近頃のTVやVideoの吹替えってちょっと面白くないと思いませんか? 演じている役は同じような設定だったり映画の大雑把な種類が似ていたら、主演の役者さんは違っても吹替えの声は同じ。確かに予算やその映画のいろいろな要素で同じ俳優・女優さんをいつも同じ吹替えの声にできないのもわかります。 でも、やはり昔のように、Clint Eastwoodは故山田康雄氏、Sean Conneryは若山源蔵氏と。主演級の俳優・女優さんは決まった声がいいと思っている。吹替えなどしないでよくできた字幕を見ながらその役者さんの声で聞くのが一番だが、吹替えがあったほうがより近い台詞の言い回しを聞けたり、映像に集中できたりといいこともたくさんある。(時にこの吹替えのキャスティング最低と思うと、台無しになることもあるが) このページは、この人の声はこの人がいいというのを書き連ねていこうと思う。当たり前だが、これは筆者の独断である。その上、TVでの洋画もなかなか見ないため、主にVideo/DVDの吹替えを主としていることをお断りしておく。 |
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Pierce Brosnan五代目James Bondとして007シリーズはすでに三本出演し、実にBondらしいとの評もよく目にする。個人的にはもっと若い頃に、タバコのCMでBondにありそうなシチュエーションでアクションをするものに出ていた頃のほうが(若すぎるというのにも賛成だが)雰囲気は良かった。しかし、彼のSean ConneryとRoger Moorを足して二で割ったようなBondは好きである。 さて彼の声はというと、実際の声と似ているとはいえないが神谷明氏が一番イメージに近い。 Brosnanの代表作の一つといえるTVドラマシリーズ、"Lemington Steel"での彼の吹替えは、最初の2、3クール分は神谷明氏。残りが関俊彦氏であった。 この"Lemington Steel"は、Brosnan氏が演じる謎だらけの二枚目が、ふと重なった偶然で女主人公の率いる探偵事務所の表に出てこない探偵に成りすましたことで、そのまま探偵をつづけることになる。というような話である。 この役、実にBrosnan氏に合っており、またこれを吹替えた神谷明氏の声(と演技)がぴったりだったのである。日本語はあの明るい二枚目声(もちろん年相応の渋みも滲んだ)で話していただきたい。 Brosnan氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
大塚明夫氏の声は、この役柄からはぴったりなのだがBrosnan氏にはちょっとしっくりこない。(この映画ではBrosnan氏も髭などたくわえて癖ある男に見せている)冨山敬氏、森功至氏はあまり違和感はない。しかし、やはり神谷明氏が一番あうのである。 |
Keanu Reeves"the MATRIX"で返り咲いたKeanu Reeves氏。それまでの代表作といわれると"SPEED"とか、もっと古いと"My Own Private Idaho"になるのだろうか。 あまりPrivateなことは話さないらしい彼には、ナイーブで軟弱なイメージがある。 さて、彼の声はというと、宮本充氏がお気に入りである。 代表作の"SPEED"。DVD/Videoでの吹替えは山寺宏一氏がやっている。2000年年明けにTVで放映した"SPEED"は宮本充氏だった。奇しくも聞き比べてしまったのだが、軟弱さというかナイーブさ加減が宮本氏の方がしっくりきた。タフでマッチョな役なのに、なのである。 Reeves氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
今のところ山寺氏か宮本氏が彼の声となるようだ。 |
Harrison FordStar Wars "New Hope"でハリウッドスターの仲間入りをしたFord氏。そして、"Raiders"、"Blade Runner"でその地位を不動のものにした。だが、類似にこだわることなく、現在まで様々なタイプの役をこなす渋い俳優である。 一時期、TVでのロードショーでStar Warsが吹替えをいろいろ変えて放映されていたが、全体としていい 吹替えはなかったと記憶している。Han Solo/Ford氏の声として、最低と記憶しているのは松崎しげる氏。大きな傾向としてのHan Soloの役柄には、まあ合っているとはいえると思ったが。(あの頃は、吹き替える俳優の名前で視聴者を引きつけようとするのが多かった) さて、Star Wars "New Hope"は日本での 劇場公開時にLucas監修で日本語吹替え版が公開された記憶がある。無論、これは字幕の追えない子供にも楽しんで欲しいということだと思う。残念ながらこれは未見であるが、吹替えの配役はチェックをしていた。というのも、Lucasが吹替えの声の選考に加わっていると聞いたからである。この時の声は村井国夫氏だった。 その後、他の方が吹替えたのも聞いているが、彼の声はというと村井国夫氏がやはりいいと思っている。 他は磯部勉氏が多いように思っている。後、"Six Days Seven Nights"は羽佐間道夫氏の吹替えでみた。羽佐間氏は(役の少しすれたおじさんというあたりで)上手いんだけどというのが見た後の感想だった。 Ford氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
