としての車は自分の領域でだけ楽しむこととしてます。
    便利さと不便さとのバランスを大事にしたいと考えてます。
    でも、今でも時折林道を走っているのも事実です。傍らに湧水も全然無いとは云えません。
    そう考えると偉そうなことを云えた義理ではない人間で有ることには違いなしで、利己主義で自分の中で
    勝手に屁理屈をこねて正当化しているだけかも知れません。
    


  3.  
    



[Kimi's Home] [日本の名選] [日本の名水]