『 ニ連ハシゴ式ルーフタワー 』 製作記

動機

当局は1979年の台風23号で15mの自立タワーの倒壊を経験しました。 その後16年のQRTを経て、無線の虫がうずき出し、 1995年に近所の目を気にしながらも ようやくクリエイトのルーフタワーCR45を建てる事に成功(hi)し、現在までDXを楽しんでいます。 しかし、その後時代の流れで、隣りに5階建てのマンションが建ち、ルーフタワーでは2m弱高さが足らず、EUからNAまでの全般がマスクされてしまいました。Condxの良い時期にはなんとかなってましたが 最近では皆さんQSOされてる信号さえも確認出来ない事が多くなりました。
 その間クリエートやDXタワーへ エレーベーション式ルーフタワーの製品化をメールでお願いしてきましたが、色良い返事が頂けませんでした。

ある日 屋根のトヨにゴミがつまったらしく 雨水があふれ出しました。 愛するXYLに頼まれ、ゴミの除去作業を私がする事になり、大工センターで二連ハシゴを購入しました。 スルスルと伸ばし 作業は無事終了
・・・。 「ん、このハシゴにアンテナ付けたらどうなる・・・。」 ハシゴを眺めていると、色々とアイディアが浮かんできました。


目的

1、台風など強風時には アンテナを下げられる事。
  (今迄は台風など強風時には事前にタワーに登りアンテナを降ろしていた。)
  
2、無風時や、3Y0Xなどの勝負時に アンテナを高くできる事。
  (隣りの5F建てのマンションの影響で カリブが全く駄目!!)


製作


用意した物    二連ハシゴ    CD70 4m     アルインコ社
           ローター台    TN30 2個     ロケット 
           手動ウインチ   Max 900Kg   ヤフーオークション

           金物        色々          大工センター

二連ハシゴとローター台

二連ハシゴ アルインコ社製のCD70
上下するハシゴ部分が中に納まっていて、重心
が取りやすい。

ローター台 TN30を取り付けた状態






ハシゴ引き受け状況


CR45は足元がスカート型で ハシゴを垂直に立て
られないので 上部、中部、二ヶ所にハシゴ受けを
作る。

材料は大工センターで購入。






ハシゴとCR45の固定状況


いよいよハシゴをCR45に固定する。

ハシゴの自重を屋根で受ける為に、木製の台を
作る。

ハシゴの重みをCR45で抱きかかえる構造にする
と重心が不安定になるので危険。 あくまでもハシゴ
の重みは屋根で受けるようにする。









ハシゴとCR45の詳細部分

二連ハシゴから 上、中、下、合計3ヶ所 デベワイヤー
とターンバックルで固定した。

デベワイヤーの磨耗を避ける為に ゴムのあて物をする。

さらに安全の為、12番なまし鉄線で数ヶ所固定した。






瓦屋根とハシゴ受け台の様子


瓦屋根を保護する為に 屋根との間に緩衝材(エラス
タイト)を置き、その上に厚めの板を敷く。
その上に ハシゴ受け台を置く。







手動ウインチの取り付け状況

ヤフーオークションで手動ウインチの掘り出し物の情報
をいただき、手に入れる。¥3,800.だった。

大工センターで購入した穴あきL型鋼と Uボルトで
ブレないようにしっかりと取り付ける。

ハシゴ受け台に8mmのタッピングねじを3ヶ所で固定。 
(タッピングねじとは 木ねじのオバケみたいなもの)




ウインチはあくまでもハシゴに固定する。CR45に取り
付けると重心のバランスが崩れるので危険。

引っ張り用ワイヤーはハシゴに付いていた ロープを
取り去って その滑車を利用している。







マストとブームの取り付け状況


ブームとアンテナマストは 架設用の単管クランプを使用
して固定する。

マストに直交クランプを2個使用し、強度を増している。

上の3個のクランプを開け閉めし、アンテナを簡単に取り
付けたり、離したりできる。

アンテナは、マスト上部の滑車を利用して上げ降ろしをする。


ハシゴタワーを下げた状態               ハシゴタワーを上げた状態

この状態で 台風や強風時を過ごす。
重心が十分下がっているし、アンテナの
上部(CR45のトップ)からステーも取れ
ているので大丈夫だろう。 これで、台風
の度に タワーに登りアンテナを外して降
ろす必要が無くなった。
なんたって安全第一・・・。


ハシゴを4段上げた状態です。 手動ウインチで楽々作業
でした。 あと2段上がりますが、欲張ると大怪我のもと。
通常はこの高さでやります。 カリブのチャンスが
あったら上げますhi。

WARCのアンテナどうしよう・・・。



考察

私の場合は高さと 低さを同時に求めましたが、 台風や強風時に簡単に降ろすことだけを目的とした場合は 今の状態で アンテナを求める低さに変更するだけで簡単に実現できます。 私同様、ルーフタワーを使用していて 台風や強風時に恐怖感を持たれてる局にはこの二連式ハシゴタワーは お薦めの方法だと思います。

1月8日から始めた二連ハシゴルーフタワーの製作も ようやく本日(2月5日)完成しました。 頭の中で考えたものを実現する事は大変な事でした。 現状に合わした方法を屋根の上で考え、大工センターに駈け付けて色々物色した事も数回ありましたhi。

大工センターで簡単に手に入るものを使用し、極力加工する事なく完成する事を目指しましたが、それが実現できて満足です。

実際 以前より 2m弱 高さを増す事が出来、その成果がDXにプラスになれば幸いですが、 たとえなくとも 台風や強風時にはルーフタワーによじ登って怖い思いをする事も無く アンテナを降ろす事ができるだけでも 私にとっては価値のあるものです。

工事に際し、励ましていただいた皆さん ありがとうございました。 貴重な助言をくださった JA1WSK勝見OM、 また 陣中見舞で励ましに来ていただいた JR1NHD田中OM    ありがとうございました。 


2006年 2月5日 (日) 3Y0X直前



注意事項

(1) ハシゴを伸ばした状態で 2/3 はハシゴの中に残しておく事。 直ぐ降ろ
    す条件でも1/2でしょう。 

(2) 木造住宅の場合、強力なステーは期待出来ないので 私の場合が限界か
    も知れません。 とに角、安全第一が無線を楽しむ必要条件と心得よ。

(3) 重心は出来るだけ低く、低くする。

(4) ハシゴの自重は直接屋根で受けるようにする。

(5) 手動ウインチはハシゴに取り付けて、CR45には取り付けない。