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Clint Eastwood最近は監督業でも評価の高いEastwood氏。この人の声といえばもう故山田康夫氏をおいてない。そもそも、Eastwood氏が日本語をはなしている時は山田氏の声と擦り込まれている人も多いのではと思う。 ではなぜ、認知も高い吹替えの声を持つEastwood氏を取り上げるかというと、Eastwood氏は健在ながらも山田氏は亡くなってしまったからである。 未見(未聴)ではあるが、「マディソン郡の橋」や"True Crime"など吹替えされたDVDが発売されている。そして、これらは当たり前だが他の方が吹替えているのである。 そして、取り上げようと思ったきっかけは"True Crime"の吹替えを小林清志氏がされているのを見たためだ。その瞬間、ふっと浮んだ声はカバーのEastwood氏の写真とあまり違和感なく重なったのである。 まだまだ元気なEastwood氏はこの先も映画を作り出演されるだろうし、それがこういう日本語吹替えと言う形をとって日本に紹介されていくとき、誰の声で喋るのかを興味を持っていきたいと思う。また、生前、山田康夫氏が吹き替えた日本語版もTV放映だけでなく、販売されることを望みたい。 Eastwood氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
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Eddie Murphyマシンガンのようにまくしたてる喋りをするコメディアンMurphy氏。最近の出演映画は、BigHitにはなっていないようだが、SFXを使った楽しい映画に出演されているようである。 氏の主演映画は良くTV放映されているが、中でも多いのが「ビバリーヒルズコップ」だと思われる。実際、リストにも上げたように記憶では三人の違った声で聞いている覚えがある。下条氏、富山氏、山寺氏の声はどれも甲乙つけがたい声で、結局は、日本語版の脚本のできとそれをアドリブをいれて(?)演じる三方の演技の違いの好みでしかない。 ということで、すっかりなじんでしまったのは数の多い山寺氏である。 氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
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Sherlock Holmes実在の俳優ではないが、誰もがよく知る英国ミステリィが誇る名探偵の一人。幾度かTV映画化、日本ではアニメ化もされ、近年はジェレミー・ブレッド氏主演のTVシリーズが有名である。 アニメーションであれば宮崎駿氏のホームズを思い浮かべる方もいらっしゃるでしょう。 さて、どのホームズ氏が貴方のなじみのある声でしょうか
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Alain Delon最近はすっかり渋いおじさんになってしまったAlain Delon。代表作の一つである「太陽がいっぱい」のリメイクも作られ、古い作品もDVDで販売されている。 このフランスの二枚目スターの声は、おなじみ野沢那智氏。すっかりなじんでしまい他の声は思いつかない。 Delon氏と野沢那智氏の組み合わせにすっかりはまったのは、Delon氏の50本目の主演作"ZORRO"。硬派と軟弱が交互に現れるこの作品、野沢那智氏の名演技もあってお気に入りの一本となった。個人的には、最近撮られたものよりcheapに見えるが内容もアクションも良いと思っている。 他の作品も含め吹替えの取り直しはせず、このまま野沢氏の声で残して欲しいものである
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成龍 / Jacky ChanUSA進出後は、アクションだけでなく演技にも力をいれているJacky氏。しかし、Jackyといえばやはりカンフーアクション映画が印象的だ。それもポリシーある作り方をしているだけにどれも子供まで楽しめる。 氏の最初のブームといえば、「酔拳」などの少し昔を舞台にしたカンフー映画。吹替えの石丸博也氏の好演もあってどれも魅力に溢れている。 最近の映画の吹替えもいくつかは石丸氏だったのは確認しているので、このまま氏が続けられることを望んでいる。 氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
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劉華徳 / Andy Lau最近のアジア映画ブームあってか、以前より香港映画の劇場公開も多い。香港・中華圏では絶大な人気を誇る四天王の一人Andy Lau氏。共演に常磐貴子を招いた彼の記念すべき百本目の主演映画"阿虎 / A Fighter's Blues"も見ごたえのあるものだ。 このブームもあってかDVDも吹替え付きで発売されるようになった。 Lau氏が主演しているものも新旧取り混ぜて発売されているが、面白いなと思ったのは、石丸博也氏が吹替えていた少し古い映画"God Gambler 2"。石丸氏といえばJacky Chenの声と刷り込まれていただけに、軽いショックだった。 氏が出ている日本語吹き替えのリストは以下である。
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