【尚仁沢湧水】
【所在地】栃木県塩谷郡塩谷町上寺島
【最新取材日】1997年6月29日 曇り時々雨

【概要】  尚仁沢は塩谷町と矢板市の境にある. この湧水は流れを集めて東荒川ダムに注ぎ、 那珂川の支流、荒川として栃木、茨城の二県を流れ太平洋へと注ぐ. 環境庁選百名選の名高と、TV報道などの影響か、近年では訪れる人々が増えすぎ、 かつての県道脇の水汲み場は近くのダム展望台駐車場に移動した. 当時は、マナーを守らない人々のおかげでトラブルが絶えなかったようだが、現在は、 時間こそ覚悟しなければならないが安心して水を頂戴できるよう配慮されている.  本来の湧水地は旧水場の駐車場から徒歩で遊歩道を登り、約30分の行程を歩かなけ ればならないが、天然の自然の遊歩道はすばらしく、是非とも本来の湧水地を見ていた だきたいと思う.  くれぐれも、ゴミは持ち帰るなど、配慮をして入山していただくことは云うまでも無 く、自然を愛する心のない方は、入山の資格は無い.
【水場】  塩谷町玉生から県道をしばらく登ると尚仁沢に入る.沢の橋をわたると看板とトイレ を配した駐車が有るので、迷うことは無い.かつてはこの駐車場の脇の遊歩道入り口に 水場が有ったが、現在は更に進んだところのダム展望所に移っている. 私が訪れたときは、台風が九州に上陸している最中のため、時に雨を伴う寒い日だった が、駐車場には、家族連れやどこかの通帰りの車が数台.中には1box車一杯に数十 のポリタンクを永遠汲んでいる人もあった.ここの水は、上流の渓谷沿いから引いてい るらしく、遊歩道には、配水管地下埋設の痕跡が真新しく残っていた.  並ぶ時間がもったいなく、またせっかくと思い本来の湧水地まで、ハイキングを試み る、小雨の中ペットボトルだけをザックに詰めて遊歩道を昇る.多少の雨は覚悟. 遊歩道は、しばらくすると貯水ダムに到着し本格的な山道に入って行く.ダムサイドに は屋根付きベンチが有、既に水を汲み終わったらしいグループが小休止していた. 山道への取り付きは少々わかりにくく、管理所手前で入るところを、一度過ぎる. 最初は急な坂を一寸だけ登りつり橋を渡れば後は渓流伝いに整備の届いた道を歩く. 途中数人のアマチュア写真家グループがそれぞれ構図を取っていた. 駐車場から30分ほどで湧水地に到着する.先客がひとり、先の写真家たちを含めて、 他にすれ違う者は無く、管理水場とは大きな違いである.おいしい水は自分の足で汲み に行く姿勢が好きなので、私にとっては好都合だった.  水は、大きな組石を動かさんとするほどの勢いで水中から岩の透き間からわき出てい る、手を入れると痛いほど冷たく、ボトルに詰め込む間さえも堪えられないほどの水温 である. 写真家で何冊も湧水に関する書籍を残している南氏曰く、”水の生まれる谷”まさにそ の形容を実感させていただいた百名水でした.次回は、大型のタンク持参で来る覚悟を 決めた旅でした

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